2018年の値動き総点検
2018年も残りわずか。今年は、プロを含めた多くの投資家が苦労しているようです。
実際、個別銘柄はどんな値運びだったのか──中源線のデータのみならず、手作業の分類も加えて2018年の動きを総点検しました。
そのうえで、「これから買うなら……」との観点で銘柄をチェックしてみました。
映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第146回 みなさん今年は儲かりましたか? ~中源線で振り返る2018年株式相場~)

ユニバース94銘柄を検証
2018年も残り1カ月を切りました。今年は、プロも含めてボヤくくらい“取りにくい”値運びだったという感触がありますが、具体的にはどんな動きだったのか。
独自の観点から検証してみます。
よくあるのが「日経平均が○○で……」ってヤツですが、225銘柄の単なる平均値が、売買する者の感覚と一致するケースは少ないといえます。個別銘柄の上げ下げのトレンド、そして、林投資研究所の「中源線建玉法」によるデータをもとに、11月30日までの流れを分析しました。
とくに注目したのは、「中源線シグナル配信」で研究銘柄として取り上げている「ユニバース」の94銘柄です。
ユニバースとは、「中源線シグナル配信」スタート時に、最長31年間の過去データで分析した結果、パフォーマンスが良好かつ安定している銘柄を、東証一部に限定して選んだものです。売買実践を考えた、「研究対象銘柄」ということです。
中源線のパフォーマンスを計算した結果は、以下の通りです。
(分母は建てた金額)

さて、その94銘柄の日足チャートをひとつずつ目視で確認し、丁寧に分類した結果が以下の表です。

パッと見て項目が多いのですが、明らかに上昇トレンドと認められるのがたった1銘柄、「上昇」が絡む銘柄よりも「下降」が絡む銘柄のほうが圧倒的に多かったことがわかります。
次に、もっと端的に「株価は上がったのか下がったのか」とザックリまとめてみると、次の表の通りです(分類できなかった「その他」を除く)。

日経平均が2万4,000円をつけたあと、まさかの急落……こんな印象が頭に残っている向きも多いでしょうが、「2018年は下げ相場だった」とまとめてしまうほうが、実践者の感覚と一致するのではないでしょうか。
94銘柄ではサンプルが少ない──おっしゃる通り!
では、東証一部全銘柄(約2,100銘柄)について、日々の中源線の判断を集計した結果を見てみましょう。毎日、陰線(売り銘柄)と陽線(買い銘柄)のどちらに傾いていたかを確認してみました。
大発会の1月4日から11月30日まで、立会日の合計226日のうち、買いに傾いていたのが65日、売りに傾いていたのが160日、完全なニュートラル(売り銘柄と買い銘柄が同数)が1日、という結果でした。
つまり、立会日の4分の3は売りに傾いていたわけです。
こんな分析結果からも、「今年は下げ相場」との結論が導き出されます。
11月5日の放送(※)で示した通り、今年の値動きは思った以上に目まぐるしく、それが「取りにくい」という実践者の感覚と一致します。機敏に反応する中源線を用いても、その状況は同じです。
※11月5日の放送
→ 動画はこちら
→ 該当するブログはこちら
でも、下げ相場だったので、買いだけでなく売りシグナルも出る中源線建玉法の強みが発揮された場面は、多々ありました。次項で紹介する個別銘柄でも、そんなことを確認できると思います。

値動きいろいろ
さて、番組では、前項の分類に従って多くの銘柄を紹介しました。その一部を、ここでも見てみましょう。

8267イオンは、「中源線シグナル配信」のユニバースで唯一、「上昇トレンドだった」と言いきれる銘柄です。上げが鈍ってきたと判断して「保合に入る?」なんて勝手なコメントを入れましたが、中源線の判断は依然として「買い」です。

8897タカラレーベンは、ガッツリ下げ波動でした。
1月の高値圏と4月に陽転していますが、いずれもダマシに終わっています。売りシグナルが出るという中源線の強みで下げを取ったことになります。
直近では、陽転しています。これだけ下がったあとなので期待をもつ陰陽転換ではありますね。

8219青山商事は、弱保合から下げに転じました。おもしろいのは、10月に市場全体が下げ始めたところで何事もないように横ばい、11月に少しリバウンドしたあと棒下げしたことです。やはり、日経平均を軸に「株は……」なんて大ざっぱな見方をしては、大切な変化を見落とすということです。この銘柄も直近で陽転していますが、こんな極端な下げ方をしたあとなので「うぅ~ん」というのが見た目の感覚ですかね。
タカラレーベンも青山商事も、下げの過程でダマシの陽転が見受けられます。2016年は、上げ途上でダマシの陰転が目立ちましたが、その真逆ですね。
さて、最初に分類した10項目に入らなかった、つまり、上げ下げをハッキリと認識できなかった銘柄も、2つほど紹介します。

