利食い千人力 ~高値圏で出た売りシグナル

勢いよく上伸し、次のステージへと居所を変えた日経平均。
一方、個別銘柄では、目先高値からの反転がちらほら。

この先、調整局面があるとすれば、これらの銘柄群が“先行”となるのでしょうか。

今週は、林投資研究所オリジナルのトレンド判定システム「中源線シグナル配信」で、売り手仕舞い→ドテン売りのサインが灯った銘柄を紹介します。

→ 視聴はこちら!(林投資研究所YouTubeチャンネル)

ウイークエンド株式投資 1月15日

【株式投資 買い銘柄 売り銘柄】下げないから上がる?
 ~バカになりきれない扱いにくい相場~

誰が見ても株価指数は強い形。目立った押し目もなく、時折ヒステリックに高騰して高止まる……階段状に上がる相場はほんとうに乗りにくい。

上げ下げの波を丁寧な取ろうとするトレーダーには、やっかいな相場なのかもしれません。

今週は、株価指数とよく似た波動(形)のチャートで、買いシグナルの出た銘柄を紹介します。

→ 視聴はこちら(林投資研究所YouTubeチャンネル)

1月11日放送のフォローアップ
林 知之

相場は強い

相場の予測が難しい理由は……実はカンタンなこと。
真剣に「買いだ」と考えている人と、確信をもって「売りだ」と結論づけた人が同じようにいて“値段がついている”からです。

身もフタもないようですが、この真実から大切なことに気づきます。
「上がる」と考えれば強材料がどんどん集まり、「下がる」と考えれば弱材料がいくらでも見つかる、という現実です。

私も大橋ひろこさんも株式市場に楽観的な見通しですが、1月11日の放送では、「本当にそうなのだろうか」と、あえて売り目線でマーケットを観察してみました。

映像は、「YouTubeチャンネル「マーケット・スクランブル」」でご覧ください。
まだ上がる? もう下がる?……売り目線で眺める株式市場

中源線ルールは感覚どおり

番組では、中源線の基本ルールを、あらためて説明しました。
このブログでも、触れておきましょう。

最も人気のあるチャートは、始値・高値・安値・終値の4本値(よんほんね)を使ったローソク足ですが、中源線では情報をシンプルにして「株価の流れを高い視点で捉えよう」と、終値だけのチャートを描きます。

日々の終値を黒い点で描き、点と点を直線で結ぶと、株価変動がジグザグの線で表現されます。このジグザグの形をパターン分析して、「上向きか下向きか」のトレンドを判定するのです。

投資家がチャートを見て最も注意するのは、「トレンドの転換」です。
すなわち、下向きから上向きに変わる「陽転」、上向きから下向きに変わる「陰転」です。
判断をルール化せずに“感覚的”に捉えようとする場合でも、この観点は同じはずです。

では、中源線のトレンド転換(陰転=買い→売り)を見てみましょう。

中源線が上昇トレンドと判断して買い線(赤)の場合、前日より高ければ「順行」、安ければ「逆行」と認識します。

順行は利が伸びる動きなので、基本的には放置します。
そのかわり、逆行には注意します。
もちろん、上げ相場といっても毎日必ず上昇することはなく、上げたり下げたりでジグザグをみせますが、小さな逆行を抜く大きな逆行があったら、「トレンドが転換しただろう」と判断します。この部分は、中源線の数式に従って判定します。

言われてみれば、なるほど動きが変わったように見えると思います。
カチッとしたルールがないと、こんなケースで「売るべきかな」と思いながら対処が遅れがちですが、中源線は冷静に「陰転だよ」とポジション操作を促します。

実践者の感覚を、素早い行動に直結させてくれるルールなのです。

機敏な判断

中源線の機敏さは、どんな場面でも一定です。

例えば「陽転」と判断した直後、生身の人間なら判断を覆すことに抵抗を感じる状況でも、再び下落の気配があれば、いっさい過去を振り返ることなく「陰転だよ」と言います。

自分の見込みに固執したり、意地を張ったりしません。こういった点が、機械的判断のありがたい部分です。下の図をご覧ください。

売り線(黒)で下げてきているので、前日より下げる動きが「順行」です。したがって、上げる動き(逆行)を見てトレンド転換を判断します。この図では、中央あたりの大きな上げで「陽転」と判断しました。

しかし、陽転後は伸びずにガクンと下げてしまいました。
生身の人間だと、「あれっ、まずいかな」と感じつつも行動に移すのが難しいのですが、中源線は素早く「再陰転」と判断します。

落ち着いて考えると、「抵抗があるけど、やっぱりそうだよな」と思える変化ですが、その場では、なかなかサッと動けないものです。しかし中源線は、再び下げていきそうな展開に対して淡々と判断を下すのです。

弱気論を支える材料

さて、最初の2項で説明したように、中源線は「機敏な判断」が特徴です。
そして、3月中旬にかけての急落(コロナショック)にも、その後のスピーディーな戻りにも、見事に反応しました。

