私が子どものころは、街の駄菓子屋が子どもの貴重な遊び場所でした。
安い花火やベーゴマなどの玩具があるほか、菓子類も豊富で、味を楽しむものだけでなく、くじ引きで当たり外れがあるとか、今考えれば、マーケティングの工夫が満載でした。
定番商品のひとつが、オレンジ色のガム。
小さな箱に4つ丸いガムが入っていて、買ったあと箱を開けて「当たり」の文字があると、もう1箱もらえるのです。
その小さな箱が店のケースにびっしりと並んでいるのですが、駄菓子屋のオヤジが当たりの箱を、中央の下の段にまとめて隠していることを見つけてしまったのです。
私たちが夢中でその場所に手を伸ばすと、ほぼ100%当たり! キャッキャ言いながら買いつづけると店のオヤジが慌てて、「こっ、こっちからも取れ!」なんて……。
実質的に半額だったとはいえ、大量のガムを手にした私たちは、本当にトクしたのでしょうか?
店のオヤジにはめられた?
いえ、当たりの箱が激減する状況で青ざめていたはずです。
以上、「三丁目の夕日」ならぬ昭和の思い出、ほしがりすぎな子どもと、ほしがりすぎなオトナの戦いの一幕でした。
今回は、「肯定形」に絞ったプロのポジティブ思考に焦点を当てます。
キーワードは「得意技」です。
「なんだか、できそうだ!」というポジティブな気持ちで臨んでも、損を出したときは落ち込みます。とてもバカなことをしてしまった、と感じるものです。
ちゃんと考えて合理的に行動したつもりなのにカネが減ってしまう……こんな生々しい結果を突きつけられるからです。
「相場なんだから、見込み違いは当然」という“脳”の理解を、「あ~、損しちゃった」という“感情”が上回った瞬間、「ある程度の確率で未来を見通せないだろうか」というムチャなことを求めて迷走し始める──私たち人間の特性です。
迷走し始めてから方向転換するのは難しいし、ブレーキが効きにくいので、最初から望ましい方向に進むべきです。
そのときに効果があるのが、「得意技」という言葉です。
株式市場では日々、いろいろな値動きが発生しています。
でも、取れる動きと取れない動きがあるはずです。
この場合の「取れない」は、『自分のスタイルでは利益を確保できる確率が低い値動きパターン』という意味です。
いろいろな値動きがあるため「どれでも取れるようになりたい」と考えるのが人情ですが、現実は甘くありません。
苦手パターンに挑戦するよりも、得意技を決めて専念するべきです。
料理人なら、「和食もイタリアンも中華料理も」ではなく、例えば「ラーメンで勝負」と考えるべきだろう、というのと同じです。
進化の“課題”は、その得意技の精度を高めることだと考えるのです。
―7月31日(金)のブログにつづく―
