売買・トレードは、凄腕のデイトレーダーやプロのファンドマネージャーなども同じ市場で売買しています。
初心者でも、知識ゼロでも、ハンディをもらうことはできません。
最初から、完全な“ガチンコ勝負”です。
それだけ厳しいということを、つい忘れてしまいます。
いや、気づかずに売買に臨む人が多いでしょう。
しかし、そういったライバルは攻撃を仕掛けてきません。
いわゆる「相手」は、ほかの市場参加者のほかに「株価」そのものも挙げられます。
いずれにしても、誰も攻撃してきません。
もっぱら、自分のなかで新しい情報をつくり出し、それをもとに行動します。
相手がブールを投げてきて打ち返す、みたいなことはないのです。
だから、相場は「自滅のゲーム」といわれるのです。
「最大の敵は自分自身」なんて言うと、ヘンな精神論にも聞こえますし、カッコつけの表現に思えます。でも、いちばん大切な真実ではないでしょうか。
こうした理解が不足して、「ズレ」が生じたときに負けます。
どういった「ズレ」が、あるでしょうか?
「自分が、自分自身のポジションをコントロールしているか」が問題なのに、先行きの予測ばかり考えていたら、ズレがあります。
あるいは、ポジションを持っているのは数カ月なのに、日々の細かい情報を気にしてしまっているとか。
ちまたの情報そのものにも、大きな問題があります。
私たちは「未来」を見据えて考えているのに、情報の99.9%は「直近過去」です。
なぜ上がったのか、なぜ下がったのか……後講釈だけです。
そういった解説を読んで、なぜかホッとします。
株価が変動した理由がわかった、と納得するのです。
でもそれは、本来求めている情報ではありません。
今回の考察は、ほんの一例です。
市場の構造、自分の立場、やりたいこと、実際にやっていることなどを落ち着いて考えると、「やってはいけないこと」「やるべきこと」が浮かび上がってきます。