11月06日放送のフォローアップ(1)
林 知之

知っておくべき投資家の“うっかり”

為替相場の動向、要人の発言……多くの人が気にかける材料は、カタチのないファンダメンタル分析につながっています。

2017年11月6日の放送では、情報の落とし穴を確認するとともに、中源線の事例をもとにトレードの現実を考えました。

映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第120回 トレードを決する情報とは? ~世間に流されてはいけない~

選挙を境に変化したのか

先日の衆議院議員選挙は、株式市場にとっても無視できないイベント……私は「すべてが価格に織り込まれる」という考え方をもとに材料等の評価をしないのですが、多くの人にとって気になるイベントだったと思います。

でも、「選挙がある」「その前後で株価の流れは?」と単純化したとき、カタチのないファンダメンタル分析に陥るのではないか、しっかりとした軸がない状態でいるからメディアが流す“注目情報”に振り回される部分も生まれる、と考えるべきです。

実際、選挙の結果がどうであれ、上か下かは別として、選挙後に少しは流れが変わるだろうとの認識が広く一般的だったようですが、何も変わらずに株価指数は上値を追っています(この原稿は放送の翌日、11月7日に書いています)。

ほぼ1年前、2016年11月の米大統領選の際は、選挙結果の予測もハズレ、その後の値動きも大ハズレ……そもそも、株価を動かす要因が「選挙だけ」みたいになるのがおかしいのです。

ファンダメンタル分析を否定するつもりはありません。
でも、「人気」という要素を多く含んでいる株価の動向について、ファンダメンタル分析に絞ってアプローチするというのは、一筋縄ではいかない作業です。

決算の数字が良かった、あらためて買われた、その流れが続く──最近はこんな傾向もあるようですが、いつまで続くかわからない“法則”で、平時に戻れば「子どもだましの材料」に成り下がってしまっているかもしれません。

宣伝を兼ねて、私の新刊『凄腕ディーラーの戦い方』(プロのインタビュー集)に登場する証券ディーラー本間忠司氏の言葉を紹介します。

例えば、ある会社について、「M&Aに関して3時から記者会見」というニュースが流れたとします。ふつうは「何だろう?」だけですが、知識が豊富ならば、「子会社の製薬会社が対象で、それを買うのが〇〇社かもしれない」といった推理を働かせることが可能です。
(中略)
材料やニュースは瞬時に株価に織り込まれるといわれますが、その瞬時にポジションを取れば、1番手になる、ゼロ番手になることも可能なんです。私が、実際にやっていますから。
(引用おわり)

11人の実践家が登場するのですが、ひとりずつ人物の説明を加えています。本間氏は、「機能する〝材料張り〟で利益を出す証券ディーラー」です。また、彼の言葉を拾った章のタイトルは「経済を知れば株式市場の動きが読めます」

ケタ外れの知識と経験、最新のニュースを見てサッと行動できる特殊な環境、迷わず動く瞬発力、等々……多くの要素がそろうことで、限定的に機能するファンダメンタル投資を実行しています。また、売買行動の土台となっているのは、新人ディーラー時代に教えられた、「仕掛けて手仕舞う」というイヤになるほど単純な訓練なのです。

ここまでのことをやらない限りファンダメンタル分析なんて機能しない──そう言い切るつもりもありませんが、その場限りの評論的な情報で「売りか買いか!」なんて考えることだけは、絶対に避けるべきなのです。


凄腕ディーラーの戦い方
億を稼ぐトレーダーたち II
林 知之 著
発行:マイルストーンズ/発売:丸善出版
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使ってはいけない表現がある

前項で、「その場限りの評論的な情報」と述べました。
マーケットに関する情報については、本当に無責任だと腹が立つことばかりです。

しかし、根底には構造上の問題があります。
「今日の値動きを解説してほしい」という投資家の需要にメディアが応える結果、取って付けたような後講釈、特別な意見を含まない言葉の羅列が多くなるのです。

投資セミナーで、講師が「銘柄情報じゃないんですよ」という話をしても、参加した投資家の多くは次のように言います。

「よくわかりました! で、ちなみになんですが、先生が注目している銘柄は?」

気持ちはわかりますが、少し勉強してみませんか、と言いたいのです。
だって、そんな安易な姿勢の人が多いということは、少し勉強するだけで優位に立つことができるのですから。

