7月6日の放送「コツンと底打ち? 買いシグナル点灯9銘柄」のフォローアップを公開しました。
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コツンと底打ち? 買いシグナル点灯9銘柄

イランの戦争がはじまった時、日本経済にとって危機だ、株価が下がる、といった意見が飛び交いました。でも、イラン情勢がはっきりしない状態のまま、下がると指摘された日経平均は上昇しました。
円安も、日経平均の下落を招くといわれました。そう主張していた人たちは、現在の状態をどのように解説するのでしょうか……。
株価を大きく動かす、市場全体のトレンドを変化させそうな材料が出現したあと、安易に想像したとおりに株価が動くこともあれば、特に反応がないこともあります。多数意見とは真逆に動くケースさえあります。
私は、「戦争の影響は小さい」と考えていました。しかし、多くの個別銘柄は、3月から6月まで下げました。
可能な限りの情報を集めて精緻に分析しても、株価の先行きは予測できません。情報が足りないとか、分析の方法がちがうということではなく、そもそも不可能なのです。
株価予測は、科学で片づくものではありません。
株式市場は実体経済の一部ですが、経済そのものが科学では解明できないものなのです。

いくら考えても株価の先行きは当たらない……それでも、誰もあきらめません。
学校のテストと同じように考え、「正解がある」「なぜそうなのかという説明もある」「将来を当てる方法も、どこかにある」と考えてしまいがちなのです。
この点が、株に関する情報の、大きな落とし穴です。
直近過去の株価変動について、多くの投資家が「正解を知りたい」と思うので、そんな欲求に応える後講釈が、相場解説の99.9%を占めています。
未来を考えていて、「なにかヒントはないか」と思っている投資家が、99.9%が直近過去の解説を読んでいるのです。上記の“情報の構造”を知らずにいると、気づかないまま混乱します。
無責任な意見が飛び交うこと自体が問題ではなく、気づかずにワナにはまってしまう部分が、大きな落とし穴なのです。
仮に、「円安は絶対にいかん。日経平均は下落必至」と言っていたのに下がらなかったとします。すると、「いや、懸念だった原油高が落ち着いたから」と追加します。あとから、どうとでも言えることしか発信されていないのが、投資関連情報の構造なのです。

そもそも、先行きの予測は難しいのです。
しかし、その予測の精度が高ければ儲かる──このアプローチは、エンドレスでつづきます。
実際、数学やら統計学など科学的なアプローチで近未来の株価を当てようという試みが、金融市場の誕生以来ずっと行われてきたのです。ところが、もし相当な確率で当てる方法が見つかったら、金融市場が崩壊してしまうはずです。
崩壊していない、つまり「当てる方法はない」ということが、何百年も証明されつづけているのです。ここが、大きなポイントです。
科学では、全員が間違っていることもある一方、全員が正解にたどり着くこともあります。地球が回っているか否か、天動説が正しいか地動説が正しいかという議論が、わかりやすい事例でしょう。
でも、金融市場は、常に売りと買い、完全に真逆の価値判断が対立しています。
科学で片づく問題ではないのです。
科学が有効なのは、売買実践者の気持ちを考える心理学でしょう。
心理学の助けで、心理、予測、一歩遅れになってしまう売買行動を考えるのが、売買・トレードの科学です。
予測というものを正しく認識して、勝つための方法をさぐる道は、こうした考察の先にあるのです。

