捉え方で視野は広がる

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妹が小さい字を見るときに眼鏡をかけたので「おまえも老眼鏡か」と言ったら、「これは、リーディンググラスです!」と言い張りました。
どうでもいいことですが、本人にとっては重要なようです。
「老」がイヤなんでしょうね。

損切りをする際の“心の持ちよう”が議論されることがあります。
状況を見て「損切りすべきだ」と考えているが、心の中では「負けを確定したくない」と感じている……
では、どうすれば行動に踏み切れるか、ということが問題です。

「損切り」は英語でストップ・ロス、ロス(損失)を止める、つまり“損失の拡大を食い止める”ということです。

損切り注文はストップ・ロス・オーダー、単に「ストップ・オーダー」ともいうようですが、その場合は、「特に評価益がある状態で逆行した際の手仕舞いを指す」と区別する使い方もあります。

例えば・・・
500円で買って現在800円、
750円まで下げたら売ってしまう、
というような考え方です。

いずれにしても、
こうして言葉の観点から落ち着いて考えてみると、損切りのプラス面が浮かび上がります。

・さらなる損失を回避する
・手が空いて次のトレードに向かう
・(評価益の場合)は利益を確定する
・リズムよく見切りをつける
・(別にある)良い玉は維持する

以前に紹介した「損切りも利食いも単なる撤退」という考え方をサポートする思考です。

過去のことや感情に縛られず、バランスよく未来を考えるためにどうするか──。
ひと工夫が差を生みます。

(後記)
大型で強い台風24号が、日本列島を縦断する予報です。
みなさん、準備は早めにしてください。

9月3日放送のフォローアップ(3)
林 知之

株の魅力と難しさ

株価変動のトレンドを捉えるポイントは、まさに千差万別ですが、2つの共通点を挙げることができます。(1)具体的なポジション操作とのセットで意味をなす、(2)取れる場面と取れない場面がある……この原則から逃れることはできません。

その中で中源線は、ひとつのロジック(判断基準)で「うねり」に対応すると同時に「大きなトレンド」も取りにいきます。では、そんな特長の裏にある弱みとは?

2018年9月の放送は、久しぶりに中源線の解説。あらためて中源線の“キモ”となる基本ロジックを別の角度から説明し、「うねりを制する」ための実践的なアイデアを紹介しました。

映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第140回 うねり取りを制す ~トレードに必要なブレない土台~

5倍、10倍あたりまえ?

最近は参加者が減ってしまった商品先物市場ですが、ドル/円相場が絡まない国内商品、例えば小豆などは、価格の上限と下限が想定しやすい売買対象として「花形銘柄」でした。ある意味、現在の株式市場における「日経平均株価」のような存在です。ちなみに、価格の下限は生産者のコスト、上限は業者が買うギリギリということです。

例えばアンコを作るのに小豆を使いますが、価格が高騰したときはレンズ豆や白インゲン豆といった代用品もあるので、不作の場合も価格の高騰はある程度まで抑えられます。それでも極端に高くなった場合、小豆を使った製品は流通量が減ります。

これに対して株価は、はっきり言って「いくらでもいい」のです。
株主や発行企業は値上がりを期待しますが、株そのものの人気、その銘柄の人気がなければ、実態よりも安い価格で取引されます。逆に、それほどの内容がなくても、人気で高くなるケースは多々あります。

“お国”がバックについていたJAL(日本航空)は、再建計画の中で既存株主の持ち分をゼロにしました。原発事故でボロボロな状態の東京電力は、値下がりしたものの一定の価格がついています。特別な事例ですが、株価の行方は本当にわかりません。

これら特殊なケースを除き、「会社がよくなる→株価上昇」「わるくなる→下落」という当然の変化を考えても、動きを予測するのは難しいものです。悪材料によっては驚異的な下落率をみせますし、業績の好転や将来性を買われて人気化したときは、50倍、100倍といった強烈な上昇率を記録することもあります。

派手な成功例ほど、情報として伝わり、人々の記憶に残ります。
だから、初心者、株式市場に新規参加する人たちは、ウハウハの成功をイメージし、買った株が短期で「5倍」「10倍」になることを想像します。

とても自然なことですが、そんなカンタンに儲かるわけがありません。
カネがカネを生む世界なので、成功したときは驚異的な効率ですが、多くの投資家が、経済の一部である株式市場で競争しているのですから、常識的な範囲におさまるのが道理です。

むしろ、失敗で資金を大幅に減らすことを警戒しなければなりません。
成功した人が「もっともっと!」とムリをして負ける、負けた人が「取り返そう」と力んでさらに負ける……これが株式市場の構造です。

小さくなるな!

