6月13日の放送内容について、フォローアップ第4回を「週報」に掲載しました。
Author Archives: kanrisya
6月13日放送のフォローアップ(4)
林 知之
システムと裁量の融合を考える
~ダマシと利食いの現実~
トレードをコントロールするために最も大切なものは何か──。予測の当たり外れを容認し、当たったときの対処と外れたときの対処を用意しておくことです。
マーケット・スクランブル6月13日の放送では、裁量における「ツナギ」など、人間の能力を活用した技法の意味を解きほぐし、中源線建玉法における3分割の価値を考えてみました。
そのフォローアップ(4)です。
映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第86回 中源線は“建玉法”だ! ~ポジション操作がトレードのキモ~)
ダマシは不可避
フォローアップ(3)でも触れましたが、トレードにおいて、見込みが外れてしまうことは避けられません。
あらゆる情報を集めて、最高精度の予測システムを使用しても、株価の先行きをピシピシ当てることなど不可能です。絵に描いたような高い精度で当てることができたら(当てられる人が存在したら)、参加者の売りと買いで価格を決定している金融マーケットは、崩壊するしかありません。
まあ、こういう理論は十分に理解しているオトナでも、「だけど、うまく条件をつければ7~8割当てることができるのでは?」と思うのが人情というものです。それに、そんなイメージでワクワクするのが自然、それこそが、私たちの創造性を刺激する当然のエネルギーだと思っています。
ところが残念なことに、現実を直視すると、「当たったり外れたり、勝率50%前後がちょうどいい」という結論になります。7割、8割、9割と勝率を高めると、利益が限定なのに損失はそこそこ大きい「儲からないシステム」になってしまうからです。
では、勝率50%でどうやって利益を出すか──。
勝ちと負けが同数だと、「コスト分だけ確実にマイナスじゃないか」と反論があるのですが、見込みが外れたときに損失を抑え、見込み通りの展開になったときに利益を伸ばす、いわゆる「損小利大(そんしょうりだい)」を目指すのです。
分割で仕掛ければ、「この動きは想定と違うようだ」と感じた場合に、出直すことを前提にいったん損切り、まだ予定の全玉を入れていないから損失が少ない、という“上手な撤退”が可能です。早めの決断なら、ヤラレの値幅も小さくてすむうえに、余分な時間を費やすことも避けられます。
「よし乗れた!」と感じたら計画通りに分割の仕掛けを進め、予定の全玉で利益を伸ばすよう努めます。見込み通りになった場合でも、必ずどこかで手仕舞いして区切りをつけなければなりませんが、利を伸ばすために一定の時間を費やすことはOKです。
こうした地味な対応が、トレードの王道です。
100通りの値動きパターンを想定して100通りの判断基準を用意しておく……こんな神がかった行動は不可能ですから、判断基準を絞り込み、その判断プロセスの精度を上げるよう努めながらも、現実のトレードではダマシを容認して“上手な撤退”を心がけるのです。
「損が少なければ資金を温存でき、取れるときに取れる」という、昔からプロが行っている取り組み方です。
システムトレードならば、こういった対応をルール化(数式化)しておくのです。
番組で紹介している中源線建玉法(ちゅうげんせんたてぎょくほう)でも、勝率は平均して5割を少し下回るくらいの水準です。ダマシによるヤラレが連続することもあります。銘柄や設定によっては精神的につらい状況がありますし、それほどのストレスがない場合でも「もっと損失機会を減らしたい」と感じたりします。しかし、そのための工夫をする前に、まずは「ダマシを容認する」ことが不可欠だと考えてください。
この点について考える材料として次項で、中源線による実際の強弱判断と、3分割の売買を紹介します。
8回ガマンのあと暴騰に乗れた?