この項の見出しにした「使ってはいけない表現」というのは、安易な姿勢の投資家に迎合した、経済紙の市況解説でよく見受けられます。

多くの人が気にかけている状況、例えば北朝鮮、例えば米国の経済政策などを取り上げた場合でも、ほぼ全員が納得する“無難な”解説をします。きつく言えば、特別な価値をもたない情報です。そして最後に、「今後の動向に注視すべき」などと当たり前のコメントで締めくくります。

株式市場全体の動向について、ちょっと掘り下げないと見えない面白い材料が紹介されていることもあります。しかし、「で、買いなの? 売りなの?」と思いながら読んでいる読者に対して、どっちつかずの言葉で終わっります。
「これによって一段高の可能性がある。一方、○○で資金の動きが鈍れば、織り込み済みで下落トレンドに向かうとの懸念を示す向きもある」

アカデミックな解説のようで、どっちつかず、要するに何も書いていないわけです。

もう少し、ツッコミを入れてみます。

そもそも、投資関連情報には、「商業的強気」というバイアス(偏り)があります。これも、構造的な問題です。

相場なので、上がることもあれば下がることもあります。いわば、常に上げたり下げたりの繰り返しです。でも上げ相場は、市場に資金が流入する、明るい状態です。四季でいえば春から夏にかけて生き物すべての活動が活発になるときです。

加えて、多くの投資家は買いから入り、常に、現物なり信用取引の建玉なりで“買いポジション”を持っているのです。

当然、業者を含む市場関係者にも投資家にも、上げ相場が「良い相場」(だから素直に望むべきだ)という認識があり、自民党政権安泰の株高に期待しています。「とりあえず強気を言えばいい」という感覚に結びつくのです。

これが「商業的強気」です。

すると、投資家に直接のアドバイスをしているわけでもない市況解説に、「上がるのが期待だよね」「下がったら申し訳ない」なんてニュアンスが入り込むのです。

実際に相場が下がると、「利益確定売りで反落」なんて言葉が使われたりします。「売り注文を出した人を対象にアンケートでもとったのか?」と突っ込みたくなるのですが、「あなた以外の人も儲かっています。で、少し売りが増えたんですよ。ガマンしてね」とでも言いたいのでしょう。

「機関投資家の持ち高調整」なんて解説もあります。機関投資家は、それほど機敏に持ち高を増減させないんですけどね。

うっかり受け身の姿勢になると、商業的な偏りのある情報に影響されてしまいます。気をつけなければいけません。

順張りと逆張り

相場はズバリ、カネの問題です。数字で説明できます。
でも、相場用語の多くは、意外と概念的、情緒的です。

株価水準について「このあたりが心地いいようだ」と表現したり、安値圏で変化がある状況について「上がりたがっている」と説明したりしますよね。

よく使われる「順張り」「逆張り」だって、カチッとした定義はありません。
図を示して、実践者の感覚を入れた解説をしてみましょう。

図は、株価が下がって底を打ち、下値を切り上げながら底練りをみせたあと上伸する様子を表しています。

「逆張り」というと、AからBに向かって買い下がることをイメージするかもしれませんが、そんな絵に描いたようなことができるなら、Bでドカンと買って大儲けできます。「買い下がらなければ」とばかり早めにAで買ってしまえば、最安値のBで投げてそれきりになるかもしれません。

状況にもよりますが、「一定の整理の期間が必要」と考え、「底練りの末期にあたるDで買うとスッと上げに乗れる」との認識があれば、慌てて値ごろで買うことは避けられます。

最安値はBですが、ここでまとめ買いなんてムリです。
CからDにかけて仕込めば、安値圏でコツコツ買う立派な逆張りではないでしょうか。

あるいは、Dを過ぎて「動き始めたから乗ろう!」と思い、EやFで買えば、「上げ始めを確認しての逆張り」です。Gで乗せても、ポジションの入れ方としては逆張りです。

なんでも取れる方法なんてあるか!

番組の中でガツンと言ったつもりですが、あらためて、9983ファーストリテイリングのチャートを示しながら中源線による売買の“勝ち負け”を示し、ちまたにあるズルい宣伝文句のカラクリを考えてみます。

※赤い線が買い線(陽線)、黒い線が売り線(陰線)で、それぞれ3分割のポジション操作を行います。

2016年1月からの1年間は、約3カ月で区切ると、「勝ち」「負け」「勝ち」「勝ち」「勝ち(評価益)」という状況です。これだけ勝ちが多ければ、「今後も同じ展開を期待したらダメだよね」と思えるほど見事な成績です。

