5月16日放送のフォローアップ(2)
林 知之

常に“感覚”と合致するルールが理想


誰もが何かしらの決め事をもってトレードに臨みますが、スキのないルールを決めておくのがシステムトレード、その場の判断を活用していくのが裁量トレードと分けて考えることができます。それぞれに、どんな特徴があるか、私たちにどんな盲点があるか──マーケット・スクランブル5月16日の放送では、中源線建玉法の特徴(長所と短所)を紹介しながら、トレードルールのあり方を考えました。
そのフォローアップ(2)です。

映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第84回 システムトレードの強みと弱み ~中源線の場合は~

「自分の都合」を打ち消す裁量トレードのワザ

前回のフォローアップ(1)では、人間が「自分の都合で考えてしまう傾向」を踏まえ、「単純なことを単純に考える」中源線のロジックを紹介しました。つかみどころのない価格変動に対して、実にバランスの取れた取り組み方をしていることが理解できたと思います。

しかし、たとえ中源線でも完ぺきな結論に達しているわけではありません。
長所があれば必ず、表裏一体の短所を内包するのが、ものごとの道理です。

トレード手法の長所および短所について、個人的な好き嫌い、納得できる/できないの問題があるだけでなく、ではどうするのか、中源線ならば、中源線をどう使うのか、といった深い議論につながっていくのです。

中源線の長所と短所について両面を確認してみようということですが、その前に、古来からある裁量トレードにおけるプロのワザを考えてみます。

機械的な判断基準を用いる売買、トレードシステム……呼び方はいろいろあるのですが、元になっているのは人間の発想、生身の人間の感覚です。だから、「利益が出る数式か否か」と結果だけを捉えるのではなく、内容を考えておくべきです。

株を買ったら、思惑通りに上がってきた。
こんな状況で何を考えるか──。
単純に考えれば、「もっと上がれ」と利が伸びることを期待すると同時に、そこで相場が終わって利益が“絵に描いたモチ”になってしまうことを恐れるのが人間の心理でしょう。

これら2つの感情をぶつけ合っても、いわゆる「合理的な判断」からはほど遠く、納得できる答えを出すことはできません。そこで、冷静とはいえない自分が少しでも冷静に判断するため、「第三者の目」を入れようと努めます。

そのワザのひとつが、ツナギです。
イメージしやすいように、具体的な状況を設定してみます。

平均200円で1万株買った。
2カ月で300円に上昇した。

この状況に対して、次のように考えます。

「十分な利益が出ている」「“利食い千人力”と考えて売るか」
「でも、さらに強いなら玉を維持して利を伸ばしたい」「取れるときに取らなくちゃ」

前述したように、当事者は冷静な状態ではありません。
しかし、合理的に判断して当てたい、いや、当てることは難しいが、悔いのない答えを出したい、少なくとも売り損ないだけは避けたい……そこで、ツナギ玉を建ててみるのです。

300円で千株、信用新規売り──コスト200円の現物1万株はそのまま、千株だけカラ売りをかけるのです。

この千株のカラ売りは、「200円で買って100円幅取れている」といった、感情を揺るがす事実とは離れた第三者の目を与えてくれます。すなわち、「この千株のカラ売り玉が苦しいと感じるようなら相場は強い→買いを持続」「カラ売りが“良いポジション”と感じるならば相場は弱い→売り逃げを考える」というように、新たな基準で今後の行動を判断することにつながるわけです。

もし「相場は弱い」と判断したら、徐々にカラ売りを増やして実質的な買いポジションを減らしていく、あるいは現物を手放していく、といった対応をします。

逆に「相場は強い」と判断したら、ツナギのカラ売り玉を踏みます(売り玉を損して手仕舞うこと)。余分なコスト(売り玉の損)が発生しますが、1万株ある“根の玉”を生かすための必要経費と考えます。

システムトレードといっても、いたずらに判断材料を増やして予測の的中率を100%に近づけようとするものではありません。いま述べた、裁量トレードにおけるツナギのように、仮説(下げるかも)に応じて小さく行動し(少し売る)、仮説について「確度が高い」(下げそうだ)となったら行動を大きくしていく(買い玉を減らす)という具合に、「ポジション操作を駆使して相場の波を“泳いでいく”」ために、一連の行動を事前に決めておくことにほかなりません。