「失敗で資金を大幅に減らすこと」が、なぜコワいのか──物理的に戦えなくなってしまうからです。俗にいう“ドボン”です。株式市場の参加者を継続的に見ていると、意外なほど短期間で去っていく人が多く、残る人が少ないのです。

業界内には「その結果、常に8割が初心者だ」という意見もあるほどで、「少し大げさかな?」と感じつつも、まともに否定する人はいません。「言い得て妙」という評価を得る説です。

さて、“ドボン”するほどのムチャをしなければ、あまり上手でなくても、そこそこ長くつづけられます。そして、ある程度の経験を積んで、相場の難しさを知ります。「5倍」「10倍」と考えていた常識的なオトナが、こんどは「年5%を目指す」と大きな方向転換をしたりするのです。

ところが、「負けなしで全銘柄が5%の利益」なんて結果を目指し、損切りが遅れてケガが大きいとか、「小幅の利益で逃げるのが手堅い」と考え、せっかくつくった絶好のポジションをさっさと手仕舞って取り損なうとか……いろいろとチグハグになって思い悩むのが相場の世界です。

・ムリな資金量を用意しない
・資金稼働率も低めにしておく
・狙いを定めるようにして、売買頻度も抑える

安全第一でこういった「枠」を設定し、その枠内ではある程度自由に、感じるままに動くのが正しいのです。損切りを強要される場面を受け入れ、乗れたときは少しガツガツと取りにいく──冷静に決めた「枠」があれば、「ナチュラルな行動」と「適切な歯止め」を手に入れることができるのです。

「中源線建玉法」は、このバランスを維持しながら、適度なうねりに乗る、大きく居所を変えるときも逃さない、という“いい感じ”のパフォーマンスを狙って設計されています。

少なくとも、多くの人が「失敗」と認識する2つの事柄、瞬発力が足りない「乗り遅れ」、手仕舞いを決断できない「先送り」の地獄に落ちることなく、確信ある仕掛けと素早い手仕舞いを、粛々と実行する方向に導いてくれます。

習字のお手本のような“練習の道具”として、上手に利用することもできるのです。

価格はおまかせ

よく、「目標株価〇〇円」なんて情報を目にしますが、実に奇っ怪です。
「目標」とは、個人や団体が目指すもの、到達点です。株価はマーケットで決まるもので、上昇時の高値は特定の人の努力でどうにかなるものではないのに「目標」って・・・
「株価操縦でもしているのですか?」と意地悪くツッコみたくなります。

「〇〇円まで上がって当然」と思わせる部分は、とてもわかりやすく、まるで値上がりを約束しているかのようでそうではない……便利な言葉です。やはり、投資関連情報には十分な注意が必要なわけですが、私たちが売買するうえで自ら生み出す情報にも注意が必要だということです。

「上がるはずだ」「今は300円だが、少なくとも500円以上が妥当」といった妄想が行動の原動力です。値動きが激しく、先行きの予測が極めて難しいので、合理的な判断よりも、さまざまな可能性を含んだ「妄想」のほうが正しいと私は思うのです。

ただし、「実現可能な妄想」です。
いつでも短期で5倍、10倍とか、起こり得ないムチャな妄想では意味がありません。

中源線における「実現可能な妄想」は、「うねりを捉えて利益を出す」と同時に「ドカンと大きなトレンドが発生したときも取る」というものです。表裏一体の弱点は、中途半端な往来で連敗する、往復ビンタがあり得ることですが、タイムマシンがない以上、妄想した未来を基準に、ダメだったら切り、うまく乗れたら利を伸ばすよう努めるのがトレードです。

さて、そんな感覚を前提に、いつもの「定点観測」をしましょう。
せっかくなので、放送当日のチャート(8月31日まで)ではなく、この原稿を書いている9月18日まで延長したチャートをご覧に入れます。どの銘柄も、最後の1本が9月18日(火)、日経平均が325円高をみせた当日です。

4331テイクアンドギヴ・ニーズは、相変わらずいい感じで上げ下げを捉えています(青い矢印3つ)。しかし直近、2018年7月に陰転したあと下がらず、急激な切り返しで再び陽転しています。上げ始めて約6カ月が経過しているので「下げトレンドに入ってもいい」と考えたくなりますが、実際には強い動きを感じます。9月に入り、そのまま上伸してはいませんが2万円前後でしっかり、うかつに売りを仕掛けるとキケン、というところでしょうか。