下に示すチャートは、7717ブイ・テクノロジーの中源線のチャートです。
(放送で示したのは6月10日までのチャートでしたが、下に示すのは7月5日までのチャートです)
日々の終値を結ぶシンプルな折れ線チャートで、赤い線が買い線(陽線)、黒い線が売り線(陰線)です。
赤い線のときに買いポジションを3分割で増減させ、黒い線のときには売りポジションを3分割で増減させるのが、中源線の規定です。
チャートの後半部分、今年の5月、一気に倍化する大暴騰をみせています。
トレンドの変化をシステマティックに判断するため、上がり始めてから陽転(赤に変わる)してドテン買うことになりますが、素早く反応しています。規定通りに売り買いしていたら、この突然の大暴騰に乗れたということです。
しかし、この大暴騰の直前で、期待外れな動きがありました。2016年1月後半の陽転以降、ダマシで損失、あるいはトントンくらいの転換が8回も続いたのです(赤い丸で囲んだ部分)。ヤラレの値幅は小さいうえに、3分割の効果で株数が少ない場面もあるので一応、「結果的にうまくいっている」「損小利大が実現している」と説明できるのですが、さすがに半年近く、8回も取れないケースが連続すると、実践している者としてはつらいでしょう。
こういったダマシの連続を回避できないか──。
数多くの対応が考えられますが、プレーンなものを示してみましょう。
ダマシが出やすい時期に休む
中源線は、トレンドの発生を検知しようとするロジックなので、中途半端な往来で機能しにくいのが欠点です。だから、方向感のない時期に合わせて心を静めるための休みを取ろうというのが最も古典的な発想です。しかし、「取れない動きが8回あった。次はトレンドが発生するだろう」などと予測できるはずがありません。ここが悩みどころなのです。
ダマシは容認、ただしデコボコを軽減する
銘柄数が少ないほど、ダマシが連続したときにつらいわけです。例えば1銘柄の場合、「数千もある個別株から1つだけを選んでいるのに……どうして、こんな目に遭わなければならないんだ」という気持ちになります。へたをすると、心が折れます。
解決策として、値動き傾向の異なる複数銘柄を同時にトレードする、という方法があります。一時的にバカ儲けすることはなくなりますが、1銘柄か2銘柄についてダマシが続いても、ほかの銘柄のパフォーマンスがカバーしてくれると期待できます。
ひたすら続けるという選択肢
前項で解説した7717ブイ・テクノロジーについて、もう少し考えてみます。
チャートの中央あたり、2015年9月から12月にかけての上げトレンドと、その直後の下げトレンドを見てください。直近の上げ幅が大きかったため、これらの上げ下げが小さく見えてしまいますが、上げが約2,000円幅、下げが約1,000円幅と、値幅も率もなかなか大きいのです。つまり、総じて「取れている」といえるのです。
この銘柄は、取れない転換が8回続いたあと大暴騰と、直近ではド派手な動きをしているので、人によって好き嫌いがハッキリしますが、長期間のバックテスト(検証)で十分なパフォーマンスを確認しています。また、年ごとの極端なデコボコもないため、研究対象と位置づけた「ユニバース」(現在、東証一部から99銘柄選定)のひとつなのです。
だから、ダマシを容認して「ひたすら売り買いし続ける」という方法は、十分に納得できる選択肢といえます。実際にやってみると、ダマシが2回か3回続いた場面で考え込んでしまうんですけどね。
損が少ないことが第一
「ダマシ」と「利食い」について考えるため、かなり派手な事例を挙げましたが、実際には、もっと地味な動きで、コツコツと利益が取れる銘柄が理想だといえます。
ダマシの損を避けることはできない、必要経費としての損は不可避なので、「取れるときに取る」と攻めるイメージを持つのは正しいことです。単に「トレードの醍醐味」というだけではありません。
しかし、派手な動きばかりを追い求めると、スリルを味わうこと自体が狙いになってしまい、「計画的な資産運用」という色彩がなくなってしまいます。
事例として紹介した7717ブイ・テクノロジーは現在、数カ月前の約3倍の水準にいます。さらなる大暴騰もあり得ますし、ここから一気に暴落、しかも中源線がその下げっ端を見事に捉える可能性もありますが、直近の暴騰を見て「何か仕掛けてやろう」と発想するのは、やはりキケンなのです。
自分の手法に合致したトレード対象を落ち着いて選び、それを自分の手法で乗りこなす──これが、負けないための鉄則だと心得てください。
規定された行動と裁量の追加
数式を用いて値動きを判断する──機械的売買法、あるいはシステムトレードと呼ばれる取り組み方です。
その場の気分で波を逃すことがない、その場の思いつきで損切りが遅れてしまうこともない、というのが長所です。しかし、固定的な数式を使うため、微妙な値運びの違いを区別することができません。どうしても、「最大公約数的」な対応になります。
そこで「裁量を加えて精度を上げよう」ということになるのですが、そもそも裁量だけでは対応しきれないから数式を用意してトレードに臨んでいるのです。あらためて裁量を加えることで、果たしてパフォーマンスが向上するのか──こういう疑問が出るのは当然です。
半面、次のような発想も成立しそうです。
「数式によって基準が明確になっているので、落ち着いて裁量を加えることが可能」
「そもそも、裁量そのものがダメなのではなく、実行力の弱さを補うために『裁量の感覚をルール化している』だけだ」
いずれにしても、「規定通りにやるだけ」というのは、たとえ自分で決めてルールであっても、その時々の“相場観”を前面に出さないということです。言い換えると「自分の意思を殺す」ことですから、非常につらい行為なのです。
感情を持つ生身の人間として、また、必要に応じて創造性を発揮するプレーヤーとして、“楽しみ”“ワクワク”の要素も残しておきたいものです。
それに、トレードルールをより良く改良していくのは人間の仕事で、それには感覚重視の創造性が要です。感情も意思も殺して淡々と売り買いするだけでいいのか、という議論があるのは当然なのです。
というわけで、今夜の生放送は、こんなタイトルでお送りします。
「トレードの楽しみと苦しみ ~具体的なルールを決めるコツ~」
お楽しみに!