しかし、さらに「2」の負けている部分を隠すように、「3」「4」「5」だけを見せれば、「勝ちまくっているでしょ?」なんて宣伝文句が成立します。
投資関連情報“あるある”ですよ。

中源線は、上向きの動きで陽転、下向きの動きで陰転を判断するので、一般的には「順張り」と認識されます。したがって、「2」のような中途半端な往来に弱いのです。

でも、実践者には「順張りでも逆張りでもない」という感覚があります。
そんな言葉で分類することに意味はない、というイメージなのです。

変化を見て「トレンドが生まれそうだ」となったら乗る──それだけなのです。

「4」の上げ波動の途中、ガクンと下げて1本だけ黒い線になっている部分があります。米大統領選の結果を受けて1日だけ売られた日です。翌日の上げで、すぐに再陽転したので利益になっていますが、天井とか底とか関係なく、いわゆる「変化点」を見出そうとするのです。

詳しくは来週、フォローアップ(2)で説明します。

同じくファーストリテイリング、直近1年間の中源線チャートです。
ブルーのタテ線が、最初に示したチャートの右端です。

けっこう心地よく取れる動きが続いたあと、「1」から「2」にかけて半年近くも、ただイライラするだけの展開です。でも、こんな結果になることもあります。これが現実です。

このチャートを見せながら、ズルい業者は次のように言います。

「トレンドは、ねばることで利を伸ばします。どっちつかずの往来は、こまめに逆張りで利益を取りましょう」

そんなふうにコロコロと戦略を変化させられますか? ムリです!
そもそも、どうやって「どっちつかずの往来が発生する」と判断するのでしょうか?
無責任ですよね。

次回のフォローアップ(2)では、先ほど予告した通り、「変化点に注目」する実践家の視点を紹介します。題して「ホンモノのテクニカル分析」。
お楽しみに!


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相場が荒れたときの対応

私は、自分で書いた本を読みながら「これ面白いな」なんて、チェックしようと思った部分にとどまらず読み続けることがあります(笑)。
自分で書いたことなので自分の好みと一致する──これが、面白いと感じる理由だと思っていますが、どこかヘンなのかもしれません……。

先日から読んでいるのは、新刊『凄腕ディーラーの戦い方』です。
この場合は、「自分の文章が面白い」というヘンタイ的なノリではなく、登場するインタビューイたちの発言が面白いのですが……。

第一作『億を稼ぐトレーダーたち』に続いて、尊敬できる実践家たちが遠慮なく語っているので、彼らの内面をのぞき見ることができます。

そんな意味で、ぜひ読んでほしいとオススメしているのですが、今回の本には「3・11後の乱高下でなにをしたか」というテーマの特別インタビューが3本収録されています。

原発だけでなく、えもいわれぬ不安感が漂う中、「こんなところでカネ儲けに精を出していていいのか」と自問しながら値を追っていたディーラーが大勢いました。

一方、「荒れ場には手を出さない」とダンマリを決め込んだプロもいました。

どちらが正解か──どちらも正解です!

例えば現在の株式市場を、どう感じるか。
「動きがある=儲けのチャンス」というのは、いかにも安易です。
いつ、どんな手を打っても、結果は当たったり曲がったり……。

自分のモノサシで「いける」と思えば出動が正解、「違和感がある」と思えば手を引くのが正解です。

迷ったら手仕舞い、迷ったら建てないがトレードの基本ですが、「迷うかどうか」の基準が人によって異なるのです。
その人にとって「取れる」と思える状況かどうか、それだけです。

株式市場の現状について、いま一度考えてみます。

「過熱しているか否か」という議論があるのですが、そんな評価など本当はどうでもいいのです。

「暴落はありますか?」「ないと思います」なんて、聞く側も答える側も無責任な強弱論争に毒されてはいけません。

 

経験豊富なプロたちが、リラックスした状態で語る本音、何気なく口にする心の奥底に耳を傾けてみてください。11月15日まで、事前予約(送料無料&優先発送)を受付中です。

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※この連載は、私の著書『うねり取り株式投資法 基本と実践』(2017年新刊、マイルストーンズ)から一部を抜粋したものです。

