投資の理論

相場は“切った張った”である──。
こんな鉄火場のイメージがある一方で、小難しい理論や言葉を目にする機会も増えました。

「ESG投資」というのを、ご存じでしょうか?

・E=Environment(環境)
・S=Social(社会)
・G=Governance(ガバナンス)

企業活動は、環境に配慮し、人権問題を含めた社会的影響に気を配る義務がある、ということです。

最後のガバナンスは「企業統治」です。
株主に対する適切な情報開示だけでなく、高い意識で資本効率を考えなければならないわけです。

これらの要件を満たさない企業は成長性がないし、投資家の責任として資金を投じるべきではない、みたいな理屈です。

なるほど、そのとおり! と言いながら、「じゃあ、どうすればいいの?」ってところですよね。

銘柄を選定して年単位の上昇を考えるなら、こうした理論にも目を向けたいところですが、いちばんの懸念は、こうした言葉を使った解説で“煙にまかれる”ことです。

「ESG投資」と聞いて「はあ、そうですか」ではなく、「ちゃんと的を射た解説なの?」と考えるくらいの姿勢がほしいわけです。

「ESG投資のパフォーマンスに疑問」なんて情報もあります。
そもそも、各種の理論など関係なく「買うから上がる、上がるから買う」動きは、昔も今もたくさん見受けられます。

まとめると、こういうことです。

『情報弱者の側面を減らすべきだ』
『しかし、値動き対応の重要性は変わらない』

目新しい理論も、毛嫌いせずに触れてみることです。
個人投資家の守備範囲における“理論武装”です。

でも、心理を含めた「自分の対応」「自分の考え方」が、永遠に投資・トレードの軸です。

☆ ごあいさつ ☆

私のメールマガジンを、長きにわたって読んでいただき、ありがとうございました。

今後は、定期刊行物『研究部会報』を中心に、
YouTube動画やWEB読みもの(研究所WEBサイト)で情報を配信します。

動画編集はド初心者ながら、「見やすい」「わかりやすい」をテーマに勉強しています。ぜひ、YouTubeチャンネルへの登録をお願いします!

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東証システム障害

2020年10月1日、東証で起こったシステム障害により、「終日売買停止」という前代未聞の事態が発生しました。

「5年もの間、故障に際して自動でバックアップ機器に切り替わる機能がオフになっていた」
「障害時の取引再開ルールも整っていなかった」

東証のあり方は、全くなっていません。
でも、批判精神が前面に出てダメ出しばかりしていると、自分自身に対しても厳しく考えすぎてしまいます。

私も50代の後半、昨晩食べたものを思い出せないとか、右手にケータイを握りしめたまま「ケータイがない!」と焦ってキョロキョロするとか……最近は、「そんなものか」と考えるようにしています。

とはいえ、あまりにユルユルでは、これまた具合がわるい。
「損切りだけは遅れないゾ」とか、「口座の余裕資金がきゅうくつになることはない」、等々、ラクに実行できそうな範囲でプロっぽいことをやるべきです。

否定形のダメ出しではなく、自分を褒めちゃう肯定形です。

コロナ警戒下、ギスギスした“自粛警察”精神でお互い疲弊するか、ゆっくりと自分のことを考える好機と位置づけるか──。
こんな観点も、大切かもしれないと最近は考えています。

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安心・安全な範囲

安心・安全──最近よく使われる言葉です。
不安が多く、その要因を“避けよう”という発想が強いようです。
株式投資では、「損する不安」が行動をギクシャクさせますよね。
しかし、自らの手で「環境を整える」ことも可能です。
例えば、「頑張って資金を用意したら500万円」とします。
でも、頑張ってつくった状況だと、少しのブレで苦しくなります。
だったら、まず「背伸びせずに400万円」と考え、さらに、「200万円だったら、ゼロになっても再スタート可能」と進めると、どうでしょうか。
気持ちがラクになり、感じたとおり、思うままに行動できる“安心・安全”な売買環境が生まれます。
不安を抱えていると、外部の情報に頼りたくなります。
そして、つい市況解説などに目を通します。
すると、私たちプレーヤーが使うべきでない独特の言葉に慣れ、その言葉に安心を感じてしまうのが人間の心理です。
例えば「様子見」は、市況解説で使われる“観客目線”の言葉ですが、よく目にするので「客観的な分析で自分にも有益」と感じます。
その結果、ポジションが膨らんで少し逆向き、不安いっぱいなのに「様子見だ」とつぶやいて先送りしてしまう……“相場あるある”です。
「安心・安全」は、自分の工夫でつくってください。
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よい撮影アプリを見つけて、映像のクオリティが向上しました!
ぜひ見てください。