前項で挙げたように、金融市場の構造、情報のつくられ方、それを受け止める自分自身の心理などを総合的に考えるのが、勝つための条件です。
そのなかで第一に重要なのは、「自立」と「自信」だと私は考えます。
勝ちに直結する価値判断情報、つまり「この銘柄を買えば儲かる」的な情報に、安易に頼る姿勢はいけません。自立していません。自分が手がける範囲を、自分の目で確かめ、自分自身の答えを出すことを当たり前だと思う必要があります。
しかし、真剣になればなるほど「予測を当てたい」という気持ちが強まります。
そして、「予測を当てる自信が必要でしょ?」と言うかもしれません。
それはちがいます!
予測は、当たったり曲がったりするのです。
ポジションを取ったあと株価がどう動こうと、「自分の利益のために最善の方法をさぐって、自ら考えることができる。行動に移すことができる」という自信が求められるのです。
中源線では、機械的判断を用います。
でも、「当てよう」ということではありません。
「当たったり曲がったり」を前提に、3分割の売買で対応しようということです。
中源線に頼ったら、自立していない?
ちがいます!
銘柄選びも、資金額の設定も、中源線シグナルを見て売買を決めるのも、すべて実践者の自由意思です。こんな土台の構造を考え、“実行可能な対応方法”を模索するのが、相場・トレードの科学です。

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株価指数が乱高下しても、今が買い場の厳選8銘柄

私たち人間は、感情の生き物です。
合理的に考えて行動しようと努めますが、実は不合理な思考ばかり……。
この問題を解決するために、明確なルールや数値的な基準を利用します。
中源線も、感情や感覚によるブレを抑え込み、数式によって答えを出します。
しかし、その数式は生身の人間が考えたものです。
また、最終的な決断は人間の手に委ねられています。
人間がもつ、あいまいな部分を全否定するのは誤りだと考えるべきです。
だから中源線は、とてもシンプルかつ感覚的に捉えることのできるルールにとどめ、利用者が相場観をもつことを否定していないのです。
予測が難しい未来に対してポジションを取るのが、相場・トレードという行為です。
前述したような深い考察を楽しむくらいの姿勢が、不可欠ではないでしょうか。
さて、感情をゼロにするのではなく、むしろ感情を利用して相場の波を泳いでいくのが現実だと私は考えます。ルールや基準を決めておくだけでなく、売買の最終判断を行うタイミングで「どんな心持ちが適切なのか」といったことも、ある意味、ルールの一部とするのです。
基本は、「感情の振れを大きくしない」「ムダにコーフンしない」ということです。
値動きと参加者の心理を考えると、買い場である安値圏は元気が出ず、売り場である高値圏は不要に元気、なぜか自信満々な気分に傾きます。
この感覚を真逆にすることはできませんが、感情を悪い結果に直結させない工夫は必要です。

マーケットでポジションを取ること自体が、かなり積極的な行動です。
だから、売買・トレードのなかで「取りにいく」といった言葉が浮かぶ状態は、たいていの場合、攻めすぎなのです。
売買実行の段階では裁量が加わります。
この裁量の部分に、「攻める」「取りにいく」といったイメージがあると、すぐに自分ではコントロールできない状態までポジションを膨らませる結果となります。
でも、前項で述べたように、株価が上昇して売り場が近づくほど攻めっ気が強くなりがちです。
「儲けたい」「利益を上げたい」「勝つんだ」と積極的に取り組むのが、当然でしょう。
この取り組み方が前提なら、売買の“現場”では、「利益のチャンスを数多く逃しながら、限定的に手を出す」くらいの心構えで、おそらくちょうどいいのです。
プランの初期からネガティブ思考では、よいアイデアが浮かばないでしょう。
でも、理想どおりに「カッコよく取る」イメージが強いと、バランスがわるくなります。
強いて言うならば、「カッコわるく逃げ回りながら、手を出さざるを得ない場面だけ出動して適当な利益を取り、その利益をはき出さないように再びコソコソと行動する」みたいな感覚が、勝者の王道ではないでしょうか。
派手な行動、ギリギリの決断、そして勝利……映画やドラマだけの話ですね。

