何が「森」で何が「木」なの?

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「木を見て森を見ず」という言葉があります。
細部にばかり目を向けて全体の流れが見えていない、ということです。
でも、「森を見て木を見ず」という反対の言葉もあるので、いったいどうしたらいいのか悩んでしまいます。

相場の業界紙でも、安易に使われることが多いようですが、そもそも、何が木で何が森なのかが問題なのです。
例えですから、「枝」や「葉」だって登場しかねません。

トレードでは、例えば個々のポジションの損益を気にしすぎて資金全体の流れに目が向いていないのが「森を見ず」で、逆に、全体はスムーズなのに個々の売り買いで少しずつロスがあるのが「木を見ず」といったことでしょう。

私が重要だと思うもののひとつはチャートのヨコ軸、つまり「日柄」です。
誰もがタテ軸の「価格」には敏感なのに、「時間」を無視しがちだからです。

想定しているポジション保有期間が3カ月だとします。
でも3カ月なんて、ちょっとモタモタすれば、あっという間に過ぎてしまいます。
すでに“時間切れ”のはずなのに引かされた玉を大切に抱え、日々見ているのは自分が持ってもいない銘柄の日替わり的な値動きだったりします。
こういうズレは誰にでもあるはずですし、いわばトレードの永遠のテーマです。

林投資研究所が主宰する低位株投資研究会「FAI(エフエーアイ)クラブ」では、“少なくとも倍化”を基準に買い銘柄を選定し、『研究部会報』に掲載しています。
毎月メンバーが集まる例会は、3.11の翌日のみ臨時で中止した以外、1984年の発足以来、欠かさずに開き、大判の月足チャートを広げて討論しているのです。

状況によっては、たった1本の陽線で買い選定することもありますが、FAI投資法のルール1には「4~5年下げ、三段下げ完了の銘柄を買う」とあるので、これが大前提です。市況に敏感な業種ではV字型の底をみせることもありますが、多くの銘柄は数年かけて、いわゆるナベ底を形成します。

直近では、2013年に安値圏から水準を上げた銘柄が数多いのですが、その後の動きが実にマチマチで、安値から放れて以降3年が経過している状態をどのように認識すべきかと、しばしばFAIクラブ例会で議論となります。

こんな例会の議論を『研究部会報』にも掲載し、私個人の見解が強く入りますが、わかりやすく解説しています。予測情報を売るのではなく、ひとつの流儀を理解してトレード技術を高めてもらう──林投資研究所が大切にしていることです。


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トレードで追求すべきもの

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都内の電車が次々と相互乗り入れして便利になりましたが、表示を見ているはずなのに乗り間違えたりします。でも間違えを重ねるうちに、ちゃんと乗ることを求めなくなってきたので、それはそれでいいような気がしてきました(笑)。

アメリカの心理学者マズローの「欲求段階説」というのがあります。
人間も生き物ですから、まずは食べる、寝るといった生理的欲求を満たそうとします。次は健康や経済的安定などの安全欲求、それが満たされたらこんどは社会とのつながりなど社会的欲求や愛の欲求と、段階的により高次の階層に進むという説明です。

よく考えたら当たり前のことのような気もするのですが、こうして明確に定義するのが学問というものなのでしょう。

トレードにも、さまざまな欲求があります。

プロほど「生き残れ」とか「タネ銭をなくすな」といった、いわば低次の欲求が大切だと強調します。一方で、日々の値動きを見ながら「値動きを当てよう」とする、理想を追うような試みにもエネルギーを注ぎます。

結局、どこに重点を置こうかと考えながら、落ち着く場所がないままに迷走するのがトレーダーのシゴトなのかもしれません。

電車を利用する際、「この時間帯は、2両目に乗ると途中の駅で大勢降りるから座れる」など、細かい観察と工夫があります。トレードに当てはめると、タイミングのわずかな違いで値幅を有利にする試み、というところでしょうか。

