株価の連続性 | 林知之


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明けましておめでとうございます。
新年らしく、実体験をもとにした貴重な教訓をひとつ、ご紹介しましょう。

「昨日言ったじゃない!」「そんな昔のことは覚えていない」
「今夜の予定は?」「そんな先のことはわからない……」
こういう返し方はやめたほうがいいでしょう。

株価とは、多数の人が市場に出した注文が個別に成立した結果です。
特定の参加者が連続して参加しているわけではありません。
でも、連続したものとしてチャートを描き、売買のために観察します。

これに対して、「値動きに連続性をもたせて考えるのはおかしい」との意見があります。はい、そんなことは承知していますが、予測が当たるとか当たらないの問題ではなく、プレーヤーとしてひとつの答えを出す、行動を明確に決めるために、便宜的に「連続性がある」とみなしているのです。

通常のチャートは、金曜日の次が月曜日です。土日の休みは表現しません。
でも、実際には土日という休息の期間が毎週あり、頭を休めながらも実はたくさんのことを考えていたりします。情報もいっぱい入ってきます。

そこで、「月曜日にポジションを増やす売買はしない」という発想が生まれます。
「大衆の意見は愚衆の意見」との格言に倣い、自分が愚衆のひとりにならないようにしようという、ある種の哲学です。
チャンスを逃すマイナス面があるとの意見は多いでしょうが、やってみてわかるのは、それ以上に“勇み足”を抑制してくれるプラスの効果です。
私も、裁量の売買では採用しているルールで、土日に考えて何かやりたくなったときは、ムリにでも手仕舞いを先行させるよう気をつけています。

最も大きな区切りは、年末年始です。
実際にはゴールデンウィークよりも休日が少なかったりするわけですが、日本人にとっては大切な区切りのタイミングです。そこで、年始の日経平均と年末の日経平均を比較して「5年連続で株高」とか、「2016年は発会から下げたが……」などと占いみたいな話が飛び交うのですが、超短期の売買を実践している人は別として、単純に連続させて考えればシンプルです。
立会日では、大納会の翌日が大発会、たんなる「翌日」という捉え方です。

年末は精神的に大きな区切り、だからポジションをいったんマル(ゼロ)にするといった工夫が効果をもたらすのですが、それは自分自身の問題です。株価を観察するうえでは、不要な基準を持ち込まないほうがいいと私は考えます。

株価が動意づいてきた今こそ、脱・外部情報、脱・相場難民状態!
2016年の市場を評して「波乱」「激動」などというようですが、株価が上下に動くことこそが私たち参加者の望むところ、株価変動こそが利益の源泉です。
予測できない動きがあったから? いえいえ、誰も予測できないのが株価です。

「確信ある自分流」を大切に、丁寧かつ納得ずくの売買を心がけたいものです。
本年も、よろしくお願いします。


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