6月12日放送のフォローアップ(2)
林 知之

分割売買の効果

「予測が当たれば儲かる」と、多くの人が先行きを読もうと努めます。
でも実際は、頑張っても当たったり外れたり……。

実践派は、真剣に予測を立てるものの、それに固執することなく、「流れについていこう」とします。

6月12日の放送では、予測不能の株価変動への“対応”、必然となる分割売買の考え方と実際を解説しました。

映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第110回 中源線は“分割売買” ~建玉操作で“うねり取り”を実現する

自らの手で“結果”をコントロール

「売買には分割が必須」
「分割売買が技法の要件」
私はこのように述べ、分割売買を提唱しています。

しかし、反論もあるでしょう。

「分割に注ぐエネルギーで、より精緻な分析に努めるべきだ」
「真剣に分析するのだから、売買のタイミングも絞り込めばいい」

なるほど、一理あります。
「分割そのものが、林が指摘する“カッコいいワザ”“不要な行為”ではないか」ってことですよね。

しかし、私の主張の前提は、「ものごとが計算通りに進まない現実」です。

例えば、スポーツの世界に、「イップス」という、やっかいなシロモノがあります。
メンタル面のよろしくない作用によって、体を動かせなくなる、体がスムーズに動かないという“病気”です。

練習ではスムーズにできる、しかし本番でダメになる・・・

例えばゴルフは、ボールが止まっていて好きなタイミングで打てばいいので、症状が顕著になりますが、イップスはあらゆるスポーツに存在するようです。
私はほとんど見ないので知りませんが、テニスのシャラポワ選手がイップスで苦しんでいるとか……。

トレードには肉体的要素がないのですが、メンタルの働きは同じです。
「こうするんだ」というやり方を知っているうえに、理論も経験も十分なのに、肝心なところで脳がブレーキをかけてしまう……正確には、感情を伴う複雑な記憶が作用して「脳と心」がヘンな命令を下す、ということでしょう。

こんな現実を考えると、表面的な理論の限界は意外と低いと考えざるを得ません。

また、分析と研究にエネルギーを注いでも、長い時間を割いても、先行きを当てる能力は大きく上がりません。マーケット参加者全員が、ほぼ同じ条件で「当てよう」と競争しているからです。つまり、努力しても、予測の的中率はわずかな上昇しか望めないという現実があるのです。これも、「予測」よりも「対応」に力を入れるべきだと考える根拠のひとつです。

結局は、それなりの確率で曲がる(予測が外れる)ことを前提にするということです。

少なくとも勝率100%でない限り、負けたときの金額を抑える努力は欠かせません。
99連勝しても、それまでの勝ち分をつぎ込んだ100回目の勝負で大負けしたら・・・

資金が大幅に減って物理的に厳しい状況に追い込まれる、あるいは、大きな負けで精神的にダメージを受け、イップスどころか再起不能になるといった“激ヤバ”な状況だけは、なにがなんでも避けなければなりません。

しかし、そんな厳しいことが起きてしまうのが、株式市場の現実です。

もう少し軽いダメージのほうが、想像しやすいでしょうか?

▼ちょっと株数が多いために、「あれ、ダメかも……」と感じながらポジションを維持して、結局は損切り……株数を抑えていれば、などと後悔する。

▼株数は多くないけど、損切りが遅れて放置した結果、まあまあの値幅のヤラレ……ダメ玉の維持に長い期間とエネルギーを費やし、ほかのチャンスを逃してしまう。

小さな悪循環でも、蓄積すると、かなり大きなマイナスとなります。

躊躇(ちゅうちょ)せずに行動する、ポジションを維持するべきときはジッとする。
こういったメリハリをつけ、株価そのものはコントロールできない、予測の的中率もままならない現実の中で『結果をコントロールする』するのが、実践家の狙いです。

それを可能にする、いや、どうにか実現するための工夫が「分割売買」なのです。

当てようと躍起になっても、なかなか当たらない。
だから、真剣な予測で「売りか買いか」を決めて行動しながらも、その後の値動きに応じて予測を変化させる、その変化をポジションに反映させる“対応”が重要です。そのためには、「分割売買」が不可欠なのです。

一点狙いの危険性

すでに前項で述べましたが、狙いすまして「よしここだ!」という“一点狙い”は、なにかとギクシャクした状態を生みます。柔軟に対応する姿勢が、どうしても薄らいでしまうのです。

2016年11月、米大統領選の時の値動きを思い出してください。

「トランプ氏が当選することはないだろう。彼が大統領になったら、株は暴落する」
こんな観測が広がり、実際にトランプ氏が優勢との情報に反応するかのように11月9日、日本の株は大きく売られました。しかし、日本時間の夜、ヨーロッパ時間、アメリカ時間と進むうちに日経平均先物は逆に大暴騰。翌日からは、日本株の上げが加速しました。

決め打ち、一点狙い、気合いを入れた予測、自信たっぷりの読み……これらには「当たったら気持ちいい」という期待があるだけで、実際に当たってもカンタンに大きな利益につながるわけでもないし、当たらなかったときは対処が遅れます。

最初から、当たったり外れたり、まあ予測なんてそんなものだ……とユルいくらいの構えでいるほうが、素直な対応を実行できるというもの。

だから、『分割売買』なのです!

