株式市場の出来事は、とても日常の感覚では計ることができません。
「うまく立ち回るとカネが儲かる」という認識があるため考えなくなるのですが、あれほど価格が上下するなんて、ふつうに考えたら「カオス」です。
それなのに、日常生活や仕事で培った常識を、そのまま当てはめようとしてしまいます。
「いつもとちがうことが起きているんだ」と頭で理解しているつもりでも、新しい感覚、新しい基準を使うには、訓練が必要です。
その訓練をする発想を十分にもつことができないのです。
私が目を向けるのも、こうした錯覚を弱めるための実践的工夫です。
錯覚が消せない部分については、「錯覚があっても、わるい結果につながりにくくする」テクニックを考えます。
さて、錯覚というのは、気づいていてもなかなか消えないから錯覚なのです。
「あれ、おかしいなぁ」「うまくいかないよ」と考えているうちに道に迷い、答えから遠ざかった状態で損を重ねて退場処分・・・個人投資家に、非常に多いケースです。
かるく痛い目に遭って覚えるのがベストですが、そうもいきません。
大ケガをして開眼しても、資金が大幅に減っていたら、そこからの戦いでムリをしなければならなくなってしまうのです。
そんな苦労をしなくても、社会経験のあるオトナなら、異なる考え方に触れて理解できます。また、思いもよらない値動きの捉え方を聞いて、「これは有効かもしれないな」と判断することが可能です。
私の新刊『プロが教える株式投資の基礎知識 新常識』は、常識人が株式市場のカオスを上手に認識するための知恵と工夫を凝縮した一冊です。下の紹介動画を、ぜひご覧ください。
(5分46秒。これを見るだけでも、おもしろいヒントをゲットできます!)
株式市場のカオスは、情報のカオスを生んでいます。
昔から、多くの投資家が必要以上の“情報戦”を繰り広げる場ですが、現在は世界経済のニュースだったり、ほとんどの人が理解できない中東情勢のニュースなどが飛び交い、値動きとムリに結びつけた解説に多くの人が耳を傾けています。
必要以上に情報をかき集めた結果、売り買いの判断も、裁量によるメリハリも、外すとガッカリします。世界中で、自分だけがダメな行動を選んでいるような気持ちになります。
でも、キモチよく当てつづけている人なんてゼッタイにいません。
安心してガッカリしながら「ちくしょー」と叫び(つぶやくだけで十分ですが)、次の瞬間には、根拠のない自信をみなぎらせて「よし、次の一手はこうだ!」と考えてください。
悩みが無限に積み上がるなかで、それを「迷い」につなげないという、バカげた行為が相場なのです。