連載「相場のこころ トレードの本質」その24 | 中源線研究会

計算ではない計算(2)
 
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知人のディーラーが言っていました。
「立会日が月に20日として、本当に取れるのは2日か3日。でも、それがいつかはわからないから、『今日がその日かもしれない』と手を出すしかない」
個人投資家は休みを取ることが許されますが、職業ディーラーは毎月の結果を出す必要があります。だから、週、日という単位でも休めないのです。
 
書籍『新版 中源線建玉法』には、次のような記述があります。
 
中源線の売買法は規格化された売買基準であり、過去の値動きの最大公約数的な統計を基に組み立てられた売買法なのだ。過去の平均的な値動きからはみ出した波動のときは、損をしなければならない。もちろん、損をしてでも続けていくのだ。
(「第四部 実践と実験」より)
 
ほかの部分では「適当に休む期間をつくれ」と述べながら、原則としては「やり続けるんだ」と強調しています。
 
「機能するルールでも、取れない時期はある」「それを当てることなどできない」ということです。そもそも、例えば「これからの3カ月は、このルールが機能しない」と察知できるなら、ルールそのものを根底から変更することが可能です。
 
「損をしてでも続けていくのだ」なんて、「ドMですか?」って感じですが、甘んじて受け入れなければならないこともあるということです。
 
1カ月ごとにルールを検証し、パラメータやロジック(基本の基準)を変更していたら、常にフラフラするだけ、しかも過去に縛られます。抜け出せない混乱に陥るのもカンタンなのです。
 
直近の値動き特性を分析しながら「わずかずつ基準を変化させていく」という発想もあるのですが、おそらくイバラの道。手をつけにくいとしか感じられません。
 
さて、いろいろな値動きパターンを想定し、「取れない時期もある」ことを受け入れながらも、とりあえず確固たる対応基準を決めないと、トレードが始まりません。とはいえ、連敗は精神的につらいので避けたいと思い悩みます。
 
「トレードルールのつくり方」というテーマで、特別番組を放送する予定です。
バリバリの実践家である、アンディこと沼田武氏と私で意見を交わし、MC役をお願いした池田ゆいさんも討論に加わってもらおうという、実践家のための企画です。
 
収録は来週、放映の予定が3月下旬です。
あらためて案内しますので、お楽しみに!
 
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林 知之

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