相場の予測が難しい理由は……実はカンタンなこと。
真剣に「買いだ」と考えている人と、確信をもって「売りだ」と結論づけた人が同じようにいて“値段がついている”からです。
身もフタもないようですが、この真実から大切なことに気づきます。
「上がる」と考えれば強材料がどんどん集まり、「下がる」と考えれば弱材料がいくらでも見つかる、という現実です。
このブログで、ときどき紹介している「中源線」の基本ルールについて、簡単に説明しておきましょう。
最も人気のあるチャートは、始値・高値・安値・終値の4本値(よんほんね)を使ったローソク足ですが、中源線では情報をシンプルにして「株価の流れを高い視点で捉えよう」と、終値だけのチャートを描きます。
日々の終値を黒い点で描き、点と点を直線で結ぶと、株価変動がジグザグの線で表現されます。
このジグザグの形をパターン分析して、「上向きか下向きか」のトレンドを判定するのです。
投資家がチャートを見て最も注意するのは、「トレンドの転換」です。
すなわち、下向きから上向きに変わる「陽転」、上向きから下向きに変わる「陰転」です。
判断をルール化せずに“感覚的”に捉えようとする場合でも、この観点は同じはずです。
では、中源線のトレンド転換(陰転=買い→売り)を見てみましょう。
中源線が上昇トレンドと判断して買い線(赤)の場合、前日より高ければ「順行」、安ければ「逆行」と認識します。
順行は利が伸びる動きなので、基本的には放置します。
そのかわり、逆行には注意します。
もちろん、上げ相場といっても毎日必ず上昇することはなく、上げたり下げたりでジグザグをみせますが、小さな逆行を抜く大きな逆行があったら、「トレンドが転換しただろう」と判断します。この部分は、中源線の数式に従って判定します。
言われてみれば、なるほど動きが変わったように見えると思います。
カチッとしたルールがないと、こんなケースで「売るべきかな」と思いながら対処が遅れがちですが、中源線は冷静に「陰転だよ」とポジション操作を促します。
実践者の感覚を、素早い行動に直結させてくれるルールなのです。
─8月4日のブログにつづく─