では、中源線のルールには、上記のツナギの考え方がどのように盛り込まれているか、次項で説明しましょう。

中源線の長所と短所

前述したように、長所があれば必ず短所を生むものです。
でも、わかりやすくするため、「利益になる=長所」「損になる=短所」を基本に考えてみます。

中源線の長所と短所

赤い線は買い線(陽線)で、買いポジションを3分割で増減させます。
対する黒い線は売り線(陰線)で、売りポジションを、やはり3分割で動かします。

フォローアップ(1)で説明したように、中源線は、いわゆる順張り、「トレンドフォロー」型のシステムです。したがって、最安値を買ったり最高値を売ることはできません。上がり始めたことを確認して買い始める、下がり始めたことを確認して売り始めることになります。図でも、最安値を少し放れて上向きかけた時点で陽転(陰線→陽線、黒→赤)しています。

株価は常に行き過ぎるので、水準で天底を判断するのが困難です。だから、システムでの逆張りを成立させることが難しいのです。「底値は買えない」と短所として示しましたが、人間の感覚とも合致する大きな特長といえます。

さて、安値から大きく上がっていく場面に「トレンド丸取り」と書きました。
いささか遠慮のない表現ですが、中源線では株価の「水準」や上げ下げの「スピード」で天底を判断しないため、トレンドが発生したときに逃さず取るのが長所です。

天井圏から下げる場面で陰転していますが、その手前の高値往来では、いったん陰転したあと、強張る動きをみて再び陽転というように、ダマシが2回出ています。いわゆる「平時」の動きを想定してロジックを組んでいるため、突飛な動き、荒い動きをみせる場面では機能しません。図のように“往復ビンタ”を食らうこともあるのです。

ダマシを短所として示しましたが、ダマシが出ないロジックは存在しません。問題は、そのダマシによる損失を小さく抑えることができるかどうかです。ここで、中源線の「3分割」が生きてきます。ダマシによる損失を抑え、かつ精神的なダメージも軽減されることを狙って、3分割が定義されているのです。

結果的にダマシだった場合でも、建玉の数量が3分の1、あるいは3分の2と、満玉(予定数量=3/3)よりも少なければ、被害は小さくてすみます。

加えて、トレンドが発生したときに丸々取ることで、いわゆる勝率が50%前後でも「損小利大」を実現してトータルの結果がプラスになるように計算しているのです。

さて、現実の例をチェックしてみます。
番組でも紹介した、8248ニッセンです。

この銘柄は、林投資研究所の「中源線シグナル配信」で「ユニバース」(高パフォーマンスの研究対象99銘柄)に選定しているもので、私も実際にポジションを取りながら実験売買を続けています。

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ダラダラと下げが続いているので、売り線(黒)で利益が出ていることがわかります。しかし、ところどころで陽転(黒→赤)した場面では、明らかに取れていません。ダマシです。

ファンダメンタルの悪化を背景にダラダラと下げているので、「売りっぱなしでいいじゃないか」と言いたくもなりますが、それこそ結果論です。内容が悪くて売り込まれているだけに、わずかな変化、ちょっとしたニュースで上昇に転じたら、短期間でかなり暴騰する可能性を秘めているのです。やはり、上向きかけたら買っておく、あらためて下向きになったら再び売り建てする、といった対応が現実的なのです。

ここにも、前述したツナギの考え方が盛り込まれていますね。

では、実際の損益もチェックしてみましょう。
チャートにある赤のタテ線以降、つまり2015年10月の陰転以降の損益は、以下の通りです。

8248損益

一見するとわかりにくいかもしれませんが、中源線によって3分割で売買しているので、1単位(1/3)ずつ分けて表示しています。陽転して買いから入った場合も、陰転して売りから入った場合も、左側が仕掛け、右側が手仕舞い、さらに右に建玉ごとの損益があります。

2回の陰転(2015年10月、2016年2月)では、それぞれ3単位累計で、プラス56円幅、プラス17円幅と利益になっています。

それに対して2回のダマシ(陽転)では、うまいこと1単位だけの建玉にとどまり、マイナス21円幅、マイナス16円幅という結果でした。

最後は、陰転でドテン売り(5月6日)、増し玉のシグナルを受けて増し玉(5月10日)し、2単位の売り建てで各6円幅、累計で12円幅の評価益という状態です(5月13日大引時点)。

このように、取れる場面は最大限の利益を狙う積極的な面を持つと同時に、見込み違いの損失を抑えようとする消極的な面も大切にする──これが、プロのトレード術です。具体的な方法はさまざまですが、非常にシンプルなかたちでルール化したのが、中源線建玉法なのです。

次回のフォローアップ(3)では、さらに少し突っ込み、トレードの深い部分を考えます。タイトルは、「機械的判断の限界と裁量の余地」。
お楽しみに!

