ヒトの“感じ方”を無視するな

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講師を職業としている人から、「ワン・インストラクション、ワン・アクション」と教わりました。聞いている人に対して2つの指示を同時に与えると混乱する、ワン・インストラクション(1つの指示)でワン・アクション(1つの動作)を原則にしろというのです。「その場で立ち上がり、90度右を向いてください」と2つの動作を示しても、事前に流れを知らなかった人は、たった2つを実行できないことがあるのです。
妻に2つの買い物を頼まれて私がミスするのは、指示が悪いってことですね。

ヒトには創造性があり、その能力によって大いなる可能性を秘めています。
日常のものごとに対してだって、“何手も先”を読む力を持っているのです。

一方、意外に単純なことができない。高い能力がジャマをするのでしょうか。

インターネットの普及なども手伝い、トレードに関する情報も多種多様、膨大な量に及んでいます。その結果、再現性、勝率、マキシマムドローダウン、利益率、ストップロス……と言葉を並べて理論を考える傾向が強まっています。

でも、最終的な狙いである「利益」を求めるのが生身の人間である以上、手法や手段にかかわらず、ヒトとしての特性を考えることが重要です。

正解は何か──この問いを考える前に、ヒトが、そして自分自身が、情報をどう認識しているかが問題です。「つらい」「うれしい」といった感情が行動を左右するので、理論的な認識よりも“感じ方”にフォーカスするべきなのでしょう。

研究部会報』では毎号、いくつもの読み物を執筆していますが、その時々のテーマがあることが多く、明日発送する1月号では、いま私の中で研究課題となっている「ダマシとのつき合い方」が、いわば主題となっています。

裁量でもシステムでも、予測の的中率を100%にできない以上、見込み違いがひんぱんに起こります。「うまく当たったときの対応」とともに、「ダマシに対してどう行動するか」を考えるのは当然ですが、そもそもダマシをダマシだと判断する基準、ダマシによる感情をどう認識すべきか──これがトレーダーの課題だと考えています。

今年の株式市場は波乱の幕開けとなりましたが、今後も変動が大きそうです。
リスクが大きいと同時に利益のチャンスも多いということですが、行動の前に手法や予測法の再チェックも大切ですね。

研究部会報』は、同じマーケットに同じように参加するプレーヤーとして、自己コントロールといった内面的な課題を忘れずに実践的な考え方を考察する機関誌。1月号は明日、1月26日に発送します。


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中源線建玉法
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1月4日放送のフォローアップ(3)
林 知之

勝率よりも利益率
シンプルだから実用的


今まで、さまざまな角度から中源線建玉法を解説してきましたが、あらためて「中源線とは」という観点で情報をまとめてみようと思い、マーケット・スクランブル1月4日大発会の放送は、「そもそも中源線建玉法ってなーに?」をテーマにお送りしました。中源線の全体像、数ある手法や予測法との比較で考えてみてください。
そのフォローアップ(3)です。

映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第76回 そもそも中源線建玉法ってなーに?


今回の放送テーマは、「そもそも中源線とは」というものです。
ここで、わかりやすくまとめ、ほかの手法などと比較した説明を加えてみましょう。

fup3_中源線とは

まずは、この箇条書きについて、ひとつずつ説明します。

1 ルールと感覚が一致で納得
トレードシステムのルールが機能する(利益になる)根拠は、過去のデータによる検証(バックテスト)結果だけです。だから「感覚とかい離した数式」は、未知の未来に対する不安を考えると、実用性に乏しいといわざるを得ません。中源線のルールは、実践者の感覚をシンプルなルールに落とし込んだものなので、個々の判断に納得して売り買いを実行できます。

2 “値動き”があれば適用可能
中源線では、銘柄や市場ごとの特殊要因など、迷いを生じさせるような要素を無視して値動きだけを観察します。つまり、値動きの傾向とポジション操作に焦点を当てた、実践的な「売買法」なのです。価格の変動があれば、何にでも適用して、中源線との相性を検証できます。

3 パラメータが1つだから簡潔
パラメータ(変数)は、システムの答えを左右する“調節つまみ”です。これが複数あると変化の組み合わせが増え、現実を忘れた「数字遊び」に走りやすくなります。でも中源線はパラメータが1つなので、常に全体を見通しながら、簡潔な姿勢でムダのない研究と実践を展開できます。