相場における「自分」

自分勝手だ、そりが合わない……他人の行動について「ルールが異なる」と捉えると、接し方や気の持ちようなど、解決の突破口が見えるかも!
視点を変えてみるのも手だと思います。

相場の先行きについて「正解さがし」は不正解──。
そもそも、「強い」とか「割安」といった言葉も、見る人の“基準”によって判断が異なるはずです。

短期的に下げたとき、それを「押し目」(買い場)と捉えるか、はたまた「下げはじめ」(売り場)と捉えるか……議論しても意味がありません。

自分の想定(予測)を固め、そのとおりにポジションを取る。
完全に「自分の世界」で進めていくしかありません。

いや、「他人の意見」が少しでも入ると、肝心なときに行動できなくなるのです。

仕事を含めた社会活動とはちがって他人とのつき合いはないので、正解探しをしないのが正解です。
マーケット価格、自分の予測、自分のポジション──この3つだけに目を向け、バリバリに「自分」を前面に出すのが最もバランスのよい状態をつくる方法でしょう。

ただ、「価格」だけは自分でコントロールできません。
「○○円で買いたい」といった発想は、“確固たる予測”なのか、“勝手な希望”なのか、いちいち厳重に確認することが必要です。

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10月12日放送のフォローアップ(1)
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押し目買い──その戦略は大丈夫か?

タイトルだけ見ると「上から目線」ですが、うっかり生まれてしまう“誤った認識”を取り上げています。私たちが生身の人間であり、常識ある社会人であるがゆえの勘違いを、一緒に考えてみる内容です。

「押し目買い」そして「様子見」……プレーヤーとして正しく使っているか、“ユルさ”を生む隙はないか──番組を見て再チェックしてください。

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映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第188回 勝てない投資家の悪いクセ? ~押し目買いと様子見~

よく見るものは警戒しない心理

私たちが知識のない商品を選ぶとき、テレビCMなどで耳になじんだブランドを手にする傾向があります。何度も見聞きすることで、なにも知らないのに、よい感情が起こるのです。
心理学で「ザイオンス効果」と呼ぶそうですが、誰にでも自覚があることでしょう。

相場用語や市況解説の用語も、はじめて聞いたときは意味もわからずキモチわるいだけですが、何度も目にして意味がわかってくると身近なものになります。そして、安心して使います。
相場についてブログを書いたりしていなくても、談義する相手がいなくても、私たち人間は“言葉”で考えるので、脳内で情報を評価・整理する際に、なじんだ言葉を器用に使うのです。

しかし、誤った使い方まで受け入れてしまったら?
あるいは、誤りでなくても「自分の立場や考え方に合わない使い方」をしてしまったら?

プレーヤーとして進むべき道から、気づかないうちに外れてしまいます。
たったひとつの言葉が、大切なカネを扱う行動をゆがめてしまう可能性があるのです。

言葉が思考をつくり、思考が行動をコントロールします。
そして、その行動が、「損益」という重要な結果を左右するのです。

「様子見」の意味

多くの投資家が扱いに注意すべき代表的な言葉は、「様子見」でしょう。

市況解説では、マーケットに目立つ動きがないときに「様子見」という言葉を使います。
資産運用も、そのための値動き観察も継続的に行うものなのに、「1日だけを切り取ってドラマを語ろう」とするので、「様子見気分が強く○○」なんて言葉でお茶をにごすのです。

記事を書くうえで「ワクワクするようなネタがころがっていません」という意味の独り言と認識したほうがよさそうですね。

それなのに、うっかりと「様子見」という言葉を受け入れ、自らも利用してしまいます。

上がると思って買ったら動きがさえない。
「ポジションを減らすべき状況かもしれない」と感じている。
でも、実行した瞬間に負けが確定する・・・

こんな状況で「とりあえず先送り」とばかり、「うん、ここは様子見だ」なんて言ってしまいます。

ちょっと待った!

