個人投資家の多くが、「ポジションをどうすべきか」と迷った挙げ句、売買決断も行動もギクシャクします。
原因は、情報が多すぎて整理できていないことです。
例えば「ある選挙で○○党が圧勝」との予測をもとに相場の先行きを考えても、「それなら買い継続だ」「圧勝を織り込んでいるから売りだ」と真逆の“答え”があり得ます。
考えに考えた挙げ句、「で、どうなるの?」と他人に聞いてみる……その時点で、完全な“漂流”状態です。
選挙の結果が相場にどう影響するか──。
自分の確固たる判断基準がないまま考えているから迷うのです。
迷うというよりも、なにをどう考えればいいのか、わからなくなってしまうのです。
丁寧に考えるほど、多くの情報を集めて未整理な状態にしてしまいます。
情報は「集めるもの」ではなく、「選別するもの」と考えるべきです。
多数のマーケット参加者と競争するうえで、ものすごく偏った、独自の観点で情報を取捨選択するしかないのです。
図は、雑多な情報を、独自の観点で“選別する”プロセスを表現しています。
情報をフィルターにかけ、ほんの一部の情報だけを取り入れるようにしないと、「売り」「買い」という最終的な行動を決めることなど不可能です。
現役を離れて久しいのですが、ミスタージャイアンツこと長嶋茂雄さんは、指導でも解説でも、やたらと擬音を使ったことが有名ですね。
「ビュッ、ボン、シュッ!」
「わかんね~よ」という声が多いのですが、プレーヤーの内面にあるものなんて、ボヤッとしたイメージでいいと思うのです。
合理的な分析、科学的なアプローチも有効ですが、そういった手段を用いて練習し、経験を積んだあとに残るのは、言葉にするのが難しい“なにか”です。
長嶋さんの表現に対する「わかんね~よ」は、「なんか、わかる!」と感心しながら、それを共有することを楽しむ人の言葉ではないでしょうか。
ただ、各方面から合格点をもらえる日本語ではない、ということです。
相場の世界で、万人受けする解説者になる必要など、これっぽっちもありません。
自分のトレードを、自分の意思通りにコントロールできればいいのです。
「売りと買いしかない」といわれるように、トレードの行動は単純です。
単純すぎて、無意識に複雑にしてしまうのかもしれません。
また、大切なカネのことなので、つい考えすぎてしまうのです。
迷ってしまって決められない、「ダメかも……」と感じながら先送りしてしまう、ポジションを抱えたまま祈るだけになってしまう──こんなケースが少なからずあるでしょうから、長嶋さん式にして、感じるままに行動できるように自己改革すべきです。
ギクシャクは限りなくゼロに近づけるべきです。
「おしりの穴がムズムズしたら切る」(ポジションを落とす、撤退する)というのは、大橋ひろこさんがインタビューした、経験豊かな実践家の言です。
私の場合は、「ワクワク感」をキーワードにポジション維持を考えます。
ワクワク感が減少したら注意、大幅に減少したら手仕舞い、ということです。
もちろん、純粋なワクワク感があるときだけ出動します。
「利益を逃したら悔しい」なんて発想が、最大の敵ですね。
