利益のもとは何? | 林知之


本日発行のメールマガジン「1分間の相場実践知識」の内容を、そのまま掲載します。
メール配信をご希望の場合、こちらのページからお申し込みください。


研究部会報表紙「相場技術論」に基づいたトレードの姿勢、つまりは“自らの価値判断”を迷いなく行う土台のつくり方──これが最大のテーマです。

研究部会報』は年間35,000円+税の低価格で変わらずに発行しています。


 

ゴミのポイ捨て、歩道を暴走して歩行者に道を譲らせる自転車、降りる人を押しのけて電車の空席に突進する人……マナーが悪いとか許せないと感じることが誰しもあるでしょうが、もしも、みんなが素晴らしい行動を取るようになってしまったら自分自信の軽い行動が責められてしまう──こう考えれば、ちょっとだけスッキリ。自分の利益につながる捉え方をしたいものです。

証券会社の新入社員が電話に出て「今日はどうだい?」と聞かれても、何を話していいのかわかりません。先輩や上司からは、「とりあえず日経平均の前日比を言え」と教わります。

指数連動型のETFどころか日経平均先物も始まっていない時代から、不思議なことに、「今日は200円高です」と聞いた投資家は満足して電話を切ります。
「キミは新人だね。そうか、200円高か。ありがとう」

前日比がマイナスでも同じです。
「そうか、100円安なのか……がんばれ!」
誰が何をがんばるのでしょうか?

株価が上昇を続ければ日経平均は上がり、個々の銘柄も総じて上昇をみせます。
しかし、多くの人が決断のポイントとする数カ月単位の上げ下げ、あるいはもう少し短期の騰落を見ると、日経平均の動向とは異なることばかりです。
少なくとも日経平均は、売り買いを判断する先行指標とはなり得ません。

数学50点、英語100点という成績について「平均75点」でいいのでしょうか。
数学の50点は問題あり、英語の100点は素晴らしい、ということのはずです。
では、次のテストで「数学100点、英語50点」と変化した場合、平均点は75点で全く変わらないのですが、内容的には“事件”が起きているわけです。
平均(算術平均)の落とし穴です。

株価が下がると、各種のメディアはこぞって犯人さがしをします。
解説を聞いた投資家が「先物の売りが原因らしい」と聞いて満足しつつ、下がった買い玉に対する“次の一手”は特になし……自分の利益につながる捉え方ではありません。

「乱高下は困る」という意見に異議を唱える人がいないようですが、株価が全く動かなかったら利益の源泉たる値動きが存在しないわけですし、誰にでもわかるジリ高なんてあり得ません。ジワジワ上昇して3カ月後に2割高と“答え”がわかった瞬間、買いが集まって2割高になる──これがマーケットの構造です。

日経平均は4月18日に572円安。そして今日、ザラ場で500円超の値上がり。
マーケット全体の“振れ”が大きくなったと感じますが、嘆いても誰も同情してはくれないので、「新たな利益の出し方がある」と研究するべきです。

ちなみに18日の572円安についても、自分が売買する個別銘柄の動きを素直に観察して“次の一手”を考えるのがプレーヤーの行動です。

個別では、東証一部の値上がりが209銘柄(約11%)ありました。
今年の新高値が43銘柄、新安値が17銘柄でした。
値上がり率トップは日本鋳鉄管の35.4%(ストップ高)、第10位のカナモトが12.2%の上昇率でした。

本日、19日(火)、この原稿を書いている13:27現在、日経平均が500円高する中で東証一部の値下がり銘柄は155、昨日の値上がり率上位に入った銘柄がチラホラと見つかります。

トレードは、自らの感性をカタチにする創造性にあふれる行為です。
その観点も、取り組む方法も無限にあります。
だから、何が正解かは人それぞれですが、わずかな情報ですべてを片づけようとする表現には注意すべきです。ハッキリと否定すべきものが多いはずです。


new_chgdvd
chg_dvd
研究部会報
 林投資研究所で40年以上続いている、プレーヤーのための定期刊行物。

中源線建玉法
 最古のトレードシステムといわれる中源線は、シンプルなルールなので感覚的に捉えることが可能です。

林投資研究所
 林投資研究所の公式Webサイト。
 まずは資料請求(無料)してください。電話等での勧誘はいたしません。

研究部会報および中源線シグナル配信は、当局に届出の投資助言サービスです。契約にあたっては「契約締結前の書面」をよくお読みください。

ブログ一覧に戻る