「様子見」というのは、ポジションがない状態(少なくとも、極めて少ない状態)で「ポジションを追加しない」と考えている状態のはずです。ポジションに不安がある状態で使ったら、“逃避”ですよね。

「押し目」とは?

10月12日の放送で取り上げた“注意すべき表現”はもうひとつ、「押し目」です。

短期的に下げた相場を「押し目」と呼び、「押し目買いが入った」などと表現しますが、押し目という相場用語の意味を考えたら、非常におかしいことなのです。

押し目とは、「上げトレンドにおける一時的な下げ」です。
ということは、「現在は上げトレンドである」(上昇は今後もつづく)という見通しがないと、そもそも出てこない表現のはず。

だから、万人向けの相場解説で「この下げは押し目です」なんて、書けるはずがないのです。「株価変動は常に上向き」という強引な前提を押しつけている、ってことですか?

肌感覚の意見として「押し目買い狙いで買った個人投資家が多かった」くらいのコメントは成立しますが、売買を禁止されている大手メディアの経済記者がそんなことを言えるはずはありません。

今回は、「様子見」「押し目」の2つの言葉を紹介しましたが、多くの情報に、そして多くの言葉に落とし穴が潜んでいます。

誰が、誰をターゲットに、どんな狙いで情報発信しているか──こう考えて整理してやると、いろいろな発見があります。この手の情報処理は、金融マーケットに携わるうえで重要です。

押したら買い……買えるの?

適切に「押し目買い」と思っているケースを考えてみましょう。

つまり、「現在、上昇トレンドである」「押した場面で買いたい、いや買うべきだ。それが自分の戦略に合致した行動だ」と確信している状況です。

では、どれだけの値幅で押したら、どれくらいの数量を買うのでしょうか。

このように行動を詰めて考えていくと、意外とボンヤリ、ユルい部分があることに気づくケースが多いと思います。

番組でのコメントを、ここでも紹介します。
宝HD(2531)の中源線チャートをご覧ください。

中源線なので、赤が買い線、黒が売り線です。
それぞれ、3分割(等分割)でポジションを増やすルールです。

直近9月の買い線()をご覧ください。
上にスッと抜けるタイミングで陽転しています。いい感じですね。

でも、そのままスルスルッと上伸したため、3分割の2回目と3回目(増し玉)を入れる前に水準が上がってしまいました。こうして、丁寧な3分割が建て値を不利にするケースもあるのですが、「上昇トレンドだ」と考える“確度”はルール上、高まっている状況です。だから、ルールどおりに「押したら買い」を淡々と実行します。

一般的に、意外とはやく上昇した場合、「スタート地点の水準まで押してほしい」と考えがちです。でも、それはチャートのタテ方向しか見ない感覚ですし、交渉の余地ゼロのマーケットに自分の都合を聞いてほしいという勝手な思いです。

・グイグイッと強い動きこそ乗りたい(ポジションを増やしたい)
 →タイミングのはかり方だけが問題
・あらためて1,000円近くまで下げてくるようなら、逆に買いたくない

第三者として見ていたら、上記のように考えることができますが、渦中にいるとそうはいきません。そして、「押し目買い」と言いながら買えない……買えない銘柄ほど上がる、という相場の皮肉に遭遇するのです。

中源線の判定と裁量のフィルター

中源線は売買のルールが明確です。しかも、シンプルで理解しやすいので、納得して実行しやすいと断言できます。

シンプルで理解しやすい、納得できる──ひいては、「裁量を加えやすい」ということです。

前項で宝HDの買い増しを例に、「強い動きこそ乗りたい」という感覚を示しました。しかし、追いかけて増し玉(買い増し)したあと状況が変わって陰転したら……高い水準の増し玉が損失額を膨らませる結果となります。

