相場の行方は?
相場の世界で古来より難事とされるのが、「手仕舞い」です。
損の玉は切るしかない──でも、損を確定するのはツラい……。
利の乗った玉は維持したい──でも、「利食い千人力」というし……。
常に未来を考えて行動するのがトレードだとわかっているのに、過去を起点とした現在の出来事に縛られてしまうのが人間の心理です。
迷わずに手仕舞いを実行する基準は? 中源線建玉法の考え方に、ひとつの明確な答えが存在します。1月16日の放送では、中源線における手仕舞いの基準を、わかりやすく説明しました。そのフォローアップ(1)です。
映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第100回 手仕舞いせよ! ~ふところに入れてなんぼじゃ~)

謹んで新春のご祝詞を申し上げます
さて、記念すべき第100回の放送は、冒頭の人形劇に続いて、またしても大橋さんが私の名前を間違えた件を暴露してグダグダになりましたが、フォローアップのブログは、いつものようにビシッと進めます。よろしく!

私は強気です
私は2012年から、日本株は長い上昇トレンドにあると考えてきました。でも、期待するほどの循環物色はなく、林投資研究所が低位株投資の手法「FAI(エフエーアイ)投資法」で選定した銘柄も、けっこうな数が大幅に上昇したので全体としては順調だったものの、いわゆる出遅れ銘柄の多くが「出ずじまい」でした。
ただ、そういった出遅れ銘柄、いわゆる低位小型株が物色される流れを、2016年後半の相場で感じ取ることができました。以前よりも難しい判断を要求されるマーケットだと認識していますが、潮目の変化があると考えています。
多くの人が、単なる225銘柄の平均である「日経平均株価」に気を配り、その水準ばかりを考えるとともに、メディアがたれ流す解説に耳を傾けています。でも、「平均」には大きなワナがあります。
2科目のテストで、数学も英語も50点だったとします。そして次のテストで、数学が0点に落ちたかわりに英語は100点満点だった──2科目の平均点は50点のまま変化なしですが、数学の0点も事件ならば、英語の100点も事件です。単なる平均ではなく、内容を考えることが、すべてのものごとに通じる基本です。
株式市場では、日経平均の採用銘柄も含めて、個別株は見事なほどバラバラな動きをみせます。個々の動きを丁寧に見ていると、一般的な市況解説には絶対に盛り込まれないような、プレーヤー目線の観察が実現するのです。
例えば、多くの個人投資家が、日々の値動きばかりを気にするようメディアに仕向けられていますが、株価の基本的な上げ下げのサイクルは、数年から5年、場合によっては10年単位で起こっています。だから、中源線のように数カ月の上げ下げを観察するには日足が有効である一方、株式市場全体を見る、個別銘柄の根本的な潮流を知るには、月足による観察が不可欠です。
私の強気見通しは、低位株投資の手法「FAI投資法」における月足の観察によるものです。のんびりと売買したい向きにはうってつけのやり方なので、興味があるかたは書籍を手に取ってみてください。
強気の解説に注意
多くの市況解説で、いま最も使われている言葉は「トランプ相場」でしょう。
「トランプ相場はいつまで続くか」のあとは、「トランプ相場のその先は?」なんて調子で、特別な結論もなく、時間を割くべきオリジナリティもない文章が実に調子よく披露されているのですが、そもそも「トランプ相場」の定義すらハッキリしていないのです。
「常に未来を考える」トレードの世界では、後講釈ばかりの解説ほどバカバカしいものはありません。目を向けるべき情報を、しっかりと選別してください。
林投資研究所の基本テーマは、「投資家の自立」です。
自分の見通しがあやふやな状態で「相場は上でしょうか?」なんて他人に質問するのは、絶対に避けるべき行動です。自分が取引対象とする銘柄について、当たり外れを気にしてビクビクするのではなく、自分なりの基準で確固たる答えを出し、そのうえで周囲の人の意見を聞くのなら、プレーヤー同士のまっとうな情報交換かもしれません。しかし、単なる「正解探し」は、“相場難民”への最短ルートです。
2017年も私は、脱・正解探し、脱・相場難民、“確信ある自分流”を意識して、プレーヤー同士の意見交換の一環として情報を発信していきます。

“自分の目”で見て決める
さて、私は強気だと述べましたが、当たるかどうかは神のみぞ知るところ。「そうか、上がるのか。じゃあ株を買おう」なんて、安易な思考だけは避けてください。
それに、冒頭でも述べたように、個別銘柄の動きは見事にバラバラです。
また、売買手法、想定する期間によって、「売り」「買い」の答えは全く異なるものになります。
番組で継続的に紹介している手法「中源線建玉法」は、数カ月単位の上げ下げを狙う「うねり取り」の売買を、終値による機械的判断で実現しようとする投資法です。株価のすう勢を見て出処進退を決め、見込み通りならば可能な限り取る、見込み違いならば損失を抑えて撤退するという、極めて現実的、そして実用的な方法論なのです。
中源線によるチャートを見てみましょう。
赤い線は買い線(陽線)で、買いポジションを3分割で増減させます。
黒い線は売り線(陰線)で、売りポジションを3分割で増減させます。
以下に示す2銘柄は、いずれも1月13日(金)までの日足(終値の折れ線チャート)です。
5715古河機械金属は、大統領選後の上昇で中源線が陽転しました。そのあと見事に上伸しましたが、12月の高値から少し下げた位置で止まっています。
ちなみに、2016年の安値は7月でした。
1722ミサワホームは、2016年2月が安値で、同7月に陽転して以降は買い線が続いています。8月からはジワジワと値を上げ、大統領選の直前から勢いを増して上昇、さらには年がかわってからも上伸しています。
このように、同じような上昇でも、細かい値動きは個々に異なります。
自分が売買対象とする銘柄について、自分の手法と戦略、あるいは自分だけの相場観で行動を決める以外に、きちんと行動する術は存在しません。
2銘柄とも、この時点での中源線は「買い」の状態ですが、その判断に従って買いポジションを維持するのも答えならば、「売り手仕舞いして休む」という対応も答えです。その判断基準は常に同じ、ブレないことが重要なのですが、どんな基準であっても当たったり外れたりするのが現実です。
だから、「どの判断基準が当たるの?」「誰の予想が当たるの?」「正解は何?」といった疑問は、どんなことがあっても解決に結びつきません。自らの基準で決め、その通りに行動することが、唯一の正解なのです。
次回のフォローアップ(2)では、悩み多き手仕舞いの問題について、中源線の解決方法を説明します。
お楽しみに!

書籍『中源線建玉法』の「第一部 解説」には、無料配布版があります。印刷版(無料郵送)のほか、PDF版またはeBook版(ダウンロード)もあります。
たいへん貴重な売買の実記録と、林輝太郎による実践的な解説。
林投資研究所オリジナル(旧書名「株式売買記録と解説」)
長年続く普遍的ノウハウ、低位株投資「FAI投資法」の原典。
林投資研究所オリジナル
※「研究部会報」および「中源線シグナル配信」は、林投資研究所が行っている投資助言サービスです。契約にあたっては、林投資研究所が交付する「契約締結前の書面」をよくお読みください。


























