大衆は愚衆、自分は優秀? | 林知之


本日発行のメールマガジン「1分間の相場実践知識」の内容を、そのまま掲載します。メール配信をご希望の場合、こちらのページからお申し込みください。

「メタ認知」という言葉があります。「認知を認知する」という意味だそうで、例えば「自分がわかっていないという事実をわかる」みたいなことだったりして、じゃあ、わかったら、わかっていないという状態を脱するのかなんてツッコミは筋違いだそうです。難しいですね。

相場は、とても皮肉です。
買ったあと下がってガマンした場合は、ガマンしきれなくなって切ると見事に上げ始めます。昨年から上昇トレンドを続ける銘柄がたくさんありますが、「押したら買う」と意気込んでいても、「押し目待ちに押し目なし」の格言通り、タイミングを与えてくれないと感じる向きも多いのではないかと。
「買いたい弱気」は通用しないようです。

で、やっとタイミングが取れて買うとまずまずの展開、でも、さらに買ってお腹がいっぱいになると……下落の始まりだったりするわけです。

大衆の意見は愚衆の意見──誰もが大衆とは異なる行動を取って利益を上げようと考えるのですが、考えてみると自分も大衆のひとりにすぎないわけです。
おっ、これがメタ認知でしょうか!

よく意識するのは、マーケットとの“距離感”です。
相場の変動は、お祭りのようなもので、楽しむ(儲ける)ためには自分自身も参加して踊らないといけないのですが、ど真ん中で陶酔して踊り続けていると大ケガをしてしまう。といって、踊らずに眺めているだけでは楽しめない……。どこまで近づいて踊るか、いつ踊りの場から離脱するか──これが皮肉な結果を招かないための戦略なのでしょう。

具体的には、仕掛けの頻度を低くする(出動を絞る)、資金稼働率を抑えるといったブレーキをかけることです。草食動物のように、食われる、逃げなきゃ、という警戒心と表現するのが正しいかもしれません。

新刊『入門の入門 中源線投資法』

中源線の基本ルールを公開したうえに、現実で遭遇しそうな場面を解説するなど、とても実用的な内容に仕上がったと自負しています。
けっこう深い部分まで切り込んでいるため、中源線を学ぶガイドブックにとどまらず、トレードルールのあり方を考える一冊として、自信をもっておすすめします。ぜひ、手に取ってみてください。
林 知之 著 2,000円+税

詳しい内容(目次、中身チラ読み)は、こちらをクリック!

ブログ一覧に戻る