その「第一部 解説」のみ、無料配布版があります。
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6月13日放送のフォローアップ(3)
林 知之
中源線シグナル配信は全銘柄が対象
トレードをコントロールするために最も大切なものは何か──。予測の当たり外れを容認し、当たったときの対処と外れたときの対処を用意しておくことです。
マーケット・スクランブル6月13日の放送では、裁量における「ツナギ」など、人間の能力を活用した技法の意味を解きほぐし、中源線建玉法における3分割の価値を考えてみました。
そのフォローアップ(3)です。
映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第86回 中源線は“建玉法”だ! ~ポジション操作がトレードのキモ~)
確信ある自分流を求めて
6月の放送では、一般的な値動きへの対応として「ツナギ」の活用を紹介し、同じような効果を生む中源線の3分割売買を説明しました。その内容を振り返りながら、このフォローアップで、さらに詳しい解説を追加しています。
中源線は、値動きを数式的に判断して「売り」「買い」の明確な答えを出します。
しかし、一部の投資家が妄想するような、「自動的にドンドン利益が出る」シロモノではありません。そんなものは存在しないのです。世間には、誰でもラクして儲かると幻想を抱かせるような勧誘もみられますが、十分に注意してほしいと思います。
中源線は、「規定通りに売買すれば利益になる」という想定でルールを組んでいますが、実際の値動きの中、見込みが当たったり外れたりすることは避けられません。適切にトレードすると、当たりも外れもほぼ半々になるのが実際です。
そこで、当たったときの利益を大きく(数量が多い、値幅を取る)、外れたときの損を小さく(数量が少ない、値幅が小さい)という「損小利大」を狙います。これが王道です。中源線の規定も、この王道を進むシンプルなものです。
しかし実践する生身の人間は、「もう少し結果を向上させたい」と考えるものです。「もっと当てたい」という気持ちが前面に出すぎるとバランスの悪い“背伸び”になりますが、より精度を上げようという気持ちはエネルギーとして大切でしょう。
ということで、現実にシステムを利用する場合、裁量で個々のケースに対応したり、自分なりのルールを追加したり、あるいは銘柄の選定にこだわったりと、独自の対応を行うのが自然だといえます。
しかし、これがイバラの道、トレードする者にとって、ある意味、“永遠のテーマ”となる苦しい部分です。とはいえ、すべて与えられた情報通りに売り買いするには「自分の意思を殺す」必要があり、これまた極めて苦しい道が待っているのです。
いったい、どう考えるべきなのでしょうか……。
どんな分野のものでも、いかなる作業でも、ひとつの完成形を手本に「自分を型にはめる」段階からスタートします。
例えば、小さい子どもに箸を渡したら、決まって誤った持ち方をするでしょう。しかし、正しい持ち方をしないと苦労するのは明白なので、正しい「型」を教えます。
その基本の型を十分に理解したら、自分なりの微妙な応用ができるようになります。料理用の長い箸をはじめて持っても使える、韓国料理で金属の細い箸が出てきても使えるというように、いろいろな状況に対応するのに十分なほど、道具の使い方にたけた状態になるのです。
トレードでも同じで、適切な「型」をもった手法を手本として受け入れ、十分な実践経験を積むことで、自分なりの使い方を見出していくのが当然の流れです。
林投資研究所が中源線に力を入れ、関連する情報を充実させてきた理由は、中源線のシンプルなロジック(判断ルール)が、基本の型として優れている、多くの人に有効だと確信しているからです。
オモチャじゃない
中源線のルールおよび利用方法の説明は、書籍『中源線建玉法』に収められていますが、それを補足するように、現代風のガイド的な説明も積極的に行っています。それが、ルールのすべてを説明する終日セミナー、そのセミナーを再現するためにスタジオで撮り下ろしたDVDなどです。
そのほか、2015年4月には、全上場銘柄を対象に中源線による分析を行うシステム、「中源線シグナル配信」をスタートさせたのです。
この「中源線シグナル配信」で提供する情報を、ご覧に入れましょう。
中源線シグナル配信は、専用のサーバとWEBサイトで稼働しています。
そのトップページには、代表的な株価指数として、日経平均およびTOPIX(東証株価指数)の中源線チャートとシグナルを掲載しています。株価指数そのものを中源線で分析した結果ということですが、これは参考として載せているものと考えてください。現実に売り買いする対象は、やはり個別銘柄のほうが面白みがありますし、利を伸ばすチャンスが大きいと考えています。
さて、同じくトップページには、個別銘柄の市場別集計があります。
個別株すべてについて、実用性を重視して最適化した値(パラメータ)で計算した中源線のシグナルを日々、更新していますが、それらを市場ごとに集計した数値がトップページにあるのです。
※トップページ閲覧は、「中源線研究会」への登録(無料)で閲覧できます。
登録は、こちらのページにてお願いします。
市場参加者なら誰でも、「特定の範囲」を対象にトレードします。
“守備範囲”がかなり広い人もいますが、何かしらの基準で一定の絞り込みをしているはずです。
この現実を踏まえれば、“安易に市場全体のすう勢を語る”なんて、単なる評論家のおしごとです。でも、市場全体が上昇基調、あるいは下落基調という「全体の傾向」に逆らわないほうが成功率が高いといえます。
そこで、このトップページにあるデータを、うまく利用できないだろうか、という発想が生まれます。
例えば、中源線の規定を軸にしながらも、裁量によって「休みを入れる」、つまり「裁量でシグナルを見送る」という利用方法が考えられます。この際、個別株一つ一つの判断を集計した値は、単なる平均値である株価指数の分析とは違い、実践的な意味を持つものとして利用の可能性があると認識しています。
中源線シグナル配信では、市場ごとに個別株のシグナルを確認することができますが、市場区分のひとつに「ユニバース」というものがあります。これは、林投資研究所が個別株のパラメータを決定するために、最長で31年間のデータを検証(バックテスト)した結果を踏まえ、十分なパフォーマンスと年ごとの安定性を兼ね備えていると判断した銘柄を、研究対象として別枠にしたものです。
