株式投資における情報の扱い方 | 株式投資「虎の穴」

誰もが、株価の将来に目を向けています。とくに“近未来”です。

それなのに、ちまたにある情報は“直近の過去”についてです。

「今日は高かった」とか、「3日連騰している」といった内容です。

「今日は買われそうだ」みたいな予想情報もありますが、海外市況を受けて買われそうだ、というように、特別な分析をしていない情報、つまり、わざわざ解説してもらう必要のない、誰が読んでも「そうだろうね」と納得する程度のものだったりします。

しかも、3,900以上ある上場銘柄を細かく語る余裕はないので、とりあえず日経平均の騰落に触れ、個別銘柄や個別業種については、解説しやすくて読者が納得しそうなネタをかるく並べるだけです。当然、目を向ける方向も評価の基準も日替わりです。

「建設的かつ生産的」な姿勢ではなく、とことんケチをつけまくりましたが、これが状況を整理するための第一段階です。

外部から入ってくる情報にはキケンがいっぱい──状況は整理できましたが、これだけでは、やはり文句を言うだけでおわってしまうかもしれません。

具体的にどんなキケンがあるか、警戒が足りないと自分がどういった行動を取ってしまうのかを考えてみます。

要するに、自分の中に各種の「チグハグ」が生まれることが問題だと思うのです。

外部の情報は過去を語っているだけなのに、「未来を考えている自分の欲求を満たしてくれた」と捉えたら、キケンな勘違いです。万人向けの読みものなのに、勝手な期待を込めて「自分の要求に応えてくれた」と考えるのも、キケンなチグハグを生みます。

情報をゲットするには労力が必要です。
その労力が満足感を生みます。“やった感”があるということです。
最も肝心な「考えること」「アウトプットすること」がないまま、一連の知的作業が完了したような気になってしまうのです。

ある銘柄の株価が500円だったとき、それを見て「買いだ」と思うか「売りだ」と思うか、あるいは「守備範囲外だ」とか「わからない」と手がけることを避けるのか……ここをガッツリと考えなければいけないのに、労力をかけてゲットした情報を並べるだけで、それ以上の作業に移れないのです。

外部からの情報が、とても客観的かつ常に観点が一定ですばらしいものだったとしても、自分の手による情報の取捨選択、評価、分析を行ったうえで結論を導き出すアウトプットのルーティーンがなかったら、行動の質はしれています。

ちなみにプロは、情報を処理するルーティーンを固めたうえで、外部からの情報をゲットします。だから、絞り込んだ必要最低限の情報を、いつもどおりに評価・分析するだけというシンプルな作業が実現します。

このような理想型に近づくための試行錯誤において、「警戒」を怠らないようにしてください。つい情報におぼれないために、落ち着いて進めて「ちゃんとやった」という成功体験を得るために、売買を少し控えめにしてください。


今日買って来週儲けなくても、相場は逃げずに待ってくれています。
 

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