宝HDは私自身も売買しています。
今回の増し玉は、シグナルどおりに実行しました。
中源線のルールを理解したうえで、「下げて陰転したら仕方がない」と考えて納得ずくの買い増しをしたのです。

でも、こんなパターンにおいて、「増し玉を見送る」という裁量があり得ます。
「建て値を大きく不利にしない」ことを重視する発想ですね。

この逆が、「勢いがある銘柄こそ魅力的。タイミングをはかって乗るべし!」という考え方です。

どちらが正解かなんて誰にも言えません。確固たる判断と確固たる行動が、トレードにおいて最も重要な要素です。

フォローアップ第2回は、中源線のルールを別の観点から再認識する内容です。お楽しみに!

番組フォローアップ(2)は、「中源線シグナル配信」(対象:全上場銘柄)の会員限定のブログに公開し、同時に会員限定でメール配信も行います。


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9月28日、10月5日放送のフォローアップ
林 知之

個別銘柄を見るべし

新生マーケット・スクランブルでは、番組1回の尺を短くしました。
気軽かつ手軽に見てもらうための工夫です。

約15分の動画を、月に2回公開します。
(そのほかにも番組を作って上げていきます。お楽しみに!)

テストを兼ねて収録した第1回(9/28)と第2回(10/5)、2週連続の「超」相場解説!
新しいチャンネルでお送りしました。

新しい「マーケット・スクランブル」、チャンネル登録お願いします!

 9/28 ブレイクアウトを狙うべきか、押し目を拾うのか?
 10/5 マーケットスクランブル ~米大統領選を前に日本株はどう動くのか~

情報を最小限にするのがプロの発想

トランプ米大統領がコロナ感染で入院──不安がまん延して株価が下げた、という解説でしたが、休み明けには退院して元気いっぱいとのこと。

10月5日夜の番組でもコメントしましたが、あれだけ多くの人と毎日接している人が罹患(りかん)しないほうが不思議です。ショッキングなニュース、驚きの事態ではなかったと思うのです。

メディアの解説について、「テキトーなことを言ってるだけ」なんて私が発言しました。そのコメントそのものがテキトーじゃないか、ってツッコミもありそうですが、上がっても下がっても、あるいは動きがなくても、「背景には、こんな理由があるんです」と読者を納得させるのがメディアのシゴト。プレーヤーにとって雑音となるようなことまで、取って付けたように解説するしかないのです。

だから、「真剣に耳を傾けるべきではない」と言いたいのです。

こんな強材料がある、しかしこういった悪材料もある……
週足を見ると底堅いようだが、日足で見ると……

情報を増やせば増やすほど混乱します。
売るか売らないか、買うか買わないか──誰にも未来が読めない状況下、きちんと決断するためには、限定的な情報を常に同じように分析するのが唯一の方法です。

自己コントロール

この原稿を書いている10月7日、会員の専業トレーダーが来訪しました。

その人は、専業になって以降、生活など全般がストイックになったそうですが、「とにかくニュースを見なくなった」と言っていました。判断がブレるから、情報を集めていたらトレードそのものが成立しないのでしょう。

1時間ほど話すなか、「技術とはなにか」なんて話題にもなったのですが、スポーツのように肉体を使う要素はないので、「なにを、どう考えるか」ということに尽きます。私は、「いつも同じ基準で判断すること」「その判断をもとに淡々と行動する力」だと考えます。

つまり、内面の情報処理がスムーズかつ安定していることが、スポーツで同じ動きを再現することにあたるという捉え方です。少なくとも、情報を集めて推理ゲームを展開することではないはずです。

