順張り逆張り(3)

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 連載「トレード哲学」……6
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週末に調子よく飲んで明け方に帰宅したら、「遅いわね……」とチクリ。
「いやいや、夜遅いんじゃなくて朝早いんだ」と答えましたが、ダメですかね?
相場で大切なのは「時間」です。
上がると予想して上がった。。。でも、5年かかって1割の値上がり。
これは予想が当たったとはいえませんよね。

順張り、逆張りを考えるときにも、「時間」の問題を無視できません。

【ケース1】
3年かけて下げ、5年間の底練りでジワジワと下値を切り上げた。
「いよいよだ」と判断して買った。

低位株投資において、時間を有効にする意味で“絶好のタイミング”を狙う視点ですが、最安値からは数割、へたをすると2倍になっていることさえあります。

でも、底練りの出口を狙う、大きな変動がないうちに安値圏で買うので、実践者の感覚では「逆張り」と呼ぶことができます。

【ケース2】
長期的な安値の横ばいが続き、変動幅がグッと小さくなった。煮詰まった!
「いよいよかな」と思っていたら動意づき、月足で上放れ陽線が出現した。
「兆しでまちがいない」と考え、押し目を丁寧に拾った。

動き始めてから乗ったので「順張りだ」と呼べますが、目先の押し目で買ったので、玉の入れ方は「逆張り」です。
林投資研究所の低位株投資では最初に、株価の大きな上げ下げを見ます。
2つのケースは、そんな観察から生まれる“あるある”の状況です。

3年、5年といった長い期間のトレンドを見出すことになり、こんな視点が現実の売買をラクにしてくれます。

ただし、「今日は……」「明日は……」と刹那的な市況解説に慣れた人とは“時間軸”にギャップがあるので、いきなり説明しても理解されません。


2017年4月28日発売開始
ブレない投資手法 曲げない投資哲学
~相場に立ち向かうための「起承転結」~
目次などの詳しい情報はこちら(内容のチラ読みもできます)



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5月8日放送のフォローアップ(1)
林 知之

後悔ゼロの対応をしよう!

春高が実現すると、5月が売り場になる? 急落もある?

この発想は実践的に正しいのですが、単なる恐怖心として“正解探し”をするか、自らの意思で「対応」「対処」の具体策を準備するか──ちょっとした方向性のちがいが明暗を分けます。

5月8日の放送では、誰もが嫌がる「急落」という言葉から、中源線の特徴を説明するとともに、トレードの根本的な問題を取り上げて解説しました。

映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第108回 Sell in May? 中源線は急落にどう対応するのか

恐怖が行動をブレさせる

林投資研究所が提唱するのは、「価格動向だけに目を向け、ポジション操作で“対応”する」という発想です。ひとつのトレード思想であり、私たちは「相場技術論」と呼んでいます。

「相場技術論」を別の角度から説明すると、価格の変化を見る「テクニカル分析」と「トレード手法」の融合です。

対極にあるのは「ファンダメンタル分析」で、一般的な“投資関連情報”は、このファンダメンタルによって「うまく当てよう」という姿勢が非常に強いわけです。

その理由は2つあります。

1つは、情報としての見栄えです。
チャート分析を語っても、なんだか泥くさいだけで、“価値がありそう”に見えない、“知的な分析”だと感じられません。だから、経済指標や要人の発言などを引き合いに出しながら、ファンダメンタル分析を“語る”のです。

ファンダメンタル分析がメインになる、もう1つの理由は“引き”です。
“引き”とは、例えばドラマの終わりに驚くような新展開があって「来週どうなるの? 1週間待てないよ~」と思わせる工夫です。

株価動向とともに背景にある世界情勢、とりわけ戦争や政治の混乱などの“不安要因”を結びつけて解説すると、視聴者の「知りたい」という欲求を満たしつつ、「明日はどうなるだろう?」と考えさせる、つまり新たな欲求をつくり出します。

今週のイベントはこれとこれで「世界中が注目しています」とコメントすれば、イベント間際にどうなるかが気になる、イベントの結果予想を知りたい、イベント後に価格動向との解説があるからチェックしたい……と、「恐怖」を土台とした「興味」が膨らむのです。

そんな上手なマーケティングに、まんまと踊らされている投資家が多いのが実際です。

参考までに、5月GW中のマーケット関連の海外イベントは、以下の通りでした。
(個別企業の情報、「休場」に関するものを除く)

米3月個人所得・個人支出
米4月ISM 製造業景況指数
米3月建設支出
豪州準備銀行理事会
ユーロ圏3月失業率
米FOMC(~5/3)
米4月自動車販売台数
中国4月財新製造業PMI
ユーロ圏1-3月期GDP
米4月ADP雇用統計
米4月ISM非製造業景況指数
ユーロ圏3月小売売上高
米3月貿易収支
米3月製造業受注
米4月雇用統計
米3月消費者信用残高
フランス大統領選挙(第2回投票・決選投票)

