“平均”では見えない真の株価変動
新型コロナウイルスの感染拡大が懸念される状況下、相場の強弱が気になるところです。
しかし、現状や将来の可能性をどれだけ正確に分析しても、相場の予測には直結しません。
では、なにを、どう見て判断するのが適切なのか──2月10日の放送では、直近1カ月の動きを丁寧に観察しながら、実践者の判断基準を考えました。
また、中源線の基本的ロジックに「日柄」の概念がない理由についても解説しました。
映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第174回 目先調整は終了か? ~中源線で捉える潮の変わり目~)

雑音多い日経平均
ほとんどの投資関連情報は、「日経平均は本日──」という感じでスタートします。
私は、これが嫌いです。
理由は、以下のような点が大問題だからです。
- 本質から離れたまま安易にまとめ、結論がないまま終わりがち
- 個別銘柄の上げ下げは、書き手の都合で、ほんの一部分にとどまる
- 多くの場合、その日のみ、どちらにしても超短期間の動きを語るだけ
- 読んでいる投資家は、煙に巻かれてしまう……
そもそも、東証一部だけで2千を超える銘柄があるのに、「平均」というカタチでまとめてしまうことにムリがあるのですが、とくに日経平均には“ノイズ”が多いといえます。
実際、この原稿を書いている2月12日も、「あれっ」と思える状況がみられました。
東証一部は、値上がり796銘柄に対して値下がりが1,275銘柄と下げている銘柄が多く、TOPIXも前日比マイナス0.72ポイントでした。しかし、日経平均は前日比プラス175円……大幅上昇したソフトバンクグループ1銘柄だけで日経平均を132円押し上げたと解説されています。
番組でもご覧に入れましたが、2つのチャート、日経平均とTOPIX(東証株価指数)の中源線チャートで、日経平均の特性を確認してみましょう。
※中源線ルールによって判断し、赤が買い線、黒が売り線です。
日経平均とTOPIXは、どちらも似たような波動に見えますが、日経平均は1月に2回も陰転しているのに、TOPIXは陽線を維持したままです。
だから相場の先行きは……という話ではありません。
これら指数のチャートは、中源線シグナル配信のトップページに毎日掲載していますが(→無料登録だけでパスワードを発行)、どちらも同じ基準で設定しています。それなのに、下振れした場面で日経平均だけが陰転したのです。しかも、1月中に2回も。
それだけ、「日経平均にはブレがある」「動きが荒い」ということです。
(より突っ込んで、逆に“利用価値”を考える内容を、フォローアップ第2回に盛り込む予定です)
前述したとおり、日経平均の上げ下げや水準に触れる情報そのものが雑音なのですが、さらに“ノイズ”が乗っかってくるというわけです。実践する立場としては、深く注意しなければなりません。

株価指数と個別銘柄の関係を間違えるな
安易な投資関連情報で煙に巻かれた投資家は、重要な勘違いを抱えてしまう可能性があります。
例えば、「日経平均が下がったから、自分の銘柄も影響を受けて下がった」なんてコメントです。
このコメントの問題点を述べる前に、ちょっとだけ脱線します。
あなたは、ご飯にみそ汁をかけて食べますか?
昔は「イヌまんま」などと呼びましたね。お上品な食べ方ではありませんが、なかなかイケる! それはさておき、「ご飯をみそ汁に入れる」のか「みそ汁をご飯にかける」のか……こんな論争があるようです(笑)。
論争の結論はともかく、ご飯とみそ汁が混ざっているだけで、仕上がりは同じです。
でも、日経平均と個別銘柄の関係は、「どちらでも同じ」とは言えないのです。
日経平均もTOPIXも、“個別銘柄の株価を集計した”数値ですよね。
つまり、元は個別銘柄の動き、結果が日経平均などの株価指数です。
「日経平均が下がったから、自分の銘柄も影響を受けて……」
この表現に違和感がない投資家は、認識を修正するべきです。
“鶏と卵”のように、「どちらが先か」と頭を抱えるような難題ではなく、答えが明らかなのですから。

