まずは日経平均(その日の騰落と水準)──これが、標準的な相場解説です。
では、個別株と日経平均の関係は?
一般的な相場解説に慣れている投資家は「日経平均が上がるなら、この銘柄も上がる」なんて観察を行うことが多いのですが、錯覚に陥っています。
個別銘柄と関係ない日経平均というものがあり、その動向が個別株にも影響する……のではなく、個別銘柄から算出される数字が日経平均なのです。
個人投資家は、買いやすい出遅れ株に目を向けがちですが、「動きがはやそうな銘柄に乗るほうが手堅い」という考え方も成立します。
範囲を広げすぎたり、浮ついた材料張りに傾くのはいただけませんが、「動かない銘柄を買うのが手堅い」という考え方は実践的ではありません。
むしろ、「上がる可能性が小さいと、相対的にリスクが大きい」と考えるべきです。
「出遅れ銘柄がくることはない」などと予言しているわけではありませんが、「元気な銘柄を買う」「上抜け銘柄を狙う」(上抜けしそうなものも含む)といった選択肢もあるなかで、あえて出遅れを狙う、という決断であるべきです。
選択肢といえば、「難しいから手を出さない」というのも、戦略のひとつです。
株式投資、「必ずポジションを持つ」「SNSで成功を自慢する人と競う」なんてゲームではありません。
株式市場では日々、いろいろな個別株が大きな動きをみせています。
それに対して、投資家がコーフンするような上手な解説が、各方面で紹介されます。
こういった場当たり的な解説に目を向けるのはイモ筋、後悔するような売り買いを演じ、賢明な投資家を助けるだけの行動を取りやすいのですが、流行から外れていればいいということではありません。
動かない銘柄をジッと持っている、ジリジリ下がる銘柄をせっせと買う……こんな行動が利益につながるわけがありません。
やはり、「はやい銘柄に乗りたい」「それこそが“おいしい”」という発想は正しいのです。
「おいしい」は品がないかもしれませんが、「はやい銘柄を選ぶ」は、実践者として捨ててはいけない言葉だと私は思っています。
ただ、「あっ、こっちだった」「あれっ、こっちにいくべきか」と結果を見てキョロキョロしていると、すぐに一線を越えてイモ筋の仲間入りするので、注意が必要です。