これだけの材料を気にしながらポジションを動かすなんて、私にはできません。
だから、シンプルに「株価だけを見る」アプローチを実行しているのです。

もちろん、ファンダメンタル分析をすべて否定することなどできません。
ただ、多くの人がふだん無防備に受け取っている情報は、えてして「恐怖」と「混乱」を強めているだけ、という事実は理解しておくべきです。

急落への対応(一般論)

トレード思想や手法にちがいはあっても、単なる「恐怖心」が良い結果を生むことはありません。とにもかくにも、予想外の動きには“対応”が求められます。

一般的な、急落への対応を表に整理してみましょう。

実に当たり前のことを並べただけの結果ですが、こうして文字にしてみると、「急落したらどうしよう……」と恐怖心に支配された状態から抜け出すことができます。

恐怖心を支配しているのは「急落したら、(買っているポジションが)被害に遭う」という受け身の発想で、この表に示した“対応”は、オトナとしての自発的な行動なのです。

ちなみに、「何もしない」という選択肢も、れっきとした“対応”のひとつです。
「今のポジションで問題ない」と判断し、「何もしない」と決断するのです。

恐怖心を押さえ込んだまま「様子見だ……」とつぶやいても、何の効果も生みません。マーケットは常に“非情”なのです。

急落への対応(中源線の場合)

「急落=被害」なんて固定的な考え方から脱すると、独自の対応方法を、自らの自由な意思で考えていく姿勢が確立されます。対応は人それぞれ、まちがっても他人に「どうしたらいいでしょうか?」なんて一方的な質問をしないでください。質問するにしても、「私はこれこれ、こういう考え方ですが、意見があったらお願いします」というのが、オトナの姿勢です。

さて、林投資研究所が提唱するトレード手法「中源線建玉法」では、急落に対してどう対応するでしょうか。

「急落」という、あいまいな表現で慌てるなんて、いただけません。
最終的には個人的な感性や独自のルールで対応を考えることになるわけですが、その前に、中源線そのものが確固たる判断を下します。

急落したといっても、中源線が「陰転」と判断しなければ、買いポジションを維持しますし、売りたくないと思っても中源線が「陰転」と判断したら、ポジションをドテンします。

切って休むという選択肢はあっても、売り買いを逆にする選択肢はありません。
2人の船頭が「右」「左」と対立したら、船はいずれ事故を起こして沈みます。

ただし、仕掛けは3分割、急落の度合いが大きかろうが小さかろうが、背景がどうであれ、常に原則通り3分の1から仕掛け始めます。
混乱の要因となり得る「例外」は設けないのです。

大切なことをつけ加えておきます。

中源線の判断がピシピシ当たるということではありません。
いわゆる“勝率”は、50%を割り込みます。
そのかわり、損を抑えて利を伸ばす「損小利大」を実現するためのポジション操作が組み込まれているのです。

とにかく、「どうしよう……」とフリーズする愚だけは避けなければなりません。
未来のことがわからない中で対応する、“次の一手”を打つ、それだけです。

実例でチェック!

中源線の実例を挙げて、「急落時の対応」を見てみます。
まずは3銘柄、いずれも2016年11月、米大統領選のタイミングで急落した場面を、赤い丸で囲んであります。その部分も含めて解説します。

 

6135牧野フライスは、11月9日の急落前にいったん陰転し、翌日の急騰で陽転、そのまま2017年3月までしっかりと上伸しています。

2017年3月後半に陰転し、4月半ばの安値から切り返して陽転。結果として、直近の売り仕掛けでは利益が出ていませんし、3月以降は心地よいタイミングで転換しているとはいえませんが、確固たる判断基準をベースに決めた通りの対応が実現しています。

 

6302住友重機械工業は、2016年11月9日の急落時、少し前に陽転して買い線の状態、急落でも陰転せず、そのまま買いポジションを持続する結果となりました。2017年3月以降の流れは、前述の牧野フライスとほぼ同じですね。

 

8087フルサト工業は、2016年9月に上放れて上げトレンドに移行しています。
この9月の陽転では、直前にいったん陰転していますが、こういった場面で、中源線の3分割がうまく機能します。この陰転で買いポジションをすべて手仕舞いし、ドテン3分の1売りを仕掛けますが、すぐに切り返して陽転したところは中源線の「再陽転」というルールに当てはまるので、1単位を踏んでドテン「2単位」買うという対応を行います。

そして、2016年11月9日の急落でも、同じ展開が再現しました。
陰転して、ドテン1単位カラ売り、切り返して再転換、1単位のカラ売りを踏んでドテン2単位買い、という流れが生まれました。

値動きの中を泳ぐ、相場を張るという雰囲気を強く感じる、プロっぽい対応です。

機械的に判断するため、「納得いかないなぁ」と感じるケースもある一方、こういった急激な変化、裁量だけでは素早く対応できない場面で助けとなるのが、中源線建玉法の特徴、実に面白いと感じる部分です。

