連載「相場のこころ トレードの本質」その17 | 中源線研究会

攻めか守りか その2
 
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妻に何か聞かれたとき、いちいち生真面目に即答しているとボロが出る、いや、いらぬ誤解が生じます。最近になって、ようやく気づきました。来年からは、事前に質問を提出してもらおうかと考えています。国会でやっているヤツですね(^_^)
 
相場には、のんびり屋が適しているか、せっかちがいいか。
行動は、ゆっくりがいいか、素早いほうがいいか──。
 
ケースバイケースなので一概にはいえませんが、一般論としては「素早い」ほうがいいと私は考えます。短気な性質のほうがいいということです。仕掛けでも手仕舞いでも、タイミングを逸して後悔することが多いからです。
 
仕掛けのタイミングを逃した場合は、「機会損失」にとどまります。
でも、「ヤバい。。。手仕舞いしなくては」という状況で行動し損ねると、時間はかかる、損は膨らむ、精神的にも痛手を被るという、トリプルパンチが待っています。
 
ただし、相場のことなので、「えっ?」という状況でグッとこらえて正解、なんてケースもあるので、つい手当が遅れるものです。相場における、永遠の悩みでしょう。
 
落ち着いて考えると、手仕舞いしたあと再び建て直すことは、物理的に可能です。
だから、まずは手仕舞い、まずは減らすという「守り」が、往々にして正解です。
 
中源線建玉法の書籍から、ルールの細かい解説部分を引用します。
 
1回目の転換は同時に起こり、再転換は一方の条件のみ満たしているのだが、こういう場合は転換するほうの条件を採用すべきである。
(『新版 中源線建玉法』第三部 注解と事例より)
 
中源線の強弱判断は、「普通転換」が基本です。
これを補助するのが、「42分転換」と呼ばれるルールです。
 
この2つが同時に起こって陰陽が転換したあと、片方だけが「再転換」となった、つまり“おっと今までのトレンドでいいんだ”という判断が中途半端に出現したという状況を指しているわけです。
 
この場合に、「転換と判断すべき」という解説です。
 
「あっ、ちがった」の半分くらい、「あれっ?」という状況でも、行動すべし、ポジションをドテンしてしまえということです。全玉をドテン、直後に全玉を再ドテンなんてやっていたら、ちょっと不安定な動きがあっただけで損を膨らませてしまいますが、中源線では3回の分割売買を行うので、機動的に行動することが可能なのです。
 
積極的に行動するのだから「攻めてるのでは?」と感じるかもしれませんが、買いポジションをドテンするのは「買いの手仕舞い」、売りポジションをドテンするのも同じ、ということで、分割売買を前提に機敏に動くことが、相場における「守り」だと説明できます。
 
 
林 知之

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