2016年6月現在で99銘柄あり、すべて東証一部から選んでいます。
さて市場ごとの画面には、ユニバースに限らず、各種の条件で絞り込む機能があります。わかりにくいかもしれませんが、画面の左側はプルダウンメニューを表示した状態です。
デフォルト(初期状態)は「すべて表示」ですが、以下のような選択肢があります。
すべての法示
買い法示
売り法示
すべての転換
陽転のみ
陰転のみ
再陽転のみ
再陰転のみ
※法示=シグナル
ここで、あらためて伝えておきたいことがあります。
中源線シグナル配信のように情報をまとめてあると、意味もわからずに使うことができます。中源線のロジック(ルール)も理解しないまま、「当たれば儲かる」と安易にポジションを取ってしまうことも可能だということです。
でも、そんなオモチャを作ったつもりはありません。
中源線を十分に理解し、規定通りに行うか裁量を加えるか、どういった観点でトレード対象の銘柄を選ぶべきか──そういうマジメな使い方を想定しています。
手法というのは単なる「予測法」ではなく、「予測法に沿ったポジション操作」と「資金管理」の要素を持ち合わせた、ひとつの“流儀”です。実践者のこだわりを具体化した、価値判断の方法論です。
ですから、「中源線は面白そうだ」と感じたとしても、慎重な姿勢を維持したまま「自分に合うかどうか」を判定する気持ちを忘れないでください。
そのために、セミナー、学習DVDなどを取りそろえているのです。
→セミナーの詳しい説明
また、ロジックをすべて収録した書籍『中源線建玉法』(四部構成)の第一部は、無料配布版を用意しています。
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生身の人間ですから、最後は感情の問題が重要です。
「好き」か「嫌い」かを、素直に考えるプロセスは欠かせないでしょう。
次回のフォローアップ(4)では、先ほど触れた「裁量を追加する」ことについて、値動きの実例を示しながら詳しく解説します。
お楽しみに!
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6月13日放送のフォローアップ(3)
6月13日放送のフォローアップ(2)
6月13日放送のフォローアップ(2)
林 知之
分割で“相場の波”を泳ぐテクニック
トレードをコントロールするために最も大切なものは何か──。予測の当たり外れを容認し、当たったときの対処と外れたときの対処を用意しておくことです。
マーケット・スクランブル6月13日の放送では、裁量における「ツナギ」など、人間の能力を活用した技法の意味を解きほぐし、中源線建玉法における3分割の価値を考えてみました。
そのフォローアップ(2)です。
映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第86回 中源線は“建玉法”だ! ~ポジション操作がトレードのキモ~)
予測不能だからこそ計画
トレードの決断は大切なカネの問題を左右することなのに、“なんとなく”行動を決めてしまうケースがみられます。
全く動きのない銘柄が突然、大暴騰する──。
こんなことが起こるのがマーケットですから、つい「これは大チャンスかもしれない」とばかりに手を出すケースがあり、人によってはそれがクセになっています。
「まずは手をつけ、ダメなら切る、良さそうなら増し玉してねばる」というのは、極めて適正な取り組み方ですが、「まずは手をつける」の基準が全く定まっていない場合は論外です。
わかりやすい例は、個人投資家がカラ売り銘柄を選ぶときの様子ではないでしょうか。
多くの人が、価格の上昇とともに材料が取りざたされた銘柄に注目し、「買おうかどうしようか」と検討します。こうして参戦者が増加することで、株価が上伸します。デイトレードが盛んになった現代では、ザラ場だけの上昇で終わってしまうこともあるのですが、数週間、数カ月といった期間の上げ相場が始まるときにも、こうした新規参入者がいるのが当然です。
しかし、このように「外部からの情報で新しい銘柄に目をつける人たち」は、同じように強い動きをみせている銘柄にカラ売りを仕掛けることもあるのです。
「非常に強い。しかし、下げたら早いだろう」という論理です。
本人にとっては、上昇の度合いや材料の評価などに判断の可否があるのでしょうが、冷静な第三者なら、どちらも「話題になっている銘柄をいじろうとしているだけ」とくくるほど、浮ついた取り組み方といえます。
銘柄を選別する手法がダメ、ということではありません。しかし、非情なカネの取り合いが演じられるマーケットで「勝とう」というのですから、事前に選んだ数少ない銘柄の中でタイミングを計るか、対象とする範囲が数十銘柄やそれ以上に広い場合は、相当に厳密な選定基準がない場合は、“なんでもアリ”の無手勝流です。
価格の変動は予測不能です。だからこそ、自分をコントロールするために、計画性をもってスキのない姿勢で臨むことが求められるのです。
あなたの都合は誰も聞いてくれない
では、「なんとなく手がけた」場合、実践者の内面はどのような状態になるでしょう。
たまたまつくったポジションが利益になることを願う……それだけです。
刻一刻と変わるマーケットを評価し直すことなどなく、「上がってくれ~」とか「もう下げてくれよ」とお祈りするだけの状態です。
トレードから離れた例を出しましょう。
貴重な休日を使い、以前から楽しみにしていた山登りに出かけたとします。
せっかくの余暇、せっかくの山登りですが、山の天候に逆らうことはできませんから、懸念材料があるだけで中断、あるいは計画の大幅な変更もやむを得ません。
命がかかっていることですからね。
トレードには、命の次に大切なカネがかかっています。
山の天候と同じように、相場に抗うことはできません。
祈ってもムダですし、どんなに頑張っても、個人投資家には状況を変える力などありません。ダメだと思ったらあきらめ、被害を最小限にとどめる努力をするだけです。ダメな勝負に時間やエネルギーを費やすことなく、とっとと撤退して次のチャンスを探すのが正解ということです。
こういう、落ち着いた考え方から生まれたのが、分割売買の技法です。
いくら考えても、相場の先行きをズバリ当てることは至難の業。「それならば、様子を見ながらポジションを増減させよう」ということです。
多くの人が「そんな方法があるの?」と驚くのですが、ビジネスに限らず日常生活にもある、ごく当たり前の対応です。
試食なしでまとめ買いなんて!