さて、相場の先行きを見通すことは難しい、いえ、不可能への挑戦としか思えません。だから、大きな流れを観察しながらも、その場その場で確固たる判断を行い、その判断に従って行動しなければなりません。

必死に考えて「今回は特別か……」なんて思い悩んでも、的中率を上げることができないのが現実です。だから、決めた通りに行動し、ルールそのものを見直すときは、ポジションゼロの状態で“立ち止まって”考えます。

こうした行動スタイルの確立が、「経験の蓄積」につながります。

しかし、思いつきの行動を取ったり、瞬発力に欠けてフリーズしてしまうと、「負の感情の蓄積」によって「恐怖心を増幅」させるだけの結果を招くのです。

次回のフォローアップ(2)では、少し俗っぽい路線に傾け、「今後の動きを考える」というテーマを掲げたいと思います。
お楽しみに!


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順張り逆張り(2)

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連載「トレード哲学」……5
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知り合いが、駅に行くのが早すぎたと嘆いていました。
そのまま電車に乗って、途中か目的地近くで時間をつぶせばいいと思ったら、始発電車の1時間前に駅に着いていたそうです……早起きですね ^^

「順張りで買ってヤラレた。順張りはダメだな」
こんな言葉を聞くことがありますが、観点がズレている気がします。

順張りはダメ、逆張りしかない、
上がってきたところで買うのはよろしくない、
下げに買い向かう逆張りだ!

こういう論理だと思うのですが、
下げ過程で買い始めようが、上げ始めてから出動しようが、
買い戦略の狙いは同じ「上げ波動に乗ること」です。

上記の「順張りはダメだから逆張り」は、
さんざん上がって高値圏で買いついたことが敗因、
あるいは、仕方がない見込み違いだったと考えるべきでしょう。

順張り、逆張りという“玉の入れ方”とは関係ないはずです。

状況を整理します。

  1. どこまで下がるか(上がるか)は常に不明
  2. だから、ポジション操作の基準として「予測」を立てる
  3. 波のすべては取れない(値幅の半分を取れたら超大成功)

こんな前提で、
「そろそろ底だ」(と予測して)買い始めるのが逆張り(先号)
「上向きになった」(と予測して)買うのが順張り
です。

順張りを好む人の論理は、次の通りです。

逆向きの電車には乗らない
いつ動くかわからない電車にも乗らない
動き始めた電車に飛び乗ろう

順張り、逆張りのそれぞれに、一長一短があるわけです。
それを認識したうえで、好みの方法を選びます。

「当たるか」「儲かるか」を一概に論じるのは誤りなのです。


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順張り逆張り(1)

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 連載「トレード哲学」……4
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毎日、何かしら文章を書きながら「休みたいなぁ」などと思いつつも、言葉の面白さを考えていると本当に飽きません。

大和言葉の「花を愛でる」(めでる)──実に美しい表現だと思います。
最近は「チョーサイコー」なんて軽いノリで言葉を交わし、それはそれで軽快感があっていいのですが、「このうえなく」なんて使うと、とても上品ですよね。

日本語の面白さは、数々の言葉遊びにも見受けられます。

「さぁ、はった、はった!
 はって悪いはオヤジの頭、はらなきゃ食えない提灯屋だ!」
(家長の頭をたたくのは言語道断。でも、提灯屋は“はる”のが仕事)

博打場の口上です。

大和言葉から“このうえなく”チョー庶民的な話題に移ってしまいました……。
博打だけでなく、相場でも「張る」という言葉を使います。
「あの人、張るよねぇ」とは、「大きなポジションを取る」という意味で、「マネできない」とか「危なっかしい」といったニュアンスを含みます。

このような表現を使うのは、さすがに古い業界人だけかもしれませんが、「順張り」「逆張り」などは、現役の相場用語です。

「プロは逆張り」などというのですが、この表現の通りに行動してケガをするケースが多いと感じます。どんどん下がる過程で買い下がり、買い値を安くする狙いとは裏腹に、単に“逆行するポジション”をつくってしまう失敗です。

逆張りとは、
 「そろそろ下げ止まり」と判断し、
 丁寧かつ計画的な分割売買を前提に
 少し早めに買い始めるテクニック
です。

では「順張り」とは?

次の号で、詳しく説明します。

相場の“ミス”とは?

