物色の移り変わりを読む
年末ラリー、掉尾の一振……最近は、不合理を承知で個人投資家が物色の手を広げる状況を目にしない気がします。
でも、11月後半から、これまで動きのなかった銘柄にも資金がまわってきたような気配。株価指数の伸びに一歩、いや数歩くらい遅れて個別物色が活発になるか!
12月14日、2020年最後のマーケット・スクランブルでは、こんな観点で個別銘柄をさぐってみました。
映像は、「YouTubeチャンネル「マーケット・スクランブル」」でご覧ください。
(第192回 大相場への序章? ~年末ラリーを牽引するのはどんな銘柄?)

半年以上もシラケ鳥
“小松の親分さん”こと、俳優の小松政夫さんが亡くなりました。
個性が豊かで魅力的な人だったと思います。
「シラケ鳥」って流行しましたね。私は、電線軍団が大好きでした。
合掌
株式市場ではいつでも、上げ相場の気配が出るやいなや、「買え~買え~」と鳴く“買い買い鳥”が飛び回ります。業界全体で投資家をあおる──こう表現すると、いかにも下劣な印象ですが、多くの投資家がそんな情報をのどから手が出るほど欲しているのも事実です。
とても俗っぽく、どこか安っぽいのですが、これこそが兜町の文化、株式市場の素直な姿です。
だから、お利口さんを振る舞いながらも、こうした熱い動きを無視してはいけません。不合理かつ熱のこもった変動こそが、マーケット参加者全員にとって「利益の源泉」です。
相場師殺すにゃ刃物はいらぬ 寄り引け同事にザラ場なし──。
動きがなくては、どうにもならないのです。
とはいえ、モグラたたきのように「こっちだ」「こんどはこれだ」とキョロキョロするのは俗にいう“イナゴ投資”。器用かつ機敏に行動しているつもりが、ひたすら情報に翻弄される側、情報弱者側に寄っていくことになるでしょう。
手がける銘柄の範囲を決めておくか、手がける値動きのパターンを決めておくと、「自分のスタイル」を貫くことができます。当然、その方法が機能しない時期、出動チャンスが極めて少ない期間も生まれるのですが、それを受け入れるべきです。
株式市場では毎日、なにかしらの銘柄に動きがあるので、狙って取れそうな気もしますが、そんなにうまくいくはずがありません。機会損失に対して「損しちゃう」なんて言葉を思い浮かべることなく、「大ヤラレしなければいい。それよりも、自分のスタイルを崩したくない」と考えるのが王道です。
さて、中源線は機敏な反応がミソです。
3月中旬にかけての急落も、その後の急騰も、見事に反応してくれました。
ところが、そのあと株価指数が順調に推移するなか、物色される個別銘柄は一部分に限定といえる状態でした。多くの銘柄は、動くと見せかけてコケる……どうにも読みにくい状況、ほとんどの投資家にとって、やりにくい相場がつづいたと思います。
しかし、11月後半からは様子が変わってきましたね。
まあ、ド直球で「年末ラリー」なんて言葉を使うのは避けたほうがいいとしても、シラケ鳥しか飛ばない状況から脱してきたと感じています。

“蚊帳の外”銘柄が動く
“シラケ鳥”相場のなか、多くの銘柄が低迷していました。
しかし、そうした蚊帳の外にあった銘柄が順に動意づく──こう判断できるような変化が起こっています。
毎週金曜日の夕方、株式市場の1週間の動きを中源線で見る、「ウイークエンド株式投資」という番組をお送りしています。
「林投資研究所YouTubeチャンネル」で、1回が6分~7分です。

毎週、中源線でトレンドが転換した数銘柄を取り上げて紹介するので、前項で否定したような“週替わり”の情報と思われそうですが、範囲を決めているうえに、中源線というブレない観点があります。
この「ウイークエンド株式投資」のなかで最近、おもしろみのない安値の動きから陽転した銘柄をいくつか紹介しましたが、その後も魅力的な推移を示すものがあります。
本格的には来年かもしれませんが、皮肉なことに、コロナ禍を機に株式市場が新たなステージに進んだ気がします。
みなさんも、自分の得意分野を意識した「定点観測」をつづけて、いろいろな変化を察知することを楽しんでください。情報は集めるものではなく、自分自身でつくり出すものです!

金融相場のスタートか
本格的には来年かもしれない……前項で述べたのは、「まだ」のようで「もう時期が到来している」という現時点での予測ですが、私なりの裏付けがあります。
林投資研究所はバブルの時代、1984年に、「FAIクラブ」という低位株投資の研究・実践の会を発足させ、現在まで毎月欠かさずに例会を行っています(2011年3月、東日本大震災の翌日のみ休会)。
メンバーは全員、数百銘柄の月足を同じ規格で手描きし、株価の最も基本的な長期サイクル、数年から5年、10年の上げ下げを幅広く観察しています。
主な目的は「低位から数年かけて上昇する銘柄を見つけること」ですが、結果として、日経平均の観察などからは絶対に見えない、株式市場の真の姿を目にすることができるのです。
2013年から2014年に大きく上昇する銘柄も多数ありましたが、「アベノミクス相場」といわれるなか安値低迷していたのに2017年、2018年に暴騰した銘柄もありました。
直近は、この手法で対象となる動きが乏しいのですが、そのかわり、早めに大きく上伸した銘柄が長期の下げトレンドを経て、再びチャンス到来かという状況です。
日々の雑多な情報ではなく、長期の波動に目を向けると、例えばコロナ禍による金融緩和についても、次のような仮説を思い描くに至ります。
「結局は、リーマンショック以降、政治が積極的に金融マーケットの水準・機能の維持にかかわっている。また、“株高を土台にした経済成長”という構造が年々、強固になってきたのではないか」
株式市場は今後も拡大、発展していく流れがあると確信します。
一方で、十分な企業価値があるのに安値に放置されている銘柄は、ちまたで指摘されているように、かなりの数に上ります。
「そろそろ本格的に出動」「来年以降が楽しみ」と考え、12月の例会でも新たに2銘柄を選定しました。月足で見る長期的な波動、目先における個別銘柄の値運びなどから、変わり目にさしかかっていると感じています。
フォローアップ第2回は、具体的な事例で中源線の機能を再確認しながら、シグナル配信の情報をバランスよく利用するためのヒントを紹介します。お楽しみに!
※番組フォローアップ(2)は、「中源線シグナル配信」(対象:全上場銘柄)の会員限定のブログに公開し、同時に会員限定でメール配信も行います。
2020年12月新刊






























