順張り逆張り(1) | 林知之


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 連載「トレード哲学」……4
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毎日、何かしら文章を書きながら「休みたいなぁ」などと思いつつも、言葉の面白さを考えていると本当に飽きません。

大和言葉の「花を愛でる」(めでる)──実に美しい表現だと思います。
最近は「チョーサイコー」なんて軽いノリで言葉を交わし、それはそれで軽快感があっていいのですが、「このうえなく」なんて使うと、とても上品ですよね。

日本語の面白さは、数々の言葉遊びにも見受けられます。

「さぁ、はった、はった!
 はって悪いはオヤジの頭、はらなきゃ食えない提灯屋だ!」
(家長の頭をたたくのは言語道断。でも、提灯屋は“はる”のが仕事)

博打場の口上です。

大和言葉から“このうえなく”チョー庶民的な話題に移ってしまいました……。
博打だけでなく、相場でも「張る」という言葉を使います。
「あの人、張るよねぇ」とは、「大きなポジションを取る」という意味で、「マネできない」とか「危なっかしい」といったニュアンスを含みます。

このような表現を使うのは、さすがに古い業界人だけかもしれませんが、「順張り」「逆張り」などは、現役の相場用語です。

「プロは逆張り」などというのですが、この表現の通りに行動してケガをするケースが多いと感じます。どんどん下がる過程で買い下がり、買い値を安くする狙いとは裏腹に、単に“逆行するポジション”をつくってしまう失敗です。

逆張りとは、
 「そろそろ下げ止まり」と判断し、
 丁寧かつ計画的な分割売買を前提に
 少し早めに買い始めるテクニック
です。

では「順張り」とは?

次の号で、詳しく説明します。

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