こういったことも大切ですが、そればかりを気にしていたために、トレンドを捉え損ない、逆行するポジションをつくってしまうこともあります。「安く買えた」と満足していたら下げ相場の中段だった、ってやつです。
電車でいえば、タイミング良く空いている車両に乗ったと思ったら、目当ての駅に止まらない急行だったり、逆方向の電車だったり……。

でも、多くの場合は乗り間違えなどありません。
だから、どの車両に乗るかといった細かいことを工夫しようと努めるのです。
こういう日常の当たり前をトレードに投影した場合、当然のように、わずかなタイミングに気を配ります。ところが、「逆方向の電車に乗るくらい当たり前だ」との感覚をトレードに持ち込むと、「混んでいる車両だろうが、うるさい学生がいようが、そんなことはどうでもいい。足がドアに挟まっていたり、となりのオッサンに踏まれていてもいい。とにかく、正しい方向の電車に乗りさえすればオーケーだ」というくらいの姿勢で、トレードにも臨むでしょう。

トレーダーの欲求はズバリ儲けることですが、プロセスについての欲求を高めるか低くするか、どこにポイントを置くかなど、ふと思い出したときに、ぜひ考えてみるべきテーマだと思うのです。


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3月7日放送のフォローアップ(2)
林 知之

ブラックボックスを避けろ!


トレードでは、計算だけで片づかない問題があります。「机上の計算と現実のギャップを知る」ことが重要です。マーケット・スクランブル3月7日の放送は、「こうして儲けろ! 中源線トレードのツボ」というタイトルで、中源線の利用方法を取り上げながらも、トレード全般の注意点を挙げてお送りしました。
そのフォローアップ(2)です。

映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第80回 こうして儲けろ! 中源線トレードのツボ


私は、トレードの「落とし穴」をたくさん知っています。
相場の業界にいるので、自らもトレードに携わるかたわら、投資家と接する機会が豊富にあるからです。

知っていても、ついはまってしまう……それが「落とし穴」なのです。
したがって、エラそうに語っている私も、トレードを始めたばかりの人も、同じように気をつけなければならない、この先もずっと注意し続けなければならないことです。

「落とし穴」の最たるもののひとつが、つい結果だけを見てしまうことです。
儲かった、損した、次はプラスになるのか……切実な問題です。重要です。とはいえ相場のことですから、偶然の要素が多分にあります。1回ごとの結果ではなく、将来的にも継続することを考え、その手法における判断基準そのものを観察するよう強く意識しなければならないのです。

トレードには損益という生々しい現実がありますが、実は行動を起こすのがカンタンなのです。株式市場は公設の金融マーケットですから、誰でも参加することができます。でも、カンタンすぎる部分もあるのです。資金さえあれば、体力も特別な知識も問われず、すぐにポジションを取ることができるのです。

強烈な結果が待っているのに参加がカンタン──この構造によって、売り買いのプロセスという大切な部分に目が向かないケースが考えられます。他人の予測、雑誌などのオススメ銘柄、なんとなく思いついたポジションの取り方、値動きが話題になって参加したいと感じた銘柄、等々、「なぜ買うのか」「なぜカラ売りするのか」をすっ飛ばした状態で「儲かる」「損する」の結果だけに集中してしまうことが多いのです。

「守破離」(しゅはり)という言葉があります。
日本古来の、武道や茶道で使われている言葉です。
どの分野でも、師匠からの教えを守りながら技術を習得して自立していきます。この道筋における、師弟関係のあり方や技術習得の過程を表現しているそうです。

すなわち、「守」は師匠の教えを忠実に守ること、「破」は徐々に独自の路線を歩み始めること、そして「離」は自立する、つまり師匠の教えをもとに完全に自分のスタイルを確立して自立することです。

ところが、私たちの日常では「守」がないがしろにされがちです。「守」にかける時間が短すぎるケースが多いのです。オトナだから知識や経験があるのですが、それを忘れて師匠の教えを忠実に守ってみる、自分を「型」にはめてみる、その道が何を説こうとしているかを見極める──そういう姿勢をもっと大切にするべきです。