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トレンドって何?

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Yahoo!オークションで、タイムマシンが売りに出ているのを見ました。
「色は?」「何人乗りですか?」「乗り物酔いの心配は?」などなど、たくさんの質問が並び、出品者がひとつひとつ丁寧に答えていました。
笑いのクオリティが実に高いですね!

私たちトレーダーは、ほとんどの場合、チャートを見てポジション操作を考えています。しかし、株価のチャートそのものを否定する意見もあるのです。

取引所で、常に同じメンバーが売り買いしているのなら、今日の価格も昨日の価格も同じ基準で観察できるでしょうが、「売りたい」「買いたい」という個別の注文について条件が合致する、次に別の個別注文が出合う、というだけのこと。だから、数ある取引を「連続したもの」としてチャートを作るなんてヘンだという論理で、チャートというもの自体が成立しないという主張です。

なるほど、一理あります。

これに対して、以下のような反論は、どうでしょうか?

  • “連続性”の面でチャートに疑問があるなんて、百も承知。
  • でも、時間の経過という要素を入れて値動きを確認しないと、最大の関心事である「トレンド」を浮かび上がらせることができない。
  • だから、不完全なことを受け入れ、便宜的にチャートを描画している。

企業のファンダメンタルに関するデータを持ち出しても、天底の見通しなど立たないし、何もつかみどころがありません。仕方がないので、チャートに「上げ下げというトレンドがある」と仮定して、それを見出す、というか自分なりに定義した方法を利用するしかない、ということです。

その判断基準は、それこそ星の数ほどあり、同じ銘柄について、手法Aでは「売り」、手法Bでは「買い」、手法Cでは「判断不能」、手法Dでは「待ち」というように、さまざまな答えがあり得ます。

こんなふうに、ふだん何気なく行っていることを分解して考えると、次のようなことが明らかになります。

  • チャートによる判断を全くブレずに継続することは可能
  • でも、予測の結果は当たったり外れたり
  • したがって、予測とポジション操作をバランス良くからめる必要がある

いずれにしてもチャートは、常に過去の状態を示しているだけです。
これをどう認識するか──来週発行の『研究部会報』5月号に掲載の読み物、「投資の基礎知識」をお楽しみに。
相場の予測とは何か ~相場の時間軸「過去・現在・未来」~


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数百年前に完成されたと伝説のある中源線建玉法は、林投資研究所による検証を経て、現代に通じる機械的売買手法として確立しました。

ルールおよび利用法はすべて書籍『中源線建玉法』に盛り込んでいますが、四部構成のうちの「第一部 解説」は、電子版(PDFおよびeBook版)を無料でダウンロードできます。
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5月16日放送のフォローアップ(1)
林 知之

「ブレない」だけでいいのか?


誰もが何かしらの決め事をもってトレードに臨みますが、スキのないルールを決めておくのがシステムトレード、その場の判断を活用していくのが裁量トレードと分けて考えることができます。それぞれに、どんな特徴があるか、私たちにどんな盲点があるか──マーケット・スクランブル5月16日の放送では、中源線建玉法の特徴(長所と短所)を紹介しながら、トレードルールのあり方を考えました。
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(第84回 システムトレードの強みと弱み ~中源線の場合は~

自分の都合で考えるのが人間

買った銘柄が上がらない……こんな状況で私たち人間は、「おかしいなぁ」とつぶやきます。「相場は相場に聞け」といわれるように、企業の実質的な価値が理屈通りに株価に反映されているとは限りません。むしろ、「何の関係もない」と言い切ったほうがスッキリするくらい、投機の需給や“人気”で変動するものといえます。

驚くほど悪材料が並んでいるのに暴騰すると、「悪材料出尽くし」と理屈をつけます。わざわざ悪材料だらけの銘柄を選ぶ人がいるのは、客観的な判断というよりも、「下げたために上げ余地がある」という投機人気を含んだ、大衆による“美人投票”の結果と説明できるでしょう。

株価には、このように不合理な変動があるのですが、それを承知していたとしても、感情的に納得できないケースは多々あります。
「自分の都合で考えるな」と言われたって、そもそも「儲けたい」という自分だけの都合でマーケットに参加しているのですから、今さらどうすればいいんだと反論したくなります。