ストイックなことばかり述べていますが、「日陰にいればいい」ということではありません。
やはり、マーケットの“流行”に乗らないと儲かりません。
とはいえ、ちまたで安易に取り上げられる流行の中心的な銘柄を追うのはキケンです。
高値で買いついて、慎重な参加者が売り逃げる手伝いをさせられる可能性が高まります。
同じく上げを狙うにしても、人によってタイミングは異なります。
でも、例えば中源線は、一歩遅れを最初から容認し、静かに値動きについていきます。
直近の相場では、そんな姿勢が功を奏した事例が数多くあります。
実際の中源線のチャートを示しましょう(6月1日までの足)。
宝HD(2531)とトヨタ紡織(3116)です。
番組の前半で示した、定点観測銘柄の横河ブリッジHD(5911)も、中源線のシグナルどおりでバッチリ利益になっています。
どの銘柄もうまくいっているわけではありませんが、直近では、これらの銘柄のように、「トレンドについていってストレスなく勝っている」事例が目立っています。

私たちは、売買・トレードの実践者である前に、1人の社会人です。
社会で生きていくための常識が、根っこにあるのです。
ところが株式市場では、そんな常識がマイナスの結果につながりやすいのです。
ポイントを、2つ挙げましょう。
社会では、自分の努力によって、環境や周囲の人たちの認識、行動まで変えることができます。だから、マナーを守りながらも、自分の望む方向への変化を期待して頑張ります。
ところが、株式市場では、どんなに頑張っても株価は市場まかせ……。
自分の店が不振なら、テコ入れを考えるでしょう。
でも、株価にテコ入れはできないので、見込み違いを認めて損切り撤退するだけです。
社会でも、「正解はない」という状況がいくらでもあります。
でも、学校のテストや各種の資格テストでは、正解というものが存在します。
仕事の現場におけるデリケートな場面でも、「こうしておけば、結果がわるくても責められない」「誰もが納得する」答えがあるでしょう。
それを求めて、つい安っぽい相場解説に頼ってしまいます。
株価指数を取り上げているだけなのに、「騰落の理由」がまことしやかに書かれているので、常識で考えている向きがホッとする“正解”に見えるのです。
常識には、「他人を納得させるための無難な指針」といった側面があります。
他者との競争とはいえ、直接対決がなくて「自分と株価の関係」に集中する売買・トレードでは、役に立たなかったり逆効果だったりすることが多いのです。
ひねくれて逆をやろうとする必要などありませんが、常識ではなく、自分が蓄積してきた経験を生かして「株式市場でなにが起きているか」「どんな突破口があるか」といったことを素直にさぐるのが、勝つための大切な姿勢です。

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業績が評価される相場 ~見直し買いサイン点灯8銘柄

株の売買では、「流行に乗る」ことが求められます。
流行に無関係な銘柄は、動きません。
動かなければ、儲かる可能性が生まれないのです。
とはいえ、「今はこれが流行だ」と認識できる銘柄は、それなりの高値圏にいるわけで、落ち着いて考えれば“売り場”です。もちろん、高い位置に達してから上げが急加速したりして、それこそ“おいしい”のですが、値動きが荒いので思った以上の難易度です。
そこで、「麦わら帽子は冬に買え」との格言にあるように、流行から外れている時期に安く買い、流行に乗って上がったときに利食い売りしようと考えますが、言葉どおりにカンタンではありません。人気の圏外にある銘柄は、いつ動くかを見極めるのが難しいのです。
安く買っても、上がらなければ一銭も儲かりません。
中源線のルールは、こんな現実の悩みに対してズバリ、答えを示しています。
安くなっても買わない、安値で這いつくばっていても買わない、でもピクリと動いて「上げそう」な気配があったら素早く買いはじめるのです。
麦わら帽子で説明すると、「冬の早い時期に買って時間をムダにすることなく、春の気配を検知してから買う」というところでしょう。先回りして冬に買うのは、意外と難しいテクニックなのです。