例えば、既成のトレードシステムを購入して実際にトレードする──。中途半端な知識や経験で自前のシステム構築に臨むより、ずっと現実的な選択です。しかし、私がいつも主張しているように、「中身のわからないシステム」なんて使ってはいけません! 目指すのは「破」であり「離」なのに、肝心の「守」を実行することができないからです。

トレード手法の守破離

完全なブラックボックスで、なぜ買いなのか、なぜ売りなのか、なぜ損切りなのか、なぜ損切りしないのか……こういったことが見えない状態では、単に資金が増減するだけで、経験にもならなければ技術を身につけることにもつながりません。

いや、ただ結果に一喜一憂する経験が生まれてしまい、常に他人の情報に頼る技術が身につくことになるのでしょう。

林投資研究所では、「相場技術の習得」に強くこだわって情報発信を行っています。
トレードシステムの一種である中源線建玉法はロジックを完全にオープンにしていますし、現実の使い方など深い部分についても、セミナー学習DVDで説明しています。
正しい「守」を提供し、利用者が「破」、そして「離」に向かう“正しい”道を整えていると自負しています。

中源線建玉法に関する情報として、まずはルールを覚えること、同時にルールの意味をガッツリと理解することです。これに関しては、セミナーの定期開催と無料相談で完全にカバーしています。さらに、セミナーを忠実に再現するために撮り下ろした学習DVDもあります。

また、実践において中源線をより深く考えるために、未来指向の「中源線シグナル配信」をスタートさせました。ロジックを公開することでブラックボックス的な使い方を排除し、中源線の特徴やトレードのあり方などを考えてもらえる環境をつくりたかったのです。

さて、中源線シグナル配信のページを軽くご紹介しましょう。

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これが、「中源線シグナル配信」のトップページです。
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中源線シグナル配信のトップページには、日経平均およびTOPIXの中源線チャートと、それぞれ中源線による陰陽転換と3分割の売買を参考として示しています。

その下のグレーの部分は、各市場の個別銘柄についての中源線シグナルを集計したものです。ここを見ると、株価指数そのものを見るよりもマーケット全体の傾向がわかります。

では、その集計値の部分を詳しく説明しましょう。

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中源線シグナル配信では、現在で約3,500ある上場全銘柄を毎日、計算しています。
また、東証一部に限定して、(1)パフォーマンスが良好、(2)パフォーマンスが安定している(年によるデコボコが少ない)など、実用性が高いと判断した銘柄を「ユニバース」として選定しています。2016年3月現在、99銘柄あります。

スクリーンショット 2016-03-07 13.30.55

これは、東証一部のページを開いたところです。
このように、当日大引での中源線の判断を全銘柄について掲載していますが、上の図は「本日陽転した銘柄」に絞った画面です。。
「銘柄コード」「銘柄名」「本日の大引値」に加え、「現在の陰陽」「本日のシグナル」「翌日寄付での売買アクション」「アクション後の中源線ポジション」と、すべての情報がまとまっています。

また、ユニバースの場合は、各銘柄の中源線チャートもあります。
チャートをクリックすると、別ウインドウが開き、大きなサイズで見ることができる構造です。

下の図が、ユニバースの画面です。
これは、「本日シグナルがあった銘柄」に絞り込んだ表示です。
すべての市場で、全銘柄を表示するほかに各種の絞り込みが可能なのです。

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さて、次回のフォローアップ(3)では、私が実際に売買している銘柄の中源線チャートを示し、直近の売買について具体的な損益状況を説明します。番組では見づらかったかもしれない損益表を、あらためて掲載します。
お楽しみに!


