投資と投機(3) | 林知之


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連載「トレード哲学」……18
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縁日の屋台に近寄ると、手伝いの子どもが母親らしき女主人に「自分も食べたい」とせがんでいました。彼女は、「ダメ! お腹こわすかもしれないから……」。
聞こえてますよ~

 

前回、“投機的な売買”を禁じられている証券会社職員の売買ルールを紹介しました。個人投資家とは無関係だと思うかもしれませんが、私たちと市場を結ぶ不可欠な存在、投資関連情報の発信元として無視できません。

さて、例えば「現物で6カ月以上保有」と制約を受けたら、不測の事態があっても6カ月間は売ることができないわけです。

就業中に不測のケガを負っても、止血なんかせずに仕事を続けろ、ってことです。
反対向きの電車に乗ったと気づいても、しばらく乗ってろ、ってことですか?

さらには、「親族も含めて株の売買は100%禁止」という証券会社もあります。
規模が大きいほど、厳しいルールが敷かれているようです。

金融マンとして過ちを犯さないように(客のカネに手をつけないように)という趣旨は理解できますが、従業員にラーメンを食べさせないラーメン店みたいなものだと感じるので、私は納得できません。

証券マンはプロです。
「みな相場がうまい」という意味ではありませんが、プロとして、私たち投資家と市場をつなげている存在です。その彼らが、不合理なルールに縛られているとしたら、彼らが発信する情報の受け止め方に注意しなければなりません。

「玉」「ポジション」という相場用語がありますが、営業の現場にいる営業マンの多くが「信用取引の建玉」という意味で使います。

投資家としては、たとえ手堅い銘柄の現物買いでも、現金をリスクにさらす、という積極的な意味の“ポジション”です。でも証券会社としては、現物は放置してもトラブルにならない(先送りが可能)、信用取引はトラブルになり得るから要注意、という営業の論理が先行するため、現物買いを“ポジション”と呼ばなかったりするのです。

状況の認識を表現するのが「言葉」です。
「言葉」は「行動」になり、繰り返すことで「習慣」になります。

「投資」と「投機」は、どうちがうのか──「投資のやり方が投機である」という説明もあるくらいですから、一概にはいえないのですが、すでに存在する定義を受け入れるだけでなく、プレーヤーとして考える時間をもちたいものです。


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