順行は放置、逆行に注意
今まで、さまざまな角度から中源線建玉法を解説してきましたが、あらためて「中源線とは」という観点で情報をまとめてみようと思い、マーケット・スクランブル1月4日大発会の放送は、「そもそも中源線建玉法ってなーに?」をテーマにお送りしました。中源線の全体像、数ある手法や予測法との比較で考えてみてください。
そのフォローアップ(2)です。
映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第76回 そもそも中源線建玉法ってなーに?)
フォローアップ(1)で示したように、トレードの基準はシンプルなものにするべきです。シンプルな基準におさめるポイントは、「当てようとしない」ことです。
ふだん普通にこなしている仕事、あるいは日常生活の基準を考えてみてください。絶対に避けたい事故などは考慮するものの、着実に行動することを優先する結果、まずまず無難な基準をシンプルに適用して前に進んでいるはずです。
例えば外出の際には、火の元や窓の閉め忘れなどを、ひと通り確認して玄関にカギをかけます。このとき、「それでも泥棒が入ったら……」とか「万が一、冷蔵庫が漏電したら……」なんて考え始めたら、出かけることができません。たまに行う見直し作業は別として、ふだんの行動では必要以上にビクビクと考えません。
ところがトレードでは、カネが入ってくる、カネが出ていくという生々しい結果を思い浮かべることから、バランスを欠くほど慎重になってしまうことがあります。良い意味での「慎重」を通り越し、仕掛けも手仕舞いもギクシャクしがちなのです。
取れるときは取れる、取れないときは取れない、ヤラレるときもあるから「上手な敗戦処理をしよう」という発想で備えておくのが目指すべき理想的な姿勢ですが、つい情報量を増やしてしまい、逆に情報過多でフリーズするのです。
さて、値動きを見るときはチャートを使いますが、多くの人は、日本古来の方式であるローソク足を好みます。私もローソク足は好きですし、1本の足に4つの価格を詰め込んだ形式は、さまざまな観点を生む素晴らしいものだと考えています。
ですが、通常のトレードにおいて、株価のトレンドを数週間、あるいは数カ月という時間軸で観察するなら、終値と終値を線で結んだ折れ線チャートで、必要かつ十分な情報を得ることができます。情報量の多いローソク足は、かえってスムーズな行動を阻害しかねません。
中源線では、日々の終値による折れ線チャートを使い、意外と単純なパターン分析で相場の強弱(トレンドの向き)を判断するのが基本です。
シンプルなルールによってチャートをパターン分析し、まずは現在のトレンドを判断します。「上がっていく」という想定の場合、終値と終値を赤い線で結びます。買い線(陽線)です。逆に、「下がっていく」と判断している場合は、終値と終値を黒い線で結んで売り線(陰線)と呼びます。ローソク足のように、その日の始値と終値を比較して陰線・陽線と呼び分けることとは全く異なります。
さて、どんな観察方法でも、「トレンドの変化」を見極めることが最重要課題です。中源線も全く同じで、陰線から陽線に変わる陽転(下げ→上げ)、陽線から陰線に変化する陰転(上げ→下げ)が最も重要なシグナルです。
中源線の陰陽転換では、トレンドに逆行する動きに注目します。例えば「上げトレンドだ」と判断して買いポジションを持っている場合(買い線の状態)、上げの動き(順行)は利が伸びるので問題ありません。中源線では、順行の動きは無視するのが基本なのです。しかし、逆行の動きには注意します。買いポジションを持ちながら「下げる動き」があった場合、「相場だから上げ下げがあるのは当然。しかし、下げが続きそうならば対応を考えなくては……」となるでしょう。
中源線建玉法は、こういった実践者の素直な感覚をルール化したものなので、人間くさい部分が実に心地よいのです。理解していながらも実行できないことが、ルールとして規定されているので、「よくぞ言ってくれた」と感じられるのです。
では、中源線の陰陽転換について、折れ線チャートをイメージ化した図で見てみましょう。