何でもマジメがいちばん!
でも、ヘンにクソマジメでは、バランスを欠く場合があります。
誰でも間違いを起こします。いちいち自分を責める必要はありません。
私は、社内で自分のミスを指摘されると、「そうか! 気づくようになったか」と答えます。はい、スタッフ教育の一環なのです。

相場では、どうしても「予測」に意識が向きます。

「あ~、あそこで買いだったんだ」
「売っておけばよかった……」
「売りじゃなくて買いだった~」

でも、こんなことの連続が実は「平時」。
ピシピシと当たっているときこそ、落とし穴に警戒すべきです。

人によっては、「ミスばかりだ」を口癖に、自分を奮い立たせようとします。
それはそれで、バランスが取れていればいいのですが、「いつも通り、うまくいかないなぁ」くらいに軽く流すことも必要ではないでしょうか。

相場のミスは、見込み違いではありません。
見込みは常に外れる……これくらいのイメージをもち、
「当たりも曲がりも、すべて“たまたま”の結果」
と考えるくらいが、淡々と続けるうえでのバランスだと考えます。

でも・・・
“たまたま”の当たりを利益にするのがトレード。
“たまたま”の曲がりの損を抑えるのがトレード。

すべては、値動きへの“対応”です。
本当の相場のミスは“対応”が足りないこと、居過ごし、フリーズ、先送りです。

4月10日放送のフォローアップ(3)
林 知之

値動きの中を“泳ぐ”ための実践論

「手法をもとう」と努めても、つい「当てよう」としてしまうのが人間の心理──売買に必要な“合理性”をつくり上げるのは、正確な知識と正しい認識です。

2017年4月の放送では、「うねり取り」を実践するための適切な考え方を整理しました。キーワードは、「ツール」「手法」「予測」「ポジション操作」等々……脳内をスッキリさせ、ブレない姿勢をつくってください。

映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第106回 うねり取りのツールを考える ~中源線シグナル配信~

予測はキッカケだ

おさらいとして、「予測」と「勝ち負け」についてまとめます。

『勝率を高めることも可能』
『しかし、“高い勝率=利幅を伸ばせない”が原則』
『高い勝率で一定の利益を上げる方法はかなり特殊』
  ↓  ↓  ↓
『一定の頻度で出動し、“当たり外れ”を受け入れる』
『そのためには、ポジション操作による対応が重要』

多くの一般個人投資家は、「当てる」ことに固執しすぎです。

真剣に予測するためには「当てよう」という気持ちも必要ですが、「曲がる(予測が外れる)こともある」「嫌になるほどの連敗だってある」という現実に合わせ、プレーヤーとしての“対応”を考えるのがトレードの王道です。

こういった発想が生まれると、「予測」というものの重要度、というか“位置づけ”が変わってきます。「当たらないとダメだ!」という強迫観念にせまられ、外れたときの悲壮感が漂っていた状態から、「予測は行動のキッカケでいいのかな」くらいの、ラクなイメージに移り変わるわけです。

カネのことだから、真剣でなければいけません。
でも、眉間にシワをよせて考えたって、明日の価格を知ることはできません。

だったら、適度にチカラを抜いて、ちょっと笑顔を浮かべる余裕があるくらいのほうが、実践者としての能力を十分に発揮できるはずです。

予測はトレードをスタートするキッカケにすぎない──。

ナチュラルな思考で、自然体の構えをつくるのが正解です。

分割売買が手法の原点

林投資研究所のオリジナル単行本、『相場技法抜粋』の一節を引用します。

市場における価格の波は、景気の波を先見するものである。
だから、少なくともわれわれのように売買で儲けようとする者にとって、景気の読みは関係ない。また、価格に影響を与えるさまざまな要因について影響の仕方を読み切ることなどできないから、価格の波そのものを直接的に考え、売買の技術で対応していくしかない。その具体的方法の第一歩が、分割売買なのである。
(『相場技法抜粋』抜粋12「分割売買は技法のはじまり」より)

デイトレーダーによる超短期の売買は、仕掛けも手仕舞いも極めて単発的になります。でも、ある程度の期間を見据える一般の投資家には、時間的な余裕があります。

だから、“一点狙い”をしてはいけないのです。

「今がドン底だ!」
「この急騰で大天井だろう」
「いよいよ上がり出す。このタイミングで買わないでどうする!」

いやぁ、こんな発想と思い切った行動が、トレードの醍醐味のように思われているのですが、ちょっと、映画やドラマの見すぎという感じです。

パッと行動すべき状況もあります。
でも、ほとんどの場合、少なくともポジションを増やしていく「仕掛け」に関しては、ズバッと行動しても、いいことはありません。

チョロッと買う、「いいかもしれない」とチョロッと買い増しする。徐々に確信が強まったら、またチョロッと買う……事前に計画した株数をそろえるまで、あえて時間をかけるのです。

すると、素直で冷静な“対応”をする、理想のカタチに近づきます。

やみくもに手数(てかず)を増やすのではありません。
いつでも引けるようにしておく、「ヤバい」と感じたらサッと撤退できるように備えておくのです。

映画やドラマに毒された人は「みみっちい」と笑いますが、サイアクのことを考えつつも前に進むというのは、プレーヤーとして堂々たる態度ではありませんか。

「迷い」を絶て!