4 値幅の発生で利益が伸びる
中源線の魅力、中源線の醍醐味といえる部分です。「1割取ったから」「2割取れたから」といった基準でポジションを閉じることがなく、値幅が発生しても最後までねばるので、大きく利を伸ばす機会を逃しません。

5 勝率よりも利益率
いわゆる勝率を高めようとすれば、利益の幅に限度を設けることによって逆に、肝心の利益率を下げてしまいます。予測に固執せず、臨機応変にポジション操作することで、最も大切な「利益率」を高めようとするのが中源線建玉法です。

6 現実的な“損小利大”
上記の「4」と「5」をまとめると、机上の空論を捨てて損になる場面を容認する、しかし損失額を抑えるとともに利益のチャンスを最大限に生かす、ということです。予測を当て続けることが不可能である以上、損を抑えながら取れる場面で取ろうと努めるのが正解です。

7 三分割でコントロール
トレードでは、見込み違いで切ってしまうことや、乗れたときにポジションを積み増すといった「量の変化」を考えるのが当然です。生身の人間が余裕をもって対応できる3回の分割売買が“損小利大”を実現し、高い利益率を追求します。

トレードのカギは、予測不能の株価変動に「対応する」ことです。
どんな手段をもってしても、未来の株価を当てることはできません。だから、不安を抱えながらポジションを取ることになります。とはいえ、怖がる気持ちを捨てることは問題解決にならず、危険度が増加するだけです。

一定の恐怖心を維持しながらも、「対応の備え」があることによって、バランス良く行動を支える結果となるのです。

上がると考えて買ったとしても、見込み違いの場合は潔く切って出直します。しかし、「乗れた」と判断したらポジションを増やします。そして、ねばることで値幅を取り、経費としての細かい損失をカバーして余りある利益を確保するよう努めます。

こういった一連の作業をトレードと呼ぶのであって、多くの人が予測を当てようと躍起になっているのは誤りなのです。

真剣に予測を立て、真剣にポジションをつくります。
でも、その予測に固執することなく、値動きの変化に対応することで、つかみどころのない価格変動の波を泳いでいくのです。そのためには、確固たる予測法に加え、予測法とリンクしたポジション操作が必要です。

これらの要素をバランス良くまとめれば“実用性のある手法”になるのですが、ちまたで手法として紹介されているものの中には、ちょっと残念なものが散見されます。

例えば移動平均線を使った予測法は最もポピュラーなもののひとつですが、将来の株価を「当てよう」とアプローチするだけで、具体的なポジション操作という発想が希薄だったり、期待を裏切られた場合の判断と対処が備わっていなかったりするものがあります。それらを厳しく評すれば、「手法として成立していない」ということです。日常生活でいえば、「風邪を引いたらどうするか」「ナイフで手を切ったらどうするか」といった“いつでも起こり得ること”を無視している姿勢です。

中源線は、シンプルなルールと3分割のポジション操作が連携する、文字通りの「建玉法」です。そのまま使用することで十分な利益を期待できるだけでなく、ひとつの“型”を守ってトレードするという、最も大切なことを教えてくれる存在でもあります。

さて、今回も実際の中源線チャートをチェックしてみます。
林投資研究所が構築した「中源線シグナル配信」システムの中で、高パフォーマンスかつ実際のトレードにも適していると判断して研究対象の「ユニバース」に選んだ銘柄のひとつ、7014名村造船所です。

fup3_7014

チャートの期間は、2015年7月から直近、2016年1月19日までです。
終値と終値を黒い線で結んだのが陰線(売り線=下げを狙う)、赤い線で結んだのが陽線(買い線=上げを狙う)です。

この銘柄を中源線で判断した場合、「ダマシを挟みつつも、なかなか素直に動きを捉えている」という印象です。

7月……陰転したあと下げ渋りましたが、8月始めから下げて利益となりました(利益が完全に確定したのは、9月の陽転時)。

9月……安値保合の中で陽転し、素直に上昇しました。この転換も、いわゆる「当たり」です。

10~12月……上昇が続いたのですが、ダマシが数回あります。10月終わりの陰転だけでなく、12月上旬の陰転と直後の陽転がダマシです。この12月の“往復ビンタ”では損が出ていますが、陰転のダマシでは、ポジションが3分割の1単位にとどまっています。そのあとの陽転のダマシは「再転換」(短期間で再び転換するケース)なので2単位買っていますが、三度目の正直とばかり、12月10日に1,075円をつけて陰転した時も「再転換」で規定通りいきなり2単位売り、途中の戻りで増し玉して3/3満玉売りににしたあと、見事に下げて利が乗っています。