9983ファーストリテイリングも、中源線との相性がよい銘柄です。ただ、1単位(100株)で500万円必要なので、多くの人は見ているだけです……。

2018年5月から8月にかけて高値の往来がありますが、ダマシがつづいています。チャートに書き込んだ2つのコメント、「中源線が機能しにくい保合」「様子見(売買しない)かダマシにつき合うか」は、放送時のままです。その後、9月に入って上抜けしながら陽転しました。まだ高くなるのでしょうか。

大橋ひろこさんが好きな、7717ブイ・テクノロジーです。
2018年5月からの急落を見事に取ることができましたが、2万円前後でいったん下げ止まって横ばいをみせる中、ダマシの陽転が2回もありました。「まだ下?」というコメントは放送時のままで、とりあえずそんな予測が当たっているような……キュッと切り返して陽転したら、なまつばゴックンものでしょうか?(笑)

最後は、私がコツコツと売買をつづけている、5911横河ブリッジです。
6月の放送で「いい感じでうねり始めたか」とコメントしましたが、その期待通りに動いているように思います。7月の急落は、4半期決算の数字が絡んだようですが、素晴らしい成長を背景に大きく居所を変えた銘柄だけに、注目度も高く神経質な反応をみせるという印象ですね。

9月に入って陽転し、すでに満玉買い(3/3買い)の状態ですが、最後の陽転は、この銘柄のクセというか、「中源線シグナル配信」のパラメータ設定が大きめなせいか、プレーヤーの期待と比べたら遅れています。でも、ボラティリティが高くて、それなりにおもしろい、相場の醍醐味を感じて適度に遊ぶ感覚が生まれる銘柄です。

この項の冒頭で、「株価について目標なんて成立しない」旨を述べました。
売買でコントロールできるのは、タイミング、数量、出動するか否かです。また、難しいけど頑張るのが、自分自身のコントロールです。

落ち着いた行動のためには、「手法」をもつことが必須です。
数ある手法の中で、「中源線建玉法」は、シンプルなルールがバランスよく整えられていると感心します。

これで、9月3日放送のフォローアップは終了です。次回放送は10月1日の夜8時から生放送、内容は未定ですが、動きをつかみにくい最近のマーケットを観察しながら、トレードの本質に迫りたいと考えています。
お楽しみに!

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うわさ話をするとき、「ここだけ」と強調するほど広まります。
箱やトビラに「開けるな」と書いてあると、中を見たくなります。
秘密、ナイショ、見えないもの……なんだか魅力的なんですね。

低金利が長くつづいている。年金にも不安がある……誰もが「運用」を考える状況です。

本当は、物価が上がらなければ運用収益ゼロでもOK、物価が下がれば現金の額が同じでも運用成績は実質プラスですが、やはり「1,000万円が1,100万円になる」という具合に、目に見えるかたちで増えないと満足感が生まれないようです。

新興国の通貨を買って損をするのなら「相場の負け」ですが、怪しげな儲け話はますます増えているので注意が必要です。

○○国の保険とか、安心できそうな名前なのに、中身はイチかバチかの運用だったりとか、日本に居住しているから保険の部分で条件を満たさないと10年後に発覚したりとか・・・

大手金融機関がすすめるものも、おトクかどうか疑問ですが、口コミの投資話は違法業者が扱っているケースばかりで、実際には金融商品を買わずに仲介者がふところに入れる、こんな、あからさまな詐欺も多々あるようです。

「5年満期」ならば、5年間は悪事が発覚しません。
「成績いいですよ。お友だちも紹介してください」なんて、よかれと思って5年間、せっせと周囲の人を巻き込み、5年後には仲介者と連絡が取れない……悲惨です。

遠いところにあるもの、未知のものには不思議な魅力がありますが、いわゆる運用成績が低くても、身近なものを対象にするのが基本だと私は強く考えています。

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9月3日放送のフォローアップ(2)
林 知之

「予測の精度」を決するもの

株価変動のトレンドを捉えるポイントは、まさに千差万別ですが、2つの共通点を挙げることができます。(1)具体的なポジション操作とのセットで意味をなす、(2)取れる場面と取れない場面がある……この原則から逃れることはできません。

その中で中源線は、ひとつのロジック(判断基準)で「うねり」に対応すると同時に「大きなトレンド」も取りにいきます。では、そんな特長の裏にある弱みとは?