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  • 坂本慎太郎(Bコミ)──“ちがい”に目を向けるのが株式投資です
  • 田代岳(YEN蔵)──相場は対応力。でも数字を追うだけではない
  • 高橋良彰──不安の中、いつも通りに仕事をしました
  • 村田美夏──(ウルフ村田)トレードすることで人とつながりたい
  • 沼田武──(アンディ)予測を行動につなげる純真さを求めています
  • 田畑昇人──ヒット量産のやさしいトレードが理想です
  • 上島浩司──“災害=売り”ではない
  • 本河裕二──私は張りません。乗るだけです
  • 黒木弘明──平時に戻るのを待ちました
  • 盛田聖一(バルバロス)──行動には理由が必要なんです
  • 本間忠司──経済を知れば株式市場の動きが読めます
  • 巻末対談【イタヨミ流】相場で勝ち続ける投資家の資質(田代岳、坂本慎太郎、林知之)

10月16日放送のフォローアップ(3)

10月16日の放送内容について、フォローアップ第3回を「週報」に掲載しました。

フォローアップ(1) 『情報を選別するプロの姿勢』 10月21日掲載

フォローアップ(2) 『「当てる」ことを放棄してみよう!』 10月28日掲載

フォローアップ(3) 『九十九を捨てる覚悟』 本日掲載

10月16日放送のフォローアップ(3)
林 知之

九十九を捨てる覚悟

日々、目まぐるしく変動する株価。それにまつわる各種の情報……。

良い情報を求めても、なかなか出会うことができません。
観点が定まらない情報、怪しい情報サービスに誘う巧妙なウソ、悪意はないのに害となるダメ情報など玉石混交、上手に選別するのは難しいのです。

10月16日の放送では、「当てたい」と思う気持ちが情報の選別を狂わせるプロセスを確認し、ブレない行動を支えるシンプルな株価観察の実際を説明しました。

映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第118回 投資情報のウソ・ホント ~情報を選ぶ目を養おう~

「暴騰的中!」情報のカラクリ

ストップ高を見事に予測!
倍化銘柄を10銘柄的中させた!

気になる表現の広告を目にすることもありますが、膨らませた期待通りの結果を得られるのでしょうか?

自慢の実績があれば、それを掲げるのは当然です。
とはいえ、しょせんは過去の実績……錯覚に陥ることなく、「どんな考え方に基づいているか」「自分にとって継続的に利用する価値があるか」など、本質的な部分を考えるべきです。

株式市場について、直近数年間の動きをざっくり捉えると……まずは、2013年から上昇基調、といえます。また、2016年夏以降、順調に買われていて、約1年で倍化した銘柄も多数ある状況です。

すると、一定数の有望銘柄を挙げているだけで、例えば「倍化銘柄」の数を誇る実績だって生まれます。ちまたの宣伝文句には、かなり怪しいものもあるということです。

また、「当たった」だけではダメで、実際に「取れる」値動きである必要があります。予測と対応(単純な「維持」も含めたポジション操作)の方法を、どのように設定しているかなど、現実の問題まで落ち着いて評価しなければならないのです。

「表面的な実績自慢はすべてウソ」ということではありませんが、プレーヤーとしては以下の2つを考えるべきです。

『将来的な再現性が、どれだけ期待できるか』
『さまざまな値動きに対して、どんな対応をする手法なのか』

実践家は、「なにを持ち出しても同じ」「どう取り組んだって、長期的な予測の的中率は同じ」と考えます。

根本的な考え方、予測法の基準、そしてポジションの取り方──これらが“バランスよくつながっているか”、そのあとで“自分の好みかどうか”を考えます。

ストレスなく儲けさせてくれる情報なんて、どこにも存在しません。

そこをなんとか、お願いします!

私たちの私生活や一般的な商取引では、交渉の余地があったり融通が利いたりすることもあります。でも、金融マーケットでは、その法則が通用しないのです。

私生活で「18時」と「午後8時」を混同しても、「あれっ、ちがうんじゃない?」「あっ、そうだね。えへへ」で問題なくおわります。しかし、ネット取引では、数量や売り買いの別を間違えたら、そのまま約定されてしまいます。

商取引ならば、「今回は少し安くしてもらえないかなあ」といった交渉が可能ですが、株の場合、「先週まで400円台で買えたのに、今は500円台前半かぁ……」と思っても交渉する相手がいません。

ふだんの感覚を持ち込みたくなるのですが、金融マーケット独特の「ジョーシキ」に“ダイヤルを合わせる”しかないのです。

価格の交渉が不可能なかわりに、銘柄や市場を自由に選べますし、「買うか買わないか」「買うタイミング」「数量」などは、すべて自分で自由に決めることができます。

「そこをなんとか、お願いします!」という浪花節など入る余地がなく、価格はマーケット次第なので、「自分の行動をどうコントロールするか」が課題です。

ちなみに、「指し値注文」という方法がありますが、指し値で数円幅を得するよりも、タイミングと数量のコントロールに神経を使ったほうが、比較にならないほどプラスの効果が期待できます。

やれるものなら、やってみろ!