上げの兆しを見て買いはじめるのが、中源線の核心です。
しかし、売買の方法を幅広く考えたら、技術を駆使して安値圏で動かない時期に仕込むのも、ひとつの方法ですし、高値圏に達してから飛び乗り、飛び降りを試みる方法だって否定できません。
いわゆる正解なんて、ないのです。
でも、どんな方法であっても守るべきこと、売買・トレードにおいて必須の項目があります。
それは、狙う値動きの「期間」です。
数日から1週間くらいの超短期なのか、デイトレードと呼ばれる超超短期なのか。
数週間から数カ月の短期なのか。
1年から3年くらいの中期なのか。
こういう「期間」の発想が足りないと、必ず混乱します。
わかりやすい事例は、直近の値動きとイラン戦争の情報です。
イランの戦争も、結局は株式市場の大きな悪材料ではなかったのですが、日本のメディアは投資家の不安をあおるように騒ぎました。結果論と言えばそれまでですが、少なくとも「期間」の部分で混乱に陥ったマーケット参加者が多数いたはずです。
NISAを利用した積立投資で、20年後、30年後に目を向けているのに、戦争を機に日々のニュースに一喜一憂……根本の部分が狂う事例です。
これほどでなくても、戦争を機に情報に敏感になり、ふだんよりも短期間の変化に目を向けた混乱は、かなり多くのマーケット参加者が経験したのではないでしょうか。
情報は、集めるものではありません。
自分のやり方に応じて、取捨選択するものです。
必要な情報だけを拾って大部分を捨ててしまわないと、必ず混乱するのです。

売買は、計画的に行う必要があります。
流行のほこ先が目まぐるしく変化するので、臨機応変に対応しようとして振り回されます。
前項で触れた「期間」のほか、いろいろなものを固定することで、どうにか“適正な臨機応変”が実現するのです。
売買資金も、取引口座に固定しておく必要があります。
状況を見ながら口座の資金を減らしたり増やしたり……会社の資本金が安易に増減するようなもので、臨機応変ではなく土台がぐらついているだけです。
資金を固定して、状況に合わせてポジション量を増減させるのが臨機応変です。
判断基準、狙う期間を固定しておけば、相場の状況を判断してポジション量を決めることが可能です。
単に流行を追う姿勢だと、自分が狙う期間とはズレのある情報を拾って、すべてが狂います。
手がける銘柄も固定、あるいは範囲を絞り込む必要がありますが、例えば「5銘柄だけが対象」というようにガチガチに固定することが必須ではありません。判断基準、狙う期間などが固定されていれば、手がける銘柄をある程度入れ替えながら売買しても、土台は崩れません。

流行に乗るのが、儲けるための条件です。
とはいえ、ここまで触れてきたように、ある程度まで固定しておく、自分のこだわりを貫く、狙いを絞り込むことは必要です。
そもそも、「ここが流行の中心地ですよ」というホットな情報は、最も数の多い層、つまりは平均的な負け組の参加者をターゲットにしているのです。この事実を受け入れ、いろいろなものを固定して売買に臨み、意外と少ない「現実に取れるチャンス」をものにしようと頑張るのが、売買・トレードの基本です。
考え方、取り組む姿勢について、適正な「バランス」を考えてください。
バランスがよいほど、デリケートな変化を検知する能力も高まります。
バランスといえば、そもそも身体的な健康も重要です。
微妙な部分で競争しているのですから、不健康な状態では“不要なボタンのかけちがい”が起こりやすくなります。
しかし、目の前で株価が元気よく動くのが株式市場です。
バランスを整えようとしても、バランスを狂わすことばかりです。
自分の好みに合う、バランスの取れた売買姿勢をさぐるために、例えば中源線のルールに従って銘柄も固定しておく、といったアプローチが最も混乱しにくいのです。十分な経験があると「今さら……」と思うでしょうが、経験が多いほど脳内には多くの情報が蓄積されていて、逆に混乱しています。
立ち止まって、根本の方向性を見直す作業こそ、家計のプロとして大切な自己資金を動かす立場の個人投資家に、第一に求められるものです。