2018年9月の放送は、久しぶりに中源線の解説。あらためて中源線の“キモ”となる基本ロジックを別の角度から説明し、「うねりを制する」ための実践的なアイデアを紹介しました。

映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第140回 うねり取りを制す ~トレードに必要なブレない土台~

混在の文化に抗え!

9月の番組には、裏のテーマがありました。
「基本に帰ろう」です。

情報を増やした結果、混乱することがあります。
トレードは、そんなワナにはまりやすいゲームだと思うのです。

オトナとして、刻一刻と変化するマーケットに対応するためには、広い視野を保ちたいものです。しかし、売り買いの決断に直結する部分は、素朴がいちばんです。

例えばチャート。「株価の推移をチャートという形にした時点で、けっこう積極的な加工が施されている」と思うのです。だから、移動平均線を重ねたり、トレンドラインを引いたり、ローソク足の組み合わせ(線組み=せんぐみ)ばかり考えたり……こういった突っ込んだ観察は、いきすぎないように注意すべきです。

以下に、複数の価値判断が混ざるキケンな例を挙げますが、おそらく反論があるでしょう。例を示したあとに、私が気にするポイントを説明します。

複数の移動平均線を使う

「●●日線を上回っている」「しかし、まだ●●日線の下にいる」
行動をピシッと決めることが求められるのに、永遠に答えの出ない「迷い」の世界に踏み込んでしまいます。

複数種類のチャートを使う

「日足ではいい形になったが、週足ではよくない」
日足、週足、月足といった、ヨコ軸の設定が異なるチャートは、基本的に、同時に使うことができません。地図ならば、大きな地図で高速道路と国道をチェック、次に街中の細かい道をチェック、という順序で道を確認しますが、地図は単に縮尺が異なるだけだから、同時に使うことができるのです。

チャートを描くために、日、週、月と、便宜的に区切りを設定しています。地図の縮尺のちがいとは異質です。また、ローソク足の“白抜き”や“黒塗り”、高値・安値を示す“ヒゲ”など、本来の価格情報にはないものをつくり出しています。

値動き以外の情報を書き込む

「利上げ」とか「選挙」など、重要とされる外部要因をチャートに書き込むケースが見受けられますが、テクニカル分析の基本は「すべての材料が株価に反映されている」と考えることです。チャートをそのまま素直に観察するべきです。

また、自分の売買を記入する人がいます。「●月●日、1,500株買い」なんて個人的な情報は、チャート分析を行ううえでは、ただのノイズです。

特定の参加者の都合や思惑を排除するのが、マーケットの第一の機能です。

「おそらく反論があるでしょう」と述べたのは、「いや、その情報は外したくない」と感じるものが、誰にでもひとつやふたつあるからです。

私たち現代人が触れているものは、昔に比べて相当に複雑です。技術革新を背景に、あらゆるものが進歩しているからです。例えばスマホによって、「便利」「お手軽」「多機能」が当たり前のものになっています。そこに、相場の世界に元来ある“要素を重ねて精度を上げよう”という発想があれば、自然といきすぎてしまうものです。

多くの場合、「混ぜるなキケン!」が合い言葉です。

中源線とFAIを混ぜる道

混ぜるなキケンと述べましたが、7月と8月で紹介した低位株投資の手法「FAI投資法」も、今回触れているうねり取りを機械的判断で行う中源線建玉法も、林投資研究所のトレード思想に合致したものなので、うまく一緒にできないか、一部の要素くらい持ち込めるのではないか、といった発想が生まれるようです。

この疑問に、ひとつの角度から答えてみます。

低位株の選別投資を行う「FAI投資法」は、長期のトレンドに着目します。上げ始めを捉える狙いは、「少なくとも2~3年つづく」上げトレンドに乗るためです。

それに対して「中源線建玉法」は、「3カ月または6カ月の波」に乗ろうとします。

両者は、根本的に「時間軸」が異なるのですが、中源線における、安値から上げトレンドに移行する際の「N字」(フォローアップ第1回)が、月足にも現れるかどうかを考えてみます。

では、実際に私たちが「FAI投資法」で選定して成功した事例、つまり安値で選定して期待通りに暴騰した銘柄の月足チャートを並べるので、安値から立ち上がる部分に注目してください(赤いラインは、私たちが買い選定したタイミングです)。