好循環を期待するな!

ものごとには必ず、好循環の時期と悪循環の時期があります。

なんだか知らないけどうまくいくときもあれば、それほどヘタを打っていないのに結果が出ないなんてときもあるわけで、運というか巡り合わせというか、どうしてもコントロールできない、読むことのできないブレがあるのです。

相場の予測がかなりの確率で当たるのなら、不測のブレが影響する度合いも小さいのですが、当たったり外れたりなので、ブレまくります。

だから、ビギナーズラックで大儲けとか、迷いながらモタついたら評価益が大幅に膨らんで大成功、なんてことも起こるのです。

好循環と悪循環、どちらもあるんだと考え、好循環のときはガンガン攻める、悪循環のときはお茶をにごすようにガマンする……一定の経験があれば、こういった発想をもつでしょう。

でも、「好循環のときは……」との発想に、警鐘を鳴らしたいと思います。

たしかに、「取れるときは取る」というイメージが大切です。
悪い玉は早めに切り、良い玉はさっさと利食いせずにねばるのが正しい考え方です。
でも、いわゆる「好循環」のイメージは、たいした流れでもないのに期待を膨らませてしまう状態、おかしな妄想だけで行動してしまう過ちを招きます。

さて、今回のテーマである「分割売買」は、こういった好ましくない過度な期待を、そもそも発生させないための工夫、“安定”と“安全”を第一に考えるプロのワザなのです。

ドラマチックな売買なんて、ふつうはありません。
あったとすれば、「あぶなかった」という反省すべきケースです。

めいっぱい買ってギリギリまでねばり、大暴落直前で売り抜けた……カッコいいトレードではなく、あと少しで息の根を止められるところだったと猛省すべきです。

プロのワザというものは、ものすごく地味で、説明しても「おぉっ!」と感じてもらえない、だけど、それなりの経験と大きな覚悟がなければ実行できない行動です。
値動きを見ながら、それなりに手を出し、しかし絶対に大負けしないギリギリを進む、意外な“スゴワザ”なのです。

中源線の3分割

さて、「プロの対応を実現する」と説明している中源線建玉法。
その3分割の売買を、詳しく説明しましょう。
あらためて、中源線による3分割売買の流れをご覧ください。

中源線は、終値を結んだシンプルな折れ線チャートのパターン分析で、トレンドを判断します。「上がる」と予測して買うか、「下がる」と想定して売るか、つまり、強弱の判断を最初に行います。

そして、上がると予測しているときは、終値と終値を赤い線で結びます。
これが「買い線」です。

しかし、下げを想定した場合には、黒い線で終値を結びます(売り線)。

この判断基準が、明確にルール化されているのです。

図は、買い線からスタートしています。

途中、弱い動きになったところで中源線が陰転、買いポジションを閉じて1単位(計画の3分の1)を売り建てします。

しかし、再び強張ったところで陽転、1単位のカラ売り玉を手仕舞いして、こんどはドテン買いに回ります。でも、まずは1単位だけです。

押し目で、1単位ずつ増し玉して、計画の総量である「3分の3」までポジションを増やします。その状態で、狙い通りに上がり始めた、という流れを示しました。

陰陽の転換、増し玉を始めるかどうか、どのタイミングで増し玉するかなど、すべてのアクションがルール化されています。そのため、状況によっては人間の感覚に反した判断が下されますが、重要なのは「確固たる判断と行動指針がある」という部分です。「どうしようかなぁ……」と迷ったり、「このままでいいかな」と甘い考えで先送りするといった不安定な対応は絶対にあり得ないのです。

必ず明確な答えを出し、その答え通りに行動することになるので、損失がどんどん膨らんでしまったり、行動できないままフリーズした状態に陥ることはありません。

また、人間の感覚だけでは行動に踏み切れないケースで「買え」「売れ」と、中源線が強みを発揮してくれるケースも少なくないのです。

予測が当たり外れする実際

実際の中源線チャートを見ながら、分割売買の様子を確認しましょう。

8614東洋証券は、取ったり取られたりで、現実の相場を見るうえでニュートラルな素材ではないでしょうか。ちなみに、金融株は全般に、突飛な動きをすることも多く、例えば銀行株は中源線との相性が悪いのですが、証券株はまずまず手が合うようです。

