「日経平均2万4,000円」って、どんな意味?
日経平均が2万4,000円を超えて「27年ぶりの高値」と報じられていますが、現実には儲けにくい値動き……ここから、なにを買うべきなのか、なにを売るべきなのか──。
一般的な業者やメディアの論調を素直に受け入れ、日経平均の短期的な上げ下げや水準を気にするのではなく、“主体”の個別銘柄を効率よく観察することが大切です。
2018年10月の放送では、個別銘柄の価格変動をまっすぐに見る正しい観察法とともに、個人投資家向けの安定的な運用のアイデアを紹介しました。中源線を活用することで、ラクにカタチをつくることが可能です。
映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第142回 日経平均2万4000円 ~二極化するマーケットにどう対応するか~)

99%が混乱
ときどき「注意すべき点」として挙げていることですが、あらためて述べます。
投資情報の多くは、まず「その日の日経平均の動き」を示してスタートします。個別銘柄よりも、「日経平均」という数字が前日比でプラスだったかマイナスだったかが焦点です。立会のない週末ならば、「来週の日経平均はどうなるか」がテーマですね。
日経平均が大きく上がれば「値上がりしている銘柄が多い」といえますが、短期では、銘柄ごとに連動したりしなかったり……少なくとも、市況解説で取り上げる「1日」「1週間」程度では、日経平均の動きと個別銘柄の動きがリンクしているとはいえません。
市況解説は、知識が豊富だけど相場を張らない(立場上できない)経済記者が書く「読みもの」なのです。だから、誰が読んでもスッキリするように「日経平均」を中心にするのですが、東証一部の約2,100銘柄について、仮に値下がり銘柄のほうが多くても、さらにTOPIX(東証株価指数)が前日比マイナスであっても、日経平均が前日より高ければ「○○で買われた」という論調の解説文が載ります。
「日経平均が2万4,000円台」「27年ぶりの高値」と書いてあれば「そうか!」と思うのですが、「どの銘柄を買うか」「どの銘柄を売るか」などの具体的な行動にはつながりません。
この手のニュースは、習慣で目を通すのですが、結論が出ずに混乱します。
正確に表現すると、求めていることや具体的な売買行動とズレていることに気づきにくいので、混乱していることを自覚しないまま情報を受け取ってしまうのです。
ここまで読んで「そうかなぁ……」と感じる人にとっては、「なぜそうなのか」が問題、次に考える課題です。「なるほど!」と思う人にとっても、「では、どうすればいいのか」が問題です。次の項以降で、事例を挙げながら説明します。

上げあり下げあり保合あり
番組の定番、「中源線による定点観測」。
今回の放送では、時間がなくて少し残してしまいました。
そこで、番組用に用意した全銘柄のチャートと解説を今回のフォローアップ(1)で紹介し、さらには、2週間後のフォローアップ(3)で、その後の動きを加えて再度、同じことをしようと思います。

4331テイクアンドギヴ・ニーズは、2018年3月から7月にかけて倍化しました。当然、(1)の陰転で「こんどは大きく下げる」と考えますが、8月の急激な切り返しで陽転し(2)、再び2,000円を超えて上伸中です。強いですね。
「(1)の陰転で売らずに、買いポジションを維持していればよかった」というのは完全な後講釈、実用性のないタラレバです。機敏に動くことでダマシが出ることもある半面、どんどん逆行して損失が膨らんでいくような事態には至らず、想定通りならば早めにトレンドの変化点を捉えるのが中源線の特長です。

5911横河ブリッジは、私も実際に売買している銘柄です。
9月の放送では「(1)の急落前に満玉売りになっていた」と自慢しましたが、その後の切り返しで陽転し、利益を確定してドテンしました。わるくない展開です。「もう少し早いタイミングで陽転していれば……」と感じる結果ですが、ときどきタイミングが遅れますが、振幅があってそれなりに利益につながるのが、この銘柄の特徴といえます。

7205日野自動車は、わりと短期間の上げ下げ(うねり)が発生する、おもしろい銘柄です。2018年6月からは取れない値運びでしたが(青い四角で囲んだ部分)、直近の陽転は期待できそうな雰囲気ですね。

7717ブイ・テクノロジーは、「あれっ?」と思うほど弱々しい展開です。
中央の高値(2018年3月)にかけての上げ、その後の下げは大きく、「乗っていたかったなあ」と、思わずダメなタラレバを言いたくなります。その下げのあと、2018年7月に下げ止まったような雰囲気でしたが、ダマシの陽転が2回発生した(1、2)あと、さらに下げています。9月の放送では「まだ下か?」なんてコメントしましたが、その通りに下げて陰線のままです。

8609岡三証券Gは、1月の高値で陰転してから約8カ月間、見事なダラダラ下げを演じたあと、ようやく陽転しました。ひとつ前のブイ・テクノロジーも形は似ていますが、中源線による直近の判断はクッキリとちがいます。

9983ファーストリテイリングは、青い四角で囲んだ部分について、9月の放送では、「中源線が機能していない。休むか、ダマシとつき合いながらつづけるか、選択肢は2つある」とコメントしました。でも、9月の陽転(1)からは高値を追って伸びています。

