ゲンかつぎの長短 | 林知之


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「天赦日」(てんしゃにち)というものがあります。
「日本の暦の上で最上の吉日」とかで、「天がすべての罪を許す」なんて説明までありました。要するに、ものごとのスタートに最適ということでしょうか。
年に4回あり、次は週明けの月曜日、2月20日だそうです。

もともと相場の業界は、ゲンかつぎをする世界です。
今でも取引所は、先物など新規の制度をスタートする日に「大安」を選びます。
そんな慣習をバカバカしいと言う人でも、いろいろとゲンかつぎをすることがあります。予測が外れることを「曲がる」といいますが、半分当たって半分曲がるものだと認識している人が日常会話でも「曲がる」を避け、例えばタクシーで「運転手さん、次の信号を左に折れてください」って言うとか。

ゲンかつぎの行動が、具体的な売買の決断に影響するとどうなるか──。
「5のつく日に建てたポジションはうまくいく」なんて、何の根拠もない基準を持ち込んだら、バランスが悪いように思いますよね。

ただ、どんなに非科学的なことでも、“行動を抑える”場合はいいのかもしれません。チャンスを逃してしまうこともあるでしょうが、出動場面を増やして失敗、数量を多くして失敗、長持ちしすぎて失敗……消極的な姿勢よりも、積極的な行動でミスを引き起こすことが多いのが相場ですから、抑えるのはオーケーだ、という考え方です。

値動きは、上がるときも下がるときも過剰になります。
価格を動かす市場参加者は、極端な行動を取るということです。
このように冷静な分析をする者も、しょせんは参加者のひとり、同じ傾向をもっている、そんな平均的な状態では競争に勝てない、それなら少数派の“控えめ”な参加者になろうか、といった論理ですね。

考え方はいろいろあって、先に挙げた「5のつく日に建て玉する」ことでも、出動を決めているという点で評価できる、いずれにしても当たったり外れたりだから、すべては建てたあとの対応次第、必死に考えた結論よりも素直に対処できるのではないか……こんな考え方も成立してしまうかもしれません。

ちょっと散らかしてしまいましたが、行動のスタイルが決まっていることが最も重要です。ある特定の判断基準と行動指針がある、予測が的中する確率は五分五分でも、そこに強い“思い”があることが大切、少しくらいゲンかつぎの要素があっても心地よければいい、そういう観点で行動スタイルを確立するほうが落ち着いている──こんな思考も、現実の相場においては無視できないように思うのです。

いずれにしても、「百」ある方法から「一」を選ぶのが、プレーヤーとして要求されること。残りの「99」はサッと捨ててしまうしかないわけです。

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