2016年11月からの上げは、見事に取りました()。
しかし、その後は取れていません()。

直近では、6月に入ってポンッと上がったところで陽転しましたが、これもダマシですぐに陰転しています()。この陰転は、中源線のルールにある「再転換」です。カンタンに言うと「転換したのに、すぐに逆方向に転換」というケースで、「3分の1ずつの3分割」を基本としながら、再転換は「最初から2単位(3分の2)建てる」と決まっています。

この場合は、買いから売りへの方向転換です。
上がると思って買った(1単位)、しかし再び弱くなったので再転換で陰転……やっぱり下げトレンドが続いていたのか……で、買った1単位を投げるとともに2単位売りにいく、ということです。

裁量で実行するのは難しいかもしれませんが、「こんなときは思い切って行動したいよね。でも、完全な決め打ちはよくないなあ」といった実践家の感覚を、シンプルでわかりやすいルールに落とし込んであるのが中源線です。

次は、7717ブイ・テクノロジーです。
この銘柄については、2017年4月後半に陽転してから1カ月ちょっとで大きく上伸した期間に絞って、ポジション操作を追ってみます。

この間、図中にも示したように、細やかなポジション操作が行われています。
中源線のルールで定められた、ポジションを増減する“対応”です。

    • 4/19 陽転 → 1単位買い → 残1/3買い
    • 4/24 1単位買い増し → 残2/3買い
    • 5/12 1単位買い増し → 残3/3買い
    • 5/16 1単位手仕舞い → 残2/3買い
    • 5/23 1単位買い増し → 残3/3買い
    • 5/24 1単位手仕舞い → 残2/3買い
    • 5/25 1単位買い増し → 残3/3買い
    • 6/08 陰転 → 買い玉手仕舞い。ドテン1単位売り建て

中源線は、転換後に3分の1ずつポジションを増やします。
しかし、利益が伸びたとき(買い線で上伸、または売り線で下落)に、順行線をみて一部を手仕舞いするルールがあります。そのあと、一定の逆行線をみて再び増し玉します。

この、トレンド途中の手仕舞いと再度の増し玉については、「あまり意味がない」との意見もあって議論があるのですが、以下に示すような効果があります。

人間の行動は、偏りがちです。
買って上がったら成功ですが、完全に手仕舞いするまでは終わりません。
よくあるのが、ねばって評価益が膨らんだまでは良好、しかし放置したために利益がしぼんでしまった、というもの。

そこで、「やはり、上げ相場では勢いのあるうちに売り逃げなくちゃ」と考え、その通りに実行してみたら、結果的に上げの初期で降りることになった、「まだまだ取れたのに……」と嘆くのも、相場あるあるです。

天井で売るなんて不可能ですが、「取れるときは取る」と考えて値幅取りに努めることも大切です。大きく動いたときは、だいたい変動値幅の半分取れれば名人級と考えるべきですが、あまりにも早く利食いしてしまった、さらなる勢いがあると十分に判断できた、と反省するケースも少なくありません。

対する中源線は、逆方向の動きを感じるまでポジションを放置します。
その放置の中で、一部手仕舞い、再びポジション増加というアクションを起こすところがミソです。

値動きに応じて行動を取りながらも、芯となる見通しは変えない──まさにプロの姿勢が表現されているのです。

次回のフォローアップ(3)では、中源線の仕掛けに絞って考え、トレードにおける「エントリー」のあり方を深く考えてみようと思います。
お楽しみに!


2017年4月28日発売開始
ブレない投資手法 曲げない投資哲学
~相場に立ち向かうための「起承転結」~
目次などの詳しい情報はこちら(内容のチラ読みもできます)



書籍『中源線建玉法』の「第一部 解説」には、無料配布版があります。印刷版(無料郵送)のほか、PDF版またはeBook版(ダウンロード)もあります。

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脱・相場難民!

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連載「相場のこころ トレードの本質」その27
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難民とは、政治その他の理由で自国を追われた人たちのことです。
その延長で、「ものごとに、ひどく迷っている状態」を指して難民と呼びます。

新刊『ブレない投資手法 曲げない投資哲学』
では、「相場難民」という造語を紹介し、

『迷って思考停止の気配がある投資家』と定義しました。

「相場難民にならないために」という項から、結論の部分を引用します。

「セミナーを渡り歩き、本を読みあさり、頭でっかちになってはいけません。
ひとつの手法を選んだら、それを極めるまで続けること。そのあとで、ほかの手法について学べば、自分の手法のことがさらによく見えてくるはずです」
(引用終わり)

極端な例を紹介します。

おカネにまつわるセミナーがあり、題材となったのは、ベストセラーとなった不動産投資の成功者の本。でも、主催者は、著者の関係者でもなければ、出版の関係者でもありません。その本を“題材”として取り上げただけです。

しかも、セミナーの最後に講師が言ったのは、それまでの話とは関係なく、「これからは、ネットワークビジネスです!」という、どんでん返しのひと言。

なんと乱暴で、大胆な進行!

