相場の転換点を見つけるコツ(1) | 株式投資「虎の穴」

いきなりですが、下の値動き図を見てください。
往来を繰り返したあと、上抜け(ブレイクアウト)している状況です。



どう売買するべきか──。
図に示されている高値で売り、安値で買い……それは、あとから見て言えることです。実際には、現実の値動きのなか、その場で行動を決めなければならないのです。

図で示した値動きを、「往来がつづく」と想定して逆張りするトレーダーが売買すると、以下のような結果が想像できます。



下がって買い、上がったところで利食いしながらドテン、カラ売り。
こんな売買で、想定どおりの値動きを取って連勝します。
最後に買いポジションを手仕舞いしてドテン、カラ売りにまわったところ、想定とちがって上に抜けたので損切り(×)……撤退して休みます。

最後の上抜けで“自分の相場”とは異なる動きに移ったことを察知して、素直に撤退を決めたわけです。数回繰り返して利益を取ったあと、その一部をはき出しました。

では、往来から「どこかでブレイクアウトする」(上下どちらかに放れる)と読んで出番を待つ順張り狙いのトレーダーは、どんな売買が考えられるでしょうか。

下の図を見てください。



中央の上昇を見て順張りで買いますが、しぼんだので投げます(×)。
下げたところで、こんどは「下に抜ける」とカラ売りを仕掛けますが、下げ止まったので踏む(カラ売りを損切りする)ことを決断します(×)。
最後に勢いよく上げていく状況に、再び順張りで乗ります。

やっと乗れました。
2回は損切りでしたが、それを取り返しておつりがきそうなポジションが出来上がりました。

両者とも、取れる場所と取れない場所が異なります。
でも多くの投資家は、前半は逆張りで往来を取り、上抜けしていく場面では順張りで買いポジションを持つ……なんてことを考えます。これはムチャです。

先のことがわからない以上、何かしらの想定でポジションを取るしかありません。売買のタイプによって狙いは異なり、同じ値動きで「取れる場所」と「取れない場所」が生まれるのが必然なのです。

さて、このように「自分なりの想定」でポジションを取り、そのあとの展開によって適切な対応を行うのが現実です。

「予測法」だけに頼らず、予測と一体の「ポジション操作法」を考えます。
また、資金効率を最大にしつつ、最悪の事態を想定した「資金管理法」も必須です。

売買は、動作を決める「予測」と「ポジション操作」、そして全体をコントロールする「資金管理」の3つの要素で考えるのです。

動作を決める「予測」と「ポジション操作」にも、前述したように、いろいろなかたちが考えられますが、例えば「上げに乗るための買い場」にもいろいろあります。単に「安くなったから買い」という考え方ではなく、チャートのタテ軸(価格)にヨコ軸(日柄、時間の経過)を加えて、正しく“2次元”で観察するべきです。

―11月28日(金)のブログにつづく―
 

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