上がると思って買ったあと「ダメだ」と判断して投げる、さらにドテンカラ売りする──こういった機敏な行動が理想だと理解していても、なかなか実行できるものではありません。しかし中源線のルールは、機敏な行動に抵抗を感じている実践者に対し、常に冷静に、絶対にブレることなく、シグナルを出してくれるのです。

次回のフォローアップ(4)では、中源線が実践に使われた現代の歴史を振り返りながら、旧来の職人的な取り組み方と、科学的なアプローチを活用した未来志向の取り組み方を比較します。
お楽しみに!


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1月4日放送のフォローアップ(2)
林 知之

順行は放置、逆行に注意


今まで、さまざまな角度から中源線建玉法を解説してきましたが、あらためて「中源線とは」という観点で情報をまとめてみようと思い、マーケット・スクランブル1月4日大発会の放送は、「そもそも中源線建玉法ってなーに?」をテーマにお送りしました。中源線の全体像、数ある手法や予測法との比較で考えてみてください。
そのフォローアップ(2)です。

映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第76回 そもそも中源線建玉法ってなーに?


フォローアップ(1)で示したように、トレードの基準はシンプルなものにするべきです。シンプルな基準におさめるポイントは、「当てようとしない」ことです。

ふだん普通にこなしている仕事、あるいは日常生活の基準を考えてみてください。絶対に避けたい事故などは考慮するものの、着実に行動することを優先する結果、まずまず無難な基準をシンプルに適用して前に進んでいるはずです。

例えば外出の際には、火の元や窓の閉め忘れなどを、ひと通り確認して玄関にカギをかけます。このとき、「それでも泥棒が入ったら……」とか「万が一、冷蔵庫が漏電したら……」なんて考え始めたら、出かけることができません。たまに行う見直し作業は別として、ふだんの行動では必要以上にビクビクと考えません。

ところがトレードでは、カネが入ってくる、カネが出ていくという生々しい結果を思い浮かべることから、バランスを欠くほど慎重になってしまうことがあります。良い意味での「慎重」を通り越し、仕掛けも手仕舞いもギクシャクしがちなのです。

取れるときは取れる、取れないときは取れない、ヤラレるときもあるから「上手な敗戦処理をしよう」という発想で備えておくのが目指すべき理想的な姿勢ですが、つい情報量を増やしてしまい、逆に情報過多でフリーズするのです。

さて、値動きを見るときはチャートを使いますが、多くの人は、日本古来の方式であるローソク足を好みます。私もローソク足は好きですし、1本の足に4つの価格を詰め込んだ形式は、さまざまな観点を生む素晴らしいものだと考えています。

ですが、通常のトレードにおいて、株価のトレンドを数週間、あるいは数カ月という時間軸で観察するなら、終値と終値を線で結んだ折れ線チャートで、必要かつ十分な情報を得ることができます。情報量の多いローソク足は、かえってスムーズな行動を阻害しかねません。

中源線では、日々の終値による折れ線チャートを使い、意外と単純なパターン分析で相場の強弱(トレンドの向き)を判断するのが基本です。

シンプルなルールによってチャートをパターン分析し、まずは現在のトレンドを判断します。「上がっていく」という想定の場合、終値と終値を赤い線で結びます。買い線(陽線)です。逆に、「下がっていく」と判断している場合は、終値と終値を黒い線で結んで売り線(陰線)と呼びます。ローソク足のように、その日の始値と終値を比較して陰線・陽線と呼び分けることとは全く異なります。

さて、どんな観察方法でも、「トレンドの変化」を見極めることが最重要課題です。中源線も全く同じで、陰線から陽線に変わる陽転(下げ→上げ)、陽線から陰線に変化する陰転(上げ→下げ)が最も重要なシグナルです。