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他人に厳しく自分に甘く

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雨ニモマケズ風ニモマケズ……こんな利他的な人ばかりになったら産業は衰退し、助けてもらう人が激減して供給過剰。。。と心配していると、詩の最後に「サウイフモノニ ワタシハナリタイ」とあるのでホッと一安心。希有なほど心のきれいな人にとっても“憧れ”の姿だということです。

これとは真逆の言葉を聞いたことがあります。
「他人に厳しく自分に甘く、いつもニコニコ腹黒く」
とんでもない表現ですが、ルールを重んじる平均的な日本人なら、これくらいのイメージがあって、ちょうどいいのかもしれません。曲がった鉄の棒をまっすぐにするには、いったん反対側にグイッと曲げる必要があるからです。

昨今は各界で行動指針がルール化され、他人のミスや良くない行いに対しても必要以上に厳しい評価が下されると感じます。有名人の不祥事についても、「元気があってよろしい」などというコメントが広まることは絶対になく、「信じていたのに。。。」と嘆く人がチラホラと。

直接会ったこともないのに何を信じていたのかわかりませんが、自分に厳しすぎるあまり、何か頼れるものを求める心理があるのかもしれません。

さて、トレードに「負け」はつきものです。
いきおい、「まったく失敗ばかりだ」と自分に厳しくなります。
この道ウン十年のシステムトレーダーがいるのですが、自分の手でイチからつくり上げたシステムを「信じ切れない」と本音を漏らしたりします。

数回に1回、いや10回に1回でもいいから、たまたまの成功だと感じたとしても「オレってすごい!」「あたし天才」くらいの褒め言葉を用意するべきだと思うのですが、いかがでしょうか。
ポジティブなイメージを持つってヤツですね。
いや、実は毎回やろうとしないほうがいいのかもしれません。やりすぎると、ポジティブになり切れない自分がイヤになる可能性もあるからです。

トレードのテクニックも予測法も限界というものがありますから、研究するならメンタルな面が意外と有効だと私は考えます。そんな思いもあって、『研究部会報』には「相場師インタビュー」という読み物を掲載しています。

「儲かる数式が明かされている」などと勘違いする人もいて、そういう人からは「クソの役にも立たん!」とお叱りのメールが届くのですが、私が興味を持つのは彼らトレーダーの内面です。手法の概略を聞いたうえで、“そこに至った理由”や“どんな気持ちで日々のトレードに臨んでいるか”を知りたいので、それをストレートに読者に伝えようとしています。

この相場師インタビュー、過去2号は都合で休載だったのですが、3月号には外資系を渡り歩いた平田和生氏の話を掲載します。ヘッジファンドの変遷を目の当たりにしてきた平田氏に昔話を聞かせてもらった──そんなユルユルな雰囲気もある今回のインタビューですが、校正で読み直しながら、とても深いものが盛り込まれたと自負している次第です。
どうか、お楽しみに!

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3月7日放送のフォローアップ(1)
林 知之

トレードの自己コントロールって
どこまで可能なの?


トレードでは、計算だけでは片づかない問題があります。「机上の計算と現実のギャップを知る」ことが重要です。マーケット・スクランブル3月7日の放送は、「こうして儲けろ! 中源線トレードのツボ」というタイトルで、中源線の利用方法を取り上げながらも、トレード全般の注意点を挙げてお送りしました。
そのフォローアップ(1)です。

映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第80回 こうして儲けろ! 中源線トレードのツボ


まずは、この図をご覧ください。
株価の推移について、「下落→底打ち→上昇→天井→下落」というサイクルと、買い戦略で臨む投資家心理を重ねてみたものです。

価格推移と人間心理

下げ相場では不安を感じます。「もう下げなくていい!」といいながら、手持ちポジションを切れないままでいることが多いでしょう。
ちなみに、仮にカラ売りしていれば、下げることで利益が増加しますが、参加者が離散していく下げ相場は誰にとっても暗いイメージです。

下げ止まっても、不安は残ります。「もう下げない」と感じながらも、将来のことなど見通せないために、「ここで買わなくちゃ」と思いつつも疑心暗鬼が残るのです。

さて上げ始めると、「やっぱり」などといいながら関心は高まります。でも、まだ買っていません。あるいは、本格的には買えていない状態だったりします。

確信が生まれて買いポジションを取り、そのポジションの感触から自信を持つのは、得てして株価が伸びきった天井圏だったりするのです。
今までも上げてきた、みんなが買いだと言っている、上げ相場を説明する情報もたくさんある……こうなってはじめて、安心感が生まれるのが人間の心理なのです。

