損切り貧乏から脱出する方法(1) | 株式投資「虎の穴」

損切り貧乏──なんともイヤな響きの言葉ですが、売買全体がズバリ「損切り貧乏」という投資家だけでなく、株を売買する誰もが考えてみる価値のあるテーマだと思います。

売買の技術、いわゆる上手下手を丁寧に分析すると、いろいろな要素が浮かび上がります。人によって、「○○は上手だけど、○○がいまひとつ」といった課題も見えてくるはずです。

 

売買の結果を決める要素は数多く、それぞれが複雑に関連しているので、いわゆる「損切り貧乏」でなくても、重大なヒントが見つかるかもしれません。

さて、売買・トレードにおいて「損切り」は重要です。
いや、必須です。

マーケット参加者が同じ場で競争している以上、先行きの予想は当たったり曲がったり……99%当たるなんて投資家が1人でもいれば、世界中の金融マーケットを破壊することができてしまうので、高確率で当たるなんてことはそもそもあり得ないのです。

「8割当てる」なんて人も、いないでしょうね。

予測は誰がやっても当たったり曲がったり。
だから、見込み違いは避けられません。
ということは、発生してしまった不良在庫(ヤラレのポジション)は、整理する必要があります。
これが、損切りです。

でも、ただ損切りを実行すればいいというものでもありません。


損切りは、部屋を片づけるときの断捨離と同じですが、捨てるようなものをどんどん買ってきて、次々と捨てていたらどうなるでしょう? 部屋はきれいに保てますが、おカネが減ってしまいます。これと同じで、損切りを積極的に行うだけだと、手の内にダメ玉は残らないものの、資金が着実に減っていきます

ひとつの結論として、「損切りのやり方」を考える必要がある、ということです。
その観点で、損切り貧乏になってしまう原因を3つ、明らかにしました。

1.損切りの値幅が大きい
「これダメそうだ」と感じながらも、当初の予測、つまり自分のシナリオにこだわって先送りした結果、損切りのタイミングが遅くてヤラレの値幅が大きい、というケースです。これは、意外と多いかもしれません。
ちなみに、損切りの回数が多いのは問題ではないと思います(詳しくは後述)。

2.損切りの金額が多い
「1」と同じようですが、値幅がそう大きくないのに、仕掛ける際、いきなりまとめてポジションをつくるためにトータルの損金額が膨らんでしまう、という状況です。

「1」も「2」も、「分割売買」という発想をもつことで解消が可能です。


少しずつ仕込んで状況を判断していく姿勢です。最初の1回、2回は「ためし玉」と位置づけ、ためし玉の段階で損切りするのは負けではないと考えます。また、ためし玉をすぎても株数が少ない段階なら、「損が小さい」という認識で、気分的にもそれほど重たいものではなく、損切りが実行しやすいでしょう。

―10月24日のブログにつづく―
 

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