中源線の陰陽転換では、トレンドに逆行する動きに注目します。例えば「上げトレンドだ」と判断して買いポジションを持っている場合(買い線の状態)、上げの動き(順行)は利が伸びるので問題ありません。中源線では、順行の動きは無視するのが基本なのです。しかし、逆行の動きには注意します。買いポジションを持ちながら「下げる動き」があった場合、「相場だから上げ下げがあるのは当然。しかし、下げが続きそうならば対応を考えなくては……」となるでしょう。

中源線建玉法は、こういった実践者の素直な感覚をルール化したものなので、人間くさい部分が実に心地よいのです。理解していながらも実行できないことが、ルールとして規定されているので、「よくぞ言ってくれた」と感じられるのです。

では、中源線の陰陽転換について、折れ線チャートをイメージ化した図で見てみましょう。

fup2_中源線は「逆行」をチェック

図は、売り線(陰線)で下げてきた相場がググッと切り返して陽転した、つまり、中源線が「買いトレンドに転じた」と判断した状況です。相場ですから、常に上げたり下げたりを繰り返します。しかし中源線は、いつでも逆行の動きに目を光らせているのです。

売り線ですから当然、カラ売りポジションを持っています。下げると利が伸びます。だから、下向きの動きは大歓迎、通常は特に何もしません。しかし、上げ(逆行)が続くようならば、カラ売りポジションを放置できません。そこで、一定の条件を持つ逆行を「屈曲段」と呼んで基準と位置づけ、その屈曲段を一定以上、逆の方向(この場合は「上げ」)に抜けたところで「トレンドが変わった」と判断します。

この判断基準が明確に規定されているのが中源線です。決して迷うことはありません。ですが、「そんな単純な判断方法で、外れたらどうするんだ?」と感じる人も多いでしょう。ここが大きなポイントなのです。前述したように、慎重に考えるあまり、つい情報を集めてしまい、スムーズな行動を取ることのできない“フリーズ”状態に陥るのです。

相場の予測をピシピシと当てられたら、言うことはありません。しかし現実、そうはいかないのです。当たったり外れたり……どんな予測法でも、相場の先行きだけは読み切れません。

そこで、「予測を当てることに固執せず、機敏な対応で結果を出そう」という現実的な発想が生まれます。これが、林投資研究所の提唱する“相場技術論”の思想であり、中源線建玉法もこの考えに基づいた実践的トレード手法なのです。

予測は、いわば天気予報です。必ずしも、実際の行動とピタリ一致するものでなくてもいいのです。

fup2_予測=天気予報?

「雨が降るかもしれない」という状況なのにカサなしで外出する……私はカサを持つのが嫌いなので、このパターンが多いのですが、期待とは裏腹に雨が降り出した場合、何らかの対処をします。また、その対処方法は、事前にいくつも用意されています。カサを借りるとかタクシーに乗るとか、都市部ならば手段は豊富です。これは、誰もが実行している日常生活での対応ですね。

ところが、いざトレードとなると、こういったスムーズな行動ができなくなります。上がるという想定で買ったあと予測に反して下げてしまった場合でも、オトナとして何かしらの対応があるべきです。買いポジションを放置したまま逆行する動きを見ているだけなんて、おかしいのです。雨の中、カサなしでズブ濡れになっているようなものです。

自分なりの基準で投げるか、「まだ下がある」と読んでドテンするか、買い姿勢を継続しながら買い増しするか……“どれが当たるか”を考えたら、行動はギクシャクします。その一手を打ったあと、次の展開を見ながら、さらにその次の一手を考えるのですから、対応方法の決め手は、「自分にとって正しいかどうか」だけなのです。

中源線によるトレードへの取り組みとは、「予測が外れたらイヤだなぁ」というグズグズした態度を捨て、「予測が当たったときも外れたときも、スムーズに行動してトレードを継続していきたい」という考え方です。それを、数式のルールにしたものなのです。ルールを理解して実践することで次第に、淡々とした対応が自然なものになっていきます。

さて、今回も実際の中源線チャートを見てみましょう。
5727東邦チタニウムは、林投資研究所が2015年春にスタートした新サービス「中源線シグナル配信」で研究対象銘柄に選定した銘柄のひとつです。

fup-2_5727

2015年8月から11月まで、高値で保合をみせながら、中源線でダマシが連発しました。いわゆる往復ビンタです。しかし、11月の陰転のあとは棒下げで、現在は見事に利が乗っている状態ですね。この間、勝率は極めて低いのですが、利益率はかなりのものです。これほどダマシが連続するケースも少ないと思いますが、いずれにしても、決めた通り淡々と行動する、機敏に対応することで利益を実現した事例といえます。

次回のフォローアップ(3)では、いま解説した「勝率」と「利益率」の関係に焦点を当てます。勝率が高くないのに利益率が高くなる……中源線の仕組みを、より深く考えていきます。
お楽しみに!


