相場はつらいよ
相場はつらいよ……日経平均が新高値をつけた直後に、予期せぬ急落。
そんな状況下、中源線による個別銘柄の判断はどうだったか、直近の激しい動きから考えてポジション操作の基本はどうあるべきか──。
2018年11月5日のマーケット・スクランブルでは、直近の乱高下から「適正なポジション操作」を模索しました。中源線の強みが、クッキリと浮かび上がります。
映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第144回 株価急落に対処するトレードルール ~中源線による機敏な判断と行動~)

【定番】定点観測
「今買う銘柄ありますか?」
業者にこんな質問をしたり、常にこんな観点で“銘柄さがし”をする投資家が多いようですが、入り方がよくありません。
プロも人それぞれ、やり方も対象銘柄も大きく異なりますが、共通しているのは、必ず「定点観測を行っている」ことです。
銘柄を頻繁に入れかえるトレードスタイルであっても、突然の思いつきで新規銘柄を加えたりしません。継続的にウォッチしている銘柄で、「ここだ!」という具合にタイミングを計るのです。
番組では、銘柄数は少ないのですが、この定点観測を継続しています。
では、11月5日の放送で行った定点観測を、あらためて紹介します。10月の下げの中、中源線がどのような反応を示しかを見てみましょう。
※チャートは、11月2日終値までのものです。
※赤が買い線、黒が売り線、それぞれ3分割でポジションを増減させます。
4331テイクアンドギヴ・ニーズは、いい感じで取れています。10月の急落にも、問題ないタイミングで反応していることがわかります。
5911横河ブリッジは、前にもコメントしたように、最近はきれいなうねりが出ていますが、9月の陽転(赤い丸印)は少し残念でした。ダマシは仕方がないのですが、陽転のタイミングが少し遅れ気味でした。また、10月の陰転も少し遅めだったと感じます。
7205日野自動車です。9月の陽転(赤い丸印)について「期待できるかも」とコメントしたのですが(10月放送)、10月に下げたことで結局はダマシに終わりました。結局、2月から9カ月も下げているので、次に陽転したら「こんどこそ」というところでしょうか。
7717ブイ・テクノロジーは、イヤな下げ方をみせています。7月にいったん下げが止まったところでダマシの陽転が2回あったあと、さらにズルズルと下げました。しかし、10月の下げのあとは、ほかの銘柄に比べて早いタイミングで陽転しています(赤い丸印、10月30日に転換)。半年以上におよぶ下げのあとなので、おもしろいかもしれませんね。大橋ひろこさんが得意な銘柄です。
8609岡三証券グループです。これこそ、長い下げのあとなので、どうなるのか興味津々ですね。1月の陰転(青い丸印)から約8カ月の下げを経て9月に陽転したのですが、10月の下げで再び陰転……残念ながらダマシでしたが、11月2日に「こんどこそ」という雰囲気で陽転しています(赤い丸印=9月の陽転以降)。
9983ファーストリテイリングは、10月11日に陰転したのですが、そのあと下げないどころか高値を取っています。ところが、中源線がうまく反応せず、陰線のまま強張るという状況にあります。中源線はロジックがシンプルな半面、単純な価格水準で反応しないこともあります。頻度は低いのですが。
大きな上げのあと、10月の下げで陰転して急落しています。相変わらず、中源線との相性はいいようです。さまざまなニュースが株価に影響する銘柄なので、転換の際に急激すぎるのが気になりますが、中源線で売買するには魅力的といえます。
定点観測は以上です。
「今買う銘柄はあるか」という落ち着きのない姿勢に対して、同じ銘柄群をじっくりとウォッチするプロの姿勢は、売買そのものは同じように見えて全く質が異なります。
といって、定点観測によって予測がピシピシ当たるということではありません。確信をもってポジションを取るので、そのあとの対処がちがうのです。当たったときに利を伸ばす、曲がったときに損切り撤退する、ひとつひとつの行動が連続するのがトレードなので、姿勢のちがいが行き先を大きく左右します。

