計算と現実のギャップを想定する
林投資研究所が現在、力を入れている新システム「中源線シグナル配信」について、具体的な利用方法を想像してもらおうと考え、マーケット・スクランブル2月8日の放送は、「ところでシグナル配信ってなーに?」というタイトルでお送りしました。1月放送「そもそも中源線建玉法ってなーに?」の続編です。
そのフォローアップ(4)です。
映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第78回 ところでシグナル配信ってなーに?)
トレードでは、計算上の答えと現実にギャップが生まれます。
もちろん、どんな分野でも同じことが起こりますが、「利益」「損失」という生々しい結果に対しては期待が過度になりがちなため、ギャップが大きくなるケースが多々あるはずです。また、思わぬ盲点も生じます。
「中源線シグナル配信」のサービスにおいてパフォーマンス等の数値を公表する際は、過度な期待が生まれにくいように気をつけていますが、やはり自然とギャップが生じてしまうものです。
基本的なことについて解説しながら、「計算と現実のギャップ」を考えてみましょう。
ルールが機能する時期、しない時期
トレード手法は、3つの要素で成り立ちます。
「予測法」、その予測法と一体の「ポジション操作」、そして、サイアクの事態を避けながらも効率を求めようと試みる「資金管理」です。
1番目の「予測法」にばかり目を向けるのはキケンですが、予測の当たり外れは切実な問題といえます。上手にポジション操作したとしても、予測が外れれば一定の損失は避けられないからです。
ところが、ある特定の判断基準は、時期によって機能したりしなかったりします。取れるときはウハウハでも、取れない時期、つらい時期は必ずあるのです。
わかりやすい例は、フォローアップ(2)で紹介した5911横河ブリッジの中源線でしょう(フォローアップ(2))。
この問題をどうにかしようとムリにあがくと、その特定の判断基準を根底から壊してしまいかねません。やはり、「ダマシは受け入れるしかない」と考え、予測法と一体のポジション操作で“損小利大”に努めるしかないのです。
ルールが合う銘柄、合わない銘柄
どんなロジックでも、あらゆる銘柄、さまざまなクセをもつ多数の銘柄すべてに合う、つまり「何でも当たる」なんてあり得ません。
前項で示したように、機能する時期としない時期があるのと同様、その判断基準が合う銘柄と合わない銘柄があります。
多くの人が、まず銘柄を決め、その銘柄を「どうにかして、やっつけよう」と挑戦するようです。しかし、もっとラクなのは、手法を決め、その手法に合う銘柄を選定することです。
再投資のワナ
前述した「資金管理」の知恵として、再投資を考える観点をひとつ紹介します。
多くの人は、資金を目いっぱい使おうとします。根本の発想自体は間違っていませんが、現実では裏目に出るケースも多々あります。
単純な例を示します。
100万円でトレードをスタートして目いっぱいポジションを取り、1トレードの結果は10%利益、10%損失を繰り返すと仮定します。利益で殖えた分は、まるまる次回に再投資します。
すると、1回目に利益が出ると100万円は110万円になりますが、2回目は110万円を目いっぱい使うので、10%損失で損失額は11万円、資金は99万円になります。
こうして、利益の全額を再投資しながら10%利益と10%損失を繰り返すと、資金は徐々に減っていくのです。
もう少し、イメージしやすい例も出しましょう。
100万円の資金で1年間トレードし、50%という素晴らしい成績を収めたとします。つまり、50万円の利益が生まれたわけです。
翌年、50万円の利益を別枠にして、当初と同じく100万円の資金で続ければ、仮に50%の損失が出ても前年の利益を吐き出すだけですみます。
しかし、利益を再投資して150万円の資金で臨むと、さらに50%の利益が出た場合はグッと伸びますが、もし50%損失という結果になると75万円の損、スタート時点の100万円から25%も少ない75万円しか手元に残りません。
複数銘柄運用時のワナ
予測は当たったり外れたり。でも、上手にポジション操作することで、外れた場合は数量が少なく、当たったときは十分な数量を維持して利を伸ばすことができます。
前述した、「損小利大」という適正な考え方です。
では、正しい損小利大のシステムを利用して、複数の銘柄を同時にトレードしたとします。例えば、10銘柄の“バスケット運用”です。
10銘柄について、損小利大を実現するシステムでポジションを取った結果、勝率が50%だと仮定しましょう。すると、「外れ」の場合は数量が少ない、つまり、トレードに要する時間も必然的に短いわけです。それに対して「当たり」の場合は、確信を強めながらポジションを積み増しして時間をかけます。
すると、トレードを開始した直後は、「外れ」と判断して切ってしまった損失ばかりとなり、取引の記録にマイナスの数字を連ねることになるのです。
適正なシステムならば、一定期間のトレードによってトータルはプラスになるはずですが、資金管理に少しでもムリがあると心が折れ、利益が出始める前に撤退してしまうかもしれません。
いかがでしょうか。
計算上の認識とは異なる現実があり、それも理屈で理解しているつもりでも、生身の人間として対応しきれない場合がある──しっかりと考えておくべき事柄です。
さて、こんな現実のことを想像しながら、実際の中源線チャートの「当たり外れ」を見てみましょう。

金融株は「動きが激しい」という印象を持つでしょう。例えば銀行株が動き出すと、多くの人が参加しますが、意外と苦しんでいると認識しています。実は、中源線でも、銀行株はうまく取れないのです。しかし、証券株は全般に「まずまず合う」と評価できそうです。この原稿を書いている3月2日に、たまたま陽転しました。2015年11月から大きく下げたあとですが、どうなるでしょう……。

この東邦チタニウムも、非常によく動く銘柄だと思います。
しかし、前にも紹介した通り、2015年8月~11月はダマシの連続でした。11月から2016年1月にかけての下げは見事に取りましたが、1月の陽転がダマシ、そのあと陰転して売ったのですが、売りポジションを抱えたままジワッと上昇しているので評価損……感情的には、舞い上がったり心が折れそうになったりと、悪いクセがつきそうな値動きです。
2月8日放送のフォローアップは、これで終了です。
そして今夜は、マーケット・スクランブル生放送。常に実践的な内容でお送りしていますが、今回はグッと深い話を持ち出します。タイトルは「こうして儲けろ! トレードのツボ」。お楽しみに!

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