私のオフィスには、個人投資家が相談に来訪します。
その中には、次のように言う人がいます。
「悩みが増えてしまいました」

私は、次のように答えます。
「話し終わったら、“悩み”がさらに増えているでしょう。でも、“迷い”を激減させて帰ってください」

マジメに考えるほど、悩みは増えます。
おそらく無限に・・・

だって、「せめて明日の価格を知りたい!」と切望するものの、ぜったいに知ることができないのですから。そんな悩ましい状況に四六時中いるのが、私たち投資家、トレーダーという人種です。

結果的に、経験を積めば積むほど、悩みは増えていきます。
ひたすら積み上がっていくのです。

しかし、プレーヤーとして“決断”する場面は、休みなく訪れます。

買いポジションを抱えながら「弱いなぁ。。。ちょっとマズいかも」と思っているのに、「ここは様子見だ!」なんて強がる人がいます。

それは「様子見」ではありません。
次の一手を見失うだけの「先送り」です。

ポジションがゼロの状態で「買わない」と考えるのも、大きな決断です。

たっぷりと持っている買いポジションについて「まだ売らない」というのは、「持続」の決断です。

こうして「決断」を連続させながら、その決断の方法について日々、思い悩むのです。そんなカオス(混乱)な状態に身を置きながらも、ブレてはいけないのです。
相場の世界は、非情なのです。

カオスを真のカオスにしない──これがプレーヤーのシゴトです。
「悩み」と「迷い」の区別がつかないほどの混乱に陥らないようにするためには、2つのポイントがあると考えます。

ひとつは、トレードを抑えることです。
数量、頻度、銘柄数、銘柄の範囲、やり方……どれをとっても“やりすぎ”なケースが目立ちます。

もうひとつのポイントは、極めてシンプルなルールを決めることです。

上記の2つは密接につながっていますが、それぞれの観点から見直してみると有効ではないでしょうか。

さて、番組で継続的に紹介している手法「中源線建玉法」は、これら2つのポイントをムダなく押さえています。だから、“練習の道具”として有効なだけでなく、“本格的なトレードツール”としても認められるのです。

これが、私が中源線をおすすめする理由です。
では今回も、実例を挙げて、中源線の転換を確認しましょう。

ファーストリテイリング(9983)は、2016年12月30日、大納会の下げで陰転しました。

2016年12月末時点の状況をフル機能で見ることのできる「シグナル配信試用版」は、期間を延長して公開中閲覧はこちらをクリック!

その後、どうなったか・・・
年明け以降、放送の直前(4月7日)までのチャートを見てみます。

前回(フォローアップ第2回示した青山商事(8219)も大納会で陰転したものの、年明けにダマシの陽転をみせました。しかし、ファーストリテイリングは、大納会の陰転が見事に的中してガクンと下げています。勝ちました。

ところが……2月に入って、ダマシの陽転、ダマシの陰転と往復ビンタを食らいます。また、最後に陽転したのに弱含み、という状況です。

番組では、私と大橋ひろこさんで次のような会話を展開しました。

林「陽転したのに弱含みでしょ?」
大橋「これ、買いたくないなぁ。。。」
林「むしろ、“陰転したら売り”ってこと?」
大橋「陰転したら売りで取れる……そんな気持ちで準備できますかね?」

私たち2人の会話は、実践者の素直な感覚によるものです。
でも、ほかの実践者が「いや、陽転しているんだから、強張る場面を待つんだよ」と発言したら、それを否定することはできません。

中源線に限らず、何らかの方式を利用してトレードを行う、自立した投資家として決断を下す、番組のテーマに掲げた「ツール」として使いこなすとは、どういうことを指すのか──次項で、総まとめを行います。

迷いゼロ! プロの思考とは

番組でも話した通り、中源線であれ何であれ、売買するための“ツール”です。
軽い表現を使えば、「単なる道具」です。

当たるかどうか、勝率は何%か……そんな視点はヤボなだけ、自分にとって真の利益にはなりません。

第一に大切なのは、そのツールを「深く理解する」ことです。
だから、ルール(売買ロジック)が未公開のものは、利用価値がないとは言いませんが、“ツールとして使いこなす”レベルへの到達は望めません。

私が中源線の説明に時間を割いている理由は、ここにあります。

  1. まずは、中源線がどういったものかを理解してもらう。
  2. 次に、自分に「合うかどうか」を落ち着いて考えてもらう。
  3. 「やってみよう」と思ったら、ルールを覚えてもらう。
  4. 同時に、「ツールとして使う」発想をもってもらう。

こうして、ゆとりをもって取り組んでもらえるように努めています。

ものごとを順序よく学んでいく、そして“自分のもの”にするのは、実に当たり前のこと。それなのに多くの個人投資家は、「すぐに儲けたい」「その通りやると儲かるのか?」と“打ち出の小槌”を求めます。