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1月4日放送のフォローアップ(1)
林 知之

混ぜるなキケン!


今まで、さまざまな角度から中源線建玉法を解説してきましたが、あらためて「中源線とは」という観点で情報をまとめてみようと思い、マーケット・スクランブル1月4日大発会の放送は、「そもそも中源線建玉法ってなーに?」をテーマにお送りしました。中源線の全体像、数ある手法や予測法との比較で考えてみてください。
そのフォローアップ(1)です。

映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第76回 そもそも中源線建玉法ってなーに?


明けましておめでとうございます。

1月4日大発会の夜に生放送した2016年最初の番組は、MC大橋ひろこさんが私の名前を間違えたことで進行がビミョーな感じとなり、思わぬ“初笑い”で面白かったと思うのですが、途中から足早の解説となってしまいました。まあ、いつも30分の番組では伝えきれないことがたくさんあるので、「映像+フォローアップ(このブログ)」で情報を受け止めてください。

fup1_年越しそば

番組の冒頭で、わが家の年越しそばをご覧に入れました。
いろいろ盛り込もうという発想で、ソバ、うどん、冷や麦の3種類を混ぜてみたのですが、麺を口に入れても何を食べているのか認識できないことを発見しただけでした。やはり、ほかの麺類の味を捨ててソバならソバだけを食べるのが正しいようです。安易な気持ちで異なるものを混ぜても、何も生まれないということです。

トレードも、全く同じだと考えます。

順張りと逆張りを混ぜて「あらゆる動きを取ろう」とか、その都度「判断基準を変える」とか……“臨機応変”という理想を追っているつもりが、単に“その場の思いつき”で行動するようになってしまい、戦略の見直しといった重要な部分をコントロールする基準そのものが不明瞭になってしまうでしょう。

トレードにおける手法とは、予測を当てにいく行為ではありません。
予測が当たったり外れたりする現実をストレートに受け入れ、当たったときの対応(持続と利食い手仕舞い)、外れたときの対応(ポジションの修正、損切り)を決めておくのがポイントです。

fup1_トレード手法とは

「予測法」は重要です。「予測は当たらないことが前提」というのがトレーダーへの戒めですが、「どうでもいいや」とサイコロをころがすなんてのは非現実的です。ヘタに考えるよりもサイコロのほうが安定した確率が得られるとは思うのですが、何の思想もないようでは、手法全体を構築したり改善点を見つけて修正していくことができません。

だから、「当てにいく」という感覚は必要なものです。

とはいえ、「当てなくっちゃ」という感情は害にしかなりません。先のことなど絶対にわからない状況で、利益の可能性をつくるためにポジションを取る──これがトレードですから、予測はあくまでも「想定」なり「仮説」なのです。

時々刻々と変化する株価を見ながら“次の一手”を決めて対応していくことが求められます。予測不能の変化に立ち回ろうというのですから、自分のポジションと自分自身を上手にコントロールするための作戦が必要です。その作戦が「予測法」と、それに基づいた「ポジション操作」です。

そして、たまたまの負けが続くなど期待外れの現実が起きても、決して資金を大きく失ったり心がポキッと折れたりしないために、ポジションサイズを含めた「資金管理」が欠かせません。

多くの人が、上に挙げた3つの要素のうちの「予測法」に大部分を傾けています。その結果、自分の力では“答え”を出せず、すぐに他人の予測を頼ることになります。専門家の予測なら当たる、有料の予測なら的中率が高い、とはいえませんし、そんなことも理解しているのですが、「いざとなったら他人のせいにできる」という無意識の働きからでしょうか、他人の予測に乗って“決め打ち”のポジションをつくります。「ポジション操作」の要素はなく、状況に応じてコントロールしていく発想はゼロに近くなります。