それでも、「なにかしから、おカネに関する“いい話”はないか」という程度の気持ちで参加した人たちは、ほとんどがその場に残り、怪しげなネットワークビジネスの説明に食いついていたそうです。

そんなバカな話があるか?
よほどのマヌケじゃないと、引っかからないよ……。

こう思うかもしれませんが、私たち投資家のことを素直に考えてみましょう。
のべつチャンスを求め、血まなこになって値動きを見ていると、マヌケな発想で行動してしまう可能性は、いつでも、誰にでもあります。

この怪しいセミナーの話を記憶していて、こうして紹介した、ということは、私にとって完全に無視できない出来事だという証明です。

洪水のように情報があふれる現代において、行動を狭い範囲に限定するのは意外としんどいものです。それなりの“覚悟”が必要です。

ぜひ、自分なりの“覚悟”をもって、投資活動に臨んでください。

勉強、売買、相場談義……自分の中に「芯」があれば、安っぽい詐欺行為に引っかかることはなく、ビミョーな情報も的確に評価できます。

ちなみに、近ごろは、ビットコインなどの“仮想通貨”を利用した詐欺が横行しているとか……。お気をつけください。


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6月12日放送のフォローアップ(1)
林 知之

“真の技術”は古典にあり!

「予測が当たれば儲かる」と、多くの人が先行きを読もうと努めます。
でも実際は、頑張っても当たったり外れたり……。

実践派は、真剣に予測を立てるものの、それに固執することなく、「流れについていこう」とします。

6月12日の放送では、予測不能の株価変動への“対応”、必然となる分割売買の考え方と実際を解説しました。

映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第110回 中源線は“分割売買” ~建玉操作で“うねり取り”を実現する

職人の技“うねり取り”ってなに?

うねり取りとは、銘柄を限定し、数カ月単位の上げ下げを狙うトレード手法です。

短期の売買ではありませんし、ウォーレン・バフェット氏が行う“バイ・アンド・ホールド”の長期投資でもありません。また、有望な銘柄を見つけて入れかえていく“選別投資”とも異なります。

トレードを職業のように位置づけ、狭い範囲だけを見てトレンドを読み、自らの基準でポジション操作を行いながら、株価変動の波を“泳ぐ”技術です。

個人的な感覚が中心の売買スタイルで、実行のハードルが少し高い、説明もやや難しいのですが、それを支えるのが株式市場との“距離”、つまり株価変動を俯瞰(ふかん)する姿勢です。

多くの人が、日々の上げ下げについて理由を知りたいと感じます。
で、どうするか・・・

売買を実践しない経済記者による、取って付けたような市況解説を読みます。
読んだ結果、思考がどのように変化するか・・・

「〇〇だから上がった」「〇〇で下げた」と、常に結論を出さないと気がすまない、誰もがうなずく理由を見つけないと落ち着かない状態になります。

これに対して、真の実践家は、もっとザックリとした捉え方をします。
端的にいえば、「今はトレンドが上か下か」を自ら判断します。

情報の多いローソク足を使わず、あるいは使っても、極めてシンプルな見方をします。

そして、トレンドが上向きならば、たとえ水準が高くても「買いだ」と考えます。
値動きに“ついていく”という、単純な行動を考えるのです。

この単純な行動の“核”となるのが、「先行きを当てようとしない」姿勢です。

いや、当てたいし、当てようという気持ちで真剣に考えないといけないのですが、最初の予測に固執せず、素直に方向を変えていく柔軟な姿勢をもつということです。

相場の“読み”の重要性

値動きについていく柔軟な姿勢──うねり取りは、生き物のように変化する株価に、少し遅れながらも“合わせていく”姿勢を大切にします。

そこで重要となるのが今回のテーマ、「分割売買」です。

「よし、この銘柄だ!」とか「ここが絶好の買い場である」と決め打ちして一点狙いをすると、その予測に固執してしまいます。自分自身を、引くに引けない状態に追い込み、柔軟性を失います。そもそも、「見通しと値動きがズレている」ことに気づきにくくなってしまうのです。

上の図は、うねり取りを構成する要素を、簡潔に示したものです。

赤の2つ、「分割売買」と「試し玉」が重要だというのが、私の意見です。
多くの人が最も力を入れる「読み」(予測)も、「ツナギ」「乗せ」といった、ちょっとカッコいいワザも重要度は低い、と考えているのです。

現在の株価水準を考える場合でも、将来の変動を予測する場合でも、判断や評価の基準はさまざまです。十人十色、百人百様……したがって、最後は「自分がどう思うか」を基準に、エイヤッと行動するしかないのが現実です。

