ルールは破るもの? | 林知之


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以前、夜の公園でカップルのイチャイチャをのぞき見るグループがありました。
みな真剣で、当番の人が昼間のうちに公園を掃除する、見ているのがバレてはいけない、男がヘタだったら手伝ってもいい、等々、紳士的(?)かつ厳しい決め事があり、今思うにビミョーですが、ルール遵守の姿勢は最高点でした。

グズグズした値動きが続いた2015年でしたが、ようやく“株らしい”動きがみられるようになったと感じています。まあ、相場がどうであれ、過去を振り返って反省する事柄は、誰にでもたくさんあるでしょう。

私が気をつけているのは、結果論に傾かないことです。
「もう少しねばって値幅を取れたのでは……」「あそこは投げずにガマンできたかも……」といったことが、今後の適切な指針になるか、絵空事を追い求める姿勢につながるかは紙一重、というか、判別が難しいのが相場だと思うからです。

大きく動いた銘柄については通常、「値幅の半分取れたら名人級」だと考えていますが、500円幅動いて取れたのが250円幅……見事な利食いなのに損した気分になるのは、どうしてでしょう。実に面白いものです。

よく使う例ですが……1,000円の銘柄が1,500円になったら、5割の上昇ですから、“ひと相場”といえます。まるまる500円幅は取れない、でも「安値から1割上」で買い、「高値から1割下」で売るくらいなら、ギリギリで実現可能かもしれないと、計算してみると、

 安値から1割上=1,100円(買い値)
 高値から1割下=1,350円(売り値)

なんと、取れるのは250円幅、変動した分のちょうど半分です。おや?

直近のように、あれよあれよという間に上がると、なかなかついていけません。
つい、イライラ、ジリジリとした気分になり、金科玉条としていたはずの自分ルールを曲げて「えいやっ」と何かやってしまう。“相場あるある”ですが、もうルールも何もない、なんでもありの乱れた行動につながりかねません。

ただし、御法度のルール破りではなく、前向きなルール変更かもしれないので、これまた悩むわけです。

組織のルールは、多数の人が議論して決め、お互いにチェックする機能も備わるので、ある意味、合理的ですが、合議制の弱点を感じることも多いでしょう。
その点、非合法な活動、世間に認められていない活動は、「とにかく存続する」ことに注力する結果、ルールのあり方やルール運用が極めて合理的な気がします。

空き巣の狙いは、大きな金額ではなく、見つからずに確実なシゴトを果たすことだそう。決して、心地よく想像できる分野ではありませんが、単独で進めざるを得ない相場というシゴトには、良きお手本かもしれません。

oku


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