定点観測の意味

9月28日と10月5日は、過去の番組で定番となった「定点観測」だけを切り離してお届けしました。今後も、このパターンで番組を進めていきます。

したがって、テーマ別の番組は毎月、2週目に公開します。

さて、「定点観測」では伝わりにくいかも……そんな発想から「『超』相場解説!」なんてネーミングにしたのですが、

・同じ銘柄を
・同じ観点で
・継続して見ていく

ということです。

お遊び的に情報を集めていると、今回はこの銘柄、次はこの銘柄と食い散らかす行動になってしまいます。もちろん、判断基準もバラバラ。おふざけが好きな野球少年が、「次は消える魔球を投げる!」なんて言うのと同じです。

番組では、私と大橋さんが好き勝手なことを気楽にしゃべっていますが、同じ銘柄群を、同じ中源線で見ている点に、いっさいブレはありません。

あなたも、継続して観察する銘柄を必ず用意してください。
例えば超短期の手法では、銘柄を目まぐるしく入れ替えて守備範囲はかなり広い、というのが当たり前だったりするかもしれませんが、それをブレることなく実行するためには、一定の個別銘柄群を常に見ていることが有効です。

場合によっては、それらの銘柄に少量の“試し玉”があってもいいでしょう。例えば、「7銘柄だけ、いつも100株買っている」状態をキープするとか。実際、そんなことをやっているトレーダーもいます。

わずかでも実際のポジションを持っていると、ホンモノの「臨場感」が生まれます。

新生マーケット・スクランブル

これまでは30分の生放送でした。
それを、約15分の番組2本に分けたのは、前述したように“視聴しやすく”するためです。

私もYouTubeで動画視聴を楽しみますが、やはり尺の長い動画には抵抗があったりします。忙しい現代人に合わせて短くしたことを評価してもらえたら幸いです。

新スタジオに新機材……クオリティは高くなりましたが、示したチャートの画をもっと見やすくできないか、といった課題もあります。スタッフ全員でチェックしながら試行錯誤していくので、見守ってください。

新生マーケット・スクランブルは、新しいYouTubeチャンネルでお送りしています。
ぜひぜひ! チャンネル登録で応援よろしくお願いします。

【Channel】マーケット・スクランブル

5分で学ぶ!

さらに短い番組もあります。

林投資研究所YouTubeチャンネルでは、「5分で学べる株式投資・トレードの基礎(プロの思考)」と題して、私が数分間でお送りする番組を作り始めました。

例えば駅のホームで電車を待っている間にサッと見るなど、手軽に利用してもらいたいと思うからです。

このような短時間の学習、というか、有益な知識・情報をゲットする環境を、「マイクロラーニング」と呼びます。前から概念はあったはずですが、最近になって、短い時間でチェックできる動画やWEBサイトの情報が増えていますね。

こちらのチャンネルにも、ぜひ登録してください。
お待ちしています。

【Channel】林投資研究所YouTubeチャンネル

次回放送は10月12日(月)夜8時。
「勝てない投資家の悪いクセ? ~様子見と押し目買い~」をお送りします。
「様子見だ」「ここは押し目買いだ」……市況解説で目にしたり、自らつぶやくこともある言葉ですが、私たちがなにを伝えたいのか──番組をお楽しみに!


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「かたち」から入る

何かをはじめるとき、「とりあえずやってみる」人と、「かたちから入る」人がいます。

「即行動派」と「慎重準備派」という感じですが、相場・株式投資では両方のイメージを意識するべきです。

・やってみる(値動きの体感)
・かたちを整える(知識を得て臨む)

株価の動きは、思ったよりも激しいものです。
また、いくら理屈で考えても納得できないケースばかりです。
だから、「とにかくやってみる」ことが大切です。

資金のない若者が「買い物のポイントで投資を体験する」なんて現代風の選択肢も、わるくないと思うのです。

しかし、理屈で片づかない部分が多いからこそ、一定の理論武装も必要でしょう。
最初は少額でも、最終的には一定額を市場に投じるのですから、体験と体感だけでは方向が定まりません。

スポーツのように肉体的要素を求められないうえに、「大切なカネのことだ」と意識するため、感覚と理論のバランスがわるくなったり、両者が頭の中でごちゃ混ぜになるのがふつうです。

だから、別々に考える時間だけでなく、両者のつながりを丁寧に考えることが必要なのです。
練習の段階で雑だと、本格始動後も雑になってしまいます。

 