どうでしょうか。「N字」があるような、ないような……「上向きの動きがあり、さらに上向きの動きがある」というのは、ごく当たり前に「上昇トレンドのスタート」を感じさせる流れとして多くの予測法に共通するアイデアですが、単純に流用することは難しいのです。

「売り」と「買い」だけだ

「相場は売りと買いだけ、実にシンプルだ」といわれます。
これを聞いて「そうだよなあ」と感じながらも、つい複雑な思考から離れられません。理由は、前述した通りです。

思いきりシンプルに、「核」となる部分だけを考えてみましょう。

「上がる」と思う → 買う
「下がる」と思う → 売る(カラ売りを仕掛ける)

行動はこの2つだけなのですが、ビミョーな状況において「迷うけど、チャンスかもしれない」「取り損なったらイヤだ」と考えて難しくなります。基本に帰って「迷うなら手を出さない」とキッパリ分類するのが実践的な考え方です。いわゆる「確信」があるときだけ、ポジションを取るのです。

では、ポジションを取ったあとの行動は?

「思惑通りだ」 → ポジションを維持する
「見込み違いだ」 → ポジションを落として撤退

やはり、たった2つです。「うぅ~ん、ビミョーだ……」と迷うケースが多々ありますが、基本に照らし合わせたら「迷ったら切る」という答えが出ます。

これら「基本」となるものに、アクセサリーをつけて仕上げるのですが、落とし穴にはまってアクセサリーを増やしすぎてしまうのです。

下の図を見てください。同じ値動きに対して、2つの異なる戦略がどのような結果を生むかを考えたイメージ図です。

上は、「逆張りでうねりを取る」狙いの売買です。往来の高値で売り、安値で買い、また高値で売りとドテンを繰り返してコツコツ利益を重ねます。しかし、往来から上にブレイクしたときに売りポジションがかつがれます。仕方がないので、踏んで(カラ売りの損切り手仕舞い)休むことにします。

下は、最初から「ブレイクアウト」を狙う売買です。最初の波は見送り、2つめの波で上抜けを狙って買いますが、下げたところで投げます。こんどは下抜けと考えて売りを仕掛けますが、往来の安値になったようなので踏みます。3回目に買いついたら上抜けに乗れた、「今までの損を取り返せそうだ」という状況になりました。

それぞれの狙いに、取れる場面と取れない場面がある、ということです。
パッと戦略を切り替えたりできませんし、往来でもブレイクアウトでも取れる戦略なんて、基本的には存在しません。

マーケットの競争で勝つためには「専門化」が必要です。
だから、取れる場面と取れない場面があるのが当然です。
これを補うのは、手仕舞いのタイミングしかありません。

多数の参加者が、等しい条件で争うのがマーケットという場です。だから予測の当たり外れは必然で、「予測の的中率」をムリに求めるのはゼッタイに誤りなのです。

分割こそがトレードの技術

予測の的中率を上げずに利益を増やすには、見込み違いの損を小さく抑えると同時に、思惑通りだったときの利益を伸ばす必要があります。「損小利大」と呼ばれる、“結果のコントロール”です。

これを可能にする必須の要素が、「数量の調整」です。

といっても、未来を事前に知ることはできないので、分割のポジション操作を行うことで、「ダメなときは数量が少ないうちに損切りを決断できる」「流れに乗れたときは数量が多くなっている」状態をつくり出します。これらは、計算上で“結果をコントロール”することですが、分割によってメンタル面もラクになり、実行がより確実になるのです。

「核心」があるときだけ出動するのですが、いきなり予定の数量を建てず、少しずつ増やすようにします。日柄の間隔は戦略次第ですが、5回の等分割の場合、2回目のあとで「これは見込み違いかな」と判断した場合、数量は予定の4割かつ時期が早いので損失額は抑えられ、精神的にも損切りの実行が容易です。

「中源線建玉法」は、売買を機械的に判断しますが、わかりやすく受け入れやすい、実用性の高い3回の等分割がルール化されているのです。

左の図では、フォローアップ(1)で示した「N字」によって陽転、3分割のうちの1単位を買いましたが、直後に逆行したことで「下向きトレンドがつづいていた」と判断を覆します。そして、1単位を投げると同時に、2単位を売り建てします。中源線で「再転換」と呼ぶルールですが、こんな機敏かつ臨機応変な対応が、利用者の感覚と一致します。