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あわてず順番に買う【押し目&底打ち】8銘柄

イランの戦争で、日本への原油輸入ルートの不安が浮き彫りとなりました。
原油価格の高騰も、日本にとっては製造コストの上昇要因です。
こうしたマイナス面だけを強調して不安をあおるような論調が目立ちますが、反対の意見や別の観点からの観察も多数あります。
ほとんど報道されていないのですが、イランは長年にわたって圧政を敷いてきたので、今回の攻撃を多くの民衆が歓迎しているといわれます。また、イランにミサイル技術と核の2つがそろえば、ヨーロッパ諸国への脅威となり得ます。
どんな事情があろうとも戦争という行為は忌むべきものですが、イランへの攻撃は、ベネズエラにつづいて、米国による中国経済へのけん制という側面も指摘されています。中国の石油輸入ルートを狙ったもの、ということです。防衛ミサイル配備が遅れている日本にとって、非常にありがたいことかもしれません。
原油価格の高騰は一時的にマイナスですが、資源供給源の多角化などに素早く取り組んだ政府の動きを含めて、経済面で将来に期待できる、総合的には経済や株価にとって強材料である、と口にする論者も少なくないと認識しています。
戦争を機に、多くの銘柄が上げの動きを鈍らせました。
しかし、そのわりには大きく下がりません。
昨年春からの上げ方を考えたら、日本の株式市場は、イランの戦争を大きな懸念材料と捉えていないようです。
いたずらに、楽観的な見通しを押しつけるつもりはありません。
ただ、いわゆる大きな材料にとらわれると盲点が生まれます。
また、多数の賛成を受けて広まる情報は、逆を示すことが多いのも事実です。

日本の株式市場は、昨年の春以降、大きな上昇をみせていました。
当然、銘柄によって動きはバラバラで、安値圏でジッとしている銘柄だって少なくありません。
ただし、株価指数が大きく水準を上げ、それを支えるように上昇した銘柄、株価指数よりも派手に値を上げた銘柄が数多くあります。
これほど力強い上げ方は、最近では見たことがありません。
株式市場の位置づけが変わった──こんな認識も間違っていないでしょう。
とはいえ、相場は相場。
1年以内の短期間では、いわゆる人気の増減による「相場の上げ下げ」が起こります。
番組の後半で紹介した「深押し」の銘柄が、さらに下落していく可能性もあります。しかし、切り返して高値を取りにいく予測だって成立します。あるいは、やはり番組の後半で3つめのカテゴリーとして紹介したように、株価指数と関係なく下落していた安値圏の銘柄が、動意づく気配をみせていたりもします。
気になる大きな材料や、すぐに手に入る解説と株価指数を見ていても、株式市場の実態は見えません。
戦争による混乱がはじまってから、1カ月ちょっとが経過しています。約1年間も上げトレンドを形成した銘柄は、もしかしたら、しばらく下落するかもしれません。個別銘柄のいろいろな展開を念頭に、上げを狙う銘柄について「落ち着きつつあるのか、まだなのか」と流れを見極める時期にさしかかっている気がします。

予測は当たらない──予測からスタートする売買・トレードの実践者が、忘れまいと努める大切な言葉です。
正確には、「当たったり、当たらなかったり」です。
渦中にいて、予測の当たり曲がりに感情は動かされますが、一喜一憂を抑えて行動しなければならないので、「予測の的中は、いわば偶然」くらいに片づけようともします。
予測を立て、その予測どおりのポジションをつくり、そのあとの動きを観察します。
時間の経過とともに、“とりあえずの答え”が出ます。
「どうやら当たっている」「どうやら見込み違い」「まだ判断できない」等々。
そして、次の一手を打ちます。
とりあえずの答えが出たといって、当たってよろこぶとか、見込み違いに悲しむとか、そんなことをしている余裕はありません。持っているポジションについて、必要な対応を迅速に実行しなければならないのです。
期待と異なる場合、すべて切ってしまうこともあれば、一定量を落としてポジション量を減らすこともあるでしょう。
期待どおりの変化で「当たっているようだ」と判断した場合も、そのまま持続する、利食いして利益をふところに入れる、積極的に取りにいくためにポジションを増やすなど、いろいろな対応が考えられます。
こうした対応こそが、私たち実践者のシゴトです。
それこそが、相場です。
この対応(次の一手)を的確にするために、確固たる予測があるのです。
しかし、最初の予測をカッコよく当てようとしてしまいがちです。
そもそも、ムリのあるアプローチなのですが、多くの常識人がやってしまいます。
その結果、他人の見通しを集めて分析して、「誰の予測が当たるかを、見事に予測して当てよう」という、とても確率の低いことに挑んでしまうのです。
アンテナを高くして相場の先行きを読む……一見、とても知的な作業のようですが、「一歩遅れで迅速に対応する」という相場の現実を考えたら、知的どころかザンネンなアプローチです。

