二歩、三歩遅れるのがフツー | 株式投資「虎の穴」

相場の先行きについて「先回りしよう」とするのが当然です。
しかし、「読み」に力を入れても当たったり外れたり……結局は、“一歩遅れ”の対処が重要だといえます。

一般的な売買判断を考えてみましょう。

いわゆる「裁量」の売買です。

思惑と逆の値動きに「あれっ」と思っても、慌てて行動したくないので対処が遅れがちです。
「見込み違いを認めたくない」という感情もジャマをします。

結果として、まずまずの対応をしても、二歩遅れや三歩遅れだったりするでしょう。

それでも、対処できれば大きな問題はありません。

ただ、さらに遅れて「動けなくなる」ケースで損を大きくしてしまうことが怖いのです。

だいたい一歩遅れ、わるくても二歩遅れ、気持ちよく半歩遅れでトレンドに乗ることも多い中源線は、やはり優秀だと思います。

数式を重ねて機械的に判断する売買システムやインジケータは、それこそ星の数ほどあります。でも、急落に対応できないものも多いようです。

買い指示が出たまま、下げたことに対するシグナルが出ない・・・
資金が不足しても買い増し指示を繰り返す・・・
こういった例もたくさんあります。

相場では、「これは上がるぞ!」と確信したときに買いポジションを取ります。
だから、「いや、その見込みは間違い、下げ相場かも」と考えても投げにくい、ドテン売るなんて至難の業──こんな人間心理が、そのまま数式にも反映されたり、少し想定外の動きに対応できないルールに仕上がってしまうのが、売買ルール“あるある”なのでしょう。

人間の判断を加えて上手に使えば長所を享受できるのかもしれませんが、次々に想定を超えた動きをみせるのが昨今の相場。道具(売買ツール)を選ぶ段階で、とことん疑う姿勢も大切なのです。

値動きこそが利益の元ですが、荒れ場に対しては多くの投資家が思いつきで行動を決めます。でも、それが最もキケンなこと。基本的には、自分が感じたとおりの行動が正解なのですが、荒れ場を見て思いつくことの多くは、コントロールしきれない行動、最後まで対処しきれない作戦です。

荒れ場では動かない、ポジションを持たない──これが大原則です。

中源線ならば破綻してしまう懸念はないので、シグナルどおりに売買しつづけるのも選択肢のひとつですが、基本となる「荒れ場は避ける」発想を加えて売買を抑える裁量というのも手です。

少なくとも、「短期でもっと儲けよう」と攻めっ気を強めることのないよう気をつけてほしいと思います。

例えば、もともと考えていなかった追撃売りをするとか、値ごろで判断して、中源線が売りのままのなのに買い向かうとか……成功の確率を論じるような内容ではありません。ひたすらキケンです。
 

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