7月29日のブログ ↑ で、「得意技」という発想が大切だと述べました。
「得意技に絞ろう」と提案しても、やっぱり“ほしがる”のが人間の性(さが)。
値動きイメージを使って、トレードの得意・不得意を考えてみましょう。
この図には、同じ値動きを2つ描いてあります。
往来のあと、上に抜ける(ブレイクアウトする)というパターンです。
こんな値動きに対して、2種類の異なるタイプのトレーダーがどんな売買を展開するか、私のリアルな想像を示しました。
図の上側は、逆張りで往来を狙うトレーダーの行動です。
往来を前提にしているので、前半の動きは想定どおり、上げ下げを見事に捉えて利益を上げています。高くなったら売り、安くなったら買いと、往復の変動を取っているわけです。
しかし、最後に上方向にブレイクする場面では、「そろそろ天井か」と考えて買いポジションを手仕舞いながらドテン売りに回ったところでグッと持ち上げられ、バツ印の部分であきらめて踏みます(踏む=カラ売り玉を損切りする)。
ブレイクアウトによって、値動きが得意パターンから外れたので無条件で撤退、自分のイメージにないことをムリに実行することなく、休むつもりで身を引くのです。
図の下側は、まったく異なるタイプ、ブレイクアウトを狙うトレーダーの行動です。
逆張り狙いのトレーダーがコツコツと往復の動きを取っている間、手を出さない場面もありますが、「上に抜ける」と考えて買ったあと見込み違いで投げ、次は「下に抜ける」と読んで売りを仕掛けたところ、これまた不発……損切りを繰り返します。
しかし、最後に上方向にブレイクする場面では、うまく上げに乗りました。
逆張りトレーダーがカラ売り玉を踏んで撤退するのに対し、「よし!」とばかりに、利益を伸ばすための“ねばり”を考えはじめるわけです。
単純に、「逆張り」「ブレイクアウト」と2つに分けて説明しました。
実際は、もう少し入り組んだ戦略があり得ますが、少なくとも、こういった真逆の戦略を併せもつことはムリなので、取れる場面(出動したあと利を伸ばすよう努める)と取れない場面(見送る、あるいは出動したあとで早めに損切り撤退)に分かれてしまうのです。
ところが、頭でっかちの人ほど、「値動きを注視しながら戦略を切り替えていこう」などと難しいことを試みます。しかも、銘柄もバンバン乗り替えて、毎週のように利益を追う行動を実現しようと考えます。
「根拠のない自信」は、人間がストレスなく努力して前進するための原動力ですが、上記のようなムチャな行動は、単なる現実無視なのです。
「自分の得意技はこれだ!」という肯定的なイメージを軸にして、それ以外のものを気持ちよく捨ててしまえばカンタンです。
「もったいないけど捨てる」というネガティブなイメージではなく、「一つだけに絞って集中する。そこで勝利する」という極めてポジティブな姿勢で、「一を拾って九十九を捨てる」のです。
ちなみに、同じ戦略のなかで、その時々の値動きに合わせて調整するのは当然です。
例えば値幅取りが得意でも、「ムリな値幅取りを控えて少し早めに手仕舞いする」といった対応です。戦略はひとつで、微調整にとどめる、ということです。