今回も、中源線のチャートを見てみましょう。

中源線のルールによって、赤=買い線、黒=売り線と強弱判断が発生します。この部分で、いわゆる“当たり外れ”が生まれ、心情的には「当たってほしい」と願うので、見越すことなどできないと知りつつ、気持ちを傾けてしまいます。

この銘柄は、2016年11月から大きく上伸しました。中源線は、この上げをうまく捉えています。そして、2017年3月はじめが目先の天井でズルッと下げ、その過程で中源線が陰転、しかし2017年4月に目先の安値をつけるとグイッと切り返し、4月のおわりごろに中源線は陽転しました。

チャートには、「この陽転はいけるかな?」という、ひとつの感じ方を記しました。特に食いつく気がない人でも、真っ向から否定はしないと思います。

では実際、どうなったでしょう……。

この銘柄は、6135牧野フライです。
中央の紺色のタテ線が、1枚目のチャートのおわりです。
つまり、「この陽転は……」と期待させた上昇はダマシにおわり、次の陽転もダマシ、続く陰転も利益にならず……現在は、2017年9月に陽転して評価益が発生していますが、半年以上の保合は、キモチいい結果がないまま推移しています。

こういう過去の値動きを例に出し、「トレンドが発生したら順張りで乗るのが正解」「保合は逆張りで利益を狙う」なんて解説をする人もいるのですが、そんな器用なことができるのでしょうか。チカラを込めて反論します。

『やれるものなら、やってみろ!』

じゃじゃ馬を乗りこなす?

利益が出ていない投資家ほど、難しいことをやろうとします。
やさしいやり方、確実性の高い手法に興味を示しません。

この銘柄は、範囲の左端、2016年2月は3,000円台の前半ですが、右端の2017円2月は18,000円超。チャートには「軽く3倍」と記しましたが、実は1年で「5倍」ものハデな上げ方をみせているのです。

だから、上げトレンドでは相当な利益が生まれています。
半面、バツ印をつけた箇所に限らず、多くのダマシがあります。

まあ、デッカく動くので、小さいダマシには目をつぶり、大きなトレンドを当てればいいじゃないか──こんな考え方をしてみましょう。

これだけ大きな上げのあと、チャートの右端で陰転しています。
「これから大きな下げか」と考えてしまうのですが……

価格だけでわかったかもしれませんが、銘柄は7717ブイ・テクノロジーです。

陰転のあとは……少しの間、保合が続き、そのあと22,000円を超える水準まで一気に駆け上りました。先行きなんて、本当にわからないものです。
で、「こんどこそ暴落か」と思いきや、何カ月も約2,000円幅の保合でトホホの連敗……。

じゃじゃ馬だけに、トレンドが発生したときは大きな利益を生みます。一方、中源線の弱点が丸出しになってしまう値運びも、非常に多いといえます。

ふつうにハデ好みならいいのですが、ムチャな一獲千金の発想はキケンなだけです。また、「大きな動きは乗る」「保合を見通して避ける」なんていう、“弱点だけを消そう”という考え方も通用しません。

前項と同じように「やれるものなら、やってみろ!」ということです。前述したようにトレードは、「買うか買わないか」「買うタイミング」「数量」などを自由に決めることができます。つまり、ちょっと考えただけでも数十、あるいは百に及ぶ方法が浮かび上がるのです。

その中で、「せめて、2つか3つの長所をあわせもつ方法をつくれないか」と思うのが人情ですが、それもムリ! 百あるうちの「一」を選び、残りの「九十九」を捨て去る覚悟がないと、すべて自由な状況で自分をコントロールしながら決断を継続することはできない──これがトレードの実際です。

プロの技を盗む方法

「おたくは、上がる銘柄を教えてくれるの?」

こんな電話がかかってくることもあり、返答に困ってしまいます。
タイムマシンは持っていません。少しでも未来がわかるのなら、世界中の市場がぶっ壊れるまでシコタマ儲けています。

平均的な投資家の興味は、「なにが上がるの?」「株式市場全体は、まだ上がるの?」といった事柄、つまり“予測を当てる”ことです。対するプロは、「そんなことできない」という前提で、やり方を工夫しています。