ところが、期待したのもつかの間、相場は下げ始めます。不安になり、混乱しているうちにドンドン下げていきます。そして、「あんな高いところで買わなければ……」と落胆するハメになります。

よくあることですが、これを真逆にしたいと考えます。
でも、そんなことができるのでしょうか?
私は、イバラの道だと思うのです。

マーケットに参加しているのは皆、常識ある社会人なのに、図で示したようなことになっているのですから、自分だけが“お利口さん”になろうなんて、おこがましいと考えたほうがよさそうだからです。

もし自分をビシッと律することができたら、儲けを夢見ながらも損を怖がるのではなく、常に合理的かつ冷静な判断と行動を取れたら──満足いくレベルになったとしたら、すでにカネに対する興味を失っているのではないでしょうか(笑)。

冗談はさておき、図に示した心理を真逆にすることなど、やはり至難の業です。
少しだけ時間をずらし、結果が出るようにすることは可能だと思いますが。

そこで、事前に判断基準と行動指針を決めておくという方法を考えてみましょう。
タイミングを理想に近づけるため、システマティックにトレードするのです。

ビシッとルール化した行動を、「機械的売買=システムトレード」といいます。

中源線も、休みなく連続して売買する「規定」があるので、一種のトレードシステムです。こんな場面ではこう判断したい、こんな動きに対してはポジションをこう操作したい……それらを数式にまとめ、完全な機械的売買法に仕上げてあるのです。

中源線を使って実際に売買を繰り返すと、先生に手取り足取り教わっているような、頼もしいパートナーがいるような、そんな気持ちでポジションを増減させることができます。平均的に機能するように定めたルールですからダマシになることもあるのですが、総じて「納得できる」答えが出るので、“一定した”売り買いを続けて“型”を持つことになります。

もちろん、そのまま「トレードのツール」として使い続けることができます。

自分の感覚で売買する、つまり裁量トレードを行う場合との差は、外からの情報が常にあるということです。この観点で、ありがちな誤りというものを考えてみましょう。

  1. ポジションを取る理由が不明
    トレードシステムを持っているがロジック(ルール)がわからない、あるいは、誰かのオススメ銘柄を黙って買う、といった状況です。これはいけません。
  2. 上手な人が一緒に買っている
    自分が尊敬する人、上手だと認める人が同じ方向にポジションを取っている……なんだか安心するのが人情ですが、当たることが保証されているわけではありません。その事実を確認した翌日、その人はドテン逆のポジションにしているかもしれません。

中源線建玉法は、ロジックを完全に公開しています。
「とにかく買え」とか「いいから売れ」と、ブラックボックスからの答えを受け取るようなことは決してありません。常に、「なぜ買うか」「なぜ売るか」「なぜ増し玉するか」が明確です。
だから、納得して売り買いを実行し、相場の機微、相場のツボ、できることとできないことなどを確認しながら進化していくことが可能なのです。

トレードシステムを使えば、値動きに対する判断と行動は一定します。
しかし、そのシステムのスイッチを入れるのも切るのも、資金量やポジションサイズを決定するのも、すべて人間の仕事です。
さて、これらについても、ありがちな誤りを列挙してみましょう。

  1. 利益はすべて再投資
    当たり続ければ、ものすごいスピードで資金が膨らみます。でも、例えば50%殖えたあとに利益を再投資して50%の損失を出すと、当初の資金から25%へこんだ額になってしまいます。こういったことについても、心理的な作用も含めてシステマティックに対応するべきです。
  2. 利益が出始めると数量を増加
    「取れるときに取る」は正しい考え方ですが、臨機応変に行動するつもりでポジションサイズを大きく変化させると、どこかで痛い目に遭うものです。

中源線では、こういった細かい実務面まで考え抜いて、資金量と分割売買が規定されています。ヘンな例えかもしれませんが、料理のレシピみたいなものです。

次回のフォローアップ(2)では、手法を学びながら技術を高めていく過程について、深く考えてみます。お楽しみに!


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東京-金沢間が15時間?

