ブレを受け流すプロの思考とワザ
日経平均が2万4,000円を超えて「27年ぶりの高値」と報じられていますが、現実には儲けにくい値動き……ここから、なにを買うべきなのか、なにを売るべきなのか──。
一般的な業者やメディアの論調を素直に受け入れ、日経平均の短期的な上げ下げや水準を気にするのではなく、“主体”の個別銘柄を効率よく観察することが大切です。
2018年10月の放送では、個別銘柄の価格変動をまっすぐに見る正しい観察法とともに、個人投資家向けの安定的な運用のアイデアを紹介しました。中源線を活用することで、ラクにカタチをつくることが可能です。
映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第142回 日経平均2万4000円 ~二極化するマーケットにどう対応するか~)

事件は予見できない
株式市場では日々、いろいろな銘柄が上がったり下がったり……一般の社会では考えられないほど変動しています。
東証一部のデータとして「値上がり率上位」「値下がり率上位」が発表されていますが、1日で10%も20%も変動する銘柄が日々あります。もし、日用品などの価格が同じように変動したら、どうなるでしょう? 昨日まで1リットル150円だったガソリンが165円になっていたり、新幹線のチケットが1日ちがいで20,000円から18,000円に下がっていたり……ビックリしてしまいますよね。
天候の影響を受ける野菜類は、一定の範囲内ながら大きく価格が変動しますが例外的なものですし、株価の変動には及びません。
株価そのものの話に戻ります。
1日で20%値上がりした、あるいは値下がりした場合、合理的とされるなんらかの尺度で計った「会社そのものの価値」が20%変動したかというと、たいていの場合はちがいます。業績の上方修正や下方修正が発表されて変動するケースもありますが、明確な理由を示せない状況のほうが多いでしょう。
解説記事に登場する材料、つまり株価変動の理由とされるものは、ほとんどの場合、前からあるものを株価変動の解説に引っ張り出しただけです。
要するに、株価変動は、突発的なことが多く、理屈を並べても予測が極めて難しいのです。株価が動く理由は「総合的な人気」……こんな説明しかできないのが現実です。そんな変動があるから利益を狙うことができるのですが、なにが起こるかわからないという意味で「事件」です。
その事件の発生を事前に察知できないか──誰もが望むことですが、望んでいるのは投資家自身で、その投資家たちの売り買いで値段が動くのですから、やはり予測不能なのです。
このジレンマが、人間の心をかき乱します。
だから、今回のテーマである「ブレを受け流すプロの思考とワザ」といった、ちょっと深入りした部分を考えざるを得ないのです。

「全体相場」とは?
日経平均は10月になって2万4,000円を超えたあと、目先は下げていますが、直近1年間では上昇傾向にあります(この原稿は10月9日に執筆)。では個別銘柄の動きはどうだったか、中源線のチャートを見てみましょう。




以上の4銘柄を、順に説明します。
(1)4331テイクアンドギヴ・ニーズ
上昇トレンドを描いて倍化しています。
(2)2726パルグループ
いったん下げ渋りましたが、ダラダラと約1,000円幅の値下がりをみせました。
(3)1722ミサワホーム
統計的には中源線と相性がよく、今後も期待できる銘柄ですが、この1年は往来で、うまく機能していません。
(4)8057内田洋行
ミサワホームと同じように往来ですが、中源線が機能して利益が生まれています。
「まずは日経平均」というのが、メディアや業者が発信する投資関連情報を受け取る一般投資家の平均的な観点ですが、具体的な売り買いを決めるには有効な数値とはいえません。
私たち投資家が最も気を配るべき「事件」(株価変動)を見るには、個別銘柄の動きを直接的に観察するしかないのです。日経平均の動向も助けとはなり得ますが、要素としてはかなり小さいものだと考えるべきです。

マーケット全体にリンクする
日経平均に惑わされるなら、いっそのこと見なければいいのですが、社会人として生活しているだけで情報が入ってきます。それに、ごく短期間でない限り、「日経平均が上昇している」=「値上がりしている銘柄が多い」のはたしかです。
個別銘柄の動きが肝心、
日経平均も無関係ではない、
でも個別と平均にはズレがある、
それに、実践に直結しない・・・
こう理解しておくのが、いいのかもしれません。
ベクトル的には、これが「ブレを受け流すプロの思考」です。
学校のテスト結果を考えてみます。
2教科で、数学が50点、英語が50点ならば平均は50点です。
次のテストで、数学が100点になった、英語が0点だった……これでも平均は50点、前回と「変わらず」ですが、数学が100点になったのも事件なら、英語が0点になったのも事件です。
「平均の落とし穴」です。
さて、落とし穴のある平均(日経平均)と個々の事件(個別銘柄の変動)を、ひとつの観点で同時に観察してみましょう。下の図は、日経平均の日足チャート(終値)に、「中源線シグナル配信」における「東証一部個別銘柄の買い線銘柄数」を書き入れたものです。
個別銘柄の値運びを中源線で分析した結果、「いま上昇トレンドである」と判断したものが買い線(陽線)です。その数のピークとボトムの時期、つまりチャートの「ヨコ軸」に目を向けてください。