とはいえ、自分の都合を前面に出しすぎると、「儲けたい」という希望とは逆の結果ばかりになるので、抑えるところは抑えるように努めなければなりません。ガマンを続けるなんて非現実的なので、グッとこらえる工夫をしながら良いクセをつけるようにします。自分自身の「当たり前」を少しずつ変えて、自然な行動が良い結果につながるように自己改造するのが、技術を向上させるということです。

さて、良くない結果につながる行動、“自分の都合あるある”の代表は、自分の口座の「損益状況」を基準にすることです。番組で、大橋ひろこさんもコメントしていましたね。

見込み違いで評価損が出たのに放置した結果、「いま切ったら資金が半分になっちゃう」とポジション継続を決断する──完全にアウトです! とっとと切って再生を図るべきですし、この経験を「次回はもっと早く切ろう」という戒めにするべきです。

評価損が発生したのは、売りと買いが逆だった結果です。
逆方向の電車に乗ってしまったのと同じことです。
「今さら引き返せるかよ」と、逆方向の電車に乗ったままの人なんていません。ロスした時間を元に戻すこともできません。いかに素早く正しい方向に戻すかということだけなのです。

良いポジションをつくることができた、評価益が生まれたというケースでも、自分の都合でヘンなことを考えつくことがあります。

「利が伸びてきた。あと少しで利益が100万円になるからポジションを維持しよう」
これなんて、典型的な「自分の都合」で、他人から見ればサイアクですが、経験豊富な人でも似たような心理状態に陥ることがあります。マーケットが、そんな事情をくんでくれるはずなどないのに……。

そこで、トレードにおける「理想の行動」をルール化しようという発想に至ります。
例えば「悪材料だらけでガンガン売られたところは買いだ」と目をつけた場合、その暴落の状況を自分なりに定義します。そして、「コワいけど買う」と自分のルールを定めます。もちろん、暴落前に買っていたら逆に損してしまいますから、自分なりに定義した買いのタイミングまで資金を温存しておくためのルールも設けます。
これが、自分自身の戦略というものです。

出動や撤退のタイミングも、建てる数量も、すべて自由なのがトレードですから、何かしらの決め事があるものですが、臨機応変にやろうとするあまり、決め事があいまいになりがちです。その中で御法度といえるのが、前述したような自分の都合で行動を決めてしまうことなのです。

さて、明確になったルールについて「常にそうしよう」「100%実行するんだ」と、数式で行動を律する取り組み方を、システムトレードとして区別することができます。

システムを100%信用できない理由

システムは、人間の弱い部分を補助してくれる存在です。ところが、たとえ自作のシステムでトレードしている人でも、必ず何かしらの不満を抱えているものです。株価の先行きを完ぺきに予測することができないのが現実で、その事実を受け入れるしかないのですが、「それでも、どうにかして精度を上げたい」と考えるのが人間の性(さが)です。創造性を発揮してより良いものを見つけようとするのが、人間の自然な姿です。

システムを利用して「常に決め事通りのポジションを取る」ためには、システムのルールが「あらゆる動きに対応する」ものでなければなりません。もちろん、予測がすべて当たることなどありませんから、当たったり外れたりの中でどう対処するかを決めておくだけです。一定の再現性があるという前提で、過去の値動きをパターン化し、未来における対応策を決めておくわけです。

いきおい、最大公約数的な判断基準となります。
そして、この部分が人間の不満につながるのです。

端的に表現すれば「もっと当てたい!」という気持ちで、それこそが前に進む人間ならではのエネルギーですが、「こうしていれば儲かった」とか「こんな対応ならば損失は抑えられた」といったアイデアが、単なる結果論なのか、次回に使える発見なのか認識しにくい状態で頭の中を飛び交うのですから、なかなかたいへんです。

番組で継続してご紹介している「中源線建玉法」も、ある意味、システムです。元来からルールをシンプルな状態にとどめ、独自に改良したり、裁量を加えたりすることを肯定していますが、強弱の判断、3分割のポジション操作、そして資金稼働率まで、中源線独自の「規定」があるので、そのままトレードシステムとして利用することもできるのです。

中源線では、実用性を重んじてルールをシンプルなものにとどめているので、まさに「最大公約数的」なルールといえますが、これこそが中源線の大きな特長なのです。

一般に、「当てよう」として中途半端に条件を重ねるケースが多いのですが、中源線の場合は、堂々たる態度でルールをシンプルな状態にとどめているため、誰が使っても「独自ルールの追加や裁量による対応の余地が残っている」と評価できるでしょう。