その中源線で個別銘柄を観察しながら、「相場は本当に強いのだろうか」と疑ってみるのが、今回の番組テーマでした。詳しくは番組をご覧ください。

ここでは、放送(収録=1月4日、公開=1月11日)後も個別銘柄が活発に動いている株式市場に対して、多くの投資家が強気になれない心理を考えてみたいと思います。

ジャマしているのは、やはり日経平均という数値でしょう。
日経平均の変動や水準を手がかりに現在の相場を考えると、「いつガクンと下げても不思議ではない」といった高所恐怖症的な感覚に陥ります。

でも、日経平均の上昇は「株式市場の底力を示唆している」と考え、素直に個別銘柄に目を向けると、高所恐怖症になるような上昇をみせている銘柄はほんの一部分で、適当に上がったところで伸びなくなる銘柄や、安値圏で放置されている銘柄が意外に多いことに気づきます。

相場なので、誰の予測も当たったり外れたりします。また、想定外の出来事をきっかけに暴落することもあり得ます。ただ、「株価指数」という便利な数値には警戒が必要です。

「マーケット・スクランブル」では、今までも、これから先も、きちんと個別銘柄を見て実践的な観点をお届けしていきます。

買いの試し玉はカラ売り?

番組では、「強気でいいのかな?」と自らの見通しを疑って第三者の目をもつために、あえて売り目線で値動きを眺めてみました。

自分の相場観を逆にして考えてみる……ひねくれているようですが、人間の心理を考えると有効な方法です。

さらにひねくれて、強気の見通しで「買いたい」と思う際に、逆にカラ売りを仕掛けてみる、なんて方法もあります。自分の相場観に固執せず、できるだけ客観的に値動きを観察しようとするときのワザです。

これについては、別のYouTube動画で解説しているので、ぜひご覧ください。
およそ7分間の短い映像です。


「買いたい株をカラ売りする株職人の凄ワザ」
(林投資研究所YouTubeチャンネル)

相場で「予測を当てる」のは至難の業です。
だから、対応力を高めること、感じたことをポジションに反映させる行動力を高めることが最優先なのです。

相場の判断は常にデリケート

高所恐怖症で手が出ないのはおかしい──動けない投資家を否定するように聞こえたかもしれませんが、前述したように予測を当てるのは至難の業。当たったからといって人間の価値が上がることはなく、逆に、曲がったからといって人間の価値が下がることもありません。

株式市場では、真剣に買う人と、確信をもって売る人がいて値段がついているのです。

相場の判断は常に紙一重、とてもデリケートなものです。
だから、中源線のように機敏に判断を変更することが求められたり、さきほど触れた「行動力」が大切だったりするのです。

「あぁ……やっておけばよかった」というのが、相場あるあるですよね。
そんな後悔をゼロにすることはできませんが、少しでも減らそうとするのが、私たちプレーヤーのシゴトです。

中源線は、そういった正しい習慣を固めるための「練習ツール」としても役に立ちます。

プレーヤーである以上、目先の利益も大切にしなければいけませんが、将来を考えて「行動の精度を高める」「行動の再現性を高める」ための工夫を、ぜひ考えてみてください。

フォローアップ第2回は、生身の人間の底力を活用するための「遊び心」について考えてみます。お楽しみに!

番組フォローアップ(2)は、「中源線シグナル配信」(対象:全上場銘柄)の会員限定のブログに公開し、同時に会員限定でメール配信も行います。


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※「研究部会報」および「中源線シグナル配信」は、林投資研究所が行っている投資助言サービスです。契約にあたっては、林投資研究所が交付する「契約締結前の書面」をよくお読みください。

【プロのマル秘テクニック】買いたい株をカラ売りする株職人の凄ワザ

失敗する人ほどコーフンして一点買い……そして動けなくなるものです。
上手な人は、自分を上手にコントロールするためのテクニックを知っています。

試し玉、異なる観点からの観察、等々。
そんな高度な職人的な凄ワザを紹介しました。

→ 視聴はこちら(林投資研究所YouTubeチャンネル)

出遅れ銘柄に勝機はあるか

押し目待ちに押し目なし……日経平均の強さとは裏腹に個別銘柄は足踏み状態。目先高値をつけたあと、頭を垂れたままスパッと切り返せない銘柄が目立つ。
こうなると、個人投資家は目は、どうしても出遅れや押しの深かったものに向かいやすい。
下落トレンドから底の形が徐々に整ってきた銘柄、保合下限で底堅く推移する銘柄にスポットをあててみた。

→ 視聴はこちら!(林投資研究所YouTubeチャンネル)

