投資と投機(2) | 林知之


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 連載「トレード哲学」……17
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金融詐欺に遭った人が言いました。
「でも、悪い人には見えなかった。いろいろと親切でね~」
だまされたのに「親切だった」なんて、お人好しだから狙われるのです。
そもそも、悪い人に見えるようでは詐欺師として仕事ができないのです。

 

証券会社で働く人たちは、
「もっぱら投機的な利益を目的に売買してはいけない」と定められています。

では、なにをもって「投機」、なにをもって「投資」と定義するか──。
職員に株の売買を認めている証券会社でも、もちろん現物の買いだけで、例えば「6カ月以上保有」と期間を定めています。

「なるほど」と感じる人が多いかもしれませんが……「6カ月間、売ってはいけない」という部分に疑問が残ります。
いつでも売ることができるから値動きの激しい上場株を保有できる、期間の制約を受けたら“キケン”という論理は無視していいのでしょうか……。

もちろん、短期売買に興じていたら、「金融マンとして過ちを犯しそうだ」「一般投資家の窓口として問題」ということになるので、「半年以上の値動きを狙う売買に徹するべき」というのが正解なのでしょう。

そんな定義だけでは職員を管理しきれないとばかりに「6カ月以上保有」といったルールにたどり着いたのでしょうが、事の本質を考えたら、お客さんにすすめるものなので自由に売買して自らも相場の機微を知るべきですし、全く別の観点から、過ちが起きないように指導するべきです。

つぶれてしまった証券会社の職員が、倒産間近に会社の株をたっぷり買わされた、資金の大半は借金させられたって話がありますが、二重、三重に縛りつけられた状態は非常にキケンということです。少なくとも、「現物を一定期間保有すれば安全」という論理は成り立たないことを証明しています。

私は短期売買をすすめません。手を出さないほうがいいと進言しています。
でも、買いであれカラ売りであれ、「ちがったか!」と感じたら手を引く、数量を減らすのが鉄則です。
ポジションを持っている間は「リスクを負っている」、と考えるべきです。

「投資」はゆっくりで安全、「投機」は素早くてキケン、という考え方は、誤ったジョーシキ、うっかり聞いてはいけない情報です。
「売り」という概念が不足して“買いに偏る”ことにも、注意が必要です。

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