大学で、交通心理学を学びました。
自分が進む方向の信号は赤なのに、「青であってほしい」という希望があるので、交差する道の信号を見て「青だ」と判断してしまうことがあります。
もっとビミョーな状況が、途切れることなくつづくのが実際の運転です。
希望的観測が強くなる「だろう運転」はよくない、不測の事態を想定した「かもしれない運転」が望ましい、なんていわれますよね。
私も、「なんだか落ち着かない状況」では積極的な動きを抑えることにしています。
高速道路の料金所近くや合流地点付近では、車線変更する車が多いうえに、スピードの変化、車同士のスピード差が大きくなります。
だから、自分は変化を最小限にする、という意識です。
理屈で考えてもできないので、「イヤな感じがしたら抑える」「でも、なにもなければ単純に前へ前へと進む」と片づけています。
売買でも、こんな感覚を大切にしています。
「やたらと手を出すものではない」と自分を制しながら、「ワクワクして仕方がない」となったら迷わずにポジションを取ります。
でも、そのワクワク感が減退したり、なんとなくイヤな感じが芽生えたら手仕舞う、少なくともポジションを減らす。こんなふうに決めています。
ルールがカチッとしている中源線の売買でも、こうした感覚を大切にしています。
「えっ、中源線の解説?」と思うかもしれませんが、中源線そのものが実践者の感性をもとにしています。また、「予測の的中」を求めず、刻一刻と変化する状況への「対応」を主としています。
ちまたの投資関連情報などを見ると、「株は……」とか「相場は……」とひと言で表現しようとしています。
でも、ここで述べているのは、現場を知っている実践者によるものです。
一般的な情報とは、全く次元がちがう存在です。
どんな分野でも、うまくいかなくて苦労している人は、根本の部分で勘違いしていると思うのです。そもそもベクトルがちがう、というやつですね。
技能を向上させようとしても、勘違いがあって練習方法が適切ではない、なんてことも当たり前の“あるある”だったりします。
できるようになってはじめて「練習方法がわかる」みたいな……。
相場でベクトルを誤らせるのは、「天底を当てる」とか「安く買う」発想でしょう。
そこから離れてグイッと実践に近づくひとつの観点は、なにを重視してエントリー(仕掛け)するか、イグジット(手仕舞い)をどう決断するか、という部分です。
エントリーとイグジット──中源線について、あらためて意識してみるだけで、「あっ、少し方向修正できたかも」なんてことがありそうです。
試してみてください。
ちなみに、中源線のエントリーとイグジットについて簡潔に述べると……
- トレンドの方向が変わったと判断して出動
(この「出発点を決める」部分が大きな特徴) - 手仕舞いは、再び方向が変わったとき
ここに3分割の売買がからんで膨らんでいきます。
ちょっとしたアレンジも加えると、相当に膨らみます。
楽しく頭に汗をかいてみてください。