その、自分自身の感覚というか感性を活用する、感じていることと実際のポジションを一致させるのが、“ついていく”姿勢、“柔軟性のある”態度です。

「上がる!」と確信するから買うのですが、一点狙いでバンッっと買うのではなく、まずは最小単位で買ってみて、その後の値運びを受け止めます。そして、「よし、いけるな」と思ったらポジションを積み増していきます。

こうした分割売買を行うことで、攻めも撤退も自由自在、臨機応変に行動できる状況を維持するのが、うねり取りの大切な部分です。

ちなみに、この「柔軟性」は、多くの個人投資家が放棄してしまっていることです。

後悔しない決断と対応

トレードの結果はズバリ、カネの増減……とても生々しいものです。

そのため、つい「当てよう」と意気込んでしまうのですが、当たったり外れたりの現実を受け入れようというのが実践論です。

一般的な現実を考えてみましょう。

テニスプレーヤーは、相手がどこにボールを打ってくるか、何らかの基準で予測しながらも、“どこに打たれても対応できる”ように努めます。

天気の急変、期待外れの状態にも、オトナとして一定の対応をします。

日本の電車は世界で最も正確に運行されていますが、それでもダイヤ通りに動くとは限りません。乗ろうとしたら遅延……とても残念で、ちょっとイラッとしますが、駅員に文句を言っても状況は改善しません。待つ、会う相手に連絡する、ほかの交通機関を利用するなど、オトナの対応を考えます。

トレードは大切なカネのことなので、しっかりと考える結果、考えすぎてしまいます。実は、大切なカネのことだからこそ、日常生活と同じような姿勢で、「対応」を大切にするべきなのです。つい力んで、よけいなことをしている部分が誰にでもあります。

これさえできれば投資家の上位1割

番組で、「トレードの二大要素」という話をしました。
一般的にいわれていることではありませんが、私は最近、この2つを強調して説明しています。

株を「買う」とき、つい、いろいろな理由で銘柄を選んでしまいます。

  • 値動きが面白い
  • 配当利回りが高い
  • ビジネスに将来性がある
  • 好きな専門家がすすめている
  • トレード友だちが買った

範囲ややり方を限定するといっても、「バカのひとつ覚え」と呼べるほど極端では、前述した柔軟性に欠けます。多少の“遊び”は必要です。

とはいえ、だらしがないほど広げて、なんでも買ってしまう、運用というよりも株のコレクションをしてしまう人が多いはずです。

売買は、「売り」と「買い」です。
買い戦略においては、買いが“攻め”、売りが“撤退”です。
2つの行動のバランスがよくないと、ギクシャクしたものになります。

自分がコントロールできる範囲で手を出すのが、「運用のため」に「株を利用」する際の鉄則です。適正な範囲で、「よし、いける!」と確信あるとき、あるいは、確信ある銘柄だけにすれば、手仕舞い(撤退)の迷いもゼロに近づきます。

「確信あるエントリー」と「手仕舞い」、この2つを実行できているか──たまには、こんな観点で自分のトレードをチェックしてみるのも有効ではないでしょうか。試してみてください。

これら2つは、多くの人が実行できていません。
だから、この2つを守ればトレードのクオリティは格段に上がるはずです。
「ウハウハに儲かります」なんてウソは言いませんが、良識あるオトナが常におかしな行動を取ってしまう株式市場では、この2つを守るだけで上位1割に入ると感じます。

シンプルな対応を数式化した中源線

株価の変動をシンプルに捉え、柔軟性を維持しながら確固たる判断を行う。
その判断通りに、きちんとポジションを動かしていく。
これが、うねり取りです。
でも、自由な分だけ、実行のハードルも高いといえます。

そこで、練習ツールとして「中源線建玉法」が有効なのです。

終値を結んだシンプルな折れ線チャートを使い、ジグザグの動きをパターン分析して強弱(売りか買いか)を判断するルールは、経験の多寡(たか)にかかわらず「なるほど!」と納得できる内容です。

しかし、現実の問題として、ピシピシ当たるわけではありません。
値動きの読みに固執せず、ゆらゆらと方向を変える株価に「対応」することが必要です。その対応を実現する「分割売買」まで、中源線ではルール化されています。

わずか3回の分割ですが、十分に「技法」の要素を盛り込むことができ、なおかつ理解しやすく、感覚と一致した状態で利用できるルールなのです。

長く使うツールとしてもバランスよく出来上がっているのですが、うねり取りを練習する道具、「決めた通りに行動する」という最も大切なことを体験・体感するための具体的な理論として、とても価値があるものなのです。

上の図は、中源線の判断によって、買い→売り→買いとポジションを変化させていく過程を示しています。

詳しくは、来週のフォローアップ(2)で説明しますが、「その場では行動できないけど、あとから考えるとこうするべきだったね」という実践者の感性を、そのままシンプルなルールに落とし込んであるので、この部分が納得しやすいのです。
継続して利用する投資家が多い理由だと思います。