9984ソフトバンクグループは、ファーストリテイリングと同様、日経平均への影響力が大きいことで知られています。でも、ソフトバンクのほうが大きく伸びていますね。ファーストリテイリングは、最低の売買単位である100株で約600万円なので、さすがに個人投資家がついてこない、といった背景があるのでしょうか。
さて、番組で定番の「中源線による定点観測」を行いましたが、前述した通り、フォローアップの第3回でもこれらの銘柄を取り上げます。お楽しみに。
個々の銘柄の動きを見るのは、実におもしろいことです。
でも、単純に楽しむだけでなく、「同じ株でも、ここまで動きが異なるんだ」といった観点も拾い、マーケットを観察するときのポイントとして大切にしてください。
個別銘柄を見よ──日経平均の水準が上がっても、それだけでは利益になりません。売買対象の個別銘柄が変動し、それに対するポジション操作がうまくいって結果が出るのです。当たり前のことですが、意識的に繰り返し確認すべきことだと思います。

プロに学ぶ正しい情報処理
相場を楽しくつづけるためには、一定の安定性が求められます。
プロと同じような安定性を維持するのは難しいので、その分は、資金量を少なめにしたり、売買頻度を下げることで調整するのがいいと思います。しかし、実際に考えることや現実の行動は、プロと同じようにシッカリとしたものにしたいのです。
キーワードは「基準」です。
常に同じ基準、一定の基準を使うことです。
売買資金の多くが“塩漬け”として寝てしまうのが「相場あるある」ですが、原因として、手仕舞いの基準があいまいなことが挙げられます。しかし、その前に、仕掛ける基準が定まっていないことが多いはずです。
値動きがおもしろいと感じて短期勝負を仕掛けたり、企業の成長性や製品の将来性に期待して「株主になる」感覚で買ったり、身近な人が注目しているからと、なんとなく自分も乗ってみたり……ある程度の人生経験もあるし、対象となる銘柄数も多いので、強く意識していないと、つい手を広げすぎてしまいます。
「日経平均が2万4,000円台乗せ」と聞いて「おっ、そうか!」と過剰反応するのも、事前に基準を定めていないからだと説明できます。
情報はいくらでも入ってきます。いろいろな観点について“要不要”を決めておけば、不要な情報に振り回されることも、必要な情報を見逃すこともありません。
これが、プロの姿勢、プロの視点です。
中源線の売買は、その点で、極めて安定しています。
ルールに基づいてポジションの取り方が示されるからです。
ただし、どの銘柄を選ぶか、何銘柄をどのように組み合わせるか、売買資金をいくらに設定するか、等々、自分で決めること、自由にできる部分は山ほどあります。だから、無用の混乱を避けるため、中源線の核となる部分を正しく理解しておくことが大切です。
手法の核となる部分が明確ならば、資金が少なくても売買頻度が低くても、「やるときはプロと同じ」と高いレベルを実現できます。
中源線がどのような結果をもたらすか──ある意味、対照的な2銘柄を挙げてみましょう。

4745東京個別指導学院は、とてもよく動く銘柄です。そして、直近1年間を見ても、中源線がけっこういい感じで機能しています。ただし、残念な部分も見受けられます。
(1)の陰転は、きれいに当たっているように見えますが、1日で大幅安をみせて陰転しているので、結果としては取れていません。(2)と(3)は、上昇トレンドの初期に出現したダマシの陰転です。

7972イトーキも、東京個別指導学院と同じ中源線で判断していますが、約10カ月の長いダラダラ下げが出現し、儲けるために何の問題もありませんが、おもしろみゼロで売りっぱなしという状態でした。
さて、2つの銘柄を見て、どんなことを感じたでしょうか。
より上を目指すのが私たち文明人の性(さが)なので、東京個別を見て「小さなダマシが気にくわない」とか、イトーキを見て「もっと機敏に売り買いしたい」とか、なにか思い浮かぶことがあると思います。
いろいろと深く考えるのが人間ですが、越えてはいけない一線をカンタンに越えてしまうから注意が必要です。上記2つの銘柄は、どちらも同じ「中源線」という基準で判断した結果なのに、パッと見て別ものに見えます。そういった錯覚や盲点があるのも、人間の特性です。
さて、「今さら入門?」と言わず、ぜひ目を通してもらいたいのが、この本です。
『入門の入門 中源線投資法』

なぜ終値の折れ線チャートなの?
なぜ3分割なの?
「逆行」に注目する意味は?
「売り」「買い」の答え(法示)を見て、つい置き去りにしがちな部分をあらためて考え直すことで、中源線利用の質をより高めてください(基礎編)。
株価は、常に期待を裏切りながら大きく変動します。正解がない現実の中で確固たる「自分の答え」を出すには、どう考えるべきか──実例を挙げて深い部分を解説しているので、あなたなりのヒントを見つけてください(実践編)。
中源線に限らず、一定の基準でトレードを行う際の苦労や工夫といった部分に、ビシッと切り込んでいると自負しています。
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次回のフォローアップ(2)では、マーケットの流れについていくためのプロの思考とワザについて、詳しく解説します。お楽しみに!
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