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出かけるときの移動時間は、スマホのアプリでカンタンに確認できます。
でも、そんなものばかり使っていては脳細胞が衰えると思い、地図を見ながら計算してみました。ここが高速道路で平均時速が……と区間ごとに計算して積算したところ、東京-金沢間がなんと15時間! 絶対に間違っています。
すでに脳細胞が衰えていることがわかりました。

数式を使って何かを計算し、とんでもなく誤った答えを出すことがあります。
でも、「地球と月の距離」ではなく「東京から金沢まで」ならば、距離や時間を感覚的につかんでいるので、大きくずれた答えにはすぐに気づきます。

宣伝文句にひかれてトレードシステムを購入したが、ロジック(判断基準などのルール)がわからない──こういう状態なのに、一定の金額を突っ込んで売買している人がいます。

中源線建玉法のように、すべて公開しているものはないかもしれませんが、特性や特徴などについて、ある程度まで開示しているものでないと、継続的に利用するのは不安です。

また、単なる予測法にとどまっているものも疑問です。
予測と一体のポジション操作が定められていて、納得できる説明が必要です。
「炒めます」とか「茹でます」だけでは、ちゃんと料理できません。

トレードは、すべて数字で示すことができます。
ところが、数字では片づかないもの、人間が抱える期待、不安、恐怖、楽観、悲観……こういった事柄が意外な決定打として行動を決めているものです。

でも私たちは、「頭で合理的に判断している」つもりなので、このギャップが、「東京-金沢間が15時間」といった誤りを放置してしまうのです。

3月7日放送の「こうして儲けろ! 中源線トレードのツボ」では、これら現実の諸問題を考えて深く切り込むことを意識しました。
ぜひ、ご覧になってください。

放送動画と、詳しい解説をするフォローアップブログへのリンクは、中源線研究会のWEBページにまとめてあります。


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2月8日放送のフォローアップ(4)
林 知之

計算と現実のギャップを想定する


林投資研究所が現在、力を入れている新システム「中源線シグナル配信」について、具体的な利用方法を想像してもらおうと考え、マーケット・スクランブル2月8日の放送は、「ところでシグナル配信ってなーに?」というタイトルでお送りしました。1月放送「そもそも中源線建玉法ってなーに?」の続編です。
そのフォローアップ(4)です。

映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第78回 ところでシグナル配信ってなーに?


トレードでは、計算上の答えと現実にギャップが生まれます。
もちろん、どんな分野でも同じことが起こりますが、「利益」「損失」という生々しい結果に対しては期待が過度になりがちなため、ギャップが大きくなるケースが多々あるはずです。また、思わぬ盲点も生じます。

「中源線シグナル配信」のサービスにおいてパフォーマンス等の数値を公表する際は、過度な期待が生まれにくいように気をつけていますが、やはり自然とギャップが生じてしまうものです。

基本的なことについて解説しながら、「計算と現実のギャップ」を考えてみましょう。

ルールが機能する時期、しない時期

トレード手法は、3つの要素で成り立ちます。
「予測法」、その予測法と一体の「ポジション操作」、そして、サイアクの事態を避けながらも効率を求めようと試みる「資金管理」です。
1番目の「予測法」にばかり目を向けるのはキケンですが、予測の当たり外れは切実な問題といえます。上手にポジション操作したとしても、予測が外れれば一定の損失は避けられないからです。

ところが、ある特定の判断基準は、時期によって機能したりしなかったりします。取れるときはウハウハでも、取れない時期、つらい時期は必ずあるのです。
わかりやすい例は、フォローアップ(2)で紹介した5911横河ブリッジの中源線でしょう(フォローアップ(2))。

この問題をどうにかしようとムリにあがくと、その特定の判断基準を根底から壊してしまいかねません。やはり、「ダマシは受け入れるしかない」と考え、予測法と一体のポジション操作で“損小利大”に努めるしかないのです。

ルールが合う銘柄、合わない銘柄

どんなロジックでも、あらゆる銘柄、さまざまなクセをもつ多数の銘柄すべてに合う、つまり「何でも当たる」なんてあり得ません。
前項で示したように、機能する時期としない時期があるのと同様、その判断基準が合う銘柄と合わない銘柄があります。