どんな分野でも、単純なことを難しく語る人はいます。
トレードは基本的に単純ですから、「単純なことを単純に考える」ことが大切です。

では次項で、中源線の強弱判断を、わかりやすく紹介しましょう。

逆行に注目する

値動きを観察したり説明する場合、一般的に、「上げ」「下げ」という表現を使います。ごく自然なことですが、「上げ」「下げ」という言葉を使うことで、値動きを客観視できない要素が入り込みます。

まずは、「株は買って値上がりを期待するもの」という通念があり、誰もが影響を受けているので、そういう価値観がトレードの判断に入り込むのです。多くの人が上げ賛成、メディアもその姿勢に迎合している──結果として、「上げ相場が標準」「上昇を期待するのが当たり前」という感覚が、知らず知らず私たちの頭の中に刷り込まれているのです。

中源線建玉法では、「上げ」「下げ」という表現を一切使いません。
確固たる基準で強弱判断を行い、買いポジションを取る買い線(陽線)と、売りポジションを取る売り線(陰線)に色分けするので、上げ下げを、その強弱に対して「順行」「逆行」と表現します。

順行逆行すなわち、
買い線時の上げ=順行
買い線時の下げ=逆行
売り線時の上げ=逆行
売り線時の下げ=順行
ということです。

「買い線」または「売り線」と定義した時点でガッツリと価値判断をしているのですが、「確固たる見通し」と「現実の値動き」を先入観なく観察して“次の一手”を決めるというストレートな姿勢が示されているので、使っているうちにプレーヤーとしての堂々とした姿勢がつくられます。

さて、下の値動き図を見てください。
中源線で使う「終値を結んだ折れ線チャート」に、中源線の判断による色分けをしています。赤い線が買い線(陽線)で、黒い線が売り線(陰線)です。

赤い線のときは買いポジションのみを、3分割で増減させます。
そして黒い線のときは売りポジションを、同じく3分割で増減させます。

中源線の普通転換

図は、買い線(赤)の状態で上昇し、上げ止まって下落し始めたところで売り線(黒)に変化している状況を示しています。

買い線でグングンと上昇していますが、「順行=利が伸びる、歓迎すべき動き」ということで放置するのが基本です。「買い値から3割上がったから」とか「短期で2割上昇して移動平均から大きくかい離した」といった理由で売り逃げたりしません。大きなトレンドを逃さずに取るためです。

しかし、逆行には注意します。
赤で示す買い線時は、上げ(前日比プラス)が順行で、下げ(前日比マイナス)が逆行です。
特別な判断基準を持っていなくても、買っているときは上がったら「よしよし」、下がった場合は「これが続くならば対処しなければ……」と感じるはずです。その感覚を、素直にルールに盛り込んでいるのが中源線なのです。

相場ですから、日々の動きを見たら上げたり下げたりの繰り返しに決まっています。だから、逆行の組み合わせによる一種のパターン認識によって「トレンドが転換したようだ」と、素早く判断するのです。

これが、中源線建玉法の基本となる強弱転換で、「普通転換」と呼ぶものです。
実に単純で、実践する人間の感覚とズレがないところが中源線の強みなのです。

さて、一定の逆行をみて陰転、つまり買いから売りへ強弱判断を転換させました。
それまでの買いポジションはきれいに利食い手仕舞いし、ドテン売り建てすることになります。しかし、中源線の売買は3分割で、まずは満玉(予定数量)の1/3の売り建てにとどめます。相場のアヤで陰転したあと再び上昇して、「実は上げトレンドが続いていた」という場合、つまり陰転がダマシとなるケースもあるので、その際のヤラレを抑えるための実践的な工夫です。

その後、条件がそろった時点で増し玉します。
増し玉も1/3ずつなので、2回の増し玉でポジションは3/3の満玉に達し、あとは下げていくのを待ちます。もちろん、下げ方が中途半端で利幅が小さくても、逆行(今度は上げ)の動きが条件を満たしたら陽転(売り→買い)とみなしてドテン買います。

実際には、逆行の値幅と組み合わせの条件があるのですが、カチッとした数式になっているので、少し慣れればカンタンに判断できます。実践者の感覚と強弱判断が常にほぼ一致した状態になるので、安心感も生まれるのです。

次回のフォローアップ(2)では、実践する立場の生身の感覚を軸に、トレードルールのあり方を考えます。
お楽しみに!

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相場観がジャマをする?