分割売買と同じ狙いをもつ、ふだんの行動について、例を挙げてみましょう。
- 車を買う前に試乗する
- 結婚を考えている相手とデートを重ねて交際する
- 新商品をアンテナショップに並べ、売れ行きなどをチェックする
- 料理で、調味料を少なめに入れ、最後に味を調える
- 宴会の幹事が、予約する前に一度、候補の店に行く
- ペンキ塗りで、目立たない場所を使って試し塗りする
どんな分野でも、どんな立場でも、「まずは試しにやってみる」というのが当然なのですから、ましてやトレードでは、積極的に取り入れるべき行動指針です。
分割で仕掛ける場合、初期段階のポジションを「試し玉」と呼びます。
例えば総量1万株の場合に、まずは千株買ってみる(売ってみる)のが試し玉です。
「よしいける!」と徐々に増やした場合、2回目以降、あるいはもう少し先からは、試し玉に対して「本玉(ほんぎょく)」といいます。
予定通り1万株になったとして、最初の千株だってポジションの一部で総量の1割を占めるのですが、あえて「試し」と分類することで、「ダメそうならば、とっとと切ってやり直す」という姿勢を確認しておくのです。
超短期のトレードは、どうしても単発的になりがちで、試し玉と本玉に分けて考えたり、のんびりと分割することは少ないでしょうが、本格的に資金を投入する前に実験売買を繰り返す、といった対応は考えつくでしょう。頭の中で考えただけで「それドン!」と大金を動かすなんて、ちょっと乱暴です。
常識的な慎重さを常識的なオトナとしての行動に落とし込めば、「試しにやってみる」という発想に至ります。これを恒常的に行うのが「試し玉」で、必然的に「分割売買」を実行することになるのです。
中源線はシンプルな3分割
売買の分割は、回数が多いと混乱しやすいでしょう。
やみくもに細かくして売り買いの回数を増やすだけでは、マーケットの変化と緊張の中で「いま何を基準に何を確認しているか」が不明瞭になってしまうからです。
中源線建玉法(ちゅうげんせんたてぎょくほう)では第一に、売りか買いか、つまり弱気で売り建てるか強気で買い建てるかを決めます。
そして、3回の等分割でポジションを「増減」させます。
トレンドが上向いた、つまり「買いに転じた」(陽転)と判断したら、1単位買います。この場合の1単位は、総建玉量の3分の1という意味で、1単位が千株ならば総建玉は3千株、1単位が5千株ならば総建玉は1万5千株になるわけです。とにかく、建玉の総量(計画による目いっぱいの数量)を3つに等分割した数量が、1回に売買する「1単位」なのです。
陽転したら、まずは予定数量の3分の1(1単位)だけ買います。
これが、「試し玉」にあたるもので、一定の条件を満たして「このトレンドはホンモノのようだ」と判断したら逆張りで増し玉するのが規定なのです。
値動きのイメージ図を示しながら、中源線による3分割の雰囲気をご覧に入れます。
中源線では、情報量の多いローソク足をあえて避け、終値だけを線で結ぶ「折れ線チャート」を利用します。
左側から、時間の経過とともに追っていきましょう。
前半は、赤い線で上昇しています。
値動きをルール通りに判定し、「今は上向き」と判断したら、前日比がプラスでもマイナスでも、終値を赤い線で結びます。
想定どおり上方向の動き(前日比プラス)を「順行」と呼び、逆方向(前日比マイナス)の動きを「逆行」と呼びます。
価格の変化が「順行」に傾いていれば、陰陽の転換は起こりません。ポジションの増減はあっても、「買い」という判断が続くのです。「2割上昇したから利益確定」とか、「急激な上げだから勝ち逃げ」といった発想は、中源線にありません。このため、値幅が発生したときに大きく取れるのが長所です。
「取れるときには取る」という実践者の気持ちが、そのままルール化されているといっていいでしょう。
しかし、逆行の動きには注意します。
誰でも、買いポジションを持っている状態で上昇していたら「よしよし」と状況を見守るでしょうが、ガクンと下げたときには「対応が必要かな?」と注意を向けるはずです。
もちろん相場ですから、上げたり下げたりを繰り返します。順行だけが続くことなんてありません。でも、買って上昇したところでカクンと下げられれば、「この下げが続くようなら、このまま放置できないな」と思うでしょう。
この気持ちは、数々の経験から生まれるものです。逆行のあと再び順行すればひと安心、でも、また逆行、しかも少し大きめの逆行ならば「トレンドが変わってしまったかも……」となるでしょう。中源線はこれを、やはり単純なルールに落とし込んでいるのです。
まさに“相場を張る”感覚がある
「中源線」というなじみのない名称から、難しい判定を想像するかもしれませんが、先ほども述べたように、実践者が感じる素直な印象をシンプルなルールにしてあるだけです。
「トレンドが変わってしまったかも……」というケースを、シンプルな折れ線チャートのパターン分析で定義し、「状況が変化したのだから、ポジションを動かそう」と規定しているのです。
順行の動きでは利が伸びるので、基本的には放置です。
それに対して、逆行と逆行の組み合わせで「トレンド転換」と判断するのです。