今回の番組では、「見極めてから行動に出る」というメッセージを強調したつもりです。
でも、「見極める」という表現から、前項で示した誤りを犯すこともあります。
「見極める=当てる」という捉え方です。
見極めるというのは、単に「ポジションを取る根拠が整う」というだけのことです。
上がると思って買いポジションをつくる場合、真逆の「売り」という別の人の決断があって行動が成立します。こう考えただけで、「予測を当てなければならない」という姿勢が、根本から誤りだと気づかされます。
中源線も、この考え方によってルールを定めています。
「予測を当てよう」としていません。
いくら下がっても、逆張りの買いシグナルは出しません。
下がったあと横ばいをつづけても、長い期間が経過しても、やはり買いません。
上げの兆しを見てから、やっと買いはじめるのです。
先回りしようとせず、ひたすら相場に順応していく姿勢です。
前項で、「予測の的中は、いわば偶然」という発想を示しました。
ついでに、もうひとつ、とことん冷めた捉え方を紹介します。
見出しに掲げた「後始末」という考え方です。
上がると予測して、買いポジションを取ったとします。
予測が曲がった場合は、損切りを決断します。まさに「後始末」です。
でも当たった場合でも、「自ら決断して自らの手で手仕舞いを実行する」点で全く同じです。
予測が当たっても曲がっても、単なる後始末があるだけ……
そもそも、予測の的中が偶然……
好結果を出すシゴトとしての売買を実現するには、こうして論理的に考え、とことん冷めた感覚をもつ必要があると思います。
いわゆるバクチ的なスリルを追い求めるのではなく、クソ地味な、おもしろみのない淡々とした行動のなかに、個人的なこだわりを持ち込んだり、ちょっとした楽しみを見つけたりするのが理想です。
中源線は、そんな王道のトレードに導いてくれる、シブいツールなのだと思っています。

映像は、YouTubeチャンネル「マーケット・スクランブル」でご覧ください。
サポートしっかりの上昇トレンド10銘柄

売買・トレードの、基本的なことを考えてみます。
株価をコントロールすることはできません。
価格は、常に市場まかせです。
また、株価の先行きを高確率で当てることもできません。
参加者の売買で値段がつき、参加者の売買で値段が変動する構造のなか、参加者同士が競争しているからです。
必然的に、売買・トレードの結果は、「勝ったり負けたり」です。
そんな現実のなか、どうすれば「トータルでプラス」になるかというと、勝ち分が負け分を上回ればいいのです。負けはゼロにできないので、勝ち分を少し大きくするしかありません。
「損小利大」と呼ばれる、勝つための計算です。
今回は、損小利大の「利大」に注目しましょう。
一定以上の利益を取ることが求められる、ということです。
いろいろな取り組み方があるでしょうが、少なくとも、小幅利食いに徹していたら、トータルでプラスにはならないのです。
小幅利食いが手堅いというのは、完全な勘違いです。
含み損のあるダメなポジションを放置したまま、どうやら当たっているポジション、含み益が生じているポジションを小幅で利食いしてしまう……小さい利益で終了して大きな利益の可能性を消し、ヤバいポジションが手元に残るだけです。

