ヒトの“感じ方”を無視するな | 林知之


本日発行のメールマガジン「1分間の相場実践知識」の内容を、そのまま掲載します。
メール配信をご希望の場合、こちらのページからお申し込みください。


講師を職業としている人から、「ワン・インストラクション、ワン・アクション」と教わりました。聞いている人に対して2つの指示を同時に与えると混乱する、ワン・インストラクション(1つの指示)でワン・アクション(1つの動作)を原則にしろというのです。「その場で立ち上がり、90度右を向いてください」と2つの動作を示しても、事前に流れを知らなかった人は、たった2つを実行できないことがあるのです。
妻に2つの買い物を頼まれて私がミスするのは、指示が悪いってことですね。

ヒトには創造性があり、その能力によって大いなる可能性を秘めています。
日常のものごとに対してだって、“何手も先”を読む力を持っているのです。

一方、意外に単純なことができない。高い能力がジャマをするのでしょうか。

インターネットの普及なども手伝い、トレードに関する情報も多種多様、膨大な量に及んでいます。その結果、再現性、勝率、マキシマムドローダウン、利益率、ストップロス……と言葉を並べて理論を考える傾向が強まっています。

でも、最終的な狙いである「利益」を求めるのが生身の人間である以上、手法や手段にかかわらず、ヒトとしての特性を考えることが重要です。

正解は何か──この問いを考える前に、ヒトが、そして自分自身が、情報をどう認識しているかが問題です。「つらい」「うれしい」といった感情が行動を左右するので、理論的な認識よりも“感じ方”にフォーカスするべきなのでしょう。

研究部会報』では毎号、いくつもの読み物を執筆していますが、その時々のテーマがあることが多く、明日発送する1月号では、いま私の中で研究課題となっている「ダマシとのつき合い方」が、いわば主題となっています。

裁量でもシステムでも、予測の的中率を100%にできない以上、見込み違いがひんぱんに起こります。「うまく当たったときの対応」とともに、「ダマシに対してどう行動するか」を考えるのは当然ですが、そもそもダマシをダマシだと判断する基準、ダマシによる感情をどう認識すべきか──これがトレーダーの課題だと考えています。

今年の株式市場は波乱の幕開けとなりましたが、今後も変動が大きそうです。
リスクが大きいと同時に利益のチャンスも多いということですが、行動の前に手法や予測法の再チェックも大切ですね。

研究部会報』は、同じマーケットに同じように参加するプレーヤーとして、自己コントロールといった内面的な課題を忘れずに実践的な考え方を考察する機関誌。1月号は明日、1月26日に発送します。


new_chgdvd
chg_dvd
研究部会報
 林投資研究所で40年以上続いている、プレーヤーのための定期刊行物。

中源線建玉法
 最古のトレードシステムといわれる中源線は、シンプルなルールなので感覚的に捉えることが可能です。

林投資研究所
 林投資研究所の公式Webサイト。
 まずは資料請求(無料)してください。電話等での勧誘はいたしません。

研究部会報および中源線シグナル配信は、当局に届出の投資助言サービスです。契約にあたっては「契約締結前の書面」をよくお読みください。

ブログ一覧に戻る