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☆したたかな大統領
先日、早めのお盆で帰省した。朝食時にテレビのニュースを見ていたら、8月15日に開催される予定となった米ロ大統領の直接会談に関して、某テレビ局の解説員はこのように切り出した。
「トランプ大統領は選挙中に、就任後24時間以内にウクライナ戦争を終わらせると公約していた。ところが、したたかなプーチン大統領は、、、」
こうした発言を視聴者の方々はどう捉えるだろうか? 私はその後の解説を聞く気をなくした。私は偏向のない報道を期待しているのに、出鼻から一方にラベル付けした「意見」を聞かされることが予想できたからだ。あえて、どの局どの解説員だと特定しないのは、そうしたことが日本だけに限らず一般的なメディア報道の姿勢でもあるからだ。
私もプーチン大統領はしたたかな人物だと思っている。しかし、同様に、トランプ大統領も、ゼレンスキー大統領も、あるいは石破首相も負けず劣らずにしたたかだと見ている。一体全体、政治家でしたたかではない人物などいるのだろうか?
ラベル付けは恐い。人や国、あるいは人種や民族などを一言で表現することなど不可能だと誰もがわかっているのに、そのことで全体を規定しまいかねない、一種の「差別用語」なのだ。
人間が報道する以上、多少の私見が混じるのは避けられないのかも知れないが、最初の10数秒で、どんな結論が待っているのかを予想させてしまったなら、ネットだけでなく公共のメディアでも、同意見か、何も知らない人たちだけしか続きを見ようとはしなくなるのではないだろうか? そして、この番組を見続ければ、正義のトランプ、悪のプーチンという構図を受け入れてしまう可能性が高い。
インターネットの弊害の1つとして、「エコーチェンバー現象」が挙げられている。エコーチェンバー(反響室)現象とは、特定のSNSコミュニティや掲示板グループ上で似た意見や価値観の人が集まると、同じような情報や主張ばかりが共有され、反対意見に触れる機会が減り、結果として自分の意見がどんどん強化・先鋭化していく現象だ。
また、人の集まりだけでなく、検索エンジンやSNSのアルゴリズムが、自分の過去の行動や好みに基づいて情報をフィルタリングし、似た傾向の情報ばかりを表示する「フィルターバブル」 も、同じような効果を持つ。
例えば、私のユーチューブは、以前に自分が覚えるために繰り返し聞いた昔の洋楽ばかりが出てくる。ニュースメディアを読むときの広告にも、一定期間は自分が何かを購入するために検索したのと同じような商品広告ばかりが出てくるのだ。つまり、私たちは世界に繋がるネットを通じて、逆に非常に狭い世界に閉じ込められて生きている。自分でここから抜け出す努力が必要なのだ。
日本の報道でよくあるように、和平を望むトランプ大統領の努力にも関わらず、「したたかな」プーチン大統領がいつまでも戦争を望むという延長線上には、日本人も平和のためにはロシアと戦争する覚悟を迫られることにもなってくる。しかし、平和のため、国を守るため、あるいは正義のためなどといっても、その判断を下すのは政治家たちだ。大統領や首相たちの個人的な信念を守るために国民の命が犠牲にさらされることにもなるのだ。
私のこれまでの知見では、ヒトは昔も今も、日本人も外国人もあまり変わらない。つまり、昔の日本の軍部も、ナチスドイツも、昔の欧米やソ連の政府・軍隊も、大きな違いがなかったのではないか? いや、今のロシアやウクライナ、イスラエル、あるいは欧米や中国、日本の政府・軍隊もあまり違いはないように思っている。政府・軍隊だけでなく、一般国民や報道メディアも同じだ。ヒトは昔も今も、日本人も外国人もあまり変わらないのではないか?
私はイスラエル政府のガザでの行動を「ジェノサイド(集団虐殺)」だと見なしている。これは国連などの国際機関も同様で、イスラエルの人権団体さえ告発している。
「ベツェレムとイスラエル人権医師団は、月曜日のエルサレムでの記者会見で報告書を発表し、イスラエルが『ガザ地区のパレスチナ人の社会を破壊するために組織的かつ意図的な行動を展開している』と指摘した。
これは、国家に対する可能な限り最も強い非難で、国家はそれを激しく否定している。イスラエルではジェノサイドの非難は極めて慎重に扱われている。なぜなら、これはナチスのホロコーストを受けたユダヤ人法学者たちの研究に起源を持つためだ。イスラエルの当局者らは、ジェノサイドの非難を反ユダヤ主義だとして受け付けていない。」
参照:Israeli rights groups break taboo with accusations of genocide
とはいえ、イスラエルの現政権は「国を守るため」だとして、イスラエルの一般国民を戦争(ジェノサイド)に加担させている。これはロシアの現政権もウクライナの現政権も、あるいは国防費を増加中の国々の政権も同じだ。
昔の日本政府も同じだった。自分たちが考える信念に基づいて、一般国民を「エコーチェンバー現象」化して巻き込み、犠牲を強いたのだ。今のメディアにも注意が必要だ。
最後に日経新聞から引用する。(URLまで)
奇跡的にインパールから生還した新潟県村上市の佐藤哲雄さん(105)は同資料館に、従軍時に携行していた双眼鏡を寄贈した。「死ぬ間際に『日本国万歳!』なんて言う兵士なんていねえ。子どもの名前とかを叫ぶんだよ」と佐藤さん。
「生きて帰ることしか考えていなかった」と話す佐藤哲雄さん(6月、新潟県村上市)
「『おまえらの代わりなんていくらでもいる』と、戦場で兵士は虫けらみたいに扱われる。戦争は人間の心が無くなってくるからしてはだめだ。ウクライナも同じ。死んだら終わりだ」と力を込めて話した。
参照:史上最悪の「インパール作戦」 戦後80年、インドで追悼式
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