日柄観測……「目先」って何日間なの?
多くのマーケット情報には、前の2項で触れた「株価指数」のほかにも、うっかり流してしまう問題点があります。
よく、「足下では……」「直近は……」「目先は……」といった表現が使われますが、いったい何日間のことを述べているのか、判然としません。「だいたい、これくらいの期間という共通認識がある」と認められる場合には使っても問題ありませんが、不特定多数の投資家を対象にした読みものでは、3日なのか、1カ月なのか、3カ月なのか──どう受け止めていいのかわからないケースが多いと思うのです。
ちなみに、2月10日の番組で検証したのは、トークでも触れたように、直近1カ月の値動きでした。
相場の世界に、万人に共通の「正解」などありません。
なんとなく正解探しをするのではなく、自分の基準を決めることが大切です。
その自分の基準が「正しいかどうか」を考えるのではなく、「自分の意思で見直すかどうか」という狙いで他人の声に耳を傾けるべきです。こういう姿勢なら、例えば「自分は、直近2カ月の動きを○○と捉え……」というように、日柄についても数字が明確な状態で外の意見を聞くことになります。
つまり、なんとなく無防備な状態で他人の意見を聞いてしまうことを防げます。
迷ってしまいやすい相場の世界で、ムダな迷走を抑えることができるのです。

中源線が「日柄」を考えない理由
「日柄による観測」は、私自身が大切にしていることです。
でも、中源線のように“数式化”されたロジックで機械的に判断する場合、日柄という概念を数式に盛り込むのは、かなり難しいことでしょう。
過去の放送でも、例えば「少し下げたところで陽転した。でも、勢いがないうえに日柄が足りないからダマシかもしれない」といった観測を紹介したことがあります。このように、あくまでも裁量を追加するときに日柄を考えるのは、状況によって有効ですが、数式としてルール化するのは、基本的に実現困難だと認識していいと思います。
中源線の陰陽転換は、下の図に示すとおり、日々の終値を結んだ折れ線チャートによって、上げ下げのジグザグをパターン分析して判断します。

基礎となる「普通転換」では、逆行と逆行の組み合わせがトレンド転換のサインです。
この図の場合、買い線(赤)で推移したあとに高値で逆行(下げ)があり、それを大きく下抜く次の逆行(大きな下げ)があったときに「トレンド転換」(陰転)と判断するわけです。
上昇途中にも逆行がありますが、上げ相場でも毎日必ず上がることなどなく、ジグザグをみせるのが当然です。だから、「逆行と逆行の組み合わせ」を見るのです。
多くの投資家が、情報を集めて多くの要素で判断しようとします。
ムリに「相場を当てよう」としているのです。
そうではなく、少ない要素でシンプルに判断することを軸に、「当たったらどうするか」「見込み違いだったらどうするか」を考えるのが、実践に不可欠なアプローチです。
そういう点で、中源線は、とても合理的にルールがまとめられているといえます。

3月の放送で継続観察します!
2月の放送で触れたのは、「直近1カ月の値動き」です。
投資家向けの情報は、「今日は上がった」「明日はどうなる」なんて、とても刹那的なものばかりですが、株価が上げ下げするサイクルを考えると、1カ月の値動きなんて、意外と短期間の出来事です。
番組内でも宣言したように、次の放送(3月9日夜8時)では、以下の4つに分類した銘柄の“その後”を観察します。お楽しみに!
- 陽転しちゃった銘柄
- 陰転したが強そう銘柄
- 深押し→戻り弱い銘柄
- 押したが陽線のまま銘柄

フォローアップ第2回では、ここで触れた「日柄」の問題について、もう少し詳しく解説します。来週のブログ公開をお楽しみに!
※番組フォローアップ(2)は、「中源線シグナル配信」(対象:全上場銘柄)の会員限定のブログに公開し、同時に会員限定でメール配信も行います。
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