番組はこんなふうに作っています | 林知之


マーケット・スクランブルの生放送をどんなふうに作っているか、舞台裏というほどでもないのですが、現場の様子をちょっとご紹介したいと思います。

フリップは手作り

放送する内容は1カ月前に企画しますが、内容が完全に決まるのは直前です。そして当日、実際に話す内容をリアルに想像しながらフリップを自ら手作りします。自分でやったほうが、放送の内容が頭の中で整い、1枚1枚が“自分のもの”になる気がしますね。

5-フリップ

内容については、アシスタントを務めてくれている大橋ひろこさんからもガッツリと意見をもらいます。彼女はしゃべりのプロというだけでなく、ご存じのように、マーケットのことやトレードそのものにも詳しいので、わかりやすい番組作りにつながるナイスなアイデアを提供してくれるんです。

打ち合わせの友はスペシャルドリンク

本番1時間前に集合して打ち合わせ開始。番組中にもノドを潤す飲み物を用意しますが、打ち合わせのときに飲むのは「〇〇リーゼ」「〇〇〇の力」系のドリンクです。放送終了後に楽しく飲む──仕事の原動力です!

5-打ち合わせ

この打ち合わせで、番組の細部が決まります。事前に作った「進行表」やフリップなどの資料を広げながら、「これは何がポイントなの?」(大橋)、「ありがちな勘違いを説明したいんだよね」(林)なんて感じでスピーディーに意見交換するうちに、自然と30分間の流れが固まっていきます。「じゃあ、ここはもう1~2分やってもいいかな」という感じで、大ざっぱながらお互いのイメージがそろっていくのです。

番組の内容をしっかりとさせるだけでなく、見ていて面白いものにしたいと思うのですが、私が思いつく爆笑必至のはずの提案は常に大橋さんから冷たい視線を浴びせられて終了。いつの日か、「まいりました」と言わせたい。

そういえば、TOKIOが出演する日本テレビの番組『ザ!鉄腕!DASH!!』の台本は、たったの4行だそうですね。
(1)集合・到着時刻
(2)満潮干潮の時刻
(3)日没時刻
(4)作業目標
マーケット・スクランブルも“出たとこ勝負”みたいなところがありますが、さすがに30分の生放送で「待ったなし」なので、細かく取り決めしたうえで本番に臨みます。

直前の緊張感?

5-本番準備
放送開始20分前、大橋さんは化粧室で身だしなみをチェック、私もヒゲを再チェックしてスタジオに移動。いつものスタッフにマイクをつけてもらうなどの準備を進めながら、それぞれが放送モードに頭を切り替えます。

私が、本番の音量を確認するようなつもりで、ちょっとしたことをしゃべっていると、「黙って座っていられないの~?」と、悪ガキをたしなめる母親のような大橋さん。

5-記念撮影
そんな大橋さんですが、SNSなどにアップする写真を撮ってもらうと細かくチェックして、「あ~ん、もう1枚」とすぐに撮り直しの指示。「いつも通りにキレイだよ」と早く終わらせたいスタッフと小さなバトルが。オープニングの話題を何にしたか、忘れちゃいそうなんですけど……。

放送は30分ジャストで終了!

「本番5分前」「本番3分前」「本番1分前」とスタッフによるカウントダウン。
最後は、「5秒前」「4」「3」「…」「…」、そしてキューがでます。
5-放送スタッフ

インターネット放送なので、尺についてはフレキシブルですが、私たちは30分きっかりで終了するようにしています。秒単位で管理することで、内容も気持ちもピシッとしまるのです。

時間というのは、とても大切な要素です。先日開催した「フリートーク交流会」でも、トレードを管理する基準を「日柄」にするのが合理的だとの意見に賛同が集まりました。

番組中、私がうっかりして長々と話し出すこともあります。すると大橋さんは、ニコニコと相づちを打ちつつも、テーブルの上で人差し指をクルクル、「時計見てる? 巻いて巻いて~」のサイン。画面に映るのは笑顔、私を見る目はちょっとコワい……。そういえば以前、終了10秒前にシメのトークを遮って別の話題を振ったら叱られました。

とまあ、ちょっと遊んだりしながらも、きちんとした番組を作ろうと努力しています。私自身が慣れていないせいか、まだまだのところもありますが、短い番組なので、ぜひ見てください。

そして今夜の放送は、「システムと裁量の融合~投資家は『売買マシン』になれるのか?」
先月に続いてトレードの深い部分を考察します。
生放送は20時から。お楽しみに!

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