相場の現実は、前述したように「勝ったり負けたり」です。
別の言い方で、「取ったり取られたり」というのもありますね。
半分は勝って、半分は負ける、ということですが、私たち生身の人間は、理解しているはずの理屈を忘れて期待を膨らませてしまいます。無意識のうちに、期待値を上げてしまうのです。
だから、「取ったり取られたり」ではなく、「取られたり取られたりなんだ」くらいに考えておかないと、気持ちと現実のギャップが大きすぎて混乱してしまうのです。実にネガティブな捉え方ですが、心のバランスを保つうえで意外と役立ちます。
利益を得るために売買するのですが、あえて「取られるのが当たり前」と考えることで、2つのプラスが生まれます。
ひとつは、ダメなポジションを早めに始末できるようになることです。
見込み違いは残念ですが、「どうやらダメそうだ」と思った時点で、とにかく切ることが重要です。そのタイミングを逸すると、ひたすら先送りして持ったままになります。
ダメなんだから捨てる、捨てずにいてコントロール不能のポジションを抱えてはいけない、すぐに切ろう、と素直に考えることができます。
もうひとつは、うまく乗れたときの行動です。
見込み違いが多いなかで、「どうやら乗れたようだ」という感触があったら、その貴重なポジションをすぐに手仕舞いするのは間違いだと認識できます。必ずどこかで手仕舞いするのですが、すぐに小幅で逃げてしまったら、もったいないのです。
これら2つで、不可欠な「損小利大」の行動が成り立つのです。

さて、乗れたと判断したあと、利大を狙う、利を伸ばすべくねばるといっても、いつまで持っていればいいのでしょうか。
「最高値で売りたい」というのは、かなうことのない願望です。
だから、ある程度までねばったあと、勢いのあるうちに売り逃げておこうといった実践のイメージも正解です。しかし、買いポジションを抱えたまま最高値を迎える方法もあります。
単に、売らずに持っていればいいのです。
もちろん、最高値を迎えたときに「ここが最高値だ」と認識することはできません。
だから、最高値を過ぎて、下げそうな動きに変わってから売り逃げるのです。
こんな説明を聞くと違和感を覚えるかもしれませんが、まさに中源線のルールです。
買っている状態で、たとえ短期的に急騰しても、あるいは含み益がたっぷりと生まれても、下げそうな気配がない限り売りません。
言い換えると、「上がっているうちは、売り手仕舞いする理由がない」ということです。
でも、この対応を裁量で行うのは、けっこう難しいでしょう。
例えば、500円で買った銘柄が1,000円をつけたとします。
そのあと850円まで下がって「下げトレンドに移ったな」と強く認識したとき、高値から150円下がっている状態で即、売りを決断できるかという問題です。
せめて、少し戻って900円を超えたあたりで……こう考えて売り損なうのはサイアクです。
中源線において、数式で判断する有利さが浮かび上がります。

前項では、数式による判断と裁量を比較して考えました。
裁量で売買する場合は、個人的な好みや感覚で、タイミングがちがうでしょう。
早めに、動きのないうちに仕込む人は、上げていくなかで早めに売る傾向があるはずです。
逆に、例えば初動を見てから乗る、遅いタイミングで出動する人のほうが、長くねばることができるのではないでしょうか。
数式のルールをつくる場合も、中源線のルールに裁量を加えたりアレンジする場合も、やはり個人の好み、スタイルが反映されます。そして、どんなスタイルにも一長一短があります。
「利大のために値幅取りも必要」と述べましたが、動いた値幅をまるまる取ることなどできません。
さて、利食い売りのタイミングを考え、そこから、買いのタイミング、売買スタイルのちがいなどについて考察してみましたが、いずれにしても「トレンド」がキーワードです。トレンドをどう捉えるか、トレンドのどの部分で利益を上げようとするか、ということです。
今回の番組で紹介した銘柄は、順調な上昇トレンドが継続しているものです。
週末に、アメリカとイスラエルがイランを攻撃したことの影響について、私は楽観的な見通しを示しました。しかし、火曜日、水曜日と継続して売られる銘柄が数多くあります。
今後の見通しを立ててポジション操作を考えるとき、「トレンドが継続しているか」「トレンドが変わったか」をポイントにしてください。また、ポジションを増やす際は、十分に見極めてからです。
相場が平穏でも、荒れていても、常に守るべき大切なことです。
