一生に一度の買い場? | 林知之


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株式市場は大きく動いています。

「下げを加速させたのは、コンピュータによる高速売買(HFT)だ」という意見も出ていますが、そういったことは今後に議論されることで、現時点で大切なのは次の2つでしょう。

・市場で成立した価格は厳然たる事実
・この変化をどう受け止めてどう動くか

そんな地味な考えを否定するように、「株のバーゲンセールだ」という意見があります。

 新型コロナウイルスも、いずれは終息する
 金融市場に亀裂は生じていない
 今が一生に一度の買い場だ!

状況の分析に異論はなくとも、チャートのタテ方向だけに目を向けて「ここで買わなくちゃ!」と力を入れるのはよろしくありません。

もともとの戦略があるのなら、そのとおりに行動するべきです。
ツッコミで買い向かうのも、
戻りが早い銘柄を狙うのも、
「自分の出番だ」と考えてやるべきです。

勝ち負けはわかりませんが、結果(損益)をコントロール可能だからです。

でも、思いつきで動くのだけは控えなければなりません。
偶然勝つかもしれませんが、大きく勝つかどうか不明なうえ、負けたときに打つ手が見つかりません。

たまたま勝ったことで「わるいクセがつく」、という懸念もあるでしょう。

今後の株高が望めるなら、十分に落ち着いた段階で戦略を整えるのが王道です。

私は、直近が“幻の安値”になる可能性よりも、下げのあとに到来する「整理の期間」を重視します。
特殊な例を捨て、標準モデルで考えるということです。

少なくとも、初心者が投資をスタートする好機でもなければ、急ぎ売買資金を増やして攻める場面でもありません。

むしろ、次のチャンスを狙うべく、現金比率を高めることを考えるのが、至極健全なことだと思います。

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