だから、プロ同士が「まだ高いかな?」なんて強弱判断に触れるときは、お互いの観測法やトレード哲学を理解したうえで、かるく俗っぽい会話をしているにすぎません。プロが主に興味をもつのは、「考え方とポジションのつくり方を、どう結びつけるか」ということです。

私が、林投資研究所の『研究部会報』に掲載し続けている「相場師インタビュー」は、そんなプロ同士の相場談義、耳を傾けて行間を読むことで、自らの手法を築くエネルギーになるものだと確信しています。

トレードという行為の一部分である「予測法」を聞きかじるよりも、誤解や錯覚を生じることなくプロの領域に近づく情報だと自負しています。

そのインタビューをまとめた単行本の第二弾が、間もなく発行されます。

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前作、『億を稼ぐトレーダーたち』~日本版マーケットの魔術師たちが語る成功の秘密~も、ロングランで売れています。発売いらい、業界内部では好評、一部の刹那的な投資家にはすこぶる不評……それだけ、トレードの本質に迫った内容なのだと自信をもっています(^^)

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これで、第118回放送のフォローアップは終了です。
次回の放送は11月6日(月)夜8時から生放送。今までにないアプローチで相場を考えてみたいと思いつつ、内容が定まっていませんが、いつも通りに気合いを入れてお送りします。
お楽しみに!


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創造を楽しもう!

本日発行のメールマガジン「1分間の相場実践知識」の内容を、そのまま掲載します。メール配信をご希望の場合、こちらのページからお申し込みください。

ゴルフの中級者が、上手な人に質問しました。
「みんな、うまくいくね。面白くないでしょ?」
返事はもちろん、「面白いけど!」。
常に創意工夫を楽しんでいるから上手なのです。

相場の場合は、「最初はうまくいくはずがない」という発想が抜け落ち、いきなりシッカリ儲けようとする傾向があります。
金持ちほど、ちょっと聞いて考えて、ドンッとポジションを取ります。
カネの魔力による錯覚でしょうか、不思議です……。

本日(11月1日)から事前予約の受付をスタートした最新刊
『凄腕ディーラーの戦い方』億を稼ぐトレーダーたち II
には、巻末に対談を掲載しました。
私、YEN蔵こと田代岳氏、Bコミこと坂本慎太郎氏の3人による言いたい放題。

その対談から抜粋します。

坂本──そもそも、ちゃんと試行錯誤を繰り返す覚悟がないのかもしれません。ファンドマネージャー時代の上司から、こんなことを言われました。「20個のアイデアがあって、1つだけ機能したらスゴいことだよ。ふつうは、100個に1個あるかどうかだ」。アイデアを探す努力や試す労力を惜しんで、ちまたの情報に頼っちゃう人が多いんです。

──100個に1個……電球を開発中のエジソンを彷彿させますね。
でも、個人投資家の場合、トレードの研究に費やす時間は限定されるので、ある程度は外の情報に頼ることになります。ただ、広告の出来栄えがいいとか、話が上手なだけでファンを集めているセンセイもいたりして、情報の質を見極めにくいという問題もあると思います。

田代──インターネットのニュースサイトには、信頼性の低い情報がたっぷり入り込んでいるのに、何も知らないまま読んでいる人がいます。

坂本──ネットの掲示板がすべて、なんて人もいます。だから、こういった本、実践家同士の深い会話に価値があるんですよ。
各人のインタビューは、実にわかりやすく、きれいにまとまっているので、やり方を構築するための素材集として使いやすいと思うんです。ただ、淡々と進んでいる分、「今日読んで、明日から儲かる」方程式を探している人は、やはり不満を感じるんでしょうね。
この本をじっくり読んで、正しいゴール設定に取り組んでほしいと思います。各インタビューイの言葉を読み返しながら、自分が取り入れるべき情報をピックアップする、そんな姿勢をもてば、本の代金の数千倍、数万倍、いや、数十万倍の利益を上げることができるかもしれません。

──でも、そういった人たちは、巻末に収録されるこのトークにたどり着く前に、読むのをやめて捨てちゃうと思うんです(笑)。
(引用おわり)

 

この本は、多くの実践家が哲学を披露するインタビュー集、
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『凄腕ディーラーの戦い方』
億を稼ぐトレーダーたち II

林 知之 著
発行:マイルストーンズ/発売:丸善出版
A5判/256ページ/2,200円+税

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トレードの結果は、もろにカネの増減……いきおい、明日から儲けたいと考えるのが自然です。ただ、情報のワナにはまる可能性も高くなるかと。。。

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