「できる」ことをやろう! | 林知之


バブルのころ、多くの投資家が兜町の書店を訪れていました。
熱心に本を物色する人や、店長と相場談義をする人がいるかたわらで、「特選銘柄袋とじ」と書いた雑誌を手に取る中年のおじさん。角度を変えても袋の中は見えません。そのうち、手をブルブルと震わせながら袋をビリビリとやぶいて中を見ると、知らん顔で書店を出ていきました。

バブル時代を過ぎたあたりから、投資に関する情報も徐々に科学的になってきました。まあ、以前の単行本といえば、「夏相場は〇〇〇」なんて、雑誌のテーマみたいなタイトルのものが多く、科学の要素がないどころか、幼稚なものばかりだったので、当然の変化であると思います。

そんな、“原始時代からの離脱”とは別の流れとして、コンピュータの発達を背景にした分析、認知心理学、行動心理学といった発展形の学問を結びつけたトレーダーの行動指針など、「これ儲かりまっせ!」的なものとは一線を画した情報が増えています。

相変わらず「銘柄はこれ」という、手抜きの需要に応えた情報は多く、まさに玉石混交ながら、深く考察した解説も豊富にあるという状況です。

さて、問題は、「それを実行できるか」であります。

知っている、わかっているだけで即、実行に移すことができるならば、ダイエットに悩む人はいません。健康問題の多くも解決します。
「これ、よくないんだよな」と言いながら夜中にラーメンを食べる酔っ払いは、街から消滅するはずです。

多くの分野において、いったん現代の情報過多から離れてみるのが有効ではないか、と私は思うのです。

例えば、好きな異性がいる、でも、どうしていいかわからない……決して恋愛マニュアルなどに頼ることなく、いっそ思いきり素直になって「好きだ!」と言ってみたらどうか、といったことです。

トレードにおいては、多くの人が「予測を当てる」ことに目を向けています。
でも、当たらない……。
結局、一応“プロ”に分類されるファンド関係者が目が、単に指数に連動するだけの“パッシブ運用”に大きく傾いているのが実際です。

でも、もっと素直に考えれば、「予測は当たらない」けど「値動きに対応する」ことで損益をコントロールできるよね、という発想にたどり着きます。

そんな、誰にでも実行可能な実践方法に取り組もうとしている、また、特別な情報分析のノウハウなどを要求されない“個人的な技能”に目を向けているのが、古来から多くのプロ相場師が好む「うねり取り」の手法です。

ところが、ストレートにうねり取りにアプローチすると、なんだか“ピカピカ”と光る情報、すごい秘密が隠れていそうな雰囲気をかもし出すことができません。
一般的な「情報の商業的価値」を満たさないようです。
そのせいでしょうか、「うねり取り」というシンプルな方法論を説いた書籍がほとんどありませんでした。

今回、私が上梓した新刊『うねり取り株式投資法 基本と実践』は、古典であるうねり取りを解説しようというアイデアから生まれた一冊ですが、古典を古典としてそのまま説明すると、「いいからやりなさい!」みたいなノリになって、「巨人の星」の頑固オヤジ、星一徹のような“スポ根”に傾いてしまいます。

古典は古典として尊重する、今でも通用する基本的な理論は素直に採用したい。
でも、情報が豊富な現代人に説明するために、また、未来に向けた新しい理論として活用してもらうために、古典に「革新」という調味料を加え、単なる“伝承”ではなく、“伝統”を正しく伝えることに力を注ぎました。

いきおい、一部にはくどい説明もありますが、林投資研究所が提唱する「相場技術論」を理解してもらうのに最適な一冊であり、「うねり取り」に関してはまさに“バイブル”と位置づけたい力作に仕上がったと自負しています。

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