右の図では、やはり「N字」によって陽転しますが、その後の経過から「この転換はホンモノのようだ」と判断しています(この条件もルール化されています)。こうして「転換の確度は高い」と判断したあと、やはり分割で1単位ずつ増やしていきます。

値運びを落ち着いた観察すると同時に、「損小利大」を実現する工夫が盛り込まれているのです。

うねりも大トレンドも取る中源線

逆張り戦略とブレイクアウト戦略は両立しない──すでに述べたことですが、中源線の最大の特長は、「うねり」も「大きなトレンド」もひとつのロジック(判断基準)で捉えることができる点です。

最大の特長があれば、その裏には最大の弱みが存在します。中源線の弱みは、「N字」によって、うねりもトレンドも捉える一方で、中途半端は往来で機能しないことです。

しかし、「小さめの波も取りたい」「大きなトレンドも逃したくない」という、ありがちな欲を追求する道がひらけているので、多くの実践家が高く評価します。この部分を、実際の中源線チャートで確認してみましょう。

3つとも同じ銘柄、7717ブイ・テクノロジーですが、時期が違います。

1枚目は2015年3月から2016年3月までで、そこそこの幅のうねりを上手に捉えていることがわかります。ただ、最後のほうで残念なダマシがつづいています。

2枚目のチャートは、2015年7月から2016年7月ですが、後半の大暴騰をうまく捉えていることがわかります。「想定内の上げ下げで利益」と「連敗」前半部分が、1枚目のチャートと重なっているわけですが、「うねりを取った」「ドカンも取った」「中途半端な往来で機能しなかった」と、中源線の働きがよくわかるチャートです。

3枚目は、直近1年間のチャートです。2枚目の「ドカン」で大きく居所を変えたブイ・テクノロジーですが、その時の高値は約14,000円でした。ところが直近、2018年3月の高値は30,000円を超えています。そして、不可避のダマシをはさみながらも、大きな波を捉えている様子がわかります。

さて、3枚のチャートから、多くのことを読み取ることができます。

  • 株価は専門家も予想できない動きをみせる
  • 値ごろで判断するとキケン
  • 中源線は居所が変わってもついていく
  • 予測の当たり外れは避けられない
  • 分割売買による“結果のコントロール”が不可欠
  • 理屈ではなく、単純な基礎を大切にすることこそ技術

これら3枚のチャートだけでも、本1冊分の話に発展していくので、カンタンにまとめましたが、「売りと買いしかない」のに深いのがトレードという行為です。情報の整理方法、それを支える「手法」の存在、そして自分自身のメンタル面を、バランスよく整えることが求められます。

こういった意味で、「中源線建玉法」は、お手本としての完成度が非常に高いと考えています。

次回のフォローアップ(3)では、裏テーマの「基本に帰ろう」に沿って、5倍、10倍と激しく動く株価を、どのように認識すべきか、どのように行動すべきか、を考えます。お楽しみに!


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失せ物・・・
「ここにあるはずだ」という場所にないことが多いのですが、その確認がないと探す行動そのものが始まらないので困ります。

SQ(先物・オプションの特別清算指数)算出日が近づくと、多くの投資家が話題にしているようですが、ポジションを調整するなどの対応をしている人がいません。

「SQで警戒心があるから、オレのポジションがうまくなくても当然」
こんなふうに、売りだろうが買いだろうが、どんな銘柄だろうが、わるい玉の先送りに利用する姿勢はよく目にしますが……。

拙著『凄腕ディーラーの戦い方』に登場する硬派の実践家、“アンディ”こと沼田武氏は、次のように言います。

単に「抵抗線をブレイクした」という認識で行動したのでは、当てにいってるだけですよね。そこには、「やり方」という要素がないんです。
(中略)
判断基準に加えて「どこで買う(売る)のか」という“ポジションのつくり方”が必要です。ここまできちんと考えると、「当てにいく」だけの観察ではなく「根拠のある売買」という実践的思考の世界に到達するわけです。
(引用おわり)

SQによって、裁定取引や、それに絡む先物・オプションの動きが活発化するようですが、どのように影響するか、上なのか下なのか、過去にどんな影響があったか、今現在の流れを読むことが可能か……「SQだから」を言う前に、自分なりの予想、根拠を考えていますか?