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社会に出て仕事をするうえで文系も理系もないと思うのですが、思考の傾向というのはあるようで、例えば料理のレシピに「塩ひとつまみ」とあると、理系の人は「それは何グラムですか?」なんて聞くそうです。
そんな思考プロセスの人を対象にした料理本が、売れているとかいないとか。

トレードは、未知の未来に対してポジションを取る行為です。
しかし予測は当たらない、いや「当たったり外れたりする」ので、当たったときにねばり、ダメなときは早く切って損失を抑えるよう戦略を立てます。

とはいえ、やはり「当てたい」と考えるのが私たちトレーダーの性(さが)。
ムチャな行動は慎むとしても、「当てよう」という感情丸出しの姿勢こそが、トレードに対する創造性を支えるエネルギーにほかなりません。

トレードシステムでは、値動きへの対応を事前にすべて決めておきます。
必然的に、「最大公約数的」なルールに傾きます。

この部分に、生身の人間は不満をもちます。
「システムが正解だった」ケースが多かったとしても、「自分の相場観のほうが正しかった」ケースを重視して、システムの答えに裁量を加えようとするのです。実はごく自然な行動ですが、プレーヤーとして適切、かつ創造性のある対応なのか、単なる気まぐれなのか、区別がつかないこともしばしばあるので困ってしまいます。

拙著『億を稼ぐトレーダーたち』に登場するコテコテのシステムトレーダー柳葉輝氏は、堂々とした態度で自分の相場観を捨てて成功しています。
いわく、「人間は創造性を持っています。だから、相場で損をする」。

対する私は、感覚派の人間です。
数字にこだわることは好きなのですが、自分の感覚と合致しない数値には拒絶反応を起こします。人間の目に“見える”ものしか認めたくありません。

機械的に判断するトレード手法「中源線建玉法」について、実際にポジションを取りながら実験を続けていますが、自分なりの解釈を基に、堂々とした態度で裁量を入れたいと、ムズムズし始めています。

値動きへの新しい対応を思いついたら、検証を経てルール化する──これがシステムトレードの基本ですが、私は「システムと裁量の融合」、つまり、その場で感じた対応策、しかし適正かつ後悔しない答えを追加したいのです。

ある意味、“イバラの道”ですが、多くの人が目指すところではないでしょうか。

今月発行の『研究部会報』5月号に掲載する「中源線実践リポート」は、こんな深い部分をテーマにしました。お楽しみに!


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「情報」の本質を考える

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事実とは何か──。
難しい話をするまでもなく、身近にも考える材料がたくさんあります。
優等生は成績優秀で当たり前、成績が落ちると、本人を心配するような言葉で責める人がいます。しかし、不良が方向転換してそれなりの成績を取ると絶大なる賞賛を浴びます。不思議ですね。
私なんて、3人の子どもたちから“極悪人”のように言われます。
ちょっとした失敗だけを、長年にわたって蓄積しているようです。
林投資研究所で大切にしているのは、「情報の捉え方」です。
どんな値動きであれ、この先上がるか下がるかは五分と五分というのが原則ですが、そんな理屈は承知のうえでも、実践者個人としては「絶対に上がる」などと価値判断しないとポジションをつくることができません。
もともとの「事実」には何の色もついていないのですが、実践者のフィルターを通してクッキリと色がつくのです。
情報の“流れ方”という観点も、非常に重要です。
経済ニュース、トレード手法の単行本、著名人の予測、経済記者の文章、等々、膨大な情報を受け身の姿勢でインプットするケースが多いと思います。
インプットだけでは、未整理の情報が頭の中にあふれてしまいます。
これでは、自分の「色」をつけることができません。
こんな部分にこだわって、誰もが自由に発言する「フリートーク交流会」を開催しているのですが、いま力を入れている終日セミナー「中源線建玉法基本コース」でも、参加する人のアウトプットを大切にしています。

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ルールの説明、その背景の解説、そして実践への道筋と、講師から伝える情報は多いのですが、考えてもらう、情報をかみ砕いてからインプットしてもらえるよう、細かい部分に見えない工夫をしているのが自慢です。
練習問題を単独で解いてもらったり、グループで相談しながら考えてもらうことも、双方向の情報伝達、実践家として独自の色をつけてもらうために、アウトプットを意識して工夫したカリキュラムの一部です。
上部の「お知らせ」と重複しますが、自慢のセミナーを説明するページを新設したので、ぜひご覧ください。
何気なく新聞を読むときも、セミナーに参加するときも、トレード仲間と情報交換するときも、情報が流れる方向、情報の「色」といった部分を考えるクセをつけてください。


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