私は、YouTube動画を拡充していくことについて、「こうしたい」とか「これじゃダメかな」などと“かたち”にこだわりすぎて行動できませんでした。

でも、以前から考えていた企画、「数分で気楽に学べるプロの思考・知恵」というテーマを、やっとスタートさせました。

初心者も意識していますが、土台となる知識や認識、情報の捉え方がテーマなので、
経験豊富な投資家にも役立つヒントが満載、と自負しています。

『分足、日足、月足……「足」には2つの意味がある』(3分48秒)

『株価チャートでなにがわかるのか?──プロの読み筋(前編)』(5分51秒)

9月7日放送のフォローアップ(1)
林 知之

上昇のパターンは3つ

株価指数は堅調ですが、実際に上昇している銘柄は限定的です。
ついソワソワしてしまいますが、こんなときこそ落ち着いて観察しましょう。

・上昇している銘柄のパターンは?
・これから買うなら、どんな銘柄を狙うべき?

2020年9月の放送では、こういった点について、中源線の売買だけでなく、多くの個人投資家が好む裁量の売買、逆張り投資まで考えて解説しました。

映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第185回 遅れて来た暑い夏 ~ サマーラリーを制したのはどんな銘柄?

株価指数は堅調、個別は手がけにくい

安倍政治を引き継ぐ新政府の政策、日本を投資先と認めたウォーレン・バフェット氏の方針転換、コロナ対策の積極財政……あと押し材料はいろいろとあるのですが、とにかく株価指数は堅調です。

一方、個別銘柄の動きは鈍く、個人投資家が動きにくい状況です。
3月の安値から大きく上昇した銘柄に、今からは乗りにくいでしょう。
方向感のない保合をみせる銘柄も数多くあります。

そんな状況のなか話題となったのは、9984ソフトバンクグループの暴騰です。
中源線のチャートを見てみましょう(放送後の9月10日まで)。

赤が買い線、黒が売り線、それぞれ3分割でポジション操作を行うのが中源線の売買です。

9984ソフトバンクグループ

3月の安値から切り返して素早く陽転し、倍化する上昇を中源線が見事に捉えました。

ソフトバンクグループは、社長である孫正義氏の発言が常に話題に上り、最も注目度の高い銘柄のひとつです。
「シブく、人知れず、株価の自律的変動を捉えてコツコツ利益を積み重ねる」という、古典的うねり取りの発想では否定されてしまう銘柄なのですが、うねり取りを3分割売買でルール化した「中源線建玉法」とは、とても相性がよいのです。

直近も、8月12日に中源線が陰転したあと横ばいでしたが、9月3日から9日まで5日連続下げて“下抜け”したような雰囲気です。素直に「当たってるね」と評価できます。

3つの上昇パターン

さて、過去の解説ほど役に立たないものはありませんが、投資関連情報のほとんどは、スポーツ記事のような結果報告です。

マーケット・スクランブルでは、その対極にある“実践的な見地”を重視しています。9月の放送は、夏に上昇した銘柄を振り返ることで、「これから買う銘柄を考える」「実際に狙うべきパターンを考える」をテーマにお送りしました。

そのなかで、株価が上昇するパターンを3つに分類・定義してみました。

1.新値を取ってどんどん上昇
2.中段保合をブレイクアウトして上伸
3.底値から切り返して上昇

ひとつの観点ですが、実にシンプルにまとまります。
では、番組でも紹介した銘柄を、あらためて見てみましょう。
(番組では9月4日までのチャート、ここでは9月10日までのチャートを示します)

6755富士通ゼネラル

6755富士通ゼネラルは、3月の切り返しで中源線が陽転(黒→赤)、4月に二番底をつけたあと大きく上昇しました。この上げを中源線がバッチリと捉えていますが、裁量では買いにくい動きでしょう。

例えば、4月の安値を逆張りで買う──個人投資家が好む戦略ですが、現実には、なかなか手が出ないものです。また、うまく安値を拾ったとしても、6月にもたついた場面で降りてしまう可能性も高いと思います。