多くの人が、まず銘柄を決め、その銘柄を「どうにかして、やっつけよう」と挑戦するようです。しかし、もっとラクなのは、手法を決め、その手法に合う銘柄を選定することです。

再投資のワナ

前述した「資金管理」の知恵として、再投資を考える観点をひとつ紹介します。
多くの人は、資金を目いっぱい使おうとします。根本の発想自体は間違っていませんが、現実では裏目に出るケースも多々あります。

単純な例を示します。
100万円でトレードをスタートして目いっぱいポジションを取り、1トレードの結果は10%利益、10%損失を繰り返すと仮定します。利益で殖えた分は、まるまる次回に再投資します。
すると、1回目に利益が出ると100万円は110万円になりますが、2回目は110万円を目いっぱい使うので、10%損失で損失額は11万円、資金は99万円になります。

こうして、利益の全額を再投資しながら10%利益と10%損失を繰り返すと、資金は徐々に減っていくのです。

もう少し、イメージしやすい例も出しましょう。
100万円の資金で1年間トレードし、50%という素晴らしい成績を収めたとします。つまり、50万円の利益が生まれたわけです。

翌年、50万円の利益を別枠にして、当初と同じく100万円の資金で続ければ、仮に50%の損失が出ても前年の利益を吐き出すだけですみます。
しかし、利益を再投資して150万円の資金で臨むと、さらに50%の利益が出た場合はグッと伸びますが、もし50%損失という結果になると75万円の損、スタート時点の100万円から25%も少ない75万円しか手元に残りません。

複数銘柄運用時のワナ

予測は当たったり外れたり。でも、上手にポジション操作することで、外れた場合は数量が少なく、当たったときは十分な数量を維持して利を伸ばすことができます。
前述した、「損小利大」という適正な考え方です。

では、正しい損小利大のシステムを利用して、複数の銘柄を同時にトレードしたとします。例えば、10銘柄の“バスケット運用”です。

10銘柄について、損小利大を実現するシステムでポジションを取った結果、勝率が50%だと仮定しましょう。すると、「外れ」の場合は数量が少ない、つまり、トレードに要する時間も必然的に短いわけです。それに対して「当たり」の場合は、確信を強めながらポジションを積み増しして時間をかけます。

すると、トレードを開始した直後は、「外れ」と判断して切ってしまった損失ばかりとなり、取引の記録にマイナスの数字を連ねることになるのです。

適正なシステムならば、一定期間のトレードによってトータルはプラスになるはずですが、資金管理に少しでもムリがあると心が折れ、利益が出始める前に撤退してしまうかもしれません。

いかがでしょうか。
計算上の認識とは異なる現実があり、それも理屈で理解しているつもりでも、生身の人間として対応しきれない場合がある──しっかりと考えておくべき事柄です。

さて、こんな現実のことを想像しながら、実際の中源線チャートの「当たり外れ」を見てみましょう。

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金融株は「動きが激しい」という印象を持つでしょう。例えば銀行株が動き出すと、多くの人が参加しますが、意外と苦しんでいると認識しています。実は、中源線でも、銀行株はうまく取れないのです。しかし、証券株は全般に「まずまず合う」と評価できそうです。この原稿を書いている3月2日に、たまたま陽転しました。2015年11月から大きく下げたあとですが、どうなるでしょう……。

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この東邦チタニウムも、非常によく動く銘柄だと思います。
しかし、前にも紹介した通り、2015年8月~11月はダマシの連続でした。11月から2016年1月にかけての下げは見事に取りましたが、1月の陽転がダマシ、そのあと陰転して売ったのですが、売りポジションを抱えたままジワッと上昇しているので評価損……感情的には、舞い上がったり心が折れそうになったりと、悪いクセがつきそうな値動きです。

2月8日放送のフォローアップは、これで終了です。
そして今夜は、マーケット・スクランブル生放送。常に実践的な内容でお送りしていますが、今回はグッと深い話を持ち出します。タイトルは「こうして儲けろ! トレードのツボ」。お楽しみに!


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