前述の沼田氏が説明するように、適正な予測は「勝率5割」だと私も考えています。しかし、確信ある行動(沼田氏の「根拠ある売買」)に限定することで、その後の対応をどうにかこうにかコントロールできる──これしか突破口がないのが現実です。


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9月3日放送のフォローアップ(1)
林 知之

中源線の秘密は「N字」

株価変動のトレンドを捉えるポイントは、まさに千差万別ですが、2つの共通点を挙げることができます。(1)具体的なポジション操作とのセットで意味をなす、(2)取れる場面と取れない場面がある……この原則から逃れることはできません。

その中で中源線は、ひとつのロジック(判断基準)で「うねり」に対応すると同時に「大きなトレンド」も取りにいきます。では、そんな特長の裏にある弱みとは?

2018年9月の放送は、久しぶりに中源線の解説。あらためて中源線の“キモ”となる基本ロジックを別の角度から説明し、「うねりを制する」ための実践的なアイデアを紹介しました。

映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第140回 うねり取りを制す ~トレードに必要なブレない土台~

 

最大の錯覚は「安く買う」

ときどき触れていることですが、「安く買って高く売る」を言葉通りに捉えると、実践的には通用しない思考、誤った考え方になりかねません。

この事実を、具体的に説明しましょう。
下の月足チャートは、7月と8月の放送で、林投資研究所の低位株投資の手法「FAI投資法」を紹介した際のものです。東証一部の1801大成建設、実際に私たちが選定して見事に化けた銘柄のひとつです。

こうして月足を見ると、株価の基本サイクルがとても長いことがわかります。4年間で大きく下げて安値圏に到達し、3年間の底練りを経て再び上昇に向かっています。

さて、最安値は底練りの初期で、瞬間的には130円台までありました。
しかし、3年間の底練りで少しずつ下値を切り上げています。「よし、トレンドが変わった」と確認できる“兆し陽線”が出たあとの初押し、つまり「絶好の買い場」といえるタイミングでは、すでに200円台の後半、最安値と比べて2倍近い価格になっていたのです。

株式投資における“実践的な正解”は、「安く買う」ではなく「上げトレンドのときに買う」ことです。上げトレンドを見極めていれば、高く買っても、さらに高値で売れます。

もし大成建設の最安値を買っていたら、本格的な上昇まで待つことが難しいのです。仮に待てたとしても、少しの値幅を取って売り逃げてしまうでしょう。

正しい飛び乗り戦法

特定の銘柄が動意づいて話題になった、これをキッカケに参戦する……多くの人が経験しているでしょう。でも、うまくいったり、いかなかったり・・・

相場ですから、プロ中のプロがやっても見込み違いは多々あります。でも、うかつな飛び乗り戦法は、想像以上の混乱を生みます。うまく乗れたのに思ったほど取れないとか、見込み違いの判断が遅れるとか、対応がわるくなってしまうのです。

前項で挙げた大成建設は、2012年12月に出現した長い陽線を「兆し陽線」とみなして見事なタイミングで選定した例ですが、単なる「長い陽線」ならば随所に見られます。全体の流れをよく観察し、経験によって確立された感覚で、質の高い見極めが必要になります。落ち着いて継続的に観察する、つまりプロの目による「定点観測」を行えば、「よし、ここだ!」という確信ある判断が生まれるわけです。

確信があり、出動する理由が明確なので、その後の対応がうまくできる、自分の行動をコントロールできるのです。

林投資研究所が提唱する「うねり取り」の手法、『中源線建玉法』は、銘柄を絞って売買します。必然的に、落ち着いた姿勢の「定点観測」が可能になるのです。

日々の終値を折れ線チャートにして観察し、次の項で説明する中源線のロジックで、トレンドのスタートを検知しようと試みます。その結果として、上げトレンドへの飛び乗り、下げトレンドへの飛び乗りを行います。

「飛び乗り」という表現は、思いつきのダメな行動という意味で使うことが多いかもしれませんが、ポジション操作の具体策も含めて整っていれば、いろいろなアイデアが立派な「手法」として成立します。

今回は、中源線について、今までにないアプローチで考えていきますが、おさらいを兼ねて、まずは2つの実例で特徴的な判断を説明しましょう。

これは、8609岡三証券グループの中源線チャート、日々の終値を結んだ折れ線を、中源線の判断で色分けしたものです(赤=買い線、黒=売り線)。

2018年1月の高値から下げ始めたタイミングで陰転(買い→売り、赤→黒)しています。ポジションをひっくり返して、ドテン売りです。その後の7カ月間、陰湿なダラダラ下げをみせています。