2018年の検証
私は、「日経平均を見るな」と言っています。
日経平均の短期的な動向や、「○○円を超えたら……」みたいに、とくに根拠のない水準の議論が、自らの意思で売買を決するトレードという行為にとって、とにかく雑音となるからです。不要な手を打ったり、必要な手を打てなかったり遅れたり……売りと買いをシンプルに組み合わせて機敏に行動するためには、情報もシンプルであるべきです。
とはいえ、日経平均は東証一部225銘柄の平均ですから、注目すべき個別銘柄の動きと全く無関係ではありません。両者の関係を見てみましょう。
下のチャートは、日経平均のチャートに、東証一部に上場する約2,100銘柄の「中源線の判断」を重ねたものです。東証一部全銘柄を、中源線で個別に判断し、約2,100銘柄のうち何銘柄が陽線(買い線)になっているか、その数字の推移を日経平均のチャートに加えてみました。
(林投資研究所の「中源線シグナル配信」によって、過去を検証して導いた最適値で、ひとつひとつの銘柄を判断しています)
日経平均の上げ下げに対して、中源線で個別銘柄を判断した陽線(買い線)銘柄数の変化が非常に激しいことがわかります。とくに7月以降は約1カ月、あるいはそれより短い期間、でピークからボトム、ボトムからピークへと移っています。
個別銘柄が、常にバラバラに動くのが株の特徴です。
日経平均が動く方向とは逆に動く銘柄が、常に多くみられるということです。
その個別銘柄全体が、上下どちらかに少し傾いた分が、日経平均の短期的な上げ下げやトレンドを形成すると考えてもいいでしょう。
すると、今年の急激な変化は、値動きが「落ち着かない」「読みにくい」ということで、頑張っても「取りにくい状況だった」と残念な評価を下すことができます。

中源線がスゴいの?
2018年の相場は難しい……中源線を使っても取りにくい場面が多いのですが、前項で示した日経平均のチャートと、個別銘柄の陽線(買い線)数の推移を見ると、目まぐるしい変化に、ちゃんとついていっていることが理解できます。
中源線は、上昇する動きを察知して「トレンドが上だ」と判断し、下落する動きを見て「下に向かう」と判断する、いわゆる『順張り』のロジックだからです。
買ったら下がった、カラ売りを仕掛けたら上がった……こんな状態で頑張って大損するのが、株式市場あるあるの「退場パターン」です。こういったことが起きず、常に動きについていくのが順張りの強みです。
個別銘柄で、中源線がうまく機能している例を見てみましょう。
上のチャートは、2531宝HDです。中源線が、上げ下げをうまく捉えています。
いいタイミングで転換しているので、逆張りのようにも見えますが、下げる動きで陰転、上げる動きで陽転しています。想定通りのタイミングで転換すれば、「天井圏で陰転」「安値圏で陽転」するのですが、いわゆる順張りでトレンド転換を判断しているのです。
中源線がスゴいのではなく、そういうシステムだということですが、付随する特徴を次項で説明します。

ドローダウン
中源線は、順張りで相場の流れについていきます。
これが最大の強みですが、表裏一体の弱みはドローダウンです。
例えば、陽転して買ったら見込み通りに上昇したとします。20%の評価益が生まれてホクホク。その後、弱含みの展開になって陰転したとします。買いポジションを利食い手仕舞いすると同時に、3分割の1単位(3分の1)だけカラ売りを仕掛けます(この3分割がミソです)。
評価益20%がピークで、そのあと順張りで「下向きだ」と判断するのですから、現実の利益は20%を下回り、例えば10%だったりします。“捕らぬ狸”で「20%の利益だったのに……」と考えるのが人間ですから、なんとなくおもしろくないのです。
ところが、評価益20%の状態からさらに上伸し、30%、40%になったときも買いポジションを維持します。順張りなので、下向きの動きがない限り買ったままにするからです。だから、値幅が発生したときに早めの利食いでカスカスの利益、なんてことはなく、天底のジグザグを除いた“身”の部分をまるまる取ることが可能です。
林投資研究所では、この中源線による上場全銘柄のシグナルを毎日公表する、「中源線シグナル配信」を行っています。
WEBページに詳しい説明があるので、ぜひのぞいてみてください。
→こちらをクリック!

次回のフォローアップ(2)では、10月の大きな下げの中でグイグイ上昇した銘柄を紹介しながら、個別銘柄の動きと指数の動きをどう認識するべきかを考えます。お楽しみに!
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※「研究部会報」および「中源線シグナル配信」は、林投資研究所が行っている投資助言サービスです。契約にあたっては、林投資研究所が交付する「契約締結前の書面」をよくお読みください。












