だから、先ほど“戒め”と示したように、「予測が外れることを前提に行動する」ことが必要です。ゆがんだ考え方でもなければ、妙にストイックな姿勢でもありません。車の運転で、ミスを前提に操作や安全確認の手順を守る、自分のミスだけでなく不可抗力のもらい事故まで多くの可能性を考えて保険に加入するのと全く同じことです。

結論として、「予測法」は非常に単純なものにとどめ、予測と連携した「ポジション操作」に重点を置くのが正解だということです。

さて、中源線における値動きの捉え方を紹介します。
中源線は、現在のトレンドが上向きか下向きかを明確に定義します。上げトレンドならば「陽線(買い線)」なので終値と終値を赤い線で結び、下げトレンドならば「陰線(売り線)」なので終値と終値を黒い線で結びます。もちろん、この陰陽(転換)を決めるのは、非常に単純なルールです。

下に示したのは、中源線のチャートをイメージ的に処理したものです。

fup1_陰線陽線と順行逆行

中源線では、「上げ」「下げ」という言葉を使いません。
買いポジションを取る陽線のときは上げが「順行」で下げが「逆行」、そして売りポジションを取る陰線のときは下げが「順行」で上げが「逆行」です。
株式市場では総じて“上げ賛成”なので、そこには「上げ波動が正しい」といった価値判断が存在します。これがジャマをします。「上げ」「下げ」でなく「順行」「逆行」と考えれば、錯覚を起こすことなく自分だけの価値判断を確認できるので、とても合理的だと思います。

では、実際の中源線チャートを見てみましょう。
番組でも紹介した4997日本農薬、2月の放送であらためて解説する予定の「中源線シグナル配信」において、パフォーマンスも良好で実践に耐えうると判断した「ユニバース銘柄」の1つです。

fup1_4997

これは、私が実際に実験売買を行っている銘柄です。でも、スタートしたのは8月中旬、チャートに追加した赤いタテ線のところです。「下げの初動を取れなかった」と書き込んでありますが、この時すでに売り線になっていたので、「次の転換を待つ」ことにして意図的に何もしなかったのです。結果的には売れば取れていたのですが、落ち着いて取り組むことを優先させました。

9月末に陽転して買いましたが、たまたま、スルスルッと上がってからの買い増しとなったので、10月後半の陰転による売り手仕舞いで少しマイナスが出て、その後の売りポジションで利が乗っている状態です。感情を刺激するようなワクワクな動きはなく、長期に下げていることから「次の陽転が楽しみ」というところでしょうか。

別の銘柄も、次回以降のフォローアップで紹介しますね。

さて中源線の「予測法」は、前述した通り、極めて単純な判断基準で陰線・陽線に色分けすることが軸となっています。これについては、次回のフォローアップ(2)でご紹介します。
お楽しみに!


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仲間と一緒に車で走っている時のことでした。運転していたのは、同級生の女性。上り坂で停止中にブレーキが緩んで後ろに下がり、後続車に軽くコツン。すると彼女は窓から顔を出し、「大丈夫よ~。少しくらいキズがついても気にしないからね~」……って、おまえがぶつかったんだよ!
こういった根本的な勘違いって、意外とありますよね。

あらためて、明けましておめでとうございます。

昔は相場の情報も単純で、今のように、株を売買している人が米雇用統計の発表に気を配るなんて、全くありませんでした。手法を説明した単行本もほとんどなく、「夏相場はこれだ」的な、雑誌の見出しみたいなタイトルの単行本が目立ちました。悪くいえば、知的ではなかったというところでしょうか。

現在は逆に、ヘンに理屈っぽくなっている気がします。
統計的なアプローチには意義があるものの、上すべり感たっぷりで「勝率」を気にする人が増えましたし、金融機関の担当者は、仕組みを知らない金融商品を販売し、カタログの説明を並べただけで「説明を受けました」と書かれた書類にサインをさせるなんてことも多いようです。

たしかに理論も大切です。でも、カネのことであっても、いや、カネのことだからこそ、生身の人間の感じ方が重要だと私は考えています。

まさに“感じ方”ということで好き嫌いはありますが、いま林投資研究所で力を入れている「中源線建玉法」は、機械的に判断していく手法でありながら、根本のルールはすべて実践者のシンプルな発想を単純な数式にしたものです。

