株を売買するときは、証券会社を通じて取引所に注文を出します。
わかりやすく、買う場合で説明しましょう。
「売買可能な価格で買う」のを成り行き(なりゆき)注文、「この価格以下なら買う」と指定するのを指し値(さしね)注文といいます。
知識がないと、価格を指定する指し値注文のほうが有利、と思うかもしれませんが、必ずしもそうではありません。そして私は、指し値注文の否定派です。「注文は、成り行きで実行すべし」と考えています。
まずは、指し値注文と成り行き注文について基本的なことを、サラッと説明します。
下の図は、注文状況を示す板(いた)というものです。
左側が売り指し値、「○○円以上なら売る」という注文です。
反対の右側は買い指し値で、「○○円以下なら買う」という注文です。
もし成り行きで買った場合、最も安い売り指し値とぶつかります。
成り行きで売り注文を出した場合は、最も高い買い指し値とぶつかります。
指し値で買う場合は、例えば売り買いの間の「495円で買い」といった注文を出して誰かが売ってくるのを待つとか、「もっと安い場面がある」と読んで下のほうに指し値を出しておく、といった方法が考えられます。
株価は日々のザラ場のなか、ある程度の幅で上下します。
だから、そのブレのなかで“有利に買おう”(有利に売ろう)と考えるのも当然です。
1回に数円のちがいでも、売りと買いで2倍、年間に何度も繰り返し売買すれば、指し値注文で有利になった分が蓄積されて大きな差が生まれる──こう考える人が、指し値注文を積極的に利用しています。
こう説明すると、「やっぱり有利なんじゃないの?」と感じるでしょうが、それでも私は指し値否定派です。その理由を説明しましょう。
株における指し値は、不動産取引や一般の商取引のような「相対(あいたい)の交渉」とはちがいます。集団的な売買のなかで値段を指定するだけです。
株の売買では交渉はできず、「価格は市場まかせ」と考えるのが正解です。
株価をコントロールすることは不可能なのです。
では、コントロール可能なものはなにか──自分の売買における「数量」と「タイミング」です。この2つはコントロール可能な一方、価格は市場まかせで、時には突然に方向を変え、時には強烈な上げ方や下げ方をみせます。
予測不能でバンバンと居所を変えてしまうのです。
その株価変動に対して自分なりの予測を立て、そのままポジションに反映させるのが売買・トレードです。
ということは、「買いだと思ったら確実に買う」「売りだと決断したら必ず売る」ことが第一、なにがあっても優先しなければならないことなのです。
チマチマと指し値をしていたら、買わないうちに上がっちゃった……
「売りだ」と思っていたのに指し値が入らず、ガクンと下がっちゃった……
こういう結末だけは、なにがあっても避けたいのです。
それに、毎回のように指し値をして神経をつかっていたら、肝心のトレンド観察や、突発的に方向を変えたことへの対応が、おろそかになるでしょう。
こんな指し値否定論について、納得できないかもしれません。
でも、いちど立ち止まって考えてみてほしいのです。
ちなみに、指し値否定派の私も有効だと思うのは、「逆指し値」というテクニックです。
これについては、12月3日(水)のブログで解説します。
