正解はどこにある? | 林知之


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 連載「トレード哲学」……10
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たい焼きのアンコは、シッポの部分にまで入っているべきか否か?
こんなテーマで論争したら、それ自体はおもしろいでしょうね。
でも、結論は出ません。好みの問題だからです。

連載「トレード哲学」では前2回で、効率的市場仮説の説明を行いました。
株式市場の価格は効率的か否か、ものすごくカンタンにいえば“予測を当てる余地があるかどうか”について、賛否両論があるということです。

すでに起きているのに一般に認識されていない事実──つまり、明らかに存在する変化なのに、市場の価格に反映されていないこと、故ピーター・ドラッカー氏が説いた「すでに起こった未来」、株価の“未来を考える”視点です。

市場が完全に効率的なら、「すでに起こった未来」はどこにもなく、有望な銘柄を選別して投資する“アクティブ運用”は機能しないことになります。

さて、市場は効率的か否か──連載の先号で書いた通り、実践的な私見を述べます。

『どちらも正しい』、これが答えです。
白黒をハッキリさせる必要はありません。

価格を見るときに「隠された情報がある」と考えると、迷走してしまいます。
現在の価格、これまでの価格推移をすべて疑うことになるからです。
この部分には、「市場は効率的だ」という前提があります。

しかし、100%効率的だとすると、利益を上げるための突破口を見いだせません。

  • 人気の行きすぎ、つまり、売られすぎる場面や買われすぎる状況
  • バブル(市場全体が一定期間、買われすぎる)
  • アノマリー(説明できない季節的な上げ下げや周期的な変動)
  • 突発的な変化

これらを探すことが、ほかの参加者を上回る結果を出す突破口だからです。
市場は効率的か?
学術的な考察も、「仮説」あるいは「主張」です。
実践的には、さらにあいまいにならざるを得ません。

また、「予測をどうやって当てるか」に全神経を使うのではなく、

『独自の仮説に従って売買しながら、値動きに対応していく』
『たまたまの予測的中で、そこそこの利益を確保する』
『たまたまの見込み違いでも、大きな損を出さない』

と考えるのが、林投資研究所が提唱する“相場技術論”の哲学です。

ちなみに、「価格を見るときに『隠された情報がある』とは考えない」という部分は、大切な現状認識です。過去の事実をそのまま受け入れないと、チャートを見る行為そのものが否定されてしまうからです。

連載の次号で説明します。


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