だから、納得できる、チャートを引けばルールと自分の感覚が一致するのです。
そうでなくては、大切なカネを投じてポジションを取ることは難しいわけです。

みなさんも、断片的な理論よりも、感情を軸にした「実用性」といった観点にも目向けるようにしてください。理論武装が弱いと不安になるのは、場合によっては、ちょっとした現代病。迷走してしまう可能性もあります。感覚的にイメージ重視で捉えようとしたほうが、具体的な言葉が生まれずとも実に的確な判断になるケースは多いと思うのです。

そんなわけで、林投資研究所の今年のテーマは……
「現代的に理屈で説明しつつも、感覚的にスーッと受け入れられる」解説で、より多くの人にガッテンしてもらう!

場所や時間を問わずに見てもらえるWEBビデオセミナーなど、企画は豊富です。
どこまで実現できるか、楽しみにしていてください。

第一弾として、1月4日大発会の放送(マーケット・スクランブル)は、「そもそも中源線ってなーに?」というタイトルでお送りしました。
動画は無料で視聴できます→こちらをクリック!

MS20150104

粛々と進める予定が、MC大橋ひろこさんによる初笑い隠し芸があり、ちょっと説明の時間が短くなってしまいました。でも、30分では伝えきれないのも常で、いつも通りフォローアップのブログでカバーしていきます。

自然な感情を引き出す「適度な笑い」も裏テーマとして大切にしながら、2016年も前進していく所存です。本年もどうぞよろしくお願いします。


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12月7日放送のフォローアップ(4)
林 知之

大切な事柄は繰り返し刷り込め


裁量でもシステムでも、見込み違いのダマシは必然──。そのダマシを、トレードの実践でどう処理するかは切実な問題です。マーケット・スクランブル12月7日の放送は、「“ダマシ”とどう付き合うか」をテーマにお送りしました。
そのフォローアップ(4)です。

映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第74回 “ダマシ”とどう付き合うか


2015年12月の放送テーマは「“ダマシ”とどう付き合うか」、その結論は「黙って従うしかない」──。

「それだけかい!」なんて声が聞こえてきそうですが、たったそれだけのことを、「納得するしかない」「でも感情的に受け入れにくい」「わかってはいるが、(ダマシに遭遇しながらも)トレードを淡々と継続するのが難しいんだよ……」と、多くの実践者が苦労しているのです。

今回は12月放送についてのフォローアップ最終回なので、中源線の古典的な活用方法と、未来志向の利用方法を比較しながら、現実に売り買いを実行していく流れについて想像してみます。

中源線は、コンピュータなど存在しなかった時代にルールが作られました。だから、人間には処理しにくいような細かい数字は示されていません。値動きを機械的に判断するうえで、やたらと細かい数字は生身の人間に扱いきれませんから。

中源線のパラメータ(変数、平たく言えば「調節つまみ」)も、「キザミ」と呼ぶもの1種類だけです。キザミの単位は「分」(ぶ)です。「1分を1円にする」「1分を10円にする」というように、キザミの設定によって答えが変わります。

基本のロジック(数式)は同じでも、パラメータ(調節つまみ)を調節すれば、陰陽が転換するタイミングや頻度が変わります。1分=1円の設定に比べ、2円、3円と大きくすると転換は鈍くなり、動きに乗るタイミングは少し遅れます。しかし、方向感のない小さな上げ下げには反応しなくなるので、不要なダマシが減ることが期待できるわけです。

古典的な利用方法では、コンピュータが前提ではなく、手作業で中源線チャートを描いていくことが不可欠でした。手作業では、例えば「1分=1.3円」といった細かい設定は非現実的だったわけです。パラメータがひとつなので電卓でも計算できますが、日々の作業にストレスがありますし、誤りも発生しやすくなります。そもそも、その「1.3円」という数値を導き出すには膨大な量のデータを検証しなければならず、継続的な研究や試行錯誤は、コンピュータなしでは極めてハードルが高かったのです。

銘柄ごとにキザミの値を変える、価格帯ごとに異なるキザミを設定しておく……こういったことも、手作業で実行するのは難しいわけです。

結論として、手作業においては、「1分=1円」というように単純なキザミ設定で中源線を引く(陰陽転換を判断する)、銘柄ごとに変えることはしない、多少ダマシが多くても気にせず、多くのことを人間の最終判断に委ねようという姿勢でした。俗にいう、「裁量を入れる」ルール運用方法です。