図では、中央を過ぎたあたりで線が黒に変わっています。
中源線のルールに従って「陰転」と判断したわけです。
この線を見て、それまでの買いポジションをすべて手仕舞いすると同時に、ルール通りに1単位(総量の1/3)を新規売りするのです。
図に文字を入れた通り、「おっと様子が変わった。ドテン売ってみるか」という、実践者の“行動を起こしてみたい”気持ちをストレートにルール化しているわけです。
しかし、この1単位は試し玉です。
すぐに増し玉することはありません。
一定の条件がそろう、つまり「やはり下向きだな」と思える動きをルールとして定義し、そのあとで、やはり1/3ずつトレンドの方向にポジションを増やしていくのです。
図は、ルールに従って売り線(黒)に変わったあと、その通りに下がり始めた様子を示しています。ルールによって「下げトレンドだな」と思える動きを確認したあと、戻りをみて逆張りで増し玉している状況がわかります。
しかし、「はい、こういうふうに儲かるんですよ」というだけでは、現実を無視した都合のいい説明にしかなりません。現実では、陰転(赤から黒)のあと強張って、再び上伸し始めることもあります。
その場合は当然、あらためて「陽転」と判断しますし、陰転直後にスッと上に抜けた場合は、「再転換」と呼ぶ“ゆるめの基準”で再びドテンします。
その「再転換」の際に、3分割の効果が出ます。
ダマシに遭遇して損切りしますが、総量の3分の1にあたる1単位の損にとどまりますし、再転換の場合は1単位ではなく、いきなり2単位を仕掛けると規定されているのです。
このように、生身の人間が感じる不安を、単なる不安として残しておかず、「じゃあ、分割でポジションを動かそう」というルールに落とし込んだのが、中源線のルールです。しかも、3回のシンプルな分割なので、実践者の自然な感覚と合致した状態でポジション操作が進んでいきます。
次回のフォローアップ(3)では、林投資研究所が力を入れて開発した「中源線シグナル配信」の特長をご紹介します。中源線シグナル配信は、上場全銘柄を対象とした、中源線による分析結果の配信システムです。
お楽しみに!
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自宅近くの商店街で、艶っぽい笑みを浮かべながら私をじっと見る女性が……。
オレに気があるのか?
彼女が見ていたのは、私が抱いていた犬でした。
英国がEUに残留するか離脱するか──いわゆる“ブリグジット”について今日、国民投票が行われます。
英国、EU全体、そして世界経済への影響が懸念され、金融マーケットにも動きが出ているようです。
しかし、例えば「離脱ならば混乱が起きて円高、日本株安」といったカンタンな話なのでしょうか。
一部には「弱々しい日経平均が3日連騰して700円超も戻した。マーケットは残留に賭けている!」なんて解説もあるようですが、突然に降って湧いた話ではないのですから、「3日連騰で……」と結びつけられても、そもそもの前提に疑問を抱かざるを得ません。
では、そもそもの話を掘り下げようとすると、的を絞りきれないほど多くの観点が生まれるようで、EU全体の経済を考えるだけでも、第二次大戦後のドイツ経済や旧ソ連の脅威といった問題も浮上してくるので、私には全く理解できません。
そして当然、「マーケットの動向」という話から遠ざかるわけです。
冷ややかな目で観察すると、ブリグジットの問題を見つめる多くの人、それに応えるメディアの姿勢は、なんだかスポーツ観戦のような様相といえます。
「マーケットは残留に賭けている」という発想も、金融マーケット参加者の視点が抜け落ちているように思います。マーケット全体に確固たる見通しがあるわけではなく、参加者それぞれが何かに賭けている、という理解が正しいはず。
ちなみに、「ブリグジットの結果予想? そんなのどうでもいい」というのも、参加者として、ひとつの姿勢です。
仮に、こういった材料と今後の動向が密接に関係していたとしても、例えば「残留が決定した。しかし織り込み済みで価格は逆行」というシナリオだってあるのですから、ある意味、考えるだけムダという結論もあるわけです。
こんな結論、一定レベル以上の知識人にすれば“野蛮”ともいえる態度こそが、林投資研究所が提唱している「相場技術論」の考え方です。
「材料を集めて考えても予測は当たらない。ならば、そんなことを考えずに、自分自身の見通しと値運びを照らし合わせて“次の一手”を決めることに集中しよう」「そのために、対応方法を事前に考えておこう」ということです。
別な言い方をすれば、「自分で状況判断などせずに、他人にやってもらおう」という態度です。
ファンダメンタル分析には、情報を収集する能力、情報を整理する能力、そして情報を分析して答えを出す能力が必要です。これらを兼ね備えるのは難しいから、大勢の人が考えた結果が反映された「マーケット価格」だけを見ていればいい、という論理です。
極めてシンプルで実践的、実用的な考え方で、具体的なトレード戦略を明確にするうえでは相当な近道です。