図は、売り線(陰線)で下げてきた相場がググッと切り返して陽転した、つまり、中源線が「買いトレンドに転じた」と判断した状況です。相場ですから、常に上げたり下げたりを繰り返します。しかし中源線は、いつでも逆行の動きに目を光らせているのです。
売り線ですから当然、カラ売りポジションを持っています。下げると利が伸びます。だから、下向きの動きは大歓迎、通常は特に何もしません。しかし、上げ(逆行)が続くようならば、カラ売りポジションを放置できません。そこで、一定の条件を持つ逆行を「屈曲段」と呼んで基準と位置づけ、その屈曲段を一定以上、逆の方向(この場合は「上げ」)に抜けたところで「トレンドが変わった」と判断します。
この判断基準が明確に規定されているのが中源線です。決して迷うことはありません。ですが、「そんな単純な判断方法で、外れたらどうするんだ?」と感じる人も多いでしょう。ここが大きなポイントなのです。前述したように、慎重に考えるあまり、つい情報を集めてしまい、スムーズな行動を取ることのできない“フリーズ”状態に陥るのです。
相場の予測をピシピシと当てられたら、言うことはありません。しかし現実、そうはいかないのです。当たったり外れたり……どんな予測法でも、相場の先行きだけは読み切れません。
そこで、「予測を当てることに固執せず、機敏な対応で結果を出そう」という現実的な発想が生まれます。これが、林投資研究所の提唱する“相場技術論”の思想であり、中源線建玉法もこの考えに基づいた実践的トレード手法なのです。
予測は、いわば天気予報です。必ずしも、実際の行動とピタリ一致するものでなくてもいいのです。
「雨が降るかもしれない」という状況なのにカサなしで外出する……私はカサを持つのが嫌いなので、このパターンが多いのですが、期待とは裏腹に雨が降り出した場合、何らかの対処をします。また、その対処方法は、事前にいくつも用意されています。カサを借りるとかタクシーに乗るとか、都市部ならば手段は豊富です。これは、誰もが実行している日常生活での対応ですね。
ところが、いざトレードとなると、こういったスムーズな行動ができなくなります。上がるという想定で買ったあと予測に反して下げてしまった場合でも、オトナとして何かしらの対応があるべきです。買いポジションを放置したまま逆行する動きを見ているだけなんて、おかしいのです。雨の中、カサなしでズブ濡れになっているようなものです。
自分なりの基準で投げるか、「まだ下がある」と読んでドテンするか、買い姿勢を継続しながら買い増しするか……“どれが当たるか”を考えたら、行動はギクシャクします。その一手を打ったあと、次の展開を見ながら、さらにその次の一手を考えるのですから、対応方法の決め手は、「自分にとって正しいかどうか」だけなのです。
中源線によるトレードへの取り組みとは、「予測が外れたらイヤだなぁ」というグズグズした態度を捨て、「予測が当たったときも外れたときも、スムーズに行動してトレードを継続していきたい」という考え方です。それを、数式のルールにしたものなのです。ルールを理解して実践することで次第に、淡々とした対応が自然なものになっていきます。
さて、今回も実際の中源線チャートを見てみましょう。
5727東邦チタニウムは、林投資研究所が2015年春にスタートした新サービス「中源線シグナル配信」で研究対象銘柄に選定した銘柄のひとつです。
2015年8月から11月まで、高値で保合をみせながら、中源線でダマシが連発しました。いわゆる往復ビンタです。しかし、11月の陰転のあとは棒下げで、現在は見事に利が乗っている状態ですね。この間、勝率は極めて低いのですが、利益率はかなりのものです。これほどダマシが連続するケースも少ないと思いますが、いずれにしても、決めた通り淡々と行動する、機敏に対応することで利益を実現した事例といえます。
次回のフォローアップ(3)では、いま解説した「勝率」と「利益率」の関係に焦点を当てます。勝率が高くないのに利益率が高くなる……中源線の仕組みを、より深く考えていきます。
お楽しみに!

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