1月4日放送のフォローアップ
林 知之

個別銘柄のかたちはわるい

日経平均は年末にかけて高かったのに、持ち株は上がらない……
こんな実感は錯覚なのか、それとも真実なのか──。

丑年の相場は「つまずき」といわれますが、ブル(Bull=牛)は英語で上げ相場を意味します。さて、2021年の相場はどう動くとみればいいのでしょうか。

2021年1月の放送は大発会当日の夜、いつもの定点観測や中源線の統計数値から、現在の相場を実践的に分析しました。

映像は、「YouTubeチャンネル「マーケット・スクランブル」」でご覧ください。
【株式市況 銘柄解説 定点観測】大発会で占う“ブル年”相場

株価指数と個別銘柄のギャップ

株価指数の動きと個別銘柄の動きには、常にズレが生じます。

例えば数年単位で株価指数が上昇していた場合、「株式市場に資金が流入している」「株価は上げ基調だ」と考えて間違いありませんが、個別銘柄については、その数年間ほぼ動きがない、あるいは、逆に下げトレンドを形成しているケースも数多くあるものです。

バブル相場の最終局面の1989年、株価指数は上値を追いましたが、個別銘柄の伸びはみられませんでした。その状況に至る底上げは前例のないものでしたが、上昇のタイミングは個々に大きくズレていました。

ITバブルのあとの2003年春、日経平均は下落して7千円台の安値をつける一方、値の安い個別銘柄は完全に真逆のトレンドで力強い上昇をスタートさせていました。

現在はどうでしょうか? わかりやすく、2020年の最後を観察してみます。
11月と12月に日経平均はグイッと上昇し、「30年ぶりの高値」と報じられました。しかし、個別銘柄で上伸しているものは、ほんの一部分です。適度に上げてきた銘柄も、多くは頭打ちという状況に見えます。

最終的な判断は人によって分かれますが、少なくとも、「株価指数が高いのだから」と焦って銘柄を探すことだけは避けたいところです。見ている範囲や値動きの狙い方がちがえば、相場の評価も大きく異なるのです。

個別銘柄の定点観測

前項で述べたことについて、実際のチャートを見ながら解説しましょう。
まずは日経平均の中源線チャートです。

中源線なので、赤が買い線、黒が売り線です。

日経平均

11月に入るとグイグイ上伸し、12月前半に保合をみせたあと、年末にかけて再び新値を取りました。力強い上昇です。次に個別銘柄のチャートをご覧ください。

6755富士通ゼネラル

富士通ゼネラル(6755)は、コロナショックの3月に一番底、翌4月に二番底をつけてから約2倍の水準まで上げました。しかし直近は、11月に高値を取ったのに上げ損ない、12月に陰転(赤→黒)して下げ歩調です。

もう1つ、個別銘柄のチャートを示します。

4331テイクアンドギヴ・ニーズ

テイクアンドギヴ・ニーズ(4331)はウエディング事業を手がけている会社。コロナ禍で、相当に苦戦している業種のひとつです。だから上がらない、と納得してしまうでしょうが、このように安値で這いつくばっている個別銘柄は、業種を問わず意外とあるのです。

番組では、いつもどおり、8銘柄の定点観測を行いました。ぜひご覧ください。
視聴はこちら!

「強い」「弱い」なんてホントはあり得ない

株価について「強い」とか「弱い」とか、なにを基準に評価していますか?

いろいろな観点がありますが、よくあるのは“直近で上げているか、下げているか”というものでしょう。でも、それは過去の出来事。現時点で将来を考える場合には、別の観点や基準を持ち出すでしょう。

もちろん、直近のトレンドがつづく、というのも判断要素のひとつですが、実際にはいろいろな条件で判断しているはずです。

落ち着いて考えると、「現時点から上がるか下がるか」は、誰にとっても五分五分のはずです。現時点で値段がついているということは、自信をもって「買いだ」と判断している参加者と、「売りだ」と確信している参加者が等しく存在している状況、といえるからです。

身もフタもない理論のようですが、実はこれが最も科学的な説明なのです。

では、「強いから買い」とか「弱いから売り」という判断は、いったいなんでしょう……それぞれの参加者が、独自の基準で考えた結果の、いわば偏った“価値判断”です。

相場の強弱について談義する際は、こういったプレーンな理論をベースに意見交換する場合もあれば、一定の判断基準が一致していることを前提に「強いよね」などと会話する場合があります。私たちは、けっこう難しい会話をサラッとこなしているということです。

半面、そんな優秀な感性が盲点を生み、当初の観測に固執して失敗することもあります。
だから、例えば強気のときに、「あえて“売り目線”で観察してみる」なんてアプローチも有効だったりするのです。

「買いだと思う」「買ってよさそうだ」「ガマンできないから買う!」と突っ込んでいくのではなく、「待て待て。カラ売りできるかどうかを考えてみよう。ムリだと結論づけることができたら、本当に買いだと自信がもてる」という発想です。

実はこれ、来週1月11日の放送で紹介する内容です。
「成人の日」で祝日ですが、夜8時に番組を公開します。
ぜひ見てくださいね!

来週は、テーマ別の番組をお届けします。
前述したとおりの内容で、タイトルは「まだ上がる? もう下がる?……売り目線で眺める株式市場」。
1月11日(月・祝)夜8時公開です。お楽しみに!


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