裁量で乗りやすいのは、次に示す2281プリマハムかもしれません。

2281プリマハム

2281プリマハムは、3月の切り返しを中源線が陽転と判断して上昇を捉えていますが、トレンドの途中、5月と7月に一時的な陰転(赤→黒)がありました。いわゆるダマシですが特別なマイナスはなく、「よい利食いポイント」といえる変化です。

この上げを、裁量売買で考えると……安値で買うことは難しくても、5月末に上放れする場面なら落ち着いて乗ることができそうです。

ちなみに、生放送の日に下げて中源線が陰転しています。
その日のザラ場で大橋ひろこさんが売りを仕掛けたそうですが、過去に息の長い上げ相場もあったので、中源線が陽転したら踏んで(カラ売りの損切り)再び売り場を探す、といった対応も有効でしょう。

さて、2つめの上昇パターン「中段保合をブレイクアウト」の事例は、次に示す8074ユアサ商事です。

8074ユアサ商事

8074ユアサ商事は、3月の安値から切り返したあと、5カ月以上も保合をつづけています。そして直近、その保合を上にブレイクしながら中源線も陽転しています。「ひと相場あるかもしれない」という判断も十分に成立しますね。

逆張りと出遅れ狙いは有効か

上昇パターンの3番目は、「底値から切り返して上昇」です。
これを狙って、値動きがないうちに仕込むという戦略があります。
日本の個人投資家が好むアプローチですね。

狙う銘柄の候補として、番組で紹介した9810日鉄物産を見てみましょう。

9810日鉄物産

2月から3月にかけて多くの銘柄が急落しましたが、日鉄物産は1月に中源線が陰転してから一直線に崩れています。その後はずっと安値圏の保合で、ダラダラと推移しています。

下げ幅、日柄ともに十分なので、「上がる前に安いところを拾いたい」と考える向きもあるでしょうが、循環物色の色彩が薄い現在の相場で、その戦略に分があるのか……。

「相場全体がさらに上昇するなら、すでに上昇した銘柄が再び買われる」
「少し弱含みになった場合、日鉄物産のような銘柄がまっ先に売られる」

こんなネガティブな見通しも成立するのではないでしょうか。
でも、9月10日に上げて中源線が陽転しています。どうなるでしょう……。

ひとつの戦略に徹することは重要ですが、「機能する時期と機能しない時期がある」という事実を受け入れ、多少のメリハリをつける姿勢も求められるはずです。

新マーケット・スクランブル(今後の放送予定)

インターネット放送「マーケット・スクランブル」は、2013年5月に第1回を放送していらい継続していますが、10月からは、30分の内容を2回に分けてお送りすることを考えています。

相方は、これまでどおり大橋ひろこさん、コンセプトも全く変えませんが、視聴しやすく短めの番組を月に2本お送りしたいと思っているのです。

9月中に、臨時で1回、番組をお届けするかもしれません。
また、幅広いテーマを掲げて、個人投資家に役立つ実践的な番組を数本、マーケット・スクランブルとは別に計画しています。林投資研究所YouTubeチャンネルにアップします。お楽しみに!

あっ、先日スタートした新番組「投資の作法」はご覧になったでしょうか?

「安倍首相の辞任を受けて株式市場はどうなるのか?」
第1回は、こんなテーマの対談をお送りしました。

8月31日収録の動画は、こちらです!

日本の株式市場に対して私は強気です。
その意見を、好評のWEB読みものにも盛り込みました。
こちらも、あわせてご覧ください。

安倍総理辞任 ~ビッグイベントに投資家はどう対応するべきか~

つづきの第2項と第3項は、多忙のため少し遅れています。
もうしばらくお待ちください。

次回のフォローアップ第2回では、プレーヤーである私たち自身のデリケートな心理に触れ、実践における重要な要素を考えてみたいと思います。お楽しみに!

番組フォローアップ(2)は、「中源線シグナル配信」(対象:全上場銘柄)の会員限定のブログに公開し、同時に会員限定でメール配信も行います。


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