相場を“当てる”の正しい意味
相場はつらいよ……日経平均が新高値をつけた直後に、予期せぬ急落。
そんな状況下、中源線による個別銘柄の判断はどうだったか、直近の激しい動きから考えてポジション操作の基本はどうあるべきか──。
2018年11月5日のマーケット・スクランブルでは、直近の乱高下から「適正なポジション操作」を模索しました。中源線の強みが、クッキリと浮かび上がります。
映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第144回 株価急落に対処するトレードルール ~中源線による機敏な判断と行動~)

平均ではなく個別
個別銘柄の売買を考える場合に、どうしても「市場全体」を見ます。
株そのものの人気、市場のすう勢……たしかに見るべき点ではありますが、それよりも個別銘柄そのものの動きが極端なことを忘れずに、情報の組み合わせ方を考える必要があります。
市況解説のように、まずは日経平均の動き、それから個別の動きという順序には疑問が生じます。「株が上がったか、下がったか」という強い情報が先にきてしまうからです。
実際に売買する銘柄の値動き、見込み通りに運んでいるか否か(どんなズレがあるか)を踏まえて、この先の自分自身の見込みはどうか……こんなデリケートな思考を展開するうえで、一般的な株に関する情報は足かせというか雑音というか、ないほうがいい情報なのです。
やはり、便利な分だけ焦点がぼやけるということでしょう。
誰だって独りだと不安なので、「みんなはどう思っているの?」「今日の動きには、どんな背景があったの?」と考えがちです。新聞でもネットでも、多数の投資家が読むものは、そんな不安に上手に応えています。便利すぎてしまうのです。
・今日は上がったか下がったか
(日経平均の前日比)
・その理由は何だったか
(誰もが共感しそうな大ざっぱな背景、時には取って付けたようなもの)
・個別に目立った値動き
(上記、日経平均の動向解説とは関係ない)
あらためて、10月の下げ相場の中で上昇していた銘柄を見てみましょう。



例外のようですが、こういった動きをみせる銘柄もある、というのは事実です。
でも、「こういった銘柄を当てよう」というのは、考え方のベクトルに問題があります。誰も見たことのない未来を当てる──そんなムチャな試みよりも、時間の経過とともに変化する状況を見て、「どう対応するか」を考えなければなりません。
「中源線建玉法」も、強弱の判断をきっかけに行動し、その後の変化に対応するためのノウハウです。

銘柄情報が正しい場合もある
いろいろな角度から、ちまたの「銘柄情報」を否定的に論じていますが、実は、条件が合えば成立するのです。
ファンドマネージャーを想像してください。
広い範囲から投資先を探しますが、プロとして「狙い」はビシッと定まっています。そのうえで、アナリストレポートなど「観点が常に同じ」な情報を、コンスタントに入手しています。個人投資家が、頻度や観点が定まらないまま銘柄情報を目にするのとは、全く異なる状況にあるのです。
うっかり多めに買ってしまって「どうしよう……」なんてことは、あり得ません。このように、すべてが整っていると、「銘柄情報」が、売買活動を混乱させる銘柄情報ではなく、適切に前進させるための大切な要素となるのです。
彼らは銘柄情報を、大切な要素のひとつとして扱います。行動の方向性を変える存在ではないのです。