そんな姿勢では、インチキな教材にだまされる可能性が極端に高まる……こう心配してしまいます。

しかし、私のようにコツコツと説明する姿勢が一般受けしないのも事実。
いかにして耳を傾けてもらおうかと考える毎日ですが、「まずはこれ」と最も重要な基本を説明すると、「明日から儲かるんじゃないのか……」と、8割、9割の投資家は、その先の説明に興味をもってくれません。

と、私のぼやき、暑苦しいメッセージは終わりにして、チャートの解説と「ツールを使いこなす」話に戻りましょう。

上のチャートは、放送でご覧に入れたものに13立会日分を追加した直近のもの、この原稿を書いている4月27日時点では最新のものです。

私と大橋ひろこさんで「弱々しいね。。。」なんてコメントしていたのですが、放送のあとは落ち着いた小動き、横ばい、そして直近は上向いています。

こうなると、見方はガラッと変わります。
「やっぱり買いか!」

予測なんて、こんなものです。
当たったり外れたり・・・

こうして、“流れの変化”を見ながら対応していくのが現実です。
そのために、「確固たる予測」を立てておく必要があるのです。見通しを変化させるうえでの“大切な基準”です。

「売り」と考えていたところ、「いや買いだ!」と判断をひっくり返すことも日常茶飯事。フラフラとさまようような姿勢はいただけませんが、見通しをサッと捨てて新しい流れについていく“瞬発力”が求められる場面もあります。

また、ツールの特性を知っておくことも不可欠です。
ツールとは、特定の手法、特定の強弱判断基準だけでなく、裁量による自分の行動指針も、広い意味でツールです。

中源線の場合では、中源線のルールを知らずに、「買い転換が当たった」とか「今回は曲がった」と評価して一喜一憂しても、経験としての蓄積はゼロ。それどころか、ヘンな姿勢が染みつくだけです。

トレードにおける、自分自身にあり方、ツールという存在の位置づけ、使いこなすための工夫、等々を、あらためて考えてみてください。

最後は、超シンプルに「売り」「買い」とか「買わない」と決断するのですが、その備えとしてガッツリと考える時間も大切です。

これで、4月10日放送のフォローアップは終了です。
次は、5月8日の夜8時に生放送、「急落への対応」をテーマにする予定で企画を進めています。
お楽しみに!


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4月10日放送のフォローアップ(3)

4月10日の放送内容について、フォローアップ第3回を「週報」に掲載しました。

フォローアップ(1) 「トレーダー必須! ブレないための視点」  4月15日掲載

フォローアップ(2) 「トレードのワナ“勝率”という魔の数字」  4月22日掲載

フォローアップ(3) 「値動きの中を“泳ぐ”ための実践論」  本日掲載

人が陥りやすい誤り

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最近は「バイアス」という言葉がときどき使われます。正式には「認知バイアス」というのですが、「偏り」を意味し、要するに「人が陥りやすい誤り」です。

例えば先進諸国でも、事件の目撃者の証言はかなりの確率で間違っているといわれています。「虚偽記憶」ですね。
新しいものに直面しても以前の考えにとらわれたままでいる「保守性」といったものも、人間ならではのバイアスでしょう。

2003年に起きた韓国の地下鉄火災では、200人もの尊い命が失われましたが、煙が充満する社内に静かに座っている乗客たちの写真が公開されて話題となりました。

経験のない事態に対してスイッチが入らず「大丈夫だ」と考えてしまう「正常性バイアス」や、迷いながらも周囲と同じ行動を取ろうとする「多数派(集団)同調バイアス」といった心理作用があったのだと解説されています。

トレードでも、いや、トレードだからこそ、実践者にたくさんのバイアスが働いているはずです。
冷静に経済行為を進めているとも説明できるでしょうが、金融マーケットで日々起きていることは、異常事態の連続といえます。

大きな期待を抱きながらも、それ以上の不安や恐怖が継続的なストレスとして重くのしかかります。
考える時間が十分にあるようでいて、「明日の価格」という最も知りたい答えには一切近づくことなく決断の時がやってくるのです。

トレーダーの心理作用を専門的に説明する人は多いので、ここではベタな事例を挙げて解説します。「様子見」という言葉がよく使われるのですが、実はこの単語、ひじょ~にキケンです!

