他人に厳しく自分に甘く | 林知之


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雨ニモマケズ風ニモマケズ……こんな利他的な人ばかりになったら産業は衰退し、助けてもらう人が激減して供給過剰。。。と心配していると、詩の最後に「サウイフモノニ ワタシハナリタイ」とあるのでホッと一安心。希有なほど心のきれいな人にとっても“憧れ”の姿だということです。

これとは真逆の言葉を聞いたことがあります。
「他人に厳しく自分に甘く、いつもニコニコ腹黒く」
とんでもない表現ですが、ルールを重んじる平均的な日本人なら、これくらいのイメージがあって、ちょうどいいのかもしれません。曲がった鉄の棒をまっすぐにするには、いったん反対側にグイッと曲げる必要があるからです。

昨今は各界で行動指針がルール化され、他人のミスや良くない行いに対しても必要以上に厳しい評価が下されると感じます。有名人の不祥事についても、「元気があってよろしい」などというコメントが広まることは絶対になく、「信じていたのに。。。」と嘆く人がチラホラと。

直接会ったこともないのに何を信じていたのかわかりませんが、自分に厳しすぎるあまり、何か頼れるものを求める心理があるのかもしれません。

さて、トレードに「負け」はつきものです。
いきおい、「まったく失敗ばかりだ」と自分に厳しくなります。
この道ウン十年のシステムトレーダーがいるのですが、自分の手でイチからつくり上げたシステムを「信じ切れない」と本音を漏らしたりします。

数回に1回、いや10回に1回でもいいから、たまたまの成功だと感じたとしても「オレってすごい!」「あたし天才」くらいの褒め言葉を用意するべきだと思うのですが、いかがでしょうか。
ポジティブなイメージを持つってヤツですね。
いや、実は毎回やろうとしないほうがいいのかもしれません。やりすぎると、ポジティブになり切れない自分がイヤになる可能性もあるからです。

トレードのテクニックも予測法も限界というものがありますから、研究するならメンタルな面が意外と有効だと私は考えます。そんな思いもあって、『研究部会報』には「相場師インタビュー」という読み物を掲載しています。

「儲かる数式が明かされている」などと勘違いする人もいて、そういう人からは「クソの役にも立たん!」とお叱りのメールが届くのですが、私が興味を持つのは彼らトレーダーの内面です。手法の概略を聞いたうえで、“そこに至った理由”や“どんな気持ちで日々のトレードに臨んでいるか”を知りたいので、それをストレートに読者に伝えようとしています。

この相場師インタビュー、過去2号は都合で休載だったのですが、3月号には外資系を渡り歩いた平田和生氏の話を掲載します。ヘッジファンドの変遷を目の当たりにしてきた平田氏に昔話を聞かせてもらった──そんなユルユルな雰囲気もある今回のインタビューですが、校正で読み直しながら、とても深いものが盛り込まれたと自負している次第です。
どうか、お楽しみに!

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