さて、実際の中源線チャートを見てみましょう。

4331テイクアンドギヴ・ニーズは、2016年9月に中源線が陽転したあと2倍以上に上がり、2月に陰転したあと3月に戻り天井、そのあと下げ傾向です。

「ほら、当たってるでしょ!」ということではありません。
中源線と“手が合わず”にダマシが出る場面だってあります。

ダマシと呼ぶ動きではありませんが、3月の戻り天井は、中源線を考える、いや、ルール通りに判定する方式を深く考えるうえで、わかりやすいケースです。

2月の後半にガクンと下げところで陰転した、つまり「ここから下げだ」と中源線が判断したので、それまで持っていた買いポジションを利食い手仕舞いすると同時に、こんどはカラ売りを仕掛けます。俗にいうドテンです。

しかし、ドテンして売りに回ったあと新高値を更新したのですから、実践している身としては、おだやかなではありません。
「このまえ売ったところが買い場だったのか……」と悩むでしょう。

結果として、中源線は陽転せずに売り線のまま推移し、そのあと下がったので「当たり」ですが、実際に売りポジションを抱えていたら、高値で戸惑います。

こんなとき、中源線のシンプルなルールが助けとなります。

強弱判断のルールがハッキリしているし、3分割で値動きの中を“泳ぐ”感覚があるからです。資金稼働率を抑えるルールもあるので、一時的な損を「トレードの経費」として受け入れる余裕も生まれます。

ちなみに、この戻り天井に向かう上げで、中源線が「陽転」と判断するケースもあります。ちょっとしたアヤで、答えがちがってくるからです。
でも、その場合は、あらためて下げに向かうところで再び陰転します。

また、今回のように陰線のまま上昇した場合、どこかで中源線が陽転し、ドテン買いという判断が下されます。

こうして、値動きについていく柔軟な対応、予測に固執せずにポジション操作を行うプロの思考が盛り込まれているのが、中源線建玉法です。

次回のフォローアップ(2)では、今回のテーマである「分割売買」について、また別の角度から考えてみます。同時に、中源線の3分割をもっと詳しく解説し、具体的な事例とともに示します。
お楽しみに!


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そろそろ、おカネのはなしをしようか…

本日発行のメールマガジン「1分間の相場実践知識」の内容を、そのまま掲載します。メール配信をご希望の場合、こちらのページからお申し込みください。

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 連載「相場のこころ トレードの本質」その26
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「あんた、年収いくら?」
相場の世界にいる人間は、こんな質問をすることに抵抗がなかったりします。

プライベートについてズケズケと質問するのは控えるとの常識はあるものの、相手との関係が近いとあり得る、世間からはズレた部分があるということです。

答えが「2百万円です」でも「2千万円です」でも反応は同じ……「あっ、そう」。
収入が少ないから不幸とは限らず、高収入でも苦労している人がいます。来年どうなるか、いや、来週どうなるかもわかりませんし……。

例えば、「年間いくらが高収入か」といった尺度は、人それぞれ。
そもそも、「おカネとはなにか?」という捉え方そのものがバラバラです。

トレードの勝ち負けとは無関係のようで、「自分にとっておカネとはなにか」が少しでもあいまいだと、外部の“強い情報”に流されます。

「低金利だから運用を考えなくては」
「株取引をしないと負け組?」
「トランプ氏が大統領になったら株は暴落必至」

何十年も相場の世界にいて、相場が大好きな人たちと接しながら思うのは、多くの投資家が以下の2つ、どちらかに傾いているということです。

Aタイプ──もっと積極的になればいいのに、慎重すぎる
Bタイプ──ムリに挑んで、不要な損を重ねている

Aタイプは“もったいない”だけで、ケガはありません。
でもBタイプは……わざわざ自分からケガをしにいっています。

このBタイプが、意外と多いと感じるのです。
その原因はズバリ、「自分にとっておカネとはなにか」が少しだけあいまい、あらためて考える機会がなかった、ということではないかと……。

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「起」「承」「転」「結」と4つの章に分けてあり、

最初の章「起」は『そろそろ、おカネのはなしをしようか…』
「起」の第1項は『おカネについて真剣に考えてみる』

という構造です。

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たいへん貴重な売買の実記録と、林輝太郎による実践的な解説。
林投資研究所オリジナル(旧書名「株式売買記録と解説」)

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長年続く普遍的ノウハウ、低位株投資「FAI投資法」の原典。
林投資研究所オリジナル

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テクニカル分析の三原則

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 連載「トレード哲学」……11
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「3」という数字は、とても便利に使われます。
仏の顔も三度、二度あることは三度ある、三日坊主、石の上にも三年……犬だって、「三べん回ってワン!」ですからね。

相場用語にも「3」を使ったものがありますが・・・

「三段上げ」「三段下げ」って、数字ではなく雰囲気、「3」という数字の語呂を利用した感がたっぷりとあります。

チャートを見るときの原則として挙げられる、「テクニカル分析の三原則」はどうでしょうか?