一般的なトレーダーが「様子見」と使う場合、つまり、トレード仲間に対して、担当の証券マンに対して、あるいは自分自身に対して言うときは、決まってポジションを持っています。
しかも、そのポジションに「不安」を抱えているときなのです。

不安だ……でも、まだ損切りを決断するのは早い、いや、損切りしたくない……もう少し待とう……「様子見する!」という具合です。

ポジションがゼロ、あるいは極端に少ない状況で「特別な行動は取らない」というのなら「様子見」で正しいのですが、ポジションを持っていて不安があるのですから、ツナギもしない、減らすこともしないという現状維持は「様子見」ではなく、「このままのポジションを継続する」という確固たる決断です。

それなのに、逃避と先送りを正当化するために「様子見だ」とつぶやくのです。
キケンです。

この「様子見」という便利な言葉を最初に使ったのが、市況解説なのか、とりあえず顧客を黙らせようとした証券マンなのかはわかりませんが、いつの間にか多くのトレーダーが“秘密兵器”として使っているわけです。


上記の文章は、新刊『ブレない投資手法 曲げない投資哲学』の一節です。

投資は迷いと決断の連続。

「手法をもとう」「軸をつくろう」「自分の哲学を確立しよう」

こう考えているはずなのに、雑多な情報にまどわされる、
つい計画外の行動に走ってしまう……。

だったら、
ガッツリと『根底の考え方』を見直してみよう、
『おカネとはなにか』をもう一度考えてみよう・・・

これが、マジメな個人投資家に向けた、林投資研究所からのメッセージです。

「基本書」だからこそ、
プロも納得する高い視点で書き下ろしました。

新刊では、行動の土台となるプロの投資哲学を、
「起」「承」「転」「結」
4つの章に分けてまとめています。

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「起」 そろそろ、おカネのはなしをしようか…
 ~投資する前に知っておきたいこと~
「承」 だから相場で損をする
 ~トレードあるある~
「転」 相場は技術だ!
  ~懸命なる投機家になるために~
「結」 確信ある自分流
  ~林投資研究所からのメッセージ~
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4月10日放送のフォローアップ(2)
林 知之

トレードのワナ“勝率”という魔の数字

「手法をもとう」と努めても、つい「当てよう」としてしまうのが人間の心理──売買に必要な“合理性”をつくり上げるのは、正確な知識と正しい認識です。

2017年4月の放送では、「うねり取り」を実践するための適切な考え方を整理しました。キーワードは、「ツール」「手法」「予測」「ポジション操作」等々……脳内をスッキリさせ、ブレない姿勢をつくってください。

映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第106回 うねり取りのツールを考える ~中源線シグナル配信~

勝率が高いと儲かるか

極めて大切なことなのに、多くの人が錯覚してしまうのが、「勝率」という数値です。

タイトルに“魔の数字”と示した通り、誤った認識をもちやすいのです。

勝率が高いほうが儲かる──。
この認識が正しいのか、ということです。

勝ちトレードも負けトレードも「同じ数量」「同じ値幅」ならば、勝率が高くないと儲からない、勝率が高ければ高いほど儲かる、という論理が成り立ちます。
否定しません。

でも現実では、「数量」も「値幅」も一定ではありません。
トレーダーそれぞれの自由裁量によって、大きく変わる部分なのです。

予測の当たり外れは、避けることができません。
「100%当てる」ことは不可能なのです。

もうひとつ大切なのは、
「努力しても勝率を大幅にアップさせることは難しい」
ということです。

ムリに勝率を高めようとすると、以下のような残念な状況に陥ります。

『勝率を上げる=小幅利食いを優先させる=利幅が限定される』
『負けたときの幅を吸収できない』

だから、実践論では次のように考えます。

勝率は50%前後がいい(ムリな狙いを設定しない)
ダメなときの損失を抑える(数量が少ない、値幅が小さい)
“乗れた”ときに利を伸ばそう(数量がある、ねばる)

勝率を求める姿勢も通用する?

前項で示した結論が、「勝率」という数字を捉えるときの原則です。

でも、「勝率を高めて勝つ」方法もあります。
“ある条件”がそなわればいいのです。

ひとつの例は、マーケットでの動きを“常に先取り”することです。
なにか材料が出る、関連銘柄が反応する……この動きを、見事なまでに先取りすることです。
しかし、相当な情報収集力と分析能力、どのような連鎖が起きるかを瞬時に判断し、さらには、ほかのマーケット参加者よりも素早く行動する特殊能力が求められます。

不可能ではありませんが、こんな現実離れしたような成功物語に目を向けず、一般的な人間でも実現可能な“条件”を考えましょう。

ズバリ、「出動を限定する」ことです。

出現する頻度が極めて低い半面「かなりの確率で勝てる」状況を定義し、それ以外のときは一切手を出さない、と決めるのです。

実はこの姿勢、ある意味、トレードの基本です。
やたらと手を出すからヤラレる、のです。

例えば、
『世の中がひっくり返るほどの暴落で買い下がる』
という戦略を考えてみましょう。

ちょっとした暴落でも出動して買い下がっていたら、単に“逆行する”ポジションをつくってヤラレる可能性を生んでしまうケースが増えますが、「5年に一度しかなさそう」なビックリするほどの状況だけに限定したら、高い確率で勝てそうです。