そして、銘柄情報を疑え!
一般の銘柄情報は、前項で挙げたような条件が整わないことが問題です。
まず、銘柄情報を受け取る投資家の戦略、好み、細かい計画などがユルいのです。この点について、いちいち「大丈夫ですか?」なんて聞いてくれません。「ほら、いい銘柄あるよ!」とグイグイくるだけです。
情報の受け手は、どうしたって弱い立場です。
振り回されないようにするため、かなり強固な姿勢をつくり上げるべきです。
さて、そんな情報弱者、つまり平均的な個人投資家が、つい「おっ!」と感じてしまう情報がよく売れるもの、商業的に“出来のいい”情報です。
準備のない人が見ても、すぐに結論に達するからです。
この点に関して、林投資研究所が自慢できるポイントを簡潔に示します。
いわゆる銘柄情報の排除
「中源線シグナル配信」では、全銘柄について毎日のシグナル(中源線による分析結果)を配信しています。当然、銘柄によるパフォーマンスの優劣が見えてきます。ルールが定まっているために、「相性」の問題が起こるからです。
「中源線シグナル配信」のスタート時、最長31年間の過去データで検証した結果、パフォーマンスが良好かつ安定している(時期によるブレが少ない)ものを100銘柄選び、研究対象の「ユニバース」として、シグナル配信であるにもかかわらずチャート表示機能まで設けました。
この100銘柄が合併などで減って、現在は94銘柄ですが、減った分を補充したりしていません。ちゃんと勉強している人でも、安易な銘柄情報を求めがちなので、新しい銘柄を補充して「スゴい銘柄を入れました!」と宣伝すれば、ビジネス的に響くと思います。補充に値する銘柄もあります。でも、それが利用者を惑わせる可能性があるので、あえて手をつけずにいます。
番組では、数少ない銘柄に限定していますが、プロが必ず行う「定点観測」、つまり、観察する銘柄群を固定する姿勢が重要なのです。
直近のパフォーマンスに焦点を当てない
「中源線シグナル配信」のスタート時に行った検証で「ユニバース」銘柄を選んだのですが、その際、直近のパフォーマンスに目を向けないようにしました。自らが、御法度とされる“カーブフィッティング”に近づいてしまうことのないよう、「今後、安心して使える」という観点を大切にしました。
相場の世界には、シグナル配信のサービスが数多くあります。とくにFXでは、多くの利用者がいるのではないでしょうか。
しかし、それらの中には、直近のパフォーマンスで銘柄を入れ替える業者もいます。表に出ている銘柄は、いつでもピッカピカ! 完全な「あと出しジャンケン」です。未知の未来に向かってポジションを取り、継続的に売買するうえで大きな矛盾が生まれます。
情報そのものは、単なる素材です。
適正につくられたものかどうか、自分に合うかどうかを見極めることが大切なのです。

【定番】定点観測
さて、前項でも重要性を示した「定点観測」を、銘柄限定で行います。
11月5日の放送、およびフォローアップ(1)で、おなじみの7銘柄を紹介しましたが、その後も市場全体が沈んだ雰囲気の中、どんな展開でしょうか。7銘柄すべて、必要に応じて前回のコメントも振り返りながら、もう一度見てみます。
※7銘柄のチャートは、11月20日(火)終値までのもの、コメントは11月21日の午前中に執筆しています。

4331テイクアンドギヴ・ニーズは、「いい感じで取れている」とコメントしましたが、11月中に反発して陽転。しかし陽転後、どっちつかずの展開です。急に、方向感がなくなりました。

5911横河ブリッジHDは、10月の下げで陰転が遅かったのですが、ズルズルと下げて売りポジションにしっかりと利が乗っています。「2,000円は割らないだろう」とか、値ごろで考えてはいけませんね。

7205日野自動車は、陰線のままですが、ガンガン下げる感じは見受けられません。2月から9カ月以上も下げ、整理が進んでいるのでしょうか。前回のコメント「次に陽転したら“こんどこそ”」を継続、といったところです。

7717ブイ・テクノロジーについては、「ほかの銘柄に比べて早いタイミングで陽転」「半年以上におよぶ下げのあと」「おもしろいかも」とコメントしました。とても気になる動きです。

8609岡三証券Gは、「こんどこそ」の陽転(前回コメント)のあと、上げないまでも、弱々しい動きとはいえません。証券株は売り線と買い線が混在している状態ですが、この陽転が全体の戻りをけん引するのか! ちょっと安っぽい観点になりましたが、そんな想像もプレーヤーのホンネといって問題ないでしょう。

9983ファーストリテイリングは、相変わらず、陰線なのに強張った状態でいます。珍しく、中源線と息が合わない値運びをみせていますね。でも、ここから陽転したら、乗ってみたくなる雰囲気です。

9984ソフトバンクも、中源線との相性がとてもよい銘柄です。11月はじめが目先の安値、11月14日の陽転したあとバタバタの横ばいです。12月の子会社上場(携帯電話のソフトバンク)が大きな話題となっていて、どうしても雑音が入ってくる状況が気になりますが、ガクンと下がってからの陽転なので魅力はあります。
定点観測している7銘柄について、ちょっと俗っぽい見方も交えて解説しましたが、こんなふうに同じ銘柄群を継続して観察していると、「ここぞ!」という場面があります。そういった感覚で「当たる」と言いきるのはビミョーですが、確信をもってポジションを取ることで、その後の行動をきちんとコントロールできるという考え方が大切です。
また、「ここぞ!」という遊びは、雑多な銘柄情報をもとに「この銘柄だ!」と飛びつく遊びとは質が異なる、全くベクトルのちがう姿勢だということを、記憶しておいてください。相場を「当てる」といっても、取り組み方でクオリティはピンキリです。

これで、11月5日放送のフォローアップは終了です。
次回放送は12月3日です。内容は未定ですが、やはり直近の値動きを取り上げながら、将来につながる実践的な内容にまとめたいと考えています。お楽しみに!
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