  1. 価格はすべてを織り込む(すべての材料は瞬間的に織り込まれる)
  2. 価格はトレンドを形成する
  3. 歴史は繰り返す

「1」は、市場は効率的だという前提に基づいています。
でも、市場が効率的ならばトレンドは起こらないのではないか……こんな疑問も生じます。

実践的に考え、

 チャートを見るときは、値動きを“厳然たる事実”として受け入れる
 しかし、効率的でないためにトレンドが持続する

というのが答えでしょうか。

結局、誰にも明日の価格すらわからないのですから、好き勝手というと語弊があるものの、“独自の考え方”によって「株価は〇〇な動きをする」と想定し、それに基づいてポジションを動かす、ということなのです。

ちなみに、「市場は極めて効率的だ」「技術を用いても平均を上回る利益など得られない」「相場なんてやるもんじゃない」という結論もあるわけで、私たちのように売買を実践する立場からすれば“まちがい”といえますが、それはそれで、そう主張する人にとっての「正解」「真実」なのです。

今後も、思いつく限り、いろいろな哲学を紹介していきます。


2017年4月28日発売開始
ブレない投資手法 曲げない投資哲学
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正解はどこにある?

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 連載「トレード哲学」……10
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たい焼きのアンコは、シッポの部分にまで入っているべきか否か?
こんなテーマで論争したら、それ自体はおもしろいでしょうね。
でも、結論は出ません。好みの問題だからです。

連載「トレード哲学」では前2回で、効率的市場仮説の説明を行いました。
株式市場の価格は効率的か否か、ものすごくカンタンにいえば“予測を当てる余地があるかどうか”について、賛否両論があるということです。

すでに起きているのに一般に認識されていない事実──つまり、明らかに存在する変化なのに、市場の価格に反映されていないこと、故ピーター・ドラッカー氏が説いた「すでに起こった未来」、株価の“未来を考える”視点です。

市場が完全に効率的なら、「すでに起こった未来」はどこにもなく、有望な銘柄を選別して投資する“アクティブ運用”は機能しないことになります。

さて、市場は効率的か否か──連載の先号で書いた通り、実践的な私見を述べます。

『どちらも正しい』、これが答えです。
白黒をハッキリさせる必要はありません。

価格を見るときに「隠された情報がある」と考えると、迷走してしまいます。
現在の価格、これまでの価格推移をすべて疑うことになるからです。
この部分には、「市場は効率的だ」という前提があります。

しかし、100%効率的だとすると、利益を上げるための突破口を見いだせません。

  • 人気の行きすぎ、つまり、売られすぎる場面や買われすぎる状況
  • バブル(市場全体が一定期間、買われすぎる)
  • アノマリー(説明できない季節的な上げ下げや周期的な変動)
  • 突発的な変化

これらを探すことが、ほかの参加者を上回る結果を出す突破口だからです。
市場は効率的か?
学術的な考察も、「仮説」あるいは「主張」です。
実践的には、さらにあいまいにならざるを得ません。

また、「予測をどうやって当てるか」に全神経を使うのではなく、

『独自の仮説に従って売買しながら、値動きに対応していく』
『たまたまの予測的中で、そこそこの利益を確保する』
『たまたまの見込み違いでも、大きな損を出さない』

と考えるのが、林投資研究所が提唱する“相場技術論”の哲学です。

ちなみに、「価格を見るときに『隠された情報がある』とは考えない」という部分は、大切な現状認識です。過去の事実をそのまま受け入れないと、チャートを見る行為そのものが否定されてしまうからです。

連載の次号で説明します。


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日経平均を見るな

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中学生の時、担任の先生が私たち生徒に言いました。
「全員、平均点以上を取るように!」と。

「全員が平均点以上?」
「“以上”はその値を含むから、全員が同じ点数?」
先生の言いたいことは理解しつつも、笑って終わりになってしまいました。
その先生、数学教師でしたしね。

さて、日経平均が2万円乗せと話題になっています。
私自身、強気の見通しですし、資金が流入して株価が上がる明るい地合いを嫌がる理由はどこにもありません。下げを狙う“売り好き”の人だって、上がるほど落差が大きいという計算だけでなく、上げ相場の明るい雰囲気を感じて悪い気分ではないでしょう。
人間の自然な感情です。

でも、常日ごろから私は、多くの投資家が日経平均を気にする姿に否定的です。
先物などで日経平均の上げ下げを狙う場合は別として、個別銘柄の先行指標にもならず、特別な意味はありません。