しかし現実では……ガマンできません。
そのほかの状況でも手を出してしまいます。
そこで、もう少し実現性の高い設定を考えましょう。

『年に1回か2回、的中率の高い状況を定義しよう』

これならば、かなり現実的です。
このガマンすらできないのが人間の心理ですが、儲けるには「この程度のガマンはしよう」というのが実践論です。

実は、中源線建玉法も、こういう考え方とマッチするのです。
日足の折れ線チャートでパターン分析し、トレンドのスタートを検出するのが中源線の強弱判断です。
これを、次のように捉えるのです。

「陰陽の転換は、たびたび起こる。でも、裁量によって、いくつもの条件が整ったときだけ出動しよう」

中源線の応用、しっかりした理解が必要な“アレンジ”です。
ちょっと深い話ですが、こんな状況を目指す発想だけは、キープしておいてください。

中源線の哲学

前項では、「出動を限定する」アイデアを紹介しました。
とても大切な考え方です。

でも、予測の当たり外れは避けることができません。
明日の価格さえ言い当てることができない、だったら相場観を捨てて中源線のシグナルに従おうというのが、中源線を利用する際の標準形です。

それなのに、あらためて「中源線の転換について、当たり外れを自ら当てよう」って・・・矛盾してますよね。

取れるチャンスは意外と限られている、だけど「今がそうなのか、ちがうのか」を知る術がないから、まずは手を出しておこう、“その後の対処”で結果(損益)をコントロールしよう──これが、ある意味、実行が容易な『正解』なのです。
だから、「標準形」と示しました。

納得できない場面も多い、でも中源線の3分割と「乗れたときの“ねばり”」で損小利大が実現する──こう考えて、機械的な売買を実行しようという姿勢です。

半分当たる、つまり「半分は外れる」「嫌になるような連敗もある」という現実を受け入れ、ヘタなアレンジをあきらめて前進する、ということです。

難しい裁量を入れない、中源線の判断に従う「機械的な売買」は、この箇条書きの通りです。

  1. 数カ月の上げ下げ「うねり」に乗るために、機械的な判断を行う。
  2. 出動のタイミングは、俗にいう「ブレイクアウト」。
  3. 上げも下げも狙い、ポジションをドテンさせるシステム。
  4. 終値の折れ線チャートで、シンプルに株価の“流れ”を捉えようとする。
  5. 予測を当てようと躍起になることはなく、むしろ“ゆるい”感じ。そのかわり、株価の変動に“順応”するべく「3分割のポジション操作」を積極的に行う。

実例を見ながら、考えてみましょう。

8219青山商事は、2016年最後の立会・「大納会」で陰転しました。
「ここから下げトレンドだ」と、中源線が判断したわけです。


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青山商事が陰転した、この状況を見たら、「下がる」「売りを仕掛けて儲かる」と期待します。当然です。8月の安値から4カ月上昇、最後は11月の陽転から一定の値幅を取っています。その状況での陰転ですから、期待を膨らませるのが人間の心理です。

では、実際にどうなったか──。

チャート上の赤いタテ線から右側が、今年の値動きです。
(放送日の直前、4月7日終値まで)

年が明けてスルスルッと下げた、「年末の陰転は当たったんだ」と思いきや、年明けの反転で「再陽転」したため、1月の下げは取れていません。

そのかわり、3月にかけての上げをかるく取り、その後の陰転で仕掛けた売り玉に利が乗っています。

このように、あとから見ると「ムダな手」と思えることも含めてやり続け、結果をどうにかプラスにしようというのが、現実的な対応の限界です。

“現実”を考えたこだわり

さて、青山商事の例でわかる通り、私たちが抱く「期待」とは裏腹に、いろいろと予測不能の動きをみせるのが株価というものです。期待と現実のギャップを埋めるよう努めるとともに、期待の対象である『設定』にも気を配る必要があります。

林投資研究所の「中源線シグナル配信」では、過度な期待を生むような説明を避けるだけでなく、自ら使うことを前提にした安心できる設定を心がけています。

同じ売買ロジック(ルール)でも、設定によってパフォーマンスは変わります。

図の上部の「安心」は、

『突出した利益はない』
でも『大きな損失もない』

という設定です。

中源線シグナル配信では、この「安心」な設定に注目しています。

それに対して下部の「不安」は、

『浮き沈みの激しい』

過激な設定です。

ズバッと儲かる期間もある、だけど大損する期間もある、ということは、未知の未来に向かって実際にポジションを取った場合でも同じように、激しい浮き沈みがありそうだ、ということです。

このうちの“浮いている”部分、つまりガバッと儲かった時期だけを取り上げて「実績」だと宣伝しているものが、世の中には多いのです。

“勝率”という魔の数字で錯覚を抱かないよう、注意してください。

次回のフォローアップ(3)では、「予測」と「分割売買」について、プロの哲学を説明します。
お楽しみに!


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※「研究部会報」および「中源線シグナル配信」は、林投資研究所が行っている投資助言サービスです。契約にあたっては、林投資研究所が交付する「契約締結前の書面」をよくお読みください。