ただ、考えればわかりそうな懸念材料を見過ごす可能性もあるのですから、完ぺきな態度だと言い切るつもりはありません。
しかし、いずれにしても、日々の売り買いをどう展開するか、自分の態度を決めて“投票”し続けるしかないのです。

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★中源線建玉法
最古のトレードシステムといわれる中源線は、シンプルなルールなので感覚的に捉えることが可能です。

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6月13日放送のフォローアップ(1)
6月13日放送のフォローアップ(1)
林 知之
ツナギは賢い二股だ
トレードをコントロールするために最も大切なものは何か──。予測の当たり外れを容認し、当たったときの対処と外れたときの対処を用意しておくことです。
マーケット・スクランブル6月13日の放送では、裁量における「ツナギ」など、人間の能力を活用した技法の意味を解きほぐし、中源線建玉法における3分割の価値を考えてみました。
そのフォローアップ(1)です。
映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第86回 中源線は“建玉法”だ! ~ポジション操作がトレードのキモ~)
迷いを激減させる方法
ひとつ、トレード「あるある」事例を挙げます。
安値圏で保合(もちあい)をみせている銘柄を1万株仕込んだところ、思惑通りに上がった。でも、もっと伸びるのではないか……「上がるなら、ねばるべきだ」。何を基準に判断したらいいのだろう……?
仕込みは安値圏だったので、もしそこで下抜けしても損切りを決断する基準がありました。
でも、人気がついて上昇してくると、これから先のトレンドを判断する基準も定まりにくくなります。一瞬ガクンと下げる場面が、下げの始まりではなく短期の押しで、買い増しの大チャンスだったりするからです。
「利が乗っている」と満足して興奮しながらも、「下げてしまったら絵に描いたモチ……」と不安に思う気持ちが入り交じるのですから、冷静で常識的なはずの実践者が、サイアクの対応をしてしまうことも少なくありません。
- さらなる暴騰の期待で玉を維持し、下げ始めても意地になって動けない
- 「自分が売るんだから天井だ」と決めつけてドテン、カラ売りに転じて勝負に出る
- 思いつきで買い乗せし、引くに引けなくなる
そもそも、ちょっと上がったところで小幅利食いして終わっている、なんてこともありますね。
さて、上昇が続くかどうかと判断に迷う状況では、ツナギ売りのテクニックが有効です。例えば、下値で仕込んだ1万株を維持したまま、千株でもいいからカラ売りをしてみるのです。「千株だけ両建て、差し引き9千株買い」の状態にするということです。
現物1万株を維持、カラ売りが千株──単純に現物千株を手仕舞い売りして9千株に減らすのと実質的には同じことですが、「根の玉」(現物1万株)を動かさないままでカラ売りというアクションを起こし、それが“新たな基準”になるのです。
単純に考えてみてください。
千株のカラ売りについて「上にもっていかれる。。。くるしい」と感じたら、相場は強いようだと判断できますし、「いいところを売った」と感じる値運びなら、すでに下落トレンドに入ったのかもしれないと判断することが可能です。
千株のカラ売りを行うだけで未来をズバリ当てられるということではありませんが、確固たる基準を新たに設けることで、“次の一手”を判断する大きな手がかりが生まれるわけです。
「相場は強い」と確信したら、値段に関係なくツナギ売りの千株を踏んで(注)、再び「1万株買い」のポジションに戻せばいいのです。その際の損失は、ポジションを自分なりにコントロールするための、いわば“必要経費”です。
(注)踏む
カラ売りを損して買い戻すこと。
逆に「上げ止まったのかな」と感じたら、カラ売りを増やしながら値動きを観察し、「やっぱり天井だ」と確信が強まった段階で現物を手放し始めて売り長(買いよりも売りのほうが多い状態)のポジションに変化させていけばいいのです。
止まらないこと
こういった教科書的な説明の通りカンタンに実行できるものでもありませんが、売り買いのアクションがないままジッと値動きを見つめるだけで、なんとなく“フリーズ”するのが、トレードにおいて最もコワいことです。
何かを感じたら、まずは動く。しかし「決め打ち」はしないで、常にユルユルッと動きながら、価格変動の波を泳いでいく──こういうイメージは非常に大切です。
「おやっ」と思ったら反対のポジションを建ててみる、「いやいや、まだまだ」と思ったら攻勢を強めていく、といった臨機応変な対応です。
ただし、ポジション操作が複雑だと、「動かす」ことだけに夢中になってしまうかもしれません。特に意味のない「やっている感」に満足するのではなく、「値動きを見ながら悔いのない行動を連続させる」ことが重要なのです。
創造性を生かすのが王道