以下、4月に発行した最新刊から引用します。

◇日経平均を見るな

 投資関連の情報は、ひたすら日経平均を考察します。しかも、チャートのタテ方向のみ、日経平均の「水準」ばかりが論じられています。
 さらには、絶対に結論が出ないにもかかわらず、「どうしたら先行きを当てられるか」という観点が満載……。
 世界情勢が、日本のマーケットにも影響を与えるのは事実。でも、ひとつひとつを考えていたら、体がもちません。
 それに、投資家の不安を“チクチクと突く”ようなメディアの姿勢に振り回されていたら、独立した状態で決断する“プレーヤー”としてバランスが悪いでしょう。
 学校のテストで、英語と数学どちらも50点ならば「平均」も50点です。次のテストで英語が100点になった、しかし数学は0点だった。50点が100点に上がったのも事件ならば、50点が0点に落ちたのも事件ですが、「平均」は前回と同じ50点です。
 「平均点は前回と同じ。特に変化なし」という結論を出せるでしょうか? 否! “個々の点数の変化”こそが問題なのです。
 日経平均は東証一部に上場する約2,000銘柄のうち、たった225銘柄を対象とした単なる平均です。
 上昇する銘柄が多ければ日経平均も上昇するという理解は間違っていませんが、テストの平均点の例と同じく、個々の銘柄のさまざまな値動きが見えることはありません。
 まずは、「日経平均を見る」という、メディアに刷り込まれた視点から脱却すべきです。
 売買の対象とする個別銘柄の動きをストレートに観察し、最も大切な「自分自身の出処進退」を考える適正な姿勢に、自然と移行するでしょう。

『ブレない投資手法 曲げない投資哲学』のコラムより)

新刊『ブレない投資手法 曲げない投資哲学』……地味なタイトルですが、林投資研究所が発する“渾身のメッセージ”です。


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理論か実践か

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 連載「トレード哲学」……9
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夜のクラブで、「フルーツ盛り合わせ、頼んでいいかしら?」というのは、テキトーな料金を乗せま~す、太っ腹でおねが~い、という意味です。
いかにも不合理ですが、そんなことを言うと、粋じゃない、カッコ悪いなんて意見も……あなたの正解は?

前回示した「効率的市場仮説」は、市場に参加する人間が極めて合理的との前提があるようです。それに対して、「いやいや、人間はそんな合理的な判断をする生き物じゃないよ」という反論があるわけです。

心理学、あるいは社会学といった理論が出てきて、例えば「行動経済学」とか「行動ファイナンス」なんて言葉にぶつかります。
このあたりから、考えるのがおっくうになってくるわけです。

細かい要素が、それぞれの分野で少しずつ重なるのでしょうから、学術的に追究しないと理解できない、いや、興味を持続することすらできないのでしょう。

実践論なので、とても大ざっぱにまとめます。

みんなが合理的に行動するから、市場の価格は“あらゆる情報を反映している”、というのが効率的市場仮説。

でも、仮説なんですね。
その仮説に対する反論は、次のようなものです。

「バブルと呼ばれるような極端な上昇相場は、どう説明するんだ?」

たしかに、その通り。

で、よくわからないので「正解さがし」をしてみると・・・

2013年のノーベル経済学賞は、以前から効率的市場仮説を提唱するユージン・ファーマ氏と、批判的立場の行動ファイナンス派ロバート・シラー氏の双方に与えられたというので、結論は、どちらでもいいということのようです。はあ?

しかし、それでは売買の実践で困ることになるのです。
次回は、実践的な私見を紹介します。


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市場は効率的か?

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 連載「トレード哲学」……8
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最も長い和名を持つ魚……ミツクリエナガチョウチンアンコウだそうです。
漢字で書くと「箕作柄長提灯鮟鱇」、頭痛がしてきます。。。

今日は、「効率的市場仮説」という、漢字7文字の言葉を解説します。

「市場が効率的」とはなにか──。
平たく言えば、“すべての情報が現在の価格に反映されている”ということです。

そもそも「仮説」なので、だれも証明していません。
ひとつの“主張”と考えてください。

大筋はこれだけですが、もう少し丁寧に説明しましょう。

私たちは、例えば「この企業は〇〇だから、今の株価は明らかに安い」などと分析して買うことを検討しますが、市場が効率的ならば、そんなアプローチに勝機などない、ということになるのです。

知り得る情報は100%、現在の株価に織り込まれている、と考えるからです。

ややこしいことに、効率的市場仮説には、「ウィーク」「セミストロング」「ストロング」と3つのバージョンがあり、最も強い「ストロング」では、隠れているインサイダー情報までもが織り込まれている、と主張するのです。

ホントかよ、ってところですが、ひとつの考え方、主張、ひとつの理論なのです。

細かい話は抜きにして、効率的市場仮説は、

 頑張って分析しても割高・割安を判別することは不可能
 投資する銘柄を選別する“アクティブ運用”は成り立たない

という主張なのです。


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