これには、ルールの理解だけでなく、職人的な対応ともいえる熟練のワザが求められました。マーケットにおける明日の値段、来週の値段なんて誰にも見えないから中源線を使って判断しているのに、その中源線の答えをさらに判断しようというのですから、完全に矛盾するかのような、難易度の高い作業です。

それなりに実行できるようになれば、迷わずにシグナルを見送ることができますが、ダマシを回避する一方で、利益のチャンスを逃がす場面も発生します。結果的に勝率自体は高くなるかもしれませんし、休む期間が多くなって生身の人間には“優しい”環境がつくられるのですが、状況に応じて裁量でポジションサイズを膨らませるという選択肢も生まれるなど、実は非常に複雑になっていきます。しかも、熟練するまでに時間を要するだけでなく、結果として利益率が高いかどうかという疑問まで生じます。

これに対して「中源線研究会」では、オリジナルのシステムを作ることで、中源線をトレードシステムと位置づけた使い方を可能にしました。過去データで分析した結果をパラメータ(キザミ)設定に反映させ、淡々とトレードし続けられる環境を整えたのです。

「ダマシが続くこともあるが、3分割によって損失は抑えられる。規定通りにトレードし続けても大きなストレスはないし、大きな動きが発生したときには必ずポジションを持っているから儲け損なうことがない」
こういう認識です。

このように、ひと言で「中源線を使う」といっても、大きく異なる取り組み方が考えられるのです。しかし、こういう根幹の重要な考え方は、多くの場合、おろそかにされています。その理由は、目先の損益という実に生々しい情報が、心の弱い生身の人間を翻弄するからです。

さて、まとめです。

もし既存のルールや、手法として整えられたやり方を実行するならば、目先の損益よりも「その方法を深く理解する」ことが最優先の課題です。また、どんな手法でも個人的な対応の選択肢があります。だから、実際に損益が生じる本番トレードをしながらも、その方法について技量を身につける、自分なりに正しく理解する、実行力を高めるといったゴールを明確に持ち続けることが不可欠なのです。

情報を整理し、「自分は今、どのような段階にいて、何を課題としているのか」を明確にすることが求められます。それがブレてしまわないよう、自分で自分に繰り返し刷り込んでいくことも欠かせません。

なんだか堅苦しいストイックな話になりましたが、細部にまでこだわって考えることで、実行がシンプルになります。プレーヤーとしての姿勢が整います。じっくりと考え、トレードへの取り組み方そのものを見直してみる価値はある、ということです。お試しあれ。

最後に、番組でも取り上げた2銘柄を紹介します。
“ダマシ”とどう付き合うか──このテーマをあらためて考えながら、値動きの中に身を投じている状態をリアルに想像してみてください。

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規定通りに売り買いしていると、青で囲んだ部分で、「イヤだなぁ……」「また次もダマシか?」などと疑心暗鬼が生じます。しかし、5月の陰転は「当たり」でした。6月中旬までは下げ渋りの保合に終始したものの、6月下旬に下げ始めて暴落を取ることができました。10月中旬の陽転はジリジリと上がってからでしたが、その後の上げにうまく乗れました。ちなみに、12月25日(金)の下げで陰転したので利益が確定しています。

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陰陽の転換が多い事例として紹介し、「ダマシが多いようで、実は細かく取れている」と補足しました。ズバッと値幅を取る場面が少ないのですが、利益率は意外と高いのです。この図は陽線で終わっていますが、このあと12月10日に陰転し(ダマシに終わった)、12月28日に再び陽転しています。規定通りにトレードした場合、けっこう忙しくなるので、この銘柄でこの設定は個人の好みで賛否が分かれるかもしれません。

これで、12月7日放送のフォローアップは終わりです。
そして今夜は、新年最初のマーケット・スクランブル、生放送です。

今まで、中源線建玉法について、いろいろな角度から説明してきました。だから今さらなのですが、「そもそも中源線って何だよ」という部分がスッキリしていない人もいるようなので、あらためて中源線そのものを説明したいと思います。
「トレードとは」「手法とは」「その中で中源線は……」と、誰もがガッテンしてくれる内容でお届けする予定です。
お楽しみに!


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