なんとなく結果を期待するのではなく、全く期待外れの展開も想像しながら事前に対応策を決めておくのが、トレードの正しいあり方です。しかし、「取れるときは取る」というイメージも欠かせませんから、期待を大きく上回るウハウハな展開も想像しておきます。要は「何が起こるかわからない」のですから、その場になって緊張と混乱から“フリーズ”することのないように備えておこうというわけです。
この「事前の対策」を徹底させて数式化したものが、トレードシステムと呼ばれるものです。
林投資研究所の中源線建玉法(ちゅうげんせんたてぎょくほう)は、強弱(トレンド)の判断とともに売買のタイミングも規定してあるので、トレードシステムに分類されます。
ただし、一部のトレードシステムに見られるような、「儲かる数式を探そう」というアプローチでつくられたものではありません。先ほど示したツナギの一例と同じように、実践者の生身の感覚を残したトレードルールが系統だってまとめられています。終値の折れ線チャートを使ってシンプルな分析を行い、その分析と整合性のあるポジション操作を行うために、3分割の売買が規定されているのです。
別な言い方をすれば、相場を実践する者が納得できる、感覚的にすんなりと受け入れられるルールが、多くの銘柄に利用できるよう定められているということです。
中源線の規定を、そのまま継続的に利用している人もたくさんいますが、深く理解した段階で自分なりのアレンジを加えて活用している人もいます。中源線は、相場の先行きをムリに当てようとせず、シンプルな判断と分割売買で相場の波を泳いでいこうとする姿勢を守った「建玉法」です。その体系が実に自然であると同時に、実践者の創造性を心地よく刺激してくれます。そして、創造性を発揮して積極的に行動するプレーヤーを満足させてくれるのです。
こういった部分が実に面白いため、林投資研究所では現在、中源線の説明と付随する情報発信に力を入れて取り組んでいます。
ルールはすべて公開していますから、ブラックボックスの部分はゼロ。誰にでも実行できるトレード手法です。その全内容は、書籍『中源線建玉法』に示していますが、四部構成のうちの第一部は無料配布版があります。ポジション操作と同様、じっくりと吟味して採用を決めることが不可欠だと考えて情報を整えています。
一定の要件を備えた手法ならば、良い悪いを一概に語ることはできませんが、個人の好みという問題は歴然とあるのです。
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次回のフォローアップ(2)では、中源線の強弱判断と3分割の売買について、値動き図とともにわかりやすく説明し、分割売買の効用を解説します。
お楽しみに!
その「第一部 解説」のみ、無料配布版があります。
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「真剣にやれよ! 仕事じゃねぇんだぞ!」
タモリさんの名言だそうです。
詳しい状況はわからないのですが、私は次のようなことを思いました。
「確固たる基準をつくりにくい分野、他人の手助けが当たり前に用意されていないものでは、気を抜いたらすべてが崩れてしまう」
人間の脳は、「楽しい」と感じているときに真の能力を発揮するそうです。
笑う、ワクワクする、楽しむ──これらは、遊びにも仕事にも共通する不可欠な要素なのでしょう。
そういえば、古い世代の人からは、「ゴルフがうまいヤツは仕事をしていない」なんて言われましたが、今では「ゴルフがうまいのなら、仕事もデキるだろう」という意見が市民権を得ていると思います。
最近は、働き手の創造性を刺激するために、オフィス内に遊び場を設ける企業もあるようです。
トレードでは、自分が決めたことなのに実行できないケースが多々あります。
「これが自分のルールなんだ」という認識が甘い場合は、真剣味が足りないと評することができます。
でも、マジメにやろうとしてガチガチになっていることもあるでしょう。
例えば、パーティーの席でスピーチのために中央のマイクまで歩くとき、「きちんと、きれいな姿勢で歩いてみせよう」と考えただけで固くなり、右手と右足、左手と左足を同時に前に出してしまう……これが人間です。
トレードにも、“遊ぶ気持ち”や、リラックスした状態で、いつも通り心地よいイメージで臨む姿勢が大切だと思うのです。
とはいえ、使っているシステムのシグナルが「買い」なのに売りを建てたりしたら、単なる混乱が起こり、自分に対してウソの上塗りをし続けることになりそうです。
「買ったら下がり、下がりすぎて投げるに投げられないからナンピン買い増し」なんていうのも、正しい遊びになっていないといえます。
確固たる行動規範をもち、それをかたくなに守り、そのなかで遊ぶようにしないと、遊びとしてもシゴトとしても成立しないのでしょう。
トレードにおいて自分が何を楽しんでいるか──あえて考えてみるべきです。
というわけで、これが次のフリートーク交流会の“お題”です。
海の日がからむ三連休の初日ですが、都合のつくかたは、ぜひお運びください。
7月16日(土)午後
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