落とし穴があるとはいえ、日経平均の上げ下げと、中源線によって分析した結果の「買い線数」の推移は一定のリンクをみせています。しかし、2018年1月以降の約9カ月間で、ピーク4回、ボトム3回というのは頻度が高く、それだけに激しい変化をみせていることが表れています。
1月10日のピーク1,515銘柄から1カ月が経過しないうちに、2月7日のボトム343銘柄というのは極端です。7月から8月にかけての変化も、買い線数の差は驚くほどでないにしても、日柄的には急激です。
深い分析ではありませんが、こうして少し丁寧に観察してやると、「全体相場」を正しく見る観点が浮かび上がります。また、「今年の動きは取りにくい」という多くの投資家の感想と、この分析が一致しているといえます。
こういった数字が、予測を当てることにつながるとはいえません。そんな便利な先行指標が手に入ることはないのが、マーケットの大原則です。でも、常に同じ基準で個別銘柄すべてを分析した結果というのは、ちまたの投資関連情報には絶対にない観点です。
林投資研究所では、「中源線研究会」に無料登録したみなさんに、この統計データのページを閲覧できるパスワードを発行しています。
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「中源線シグナル配信」のトップページでは毎日、この統計データを計算して表示しています。


上の画面が、シグナル配信トップページの上部で、下の画面は、それにつづく統計データの一部です。東証一部、東証二部、マザーズ、ジャスダックと市場ごとに、何銘柄が買い線(上昇トレンド)かがわかるだけでなく、その日の変化も細かく表示されます。
ちなみに、いちばん上の「ユニバース」とは、番組やフォローアップで示している銘柄群で、東証一部の中で長期的にパフォーマンスがよく(最長31年間のデータで検証)、かつ安定している銘柄をピックアップしたものです。
(2018年10月現在94銘柄あり、これらはシグナル配信にもかからずチャートが表示されます)
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いつ売ればいいの?
相場が上がってくれば当然、投資家の間からは「いつ売ればいいの?」という声が聞こえてきます。でも、日経平均を見ても答えは出ません。
売買している個別銘柄であっても、単に「水準」で考えて答えが出ることはありません。それで答えが出るのなら、そもそも、私たちに利益のチャンスを与えてくれるような激しい変動など起こりません。
いろいろな予測法がありますが、「中源線建玉法」では、逆行に目を向けて判断します。「株価の変動についていく」という、極めて自然な観察姿勢を数式化しているのです。
買い線のときは買いポジションを取りますが、急激に上がろうが緩やかな上昇だろうが、上がっているうちは放置します。また、上げ方が鈍くなった状況、いわゆる「上げ止まり」の雰囲気でも、さらなる値上がりの可能性を捨てずに買いポジションを維持します。
正確に表現すると、「下げの傾向が出ないうちは買ったまま」なのです。これによって、大きなトレンドを逃しません。
買いポジションを手仕舞いしてドテン売るのは、前述の「逆行」による判断です。下の図を見てください(赤が買い線、黒が売り線です)。

大きく伸びても、高値で横ばいになっても、買い線(赤)のままです。
そして、ガクンと下げた場面で、逆行(買い線なので逆行=「下げ」)を方程式で判断して、チャートの色を黒にします(陰転)。そして、3分割で慎重にポジションを増やし、うまくトレンドに乗ろうとします。
実際のチャートで、この中源線の狙いどころを確認しましょう。

6755富士通ゼネラルは、2018年1月に陰転し、6月の陽転まで売りポジションを維持しました。この下げはじめの陰転が、中源線の狙いどころです。
天井で売ろうとはしません。はなからムリだからです。
しかし、こうして下げ端で乗って最後までねばれば、うまく利益を取ることができます。

2531宝HDは直近、2018年9月の上げに注目です。
8月に下げ止まり、最安値を更新することなく横ばいをみせる中、いいタイミングで陽転しました。これも、狙い通りにトレンド転換を検知している例です。
継続的にトレードを行うために求められるのは、2つの事柄です。
1)絞られた観点で予測する
2)予測と合致するポジションの取り方を定める
プロでも予測を当てる確率は高くないのですが、たまたま聞いたニュースで判断したり、考えが揺れたりはしません。
人間は弱いので、そうならないために、独自の考えをシッカリと固めてから売買に臨んでいるからです。
中源線は、そのカタチを教えてくれる点で、強くおすすめできるツールです。

次回のフォローアップ(3)では、このフォローアップ(2)の最後で触れた観点、「プロの予測」をテーマにします。また、フォローアップ(1)で宣言した通り、「定点観測」の7銘柄を再度取り上げます(もちろんチャートは約2週間分、追加します)。お楽しみに!
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