2531宝HDは、つかみどころのないような動きですが、中源線が機能しています。9月の上げ、10月から11月にかけての下げは、ポジションを持っていたら快感だったでしょう。

8439東京センチュリーは、中源線で見るとダマシが多いのですが、単純に上げ下げのトレンドに目を向けると、意外といい感じです。裁量で「うねり取り」を実践する投資家の中には、「波動バッチリ」なんて感じる向きもあると思います。

個別の集合が平均株価
前項で確認した通り、同じ株でも個別でバラバラに動きます。私は「個別銘柄を見ろ」と繰り返していますが、とても大切なことなのです。
ということで、ほかにも変わった値動きの銘柄を見てみます。

7532ドンキホーテは、弱保合から急騰という変化をみせました。10月に市場全体が下げ傾向になる中、グングンと上値を取っていったのです。でも直近は、11月28日に陰転(買いポジションを利食いしてドテン売り)、その後は弱い展開です。

2768双日は「保合」ではなく、「保合→保合」というヘンな分類をした銘柄です。往来から上昇して「グングン上値を追うか!」と感じさせたあと、再びおもしろみのない保合に移ったのです。「よし!」と乗ったら動かなくなった……相場あるあるです。
こうして個別銘柄を丁寧に見てやると、さまざまな動きを見つけることができます。やはり、「個別銘柄の動きをムリに集約したものが平均株価」なのです。まずは日経平均の前日比と水準に触れたあと、取って付けたように目立った個別銘柄の動きを並べる市況解説が極めて一般的ですが、実践者としては要注意です。私が、しつこく否定する理由を理解して、実践的かつ実用的な“目”で売買に臨んでください。

年末年始で買う銘柄ある?
2018年は下げ相場だった、と述べました。
この原稿を書いている12月5日現在でも、株式市場は元気がない状態。ある証券会社の営業マンは、「久しぶりに連絡してきて買い注文をくれる投資家がいる」なんて言っていましたが、今年は下がる動きが目立っただけに、ちょっとキズを負っている人が多いはず。相場の回復には、もう少し時間がかかるかもしれません。
と言いつつも、ここまで下げたのだし、前述したドンキホーテのような強い銘柄に陰りが出ています。あえて、「この先買えそうな銘柄」という観点で「ユニバース」を見わたしてみました。3銘柄を挙げます。
※これら3銘柄については、つづきのフォローアップ(2)で、その後の経過も含めて取り上げます。ただし、以前にお伝えした通り、12月放送から、フォローアップ(2)および(3)は、「中源線シグナル配信」の利用者に限定してお送りしますので、ご了承ください。

6728アルバックは、下降トレンドから保合に移った銘柄です。7月以降の中途半端な横ばいでは中源線でダマシがつづいていますが、直近は、10月後半にダメ押しのような下げ、ダマシの陽転、11月28日に再陽転して「おっ」と目を引く状況です。

7972イトーキは、イヤになるほど陰湿な下げっぷり……そして、8月後半の陽転がダマシ、10月に陰転してからはつまらない横ばいです。そして、依然として中源線の判断は「売り」です。でも、「次に陽転したらおもしろいかも!」と感じさせる銘柄ではないでしょうか。

8604野村HDは、証券株の典型的な動きで、1月以降ずっと下げています。また、9月に陽転したのに出損なって(赤い丸印)10月の下げで再び陰転しています。値ごろ的には買いを狙いたいところですが、買ってみたら見込み違いで損切り……といった対応は、相場で仕方がないことだと認識しなければなりません。
今回のテーマは2018年の振り返りで、結論は「下げ相場だった」ということです。
投資家の多くは買い一辺倒ですが、中源線は買いも売りも同じようにこなす、いわば両刀づかい! この強みが発揮される場面は多々あります。
また、積極的にカラ売りポジションを取らないまでも、「下げを狙って売りを仕掛ける」イメージが頭の隅にあるだけで、ポジションを閉じる「利食い売り」がスムーズになるなど、トレード全体のクオリティを上げる効果が期待できます。
もし中源線に興味があるなら、とりあえず「中源線研究会の無料登録」を行ってください。「中源線シグナル配信」のトップページを毎日、閲覧することができ、市場全体の集計値が変化していく様子を観察可能です。

次回のフォローアップ(2)では、買い狙いの候補として挙げた3銘柄を取り上げて解説し、さらに「トレードの買い戦略」というものを深掘りする予定です。お楽しみに!
(12月放送から、フォローアップ(2)および(3)は、「中源線シグナル配信」の利用者に限定です)
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