途中、以前の安値水準に達した場面で、「下げ止まったかな?」と感じさせる小さな往来をみせました(赤い丸印)。4カ月の上げ、3カ月の下げ、小さく往来……「買いだ」との判断もあるでしょうが、結果は、さらに3カ月もジワッと下げて現在に至っています。早めに買っていたら、投げるタイミングを逸したまま苦しい状況に陥っていた可能性が高いといえます。

こんな推移に対して中源線は、次項で示すトレンド転換のサイン「N字」が見えないことから、「売りのまま」という判断を示しています。まあ、感覚的には「そろそろいいかも」ということで、チャート上にも赤い上向き矢印を入れましたが、中源線に従うと現在も満玉売りの状態です。

もうひとつは、4331テイクアンドギヴ・ニーズです。
ジワジワと水準を上げてきた銘柄で、2018年2月からの約6カ月では、かるく倍化していますね。その上げ下げを、中源線がいい感じで捉えています(3つの青い矢印)。

しかし直近は、ちょっとハデな展開をみせています。
7月に下げて陰転したのですが、8月に入ってガツンと切り返して陽転しています。結果として7月の陰転はダマシとなりましたが(その手前の買い線の利食いが確定)、最後に陽転したあと高値を取っています。

裁量ではついていけない買い転換ですが、中源線は機敏に反応します。
もちろん、このあと絵に描いたような上伸をみせるかどうかなんて、誰にもわかりません。「3月から上げている」「ここが二番天井、売り狙いだ!」という見方もあり、その通りになるかもしれませんが、見込み違いだったときの対処ができるかどうかが重要です。

中源線は、その対処も含めて“迷い”のない判断、“機敏”な行動が数式化されています。その骨子を、次の項で説明します。

N字をさがせ!

前項では、2銘柄を挙げて中源線の特徴的な対応をご覧に入れました。
その行動を支えるのが、中源線の基本ロジックです。

林投資研究所は、中源線のロジックを、書籍『新版 中源線建玉法』で、すべて公開しています。

でも、「どんなものだろう……」というくらいなら、廉価で販売している書籍『入門の入門 中源線投資法』をお読みください。

このフォローアップでは、番組と同じように、すぐに理解できる簡素な説明を行います。中源線の陰陽転換(トレンドが変わったという判断)は、ズバリ「N字」です。

中源線による3分割のポジション操作を含めて2つのパターンを示した図ですが、どちらも“買い転換”を判断する部分を青い四角で囲んであります。

中源線は、「逆行」に注目します。
売り線(黒)で推移してきたので、下げる動きが「順行」、上げる動きが「逆行」です。そして、逆行→順行→大きな逆行……この動きを捉えて「トレンド転換」と判断するのが、中源線の基本ロジックです。

そして、このジグザグ(逆行→順行→大きな逆行=上げ、下げ、大きな上げ)を「N字」と説明しているのです。とても単純ですが、3分割のポジション操作とセットになって、実践者にとって納得のいく行動パターンが示されます。

順行と逆行を繰り返すのは当然で、その繰り返しが上下どちら向きのトレンドを形成するかが、私たち投資家が関心を寄せる問題です。その“変わり目”を、「N字」によって判断するのです。

詳しい説明は今回、割愛しますが、左側の図は陽転後に逆行して「再転換」、3分割のうちの1回(1単位)買ったものを投げてドテン2単位売りにいくパターンです。右側の図は、陽転後に「転換の確度は高い」と判断する条件が整い、押し目で2回の増し玉をして満玉(3単位)になる、というパターンを示しています。

さて、この「N字」は、株価の動きというか市場の構造を素直に捉える発想だと思うのです。ちょっと上がった、間をおいて再び上がるときに上抜いた……いかにも“動意づいた”感じがするはずです。だったら、7月と8月に紹介した低位株投資の「FAI投資法」にも通用するのか──こんな考えが浮かんでも自然です。

ややこしい話のようですが、「中源線建玉法」「FAI投資法」は、どちらも林投資研究所が提唱している手法なので、同じ考え方があるのか、2つをうまく同時利用できないか、そんな興味をもつ投資家が多いようです。

次回、フォローアップ(2)で、この問題に切り込みます。

次回のフォローアップ(2)では、上記の通り、複数の観点を混在させる発想を検証しながら、「予測の精度」について